GMの破綻は誰の驕りのせいなのか?
驕りとは、「思い上がり」(yahoo辞書)だそうです。「おごれる人も久しからず」ですか。あえて問うとすれば、誰の驕りなのか?
産経ニュース【GM破綻の衝撃】(上)おごりの体質 国民は見放したより、
「ゼネラル・モーターズ(GM)は何も間違ったことはしてはいない」デトロイトから北東約150キロ。ミシガン州ランシングの全米自動車労組(UAW)第602支部のブライアン・フレッドライン支部長は、建物を取り壊してすっかり更地になったGMの工場跡地を見渡しながらつぶやいた。(中略)
中流層の成長と大量消費時代を迎えた1950年代には、GM、フォード・モーター、クライスラーのビッグスリー(米3大自動車メーカー)の米シェアは90%台に達した。「GMにとって良いことは、国家にとっても良いことだ」。当時のチャールズ・ウィルソン社長は胸を張ってこう語った。しかし、クライスラーに続き、GMまで破綻に追い込んだものは、この時代に醸成された“おごりの体質”にほかならない。
国際競争を勝つために付加価値を高めるという戦略が日本でもよく言われますが、GMはまさに付加価値の高い大型車の生産を強化してドツボにはまったわけです。この戦略は一時的に成功したのですが、世界の状況が一変してしまいました。もし世界の状況が違っていれば、GMは破綻することはなかったでしょう。もしGMが労働者(と退職者)の医療費負担がもっと少なかったらこんな破綻にはならなかったはずです。
驕りっていうのは「当たり前」っていうところから来るんだと思います。GMは大企業だからこんだけ出してもらって当たり前、みたいな。強すぎる労働組合は企業を滅ぼすかも。
GMの話、対岸の火事ではないと思います。日本の社会保障制度もクレクレばかりでは立ち行かなくなります。誰かが払わないと持ちません。
それでも企業年金よりは公的年金の方が安全性は高いでしょう。日本の年金は危ないとか一時言われてましたが、その時、変額個人年金保険がひどいことになるとか、AIGに公的資金が注入されるとは誰も思ってなかったでしょう。
日本の報道では、GMは破綻してすべて終わったというような雰囲気がありますが、アメリカではそうでもないような気がします。株価も上昇してます。GM従業員やディーラーは再生に期待しているという形で話を結んでいたりします。
日本人が思う以上に、アメリカ人は打たれ強いのかも。山本五十六もここを読み誤ったわけですな。新型インフルエンザの対応もそうですが、アメリカは死者も出てるのに過剰は反応はなかったようです。
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