龍馬伝 第8話 弥太郎の涙
寺島しのぶがベルリン映画祭で主演女優賞ですか!
弥太郎が走る!
弥太郎が憤る!
弥太郎が泣く!
もうこれは弥太郎のドラマですよ。
それでいいんです!
弥太郎の父が、川の水を独占する庄屋(島田便右衛門)に文句を言ったら、半殺しにあったとの手紙が江戸にいる弥太郎のもとに届きます。
江戸から土佐までは普通なら30日かかるところを、昼も夜も走って走って、足を血まみれにして15日で帰ってきます。
「どこまで息子の邪魔をするんだと」怒りながらも土佐に駆けつける弥太郎は、意外と父親想い。
竜馬は武市半平太に弥太郎の件で相談に行きますが、攘夷至上主義の半平太にコンマイことだと「事業仕分け」されてしまいます。半平太は門弟を増やしたおかげで、剣術修行の名目で江戸に行く許可を藩よりもらいます。しかし半平太の真の狙いは他藩の攘夷派と会うこと。
竜馬は加尾と一緒に町に出かけますが、饅頭屋長次郎がひょっこり現れて、加尾に竜馬はまた江戸に行くと要らぬことを吹き込みます。ショックを受けて、どこかに去ってしまう加尾。ここで長次郎から、島田がお奉行に付け届けをしているので、庄屋に咎めなく、弥太郎の父が悪いことにされてしまったと聞きます。
竜馬は弥太郎に、奉行が賄賂を貰っていることを吉田東洋に伝えようと提案します。(ここでニュース速報。長崎県知事選で自民系の中村法道氏、当選確実。民主党の幹事長は賄賂疑惑がありますからねえ。)
そして竜馬と弥太郎が吉田邸に行ったとき、蟄居中の東洋は般若心経を写経しています。そういう男なのか!
書いているのは「色不異空 空不異色 色即是空 空即是色」のあたり。「色は空に異ならず、空は色に異ならず、色は即ちこれ空なり、空は即ちこれ色なり」と読み、意味は「諸々の存在物は因縁によって生じたものであり、固定的な実体というものが無いということ」だそうです(リンク)
竜馬と弥太郎は安芸奉行の裁きが不正だから、裁きをやり直して欲しいと直訴すると、東洋はどこにでもあることだと喝破します。
ならばなぜ藩主の親戚である松下嘉兵衛の酒癖の悪さを叱責し殴ったではないかと、竜馬が尋ねると。
わしは殴ってもええ、天才じゃき
と豪語する東洋。
こういう人、大好きです。
そのうちワシは参政に返り咲く。わしがいかに有能なかお殿様は分かっておられるきのぉ。
そんな人間は何をしてもええがじゃ!
岩崎弥太郎、お前は何を持っちゅう?
坂本竜馬、お前に何ができる?
何の力も持たないものは、黙っちょるしかしかたがないがじゃ。
それが世の中ぜよ。
そんで弥太郎は奉行所の扉に刀で、
官以賄賂成。
獄因愛憎決。
と大きく刻みます。
なんかマルティン・ルターがヴィッテンベルクの教会の扉に、贖宥状でぼろ儲けする教皇に異議を唱える「95ヶ条の論題」を貼り付けた話みたいですが、実際に岩崎弥太郎はやったんですね。おかげで牢獄にぶち込まれます。
頑張れ弥太郎!
瓦と粘土を交互に積み重ねた練り塀って趣がありますなあ。
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