崖の上のポニョ ★★★★★
映像が圧倒的。台詞が少なくて絵で勝負している映画です。
トロロと同じくらいに面白い!(ワタシの中では、トトロ、カリオストロ、紅の豚が同列1位です)
いつもの宮崎駿の映画かもなあと思って行ったら、始まってから5分で崖から落ちました。
リアルな世界でのファンタジーな映画です。しかし!いろいろな意味でぶっ壊してますよ。
まったく宮崎駿という人は
天上天下唯我独尊
です。
「ゲド戦記」で「宮崎駿」ぽいのが作れることに衝撃を受けたのかどうかは知りませんが、これは宮崎駿じゃなきゃ作れませんな。「アニメ作家宮崎駿はここにいる!」みたいな映画です。
とにかく絵を見てくれと、ワタシは言いたい。一見よくあるアニメぽいのですが…
町の全景がここぞというときゴッホの絵みたいにデフォルメされてるんですよ。タッチもああいう感じです。それと波の描写と船の描き方。波が浮世絵みたいな波なんです。水しぶきを細い線で表現するのも良いです。
水没しちゃった町。船が町に浮いてるんですよ。これ幻想的だなあと思いました。
デボン紀の魚とかカンブリア紀の生物とかも、ぞくぞくしますな。
拙者がニヤリとしたのは、町が水没したあと、住民が山盛りに乗った漁船がホテルに退避するシーン。あの大漁旗を掲げて漁船が隊列を組んで航行するのが宮崎駿ですよ。手漕ぎボートと拡声器持ってる男の人もニクイね。この2つの要素が最近の宮崎駿の映画にはなかったなと。
総括:面白かったです。
お話について(観てない人は読まない方がイイですよ)
かなり説明が少ない話だと思います。ブレードランナーも説明多すぎると面白くないでしょ?映像が面白ければ説明は少ない方が良いんじゃないかと思います。
たとえば、ポニョがチキンラーメンを袋から出すと、宗介のはちゃんとしてますが、ポニョのは砕けてます。ただそれだけです。その前にポニョがランプをずっと頭に載せて暴れ回っていました。砕けたラーメンだけだから逆にポニョが何をしてたか伝わるんじゃないかと。
この映画、2部構成(起承転結が2回)になってるような気がします。これが「なんですかこの映画?」と思わせる一端になってるのではないかと。前半はポニョが宗介に会いにくるまで、後半は宗介がリサに会いにいく展開。1本にまとめるのが、子離れできないお父さんの執着。
お父さん(フジモト)「月が地球にぶつかる」みたいなことを言ってましたが、あれは娘を渡したくない方便じゃないかと思います。その前に船員が月が近づいてるんじゃなくて「海が盛り上がってる」とか言ってましたし。
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