あえてウィリアム・ギブソンのドキュメンタリーを見る
小説「ニューロマンサー」でサイバーパンクの火付け役になったウィリアム・ギブソンのインタビュー・ドキュメンタリー(ウィリアム・ギブソンとの対話)がAIIで無料配信中です(会員のみですが、会員費はかからないようです)。
リンクはこちら(http://screenplus.jp/contents/aii_jp/cinema/c_s0194/c_s0194.html)
面白かったですよ。ウィリアム・ギブソンには社会がどう見えているのか。国境的な制限がデータのやり取りという面で存在しなくなっているという話です。確かにソニー銀行には「支店」はないですが、日本中どこにいてもインターネット接続すればアクセスできます。携帯で支払いできたりできます。あれが書かれた社会に気がつかないうちになってるんでしょうね。
そのうちサイバースペース(電脳空間)の「サイバー」は「電気」みたいに日常的になりすぎて使われなくなると言ってました。電気掃除機、電気洗濯機たしかに「電気」とはもう言わないですね。
電脳空間の着想はゲームセンターで子供がゲームをしているとき思いついたそうです。あの子供たちはゲームの「中」でプレイをしてるんだと。MMOなんか完全にサイバースペースですな。
そしてインターネットは人間神経系の拡張だと言ってました。これって「地球幼年期の終わり」での意識の拡張のひとつの形ではないかと思います。クラークはそれを生物的進化という形で表現したわけですが、現在の社会はあれでいうなら<上主>的なアプローチでそれを成し遂げているのではないかと(クラークの進化は科学を超越してますから、完全には当てはまりませんけども)。
実はアメリカの南北戦争時代に銀板のヌード写真が登場していたらしいです。北軍の兵士はそれをポケットに忍ばせて戦っていたわけですね。なんでそんな話になるかといえばインターネットの普及には「アダルト」が大きな原動力になっている話につながるからです。とってもサイバーパンクです。
途中でU2のボノがニューロマンサーの冒頭部分の朗読をしますが、ニューロマンサーはやっぱりカッコいい。あれはレイモンド・チャンドラー風だと本人も言ってました。納得です。アウトローなハードボイルド系。ブレードランナーと似てるのもうなずけます。
ドラッグはやめましょうと本人が言ってました。あの容姿からするとドラッグで体を蝕むのかなと感じました。70年代なんでしょうけどね。
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