竜馬伝 第五話 黒船と剣
今まで見た中で一番面白い黒船来航でした。
黒船来航の緊迫感が出まくりです。
対応に苦慮する阿部老中は、浦賀奉行に対してアメリカ国王からの親書を受け取らず、とにかく時間を稼げと命じます。
普天間基地の移転問題で結論を先延ばしする鳩山首相みたいです。歴史は繰り返すのでしょうか。
日米交渉が英語→オランダ語→日本語っていうのをちゃんとやっててイイですねえ。
ペリーは親書を受け取らないなら、兵とともに江戸に向かうと幕府に脅しをかけます。
これに対して阿部老中は江戸湾一体の守りを固めるように下知。そう命じられた浦賀警護の大名が配置したのが長槍の足軽隊。まるで戦中の竹槍隊ですな。
無知は恐ろしい。
浦賀を守っていた竜馬は持ち場を抜け出して、偶然出くわした桂小五郎と一緒に巨大な蒸気艦たる黒船の威容を目の当たりにします。
これで竜馬のマインドセットが一変。
刀で黒船に勝てるかと疑問を持ち始めます。でもそれは千葉道場を辞めることであり、侍を辞めること。
それ以外の人物もそれぞれの道を歩み始めます。
武市半平太は幕府の対応に憤り、「異国の奴らの足で神国日本の土を汚されては、京におわす帝に対し奉り申し訳が立たん!」と尊皇攘夷の意を固め、高知藩主に意見書を提出します。(武市半平太の道場の神棚に蝋燭が灯っているのがいいですな)
岩崎弥太郎も意見書を出すものの、藩主に認められず。悔し紛れに自分は意見書を出してないと加尾と子供に言い張ります。そんな彼はまことの大器晩成。
前回は男勝りだった千葉佐那が、今回はしおらしく和服をきて、兄が大好きな金つば焼きを竜馬にあげる始末!これも黒船の影響なのか!
否!恋である!
「いもきん」はうまいです。
桂小五郎は尊皇攘夷と開国のどちらが正しいのか考えあぐね、その答えを書物に求めます。こういう葛藤をもった人間を描くのは面白いですよ。
アメリカ国と戦うべきかどうか悩み続ける竜馬は「異人の首を討ち取ってやる」と土佐の家族に書き送ります。
しかしお姉さんからは「お前は異人の首を討ち取ってというのは本心じゃない。お前らしい生き方を探せと、それを見つけてこそ、自分が何を成し遂げるために生まれてきたかが見つかると」という手紙が届きます。
揺れ動く竜馬は千葉道場の主にその心を見透かされ、剣で黒船が倒せるかと本心をぶちまけちゃって、道場を追い出されます。父や家族の期待を受けて土佐を出たのに、道場を追い出されて泣いてしまう竜馬。
でも英雄は、英雄になるために今ある地位やしがらみを捨ててひとりで旅に出なければならないのです!
余談:日米安保の問題といい、日本は外交的窮地に立たされるときに何故か家定とか「うつけ者」が指導者になっちゃうんでしょうか。悲劇としか言いようがない。
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