911から6年目ということで「ファルージャ 栄光なき死闘」
6年前に911事件でワールドトレードセンターが倒壊して、アメリカはアフガニスタンとイラク戦争に踏み切りました。イラク戦争反対論が強まる中、あえて読んでみる「ファルージャ 栄光なき死闘」
テロ特措法反対の小沢一郎さん、これ読んで下さい。
パウル・カレルの「焦土作戦」や「バルバロッサ作戦」を髣髴とさせる内容です。ファルージャの戦いにおけるアメリカ軍の戦闘詳報をそのまま本にしたんじゃないかというくらい緻密です。「海兵隊は最強だ」はある意味嘘じゃない。困難に立ち向かう姿に感服します。
ファルージャは武装勢力の牙城であり、それを掃討すべく海兵隊がファルージャ市街を制圧するはずが、途中で作戦中止命令が出たりします。しかし最後にはファルージャを制圧します。
海兵隊はアメリカ政府の政治的失敗の尻拭いを命じられ、それを血と銃弾で遂行したのでした。
戦闘は混乱し、どこからともなくディッシュダッシュ姿の武装勢力が出没してAKをぶっ放し、家に隠れた海兵隊員は四方八方から銃撃やRPGの猛攻を受けるという具合です。死闘とはこういうことを言うのですよ。
国際世界のイラク戦争認識はアルジャジーラによって形成された部分があるとの指摘が出てきます。それは正しいでしょう。武装勢力は正義の味方じゃないです。アメリカの軍事占領からイラクを解放しようとしているのでしょうが、目的はなんですか?
この本を読んでると、無能なイラク人の長老と武装勢力に心底にむかつきます。武装勢力は言うなれば武装ヤクザです。権力と金を暴力で支配したいだけの連中です。彼らがイラクの将来を考えてるというなら、警察署に自爆テロとかおかしいですよ。
第27章「地獄の家」と28章「五人の伍長」は熱いです。
第27章、強力な敵の手によって次々と海兵隊員が倒れていきます。その敵の正体が最後にわかります。アルジャジーラがいないと断言していた連中です。
崩壊しつつあるイラクを救おうとした新生イラク軍大隊司令官のスレイマン中佐に冥福を。
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おおっ! この本は熱いですね。
私の愛読書で、本棚の一番いい場所に置いてあります。
もう一度読み直したくなりました。
投稿: あやや | 2007/09/12 21:17
あややさんも読んでましたか~。
これは凄い。ほんとに凄かったです。
投稿: 竹花です。 | 2007/09/12 22:14