エウレカセブン 第20話 「サブスタンス・アビュース」
レントンが肉体的に精神的に打ちのめされてついに爆発。
スカブが張りついたエウレカがゲッコー号の医務室に担ぎ込まれる。レントンも医務室に入ろうとするが、ホランドに止められる「どうもこうもねえ。お前は外だ」
ミーシャの見立てでは、心肺機能は安定しているので命に別状はないが、今の医学ではエウレカに張りついたスカブを取れないという。
ホランド「エウレカのことはここだけの秘密だ」命じる。
するとタルホ「レントンはどうするつもりなの?」
ホランドは答えない。
ホランドとタルホが医務室から出てくると、廊下には心配そうにしている子供たちとレントンがいた。レントンが「エウレカは?」と訊くが、ホランドは無視。ちびっ子たちに満面の笑顔で「大丈夫だ。大したことはねぇ」と安心させる。
だがレントンはエウレカのことで頭がいっぱいで空気を読めません。
「本当に大丈夫なの?ちゃんとした病院に連れていった方がいい」とホランドを問いただします。
これにカチンとくるホランド。「うるせえんだよ、お前は!大丈夫だっていっただろうがぁ!。俺の言うことがそんなに気にくわねえか!」
レントンも黙っていません「あんたのことじゃなくて、エウレカの話をしてるんだ!」
「やめなさい」とタルホが仲裁に入る。そこにハップからの艦内通信。ボダラクから仕事の依頼があったのでブリッジに来てくれとのこと。
その仕事とは、2時間後に処刑される予定の高僧Xをダブグレイブ刑務所から救出して欲しいというものだった。報酬はかなり良いが、刑務所の近くには州軍の基地があり、作戦として危険だった。
しかもニルヴァーシュ以外のLFOのバッテリーは放電中で、使えるのは1つだけ。ハップは今回の依頼は断わろうとするが、
ホランドは自分だけで作戦を進めるという。
「どっちみち今回は隠密行動だ。俺ひとりで十分。ビークルモードならレーダーにも映らずに・・・」
と話しはじめたところで、切れたレントン。
「ざけんなよ!エウレカより金の方が大事なのかよ!そんなことより病院に連れて行く方が先だろ!」
「金は大事だ。食料、水、燃料。医者にかかるのだってタダじゃないんだ」と低い声でホランドが言う。
「だからって・・・」釈然としないレントン。
「リーダーは俺だ。ガキはすっこんでろ」
さらに切れるレントン「そのガキのおかげで脱出できたんだろ!俺のニルヴァーシュがなければ作戦だって!」
「ああ、わかったわかった。ごくろうさまだったなあ!助かったよ!」ってレントンの頭をつかんで手すりにぶつける。床に倒れたレントンを下に見ながら言う「それとな、いつからニルヴァーシュはお前のものになったんだ?」
レントンが反論する「エウレカがそう言ったんだ。ニルヴァーシュにはレントンが乗るの方がいいねって!」
「ここまでだ、ホランド」とハップが仲裁に入る。
レントンを思いっきりキックするホランド。「最近こいつ調子こいて!」タルホはそんなホランドを黙ってじっと見ている。
キックされたレントンが起き上がる。「俺が守る。俺がエウレカを大きな病院に連れて行くんだ!」と叫んでホランドに掴みかかろうとするが、腕のリーチが長いホランドに頭をつかまれてネコパンチ状態。(ここの一連の絵は最高。)
ホランドに手も足もでないレントンが唸る「くそ、くそ、ちょっとばっかし体が大きいからって!」
「気に入らねえんだよ!てめえのナイト気取りがよ!」とホランドが毒づく。
「気取りじゃない。俺はナイトになってみせる!」と叫ぶレントン。いいねえ。熱いねえ。「手伝わないからな、救出作戦なんて手伝わないからな!」
(この2人、エウレカのことで熱くなってるんですよね)
