キャシャーンSins 第12話 生きた時を色にして
これは2回見た方が良いです。最初と最後がつながってます。
色が本当に効果的な話です。
舞い落ちる雪。銀色に塗られた町。道端に朽ちたロボット。
キャシャーン…
夜に飛ぶ虫は月に向かう…
笑わない月と、力尽き落ちていく虫けら…
深々と世界は静かになっていくなあ…
お前はまだルナを探しているのか!
ここで暗転して、タイトル「生きた時を色にして」
鳥肌立ちますな。
滅びが進むマルゴー。生きる証に町を自分の色に塗り替える、車イスのロボット。
「滅びを憂うのではなく、今をどう生きるか、大事なのはそれだよ!」
これまた良い話です。
後半、キャシャーンがまた暴れて、マルゴーが銀色に塗った町を壊しました。
マルゴーはまた塗れば良い、歴史は永遠に塗り変わるものさと言って、壊れた壁と死んだロボットたちを銀色に塗り始めます。町の過去の記憶にするように。
ここで「蒼き影」ですよ。
そしてマルゴーがキャシャーンに頼みます。
青年よ、僕を僕色に塗ってはくれまいか?
ブラシを持つ右手をキャシャーンに差し出すと、
その右手が崩れます。
今度はタイヤが崩れます。
さあ、頼む。僕を僕色に…
躊躇するキャシャーン。
ならば君が望む色に。
君が記憶がないと言っていたが、記憶は日々積み重なる。僕と出会ったのもその1つだ。だから忘れないでくれ。滅びに抗うことはできない。でも誰からも忘れ去られてしまうのは悲しすぎるよ。せめて残したかったな。僕の色を僕の町に…
命尽きるマルゴー。
良い話です。大晦日にとっておいてよかった!
最初見ていて、これがこれまでのストーリーにどう絡んでくるのかちょっとわからなかったのですが、最後に死んだマルゴーを見つけたリンゴの台詞で泣きました。
キレイ…一生懸命生きて、死んだのかな。
雪、ずっと溶けないままいればいいのに。
ブレードランナーのロイバッティの最後の台詞を思い出します。
刻はすべて消えていく。雨の中の涙のように。
そしてキャシャーンの最後のナレーション。
記憶は心に雪のように降り積もる。しかしそれは溶けない。
めっちゃ良い話だ!
余談:
マルゴーは銀色とは言っておらず、キャシャーンが銀色の回廊と言ったら、太陽の道だと答えてました。色で答えていません。
色即是空 空即是色
なのでしょうか。
月に見捨てられ、太陽を見出した虫けらに祝福あれ。
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