EU2 イングランド王の野望(目指せブリタニア帝国) 第6回:オーストリアとの戦い!
前回までにイングランドは幾多の戦いを経て属国化したフランスの国土統一に大きく近づきました(リンク)。しかしここから国家分断の危機がやってきます。宗教改革です。
イングランドはヨーロッパ大陸にも領土を持っています。宗教改革が起こるとこれが反乱の火種となりかねません。歴史的にイングランドはカトリックから離脱して国教会を創設します。しかしフランスはカトリックを堅持します。どういう宗教政策や統治政策を採用するかによってイングランドが大陸領土を維持できるか、喪失するかが決まるといっても過言ではありません。
しかしその前にオーストリアとの2度にわたる戦いが起こります。
1485年8月21日イングランド、ボスワースの戦い においてリチャード3世がヘンリー7世に破れ、チューダー朝が開かれます。
シェークスピアの「リチャード3世」で、リチャードは突撃の後に落馬して 「馬を! 馬をよこせ! 代わりに我が王国をくれてやる!」 と泣き叫ぶそうですが、これは嘘らしいです。とはいえカッコイイ。このイベントが起こったことでイングランド本国での反乱リスクが低下し、中央集権化が進みます。
1500年1月2日「エラスムス」登場
革新+1、中央集権+1されました。ありがたい。
1500年11月30日、オーストリアとその同盟国がイングランドの属国アルトワに宣戦布告してきました。これに対してブルターニュとフランスが同盟を遵守してオーストリア同盟に宣戦布告、12月7日にはイングランドも宣戦布告しました。なぜ1週間後かと言えば、オーストリアの外交状況を確認していたからです。
1500年12月の外交状況
(クリックで拡大できます)
黄色い丸がオーストリア同盟諸国。水色の丸がアルトワです。なぜオーストリアが宣戦布告したかと言えば、アルトワの北東にある赤い地域(フランデレン、ブラバント、ゼーラント)がブルゴーニュからオーストリア領になったからです。
オーストリアとスペインが手を組んでフランスに攻めこむ危険性が低いのでイングランドは宣戦布告します。オーストリア本国に攻め込むのは時間と戦費の浪費になるので、ここはフランデレン、ブラバント、ゼーラントを占領して、同盟の盟主であるオーストリアとの講和に持ち込みたいと思います。図示するとこうなります:
戦力の一点集中です。
この危機に乗じて1502年4月24日、ブルボネがブルターニュに宣戦布告します。ブルボネもブルターニュもフランスの属国だろうに、ここで内輪もめとは泣けてきます。イングランドはオーストリアとの戦いを優先するためブルターニュからの参戦要請を拒否します。(おかげでブルターニュ=ミーズ=アルトワとの同盟関係は消滅しました)
オーストリアとの戦いの推移:
1502年6月26日:ゼーラントにてオーストリアの同盟国オルデンブルク軍を破り、同地の包囲を開始。
1502年9月3日:ゼーラントの包囲を開始するも、10月30日にオルデンブルク軍によって撃退される。
1502年11月25日:フランデレンにてオーストリア軍に敗北。この辺りが潮時か。
1503年1月28日:オーストリアに占領されていたアルトワを奪還。
1503年2月9日:オーストリアが60ダカットで講和を求めてきたので応じます。イングランドは九死に一生を得ました。
ブルボネとブルターニュの戦いはブルターニュが1503年7月19日にブルターニュが36ダカットを支払って講和しました。
それから7年後の1511年12月9日、オーストリアが再びイングランドの属国アルトワに宣戦布告しました。1500年の戦争とまったく同じオーストリア同盟軍VSイングランド諸国軍(アルトワ=ミーズ=ブルターニュとは同盟関係がないので)との戦いです。今度こそ目に物見せてくれるわ!
1515年4月までに、イングランドはオーストリア同盟軍を蹴散らしてブラバント、フランデレンを占領し、ゼーランドに対する攻城戦を開始しました。
周囲にオーストリア軍はもういない!
今回はフランス軍が善戦し、南部のオーストリア領(今のスイスの辺り)を攻略しました。1515年4月22日の段階で、戦いはかなりイングランド優勢(69%)に進んでいます:
そして翌年の2月12日、イングランドはオーストリアから複数のプロヴィンス割譲を条件に講和しました。イングランドはオーストリアに勝利しました!この戦いにおいてイングランドはフランデレンとゼーラントを、フランスはスイスを得ました。
開戦前の領土(1510年)
白い地域がオーストリア領です。
そして停戦後の状況(1518年)
水色の丸がイングランド、緑の丸がアルトワ、赤い丸がフランスが今回の戦争で得たプロヴィンスです。
2度にわたる戦争でイングランドはオーストリアを破り、西ヨーロッパにおける優位を確立しました。領土を拡張するのは国家繁栄の礎ですが、あまり広げすぎると多宗教国家になって反乱が多発して身動きが取れなくなります。
そして1518年6月2日、ついに宗教改革がイングランドでも起こってしまいました。
イングランド本国の一部(アングリア)とスカンジナヴィアの一部とバルト海沿岸が他よりも濃い茶色になっています。これはこの地域がプロテスタントになったということです。イングランドとしては国教はまだカトリックを維持します。フランスや周辺諸国がカトリックだからです(宗教が違うと婚姻できなくなります)。しかしアングリアでの反乱リスクは高くなります。
当時のカトリックにとっては(今ではない)、プロテスタントは共産主義のような存在と言えるかもしれません。
ということで、プロテスタントの爆弾を抱えたまま次回に続きます(リンク)。
日本もプレイできないことはありません。
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コメント
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まいど!じろうです
関係ないかも知んないけれど
クルセイダーキングも、買っちゃいました
小生のロシア最早敗北の兆しがあります
開戦理由もなく
スェーデンを攻撃したら
逆に大金持ちの国に返り討ちにあい
ぼろぼろ状態です
投稿: じろう | 2006/12/27 15:25
じろうさん、どうも!
クルセイダーキングはよく知らなかったのでレビューを見てみました。
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20040601/ck.htm
マップ画面がEU2とまったく同じです。これは面白そうですね~。
開戦理由がないと安定度が下がって大変ですね。しかし今が攻め時だと思って攻めてしまうこともあります!外交で相手を挑発するのも手ですが、金持ちは難儀ですね。
まったくパラドクスはゲーマーに忍耐と諸行無常を強要する禅寺のごとき会社ですね(笑)。
投稿: 竹花です | 2006/12/27 23:10