「思い上がるな!救出作戦は俺ひとりで十分なんだよ!」とホランドが言い放つ。レントンはホランドの指を噛む!ホランドがレントンの腹に蹴りを入れ、レントンはブリッジから下に落ちる。
噛まれた指を見るホランド「できるさ。俺ひとりで・・・」それをタルホはだたじっと見ている。
ホランドが自分の部屋で、ハップと作戦の打ち合わせをする。
「おとなげない。子供相手に本気になりやがって。」と諭すハップ。(飲んでるコーヒーの缶が黄色い。ミックスコーヒーだそうですが、それって伝説のマックスコーヒー?)大人だよとホランドが反論する。「自分が大人だと言い張るのはガキな証拠だ」と言われる。
そこにタルホがやってくる「訊きたいことがあるんだけど」
ホランドは聞きたくないらしく、今はハップと打ち合わせ中だと言う。だがハップはそっと逃げてしまう。あらま。
「どうして受けたの、ボダラクの依頼?ボダラクの高僧ならエウレカを治せるかもしれない・・・」とタルホがホランドに詰め寄る。
「時間が無いんだ。話は帰ってから聞くよ」とはぐらかすホランド。
タルホがコーヒーの缶を蹴飛ばす「逃げてんじゃないわよ。あんたは軍から、あの人から逃げ出す理由にエウレカを使ったんだ」タルホさんもホランドには疑心暗鬼なことがあるようです。
「違う・・・」とホランドが呟く。
「何が違うの?結局あんたは誰かに理由をおっかぶせないと何もできないんだ」とタルホ
「違う・・・俺はそんなんじゃない・・・そんなんじゃない」
床に伸びていたレントンは格納庫に運んでこられたようです。そのレントンにちびっ子たちが水をかける。レントンが起き上がって格納庫を出ようとすると、メーテルが「ホランドに仕返し?やめときなよ」と言う。
レントンがちびっ子たちにちょっと怒り気味に聞いてみる
「お前らエウレカが心配じゃないのかよ?」
ちびっ子たちは心配じゃないという。
「ホランドが大丈夫だって言ったから。いつだってホランドはママを守ってくれたもの。エウレカが僕たちのママになるずっと前から守ってきた」
そんな中、ホランドが複座のR606で発進する。
レントンはニルヴァーシュのコックピットに乗って考える(エウレカみたい)。
「ニルヴァーシュ、お前は一体何なんだ。エウレカみたいにはいかないな。俺にはお前の声は聞こえないよ。」
そこにジョブスとストナーが現れる。
「証拠写真撮っちまうぞ!ホランドからニルヴァーシュに乗るのは禁止されてるだろ」とストナー
「座ってるだけですよ」とレントン。
ストナーがジョブスに話しかける「大丈夫なのかその・・・」
「セブンスウェルか」とジョブスが答える
ニルヴァーシュに乗るレントンにストナーがカメラの焦点を合わせる。
「あれで助かったとは言え、危険すぎる。それになんつーかうまく言えないんだが、収まりが悪いんだよ、フレームの」(好きですねえこのセリフ)
その頃、ホランドのR606は森を走っていた。通信で大丈夫だと言い切るホランドにハップが警告する「お前がSOFのエースだったのはもう3年前の話だ」
するとホランドは「もうすぐ森が切れる、そろそろ通信を切るぞ」
そして刑務所の脇の渓谷に入り、刑務所をコックピットから見上げる
「信じろ。やればできるさ、今だって」
(ホランドが逃げてるのは事実を受け入れることなのかも。)
刑務所内の周囲を高い塀に囲まれた中庭に処刑される高僧Xが出てくる。高僧は両手を広げる。それを見て笑う受刑者「ああやって手を広げて拝んでると神が現れるんだと」
そして神は現れた。リフボードに乗ったR606だ。そして左手で高僧をすくうと刑務所から飛び去る。
しかし地上には州軍のLFOの影が。
ホランドはR606の後部座席に高僧を乗せた。そして
「あんたらの導きとやらで救って欲しい子がいるんだ。スカブの・・・」と言ったところでレーダーに敵LFOの機影が!
