2025年3月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

« 拙者は佐幕派 | トップページ | 鳩山さん、10分の話で決まるわけないじゃん。 »

2010/04/13

タイムスクープハンター 速報セヨ!旗振り通信

江戸から明治期の体をはったインフォメーションスーパーハイウェイですよ。

意外とあっさり進むのかと思いきや、やはり困難な展開に!

名もなき男たちの挟持を垣間見ました。

時は1898年(明治31年)3月18日、場所は岡山。

今回の取材対象は旗振り師。山の頂上で旗を振り、リレー形式の通信で米価を伝達するのが彼らの仕事である。当時、大阪堂島の米取引所の米の価格が全国の基準価格になっていた。旗振り師は大阪堂島から西は北九州、東は江戸まで米相場の価格を伝達していた。

※ 東京-大坂間で長距離市外通話始まるのは1899(明治32)年だそうです。

標高約400mの旗振り山の頂上。旗振り20年のベテランの岩村彦衛門が岩に腰掛け、タバコを吹かしながら懐中時計を確認し、新人の川端凪助が遠眼鏡(望遠鏡)のための三脚を立てる。彼らの仕事に望遠鏡は欠かせない。遠くの山から送られてくる旗振り信号を見るための道具だ。

この日、凪助は初めての遠眼鏡を任された。凪助と彦衛門は親戚で、たまたま凪助が目が良かったことから、子がいない彦衛門が凪助に旗振りをせんかと声をかけた。彦衛門は仕事に厳しいが、それも自分の跡継ぎにしたいと思ってとことだと凪助はわかっていた。

彦衛門は凪助に一人前の旗振りになって欲しいと願っていた。旗振しにとって大事なのは、正確さ。数字を間違えばそれで相場を予想する米商人にとっては、それがもとで大損をしてしまうかもしれないのだ。そして伝達の速さも重要だった。ほんの少しの時間の遅れも許されなかった。

旗振り通信の歴史は江戸時代までさかのぼる。当初は飛脚の職を保護するため幕府から禁令が出されていた。だが商人たちは咎められても、米相場の情報をいち早く知りたかった。需要は衰えず、抜け商いとして発達した。やがて旗振り通信は幕末に禁令が解かれ、職業として公認されるに至った。大阪から岡山まで(158km)米価が送信されるのにかかる時間はわずか18分。(飛脚と比べれば)驚異的な速さだ。そしてこのCG映像のカッコいいこと。

ふたりがいる山の麓に盗人がいた。旗振り師の米価情報を盗み見て同業者に売ろうとする連中であった。凪助はそいつらを捕らえようとするが、彦衛門が制止する。旗振り師の価格は(米の種類が)暗号になっていたのだ。

夜になっては旗を松明に持ち替えて米価を伝達する。そして最後の仕事を終えて山を降りるとき、彦衛門が滑って右足を骨折してしまった。凪助は彦衛門を背負って山を降りた。骨接ぎ師の見立てでは、彦衛門は当分山には登れない。しかし明日も通信は来ると彦衛門。骨接ぎ師は凪助にひとりでやらせたらどうかと提案する。いつかは独り立ちさせなければならないのだ。不安がる凪助に骨接ぎ師はこう言って勇気づけた。

最初のうちはみんな不安やで。ええんや、それで。

そして明日時間を見つけて凪助を見に行ってやると約束し、彦衛門を納得させた。

間違いがあってはならないと、彦衛門と凪助は夜遅くまで旗振りの練習を続けた。

翌朝、凪助が山に行って、彦衛門を背負うために置いていった旗と遠眼鏡のうち、遠眼鏡がなくなっていた。あたりを見回すと、昨日の盗人のひとりが山を下っていくのが見えた。そいつが盗んだのだ。追いかける凪助。追いついてなんとか遠眼鏡を奪い返す。だがこの時、米価の第一報はすでに大阪を出て、岡山へと刻々と近づいていた。必死に山を駆け上がる凪助。そして山頂にたどり着き、三脚の準備を始める。信号到達まであと3分50秒!

そこに現れる盗人の仲間が遠眼鏡をまた奪いに来た!あと2分50秒!遠眼鏡を奪われ、旗を崖に投げられてしまう。そこに運良く、様子を見に来た骨接ぎ師がやってきて、盗人を追い払う。

そして無事、遠眼鏡を設置したところで、凪助は気づく。肝心の旗がない!あと1分21秒!

凪助は骨接ぎ師に長い枝を探すようにいい、自分の赤いフンドシを脱いだ。あと35秒!

そしてフンドシを枝に縛り付けて旗の代わりにし、大きく旗を振り上げた。間一髪、間に合った。

遠眼鏡を覗き、信号を覚え、旗を振る凪助。

二十四番。直取引。十二円。八十二銭。

この四分後、岡山米穀取引所に無事信号が届いたという。

仕事をやりとげ安堵する凪助に骨接ぎ師がいつも赤いフンドシをつけてるのかと奇妙がられる。すると凪助は笑って

今日は気合を入れてきました。

と答えた。

そしてエンディングメッセージ:

彼ら旗振り師が送った情報により、ある相場師が莫大な利益を上げたという。だが旗振し師たちに、その利益が還元されることはなかった。

カッコいいです。

次回は和算を教える「遊歴算家」だそうです。

これは楽しみ。

「天地明察」も是非タイムスクープハンターでやらないですか?

« 拙者は佐幕派 | トップページ | 鳩山さん、10分の話で決まるわけないじゃん。 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

おもしろそうですね! ですが見逃してしまいました(再放送で見ることにします)
「かぶき者」を再放送で見たんですが、そのとき今回の予告がありましたが放送日は明示されてなかった。ネットの番組表にも載ってなかったような。

おじゃま丸さん、どうも
かぶき者、なかなか良くなかったですか?

今回も面白かったですよ。
BGMもかなり熱くていいんです。

ホームページによると土曜深夜だそうです。
http://www.nhk.or.jp/timescoop/
結講好きです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: タイムスクープハンター 速報セヨ!旗振り通信:

« 拙者は佐幕派 | トップページ | 鳩山さん、10分の話で決まるわけないじゃん。 »

記事検索できます

最近のトラックバック

フォト