アメリカン・ギャングスターはアウトローな立身出世物語★★★★★
どうしたリドリー・スコット監督よ。普通に面白いぞ。
黒人の麻薬王にのし上がったフランク・ルーカスと、正義感のあるはみ出し刑事のリッチー・ロバーツの立身出世映画です。
まったく別の人生を歩む2人の2本の映画が1つになった映画です。
この2人、対照的な人間です。フランクが家族を大切にする、律儀な男なのに対して、リッチーは女にだらしない、離婚問題を抱えた男です。
この2人が人生の転換点を迎えて、互いに敵同士になります。しかし映画としては本当の敵はまた別にいます。この敵がいなかったら本当に2本の映画を1つにしただけで終わったでしょう。上映時間も3時間に及びます。しかしこれだけ長いからフランクとリッチーというキャラクターもよく描けています。
ヴェトナム戦争という時代を背景も、音楽もなんだか1970年代でイイですよ。「ゾディアック」より自然に70年代です。テンポの良い黒人側の70年代の場面が多いのも、ググっときます。
個人的には、フランクは市民のジャンキーにしてしまう犯罪者ですが、麻薬王として頂点に登りつめる様はかなりかっこいいです。デンゼル・ワシントンは卑怯なほどカッコイイ。しかしそこで話が終わらないから、映画としてすっきり終われるのかも。
しかしエンドロールが終わってからのシーンはなんですか。
これと一緒に観ると良い映画
フレンチコネクション1&2
特にフレンチコネクション1。舞台がニューヨークなのでアメリカン・ギャングスターとかぶります。1970年代に撮影された70年代のアメリカとアメリカン・ギャングスターの35年以上たった2007年に撮影された「70代」を比べるのも面白いと思います。フレンチコネクション1はブレードランナー(特にワークプリントのオープニングとか、最後のシーンとか)に似てる部分があります。
最近観たクライム・ムービー。
ジム・ジャームッシュの「ゴースト・ドッグ」
「武士道とは死ぬこととみつけたり(『葉隠』 山本常朝)」に従って生きる黒人のヒットマンの話。こんなにカッコいいデブはそうはいません。フォレスト・ウィテカーって凄い(ラスト・キング・オブ・スコットランドのアミン役も良かった)。RZAが音楽担当ですが、音楽がきわめて良いです。アメリカン・ギャングスターでは俳優として出ています。間違ってる武士道ですが、これはある意味わざとでしょう。そこに悲哀とともに漢を感じます。サムライ以上にサムライです(※ジム・ジャームッシュはだるい人にはだるいです。ご注意を)。
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