「うまくはめられたってわけか・・・」
レントンが医務室に入ると、ベッドに横たわるエウレカをタルホが見ていた。
一方、ホランドは必死に敵の追撃をかわしていた。迫り来るミサイルにチャフを放って爆発させるが、その爆風で風防に頭をたたきつけてしまう。頭から血が出る。首に巻いているスカーフを左手でほどくと後部座席の高僧に渡す。
「おい坊さんよ!そいつで頭を縛ってくれ!血が目に入るんだ。早く!」
エウレカを見つめるレントンとタルホ。
「寝てる間にエッチなことでもしようとしたんでしょ」とタルホが言う。
「そんなタルホさんこそ、ここで何してるんですか?」(レントン否定しないんだよな・・・)
「殺してやろうと思って」それを聞いてレントンがビビる。「冗談よ」とタルホが言うと。今度はむくれる。
タルホの想いがここで爆発:
「むかつくのよ、どいつもこいつも。口を開ければエウレカ、エウレカ、エウレカ。ただの女だったらいくらでも張り合える。でも相手が世界じゃね・・・」(かなしいですねえ)
「ん?世界?」レントンがキョトンとする。(いつまでエウレカの謎はひっぱられるんだろう・・・)
だんだんとホランドは追い詰められていく。
「ホランドよ!これくらいの敵初めてじゃねえだろうが!」
と自分に発破をかけ、敵を振り切ろうと上空から渓谷の中へと急降下する。
今進んでいる渓谷の先がTの字の行き止まりで、谷が左右に分かれていることがレーダーに表示される。
「さぁどうする・・・お前の感はどっちだ。左か右か!左か右か!」
「左!」
でもそこには敵の待ち伏せが!一斉掃射を浴びるR606。ボードが吹き飛ばされ、谷のそこに落下する。
ゲッコー号でも敵の通信を傍受していた。敵パイロットの声「もう逃げられないぞ。じっくりと仕留めてやる。」それを聞き、不安に顔がゆがむタルホ。
「自業自得ですよ」とレントンが言う「目先の金に釣られたから、エウレカを病院に連れてうかないから、バチが当たったんだ!」
思いっきりタルホに引っぱたかれる。そして胸ぐらをつかまれる。
タルホ「あいつが金だけのために動くと思ってるの?んなわけでないでしょ。あいつは、あいつはエウレカのために行ったのよ!エウレカのあれは医者じゃ治せない。治せるのはボダラクの高僧だけだからって。金のため。そんなわけないでしょ。あの馬鹿はいつでもエウレカが大事なんだから。どんな波よりも、私よりも、ひょっとしたらあいつ自身よりも」
ホランドは敵の攻撃をかわそうとするが、R606の右腕を打ち抜かれる。
ケンゴウがホランドを救うため、ゲッコー号を前に出して囮に使うことを提案する。
レントンが走り出す。「俺は・・・」
(レントンの頭をよぎるホランドの言葉「もし彼女になにかあったら、お前を殺すからな。」 エウレカの言葉「他に信じられるものはない。ニルヴァーシュとホランド以外には」、そして子供たちの声「ホランドはずっとエウレカを守ってきた。いつだってホランドはママを守ってくれたもの。」)
「けど俺は・・・・俺はガキだ。何もわかってないただのガキだ!」向った先はニルヴァーシュの格納庫。
満身創痍のホランドは敵のLFOに包囲され、追い詰められていく。ブーメランを持って敵の1機に突撃を食らわして倒すと、それを盾にして銃で反撃するが、敵弾に銃を飛ばされてしまう。
もうホランドに逃げる術はない。コックピットから空を見上げる「元第一機動部隊SOFのエースがこの様か。ハップの言うとおりだ。まったく何やってんだ、俺。ほんとだせえぜ」
すると空中で敵のLFOが爆発!
