松永久秀の本
戦国時代はまるで自民党がぶっ壊れる平成20年代のごとし。
徳川家康が織田信長のもとを訪れたときに、信長は松永久秀には3つ人がしないことをしたと言ってます。
1つ目は将軍殺し、2つ目は主君三好家への謀反、3つ目は奈良の大仏殿を焼いたこと。
ゆえに奸雄とか梟雄とか散々な言われ方をするわけですが、実際は将軍殺害は主君の仇討だったりするわけです。そういう松永久秀はそんなに酷いヤツじゃないという本です。
時代背景に多くのページを割いていて、松永久秀本人のエピソードは少ないですが、名門の出て、三好長慶の右筆を勤めるほどの知将だということはわかりました。弟が武勇に優れていたそうです。
それよりも戦国時代の秩序が崩壊した、誰も信じられない社会で一族が互いに潰し合い、大名同士で覇を争う様が書かれています。裏切りと仇討ち、跡目争い、主導権争い、
一言で言えば
戦国時代はカオス。
戦国時代の武将が主君を裏切るのは、こいつについて行ったらいつかダメになるとかそういう心理が働いてのことなのは容易に察しがつきます。
秩序を失った状況での日本人の本性はここにあるのかと思いました。
安部首相退任からの矢継ぎ早の首相交代とか、自民党の敗北と分裂とか、まるで足利幕府の末期です。翻って民主党主導の政権も一枚岩ではなく、どっちかいえば同床異夢のようで、戦国時代の始まりなのかも知れません。政権がコロコロ代わるイタリアみたいになるのかも。このままでは政治を官僚から議員に取り戻すと言っておきながら、官僚主導に戻りますよ。
秩序を回復して日本人を押さえ込んだ徳川家康は偉いです。
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