地球幼年期の終わり
アーサーCクラークの「地球幼年期の終わり」を読みました。
傑作だそうです。確かに面白い。ガンダムの元ネタと言われる所以がわかりました。あとエウレカセブンにも似てますねえ。
導入部は1970年代くらいで、米ソのロケット競争が起こっている時代に<上主>が宇宙より到来して、地球連邦が成立し、人類の幼年期は終わると。
後半の人類が飢餓などから解放されて、後退するというのが面白い。
この人類の幼年期の終わり方がなんとも切ないというか激しいというか。人類が滅亡しちゃうわけですから(まあ新たな段階に飛翔したわけですが)。「星(宇宙)は人類向きではない」ということですし。
ニュータイプを選択するか、高度な技術を持っているが、ニュータイプになれない<上主>のどちらが良いかと言われたら、<上主>が良いなと思います。
<上主>には宗教や神秘主義みたいのはのですが、人類にはあった。なぜか?どうして人類の宗教に「悪魔」が存在するのか?それは人間の秘められた能力の一端を証明するものだという説明と、時間はかなり複雑だという話が巧い。
最後の
「自分の目的を助けてくれた人々、あるいは邪魔しようとした人々、すべてをふくめてカレレン(<上主>の地球総督)は、自分がかつてなじんだ人間に対し、手を上げて無言の別れを告げた。」が良いですよ。新たな段階に飛翔し、滅亡する人類を見届けて去っていく姿に哀愁を感じます。
面白い記述(書かれたのは1953年):
21世紀に入り、人類の独自性と芸術と守ろうとする人の意見「毎日500時間にも達するラジオ、テレビ番組が放送されてるんだ。・・・現在、人間一人あたりの平均テレビ視聴時間数はなんと1日平均3時間にもなっていることを、きみはご存知か?」
ちなみにアメリカでは2004年の1日テレビ視聴率は4時間を超えています。
(http://www.asahi.com/culture/enews/RTR200509300049.html)
宇宙人も来てないのに人類はテレビ大好き。
おっと違った
こちらです。図書館にもあります、
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