前進してきたゲッコー号で敵の無線をハップが傍受している
「慌てるな!距離をとれ!取り囲んでしまえばどうってことはない!」
「しかしあれは、タイプゼロです!」
颯爽とリフボードに乗って登場するニルヴァーシュ!敵をブーメランで真っ二つにしていきます。
それを見ているホランド「あのちびっ子、たった1機で突破してくるとはなあ。まったくガキのクセに。」
空中に展開してた敵部隊が全滅する。
「タルホ、間に合ったぞ、あいつ」とハップが言う。涙ぐむタルホ。
これで終わるならハッピーエンド。しかし今回はこっからが凄い。
レントンは子供だと認識した(エウレカを守れていない、もっというとホランドになれていない)悔しさで暴走しています。
「俺はガキだよ。何もできないガキだよ。単なるガキだよ。でも、」地上に降下するニルヴァーシュ。
「俺は何も知らなかったんだ。ホランドのことも、エウレカのことも。何もかもすべて!」
敵隊長機(01)からの通信:「各機、大丈夫か?」
「02より01。このまま接近戦に持ち込まれれば部隊の被害が増えます」
01「煙が晴れたら、一斉掃射だ!」
そして煙が晴れて姿を現したのは、両手にブーメランを持った鬼の形相のニルヴァーシュ。いつもは緑の目が赤く輝きます。
3機の敵LFOがニルヴァーシュに向けて掃射を開始する。
「ちくしょー!!」とレントンが叫び、ニルヴァーシュは銃弾をかいくぐって、敵めがけてローラーダッシュで突撃する。そして前衛の2機に肉迫すると、ブーメランを横に振るって両機を真っ二つにする。切られた胴体から血が吹き出す!返り血を前進に浴びるニルヴァーシュ。殺人鬼です。
そして隊長機めがけて突っ込み、ブーメランをLFOの胴体に突き刺す。
そこにホランドからの攻撃中止の通信が入る「さんざんいたぶられたお礼だ。もういい、レントン」
しかしレントンは怒りで我を忘れている
「ちくしょー!」と叫んで反対側にいた最後の1機に突進する。
そして地面に突き立てていたボードを取ると、LFOめがけて投げつけた。ボードは敵の胴体を貫通する。大量の血がボードに食い破られた装甲から吹き出す。完全に作戦不能になっているのに、レントンが乗るニルヴァーシュは蹴りを食らわせ続ける。恨みで殺した人間をメッタ刺しにしているような凄惨さです。
「ちくしょー!」
ホランド「おいどうしたレントン!もういい!おいレントン!」
ニルヴァーシュは赤い目をしたまま執拗にLFOを蹴り続ける。
「おい聞いてるのか、レントン!返事をしろレントン!」
今度はパンチで敵LFOの頭を潰すニルヴァーシュ。そしてただひたすら殴り続ける。周りにはズタズタに切り裂かれた屍のようにLFOの残骸が血塗られた地表に散乱している。
「落ち着けレントン!もういいんだ!もう終わったんだ!」ホランドが叫び続ける。
「ちくしょう!」と連呼しながら、レントンはただただ殴り続ける。
そうすると崖の壁面から黒いものが浮かび上がってきて、ヒトの形になり、それがニルヴァーシュを包む。その一部が盛り上がりニルヴァーシュの顔に近づくと、レントンの顔が現れる。それを見て絶叫するレントン。さらに激しく殴る。
「ライダースハイ。いや、それを通り越している。あれがレントンに乗っているとしたら・・・」どうだってんだ!はっきり言ってくれ!(ストナーの「収まりが悪い」に通じるのでしょうか?)
殴られ続けた敵のLFOは胸部の装甲がはがれ、コックピットに横たわるパイロットがあらわになる。ニルヴァーシュはありったけの力を右足に込めて踏みつけた。
我に返ったレントンが足をどける。ニルヴァーシュの足の裏には、血まみれのヒトの腕が垂れ下がっている。そして地面に落ちる。コックピットの拡大スコープには上腕部から引きちぎられた血まみれの腕が転がっている。しかも指にはめたエンゲージリングまで見える大きさで。
事態を理解し。嘔吐するレントン。
つづく。
今回はもう完全に降参です。すごい。すごい。後半は完全にヤラレマシタ。そういう展開か!ですよ。15話でレントンの自己主張が出てきて、最後におじさん捕らえられちゃってバッドエンディングだなあと思っていましたが、ここにつながるんですね。あとこの話でエウレカさんが「こんなのニルヴァーシュじゃない」と言っていたのも、こういうことだったのでしょうか。
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今回はすごかったですねぇ・・・
ライダーズハイ状態のとき、一瞬タイプゼロがタイプジエンドに一瞬写されたり(しましたよね?)。
あのあたりがホランドがいいたかったところなのかなぁと思ったりしてみました。
しかし、今回はついレントンと自分を重ね合わせてみたりするような感じで、自分についても考えさせられたりしてました。
投稿: いしの | 2005/09/10 01:33
あれはジ・エンドでしたか!そうすると合点がいきます。あれがなんなのかしっくり行かなかったので。
ホランドはそこにあるんでしょうね。サブスタンス=ニルヴァーシュということだと乱用は危険。
投稿: 竹花 | 2005/09/10 13:01