龍馬伝 第20話 収二郎、無念
龍馬が霞むほど、宮迫と大森南朋が輝いて見えました。
勝塾で塾頭が馬力は「33000ポンドの重量を一分間に1フィート動かすときの仕事率」と説明してましたが、英ポンド「1秒間につき550重量ポンド(lbf)の重量を1フィート(ft)動かすときの仕事率」というのは今の定義のようです。日本は仏馬力で「1秒間につき75重量キログラム (kgf) の重量を1メートル動かすときの仕事率」だそうです。
龍馬の兄さんが脱藩の罪を許された龍馬に一度土佐に帰って家族に会うように説得するはずだったのに龍馬はおらず。龍馬は収二郎を釈放してもらおうと勝に知恵を借りに行ったのだった。そこで勝は龍馬にこう言う、
物事ってのはあっちから見るのと、こっちから見るのでは、まるで違ったもんになってちまうってことさ。
だがそこで逆に勝から大役を頼まれる。勝塾は私塾だから幕府の金は出せんと幕府の勘定方に言われた。このままでは勝塾の存続が危ない、福井藩まで出向き、松平春嶽に塾存続に必要な1000両を拠出してくれるよう説得しろと言われる。
1000両って4000万円ぐらいと言われますが、実質的にはもっと高いのではないでしょうか。
材木で一儲けしようと企んでいた弥太郎は見当がハズレて、材木がまったく売れず、材木の代金を肩代わりしてもらった龍馬の実家に材木を売りつけるが、当然断られる。家に帰って嫁の喜勢になんで自分のようなろくに金も稼げない、落ちぶれた男の妻になったのかと、憐れむように聞きます。喜勢が元気よく答えます。
占いやき。よう当たるゆう、手相見に言われちょったがやき。私を幸せにしてくれるがは、糞まみれの男じゃと。
弥太郎の父、無言で爆笑。
それで財閥総裁の妻ですからねえ。
武市半平太は平井収二郎を助けてもらうために土佐藩主・山内容堂に目通りを申し込んだが、対応したのは武市半平太が暗殺した吉田東洋の甥、後藤象二郎。容堂が心太を啜る音がなんとも不気味な。
勤王党に恨み骨髄の後藤象二郎は吉田東洋を暗殺した首謀者の名を吐かせるために収二郎を拷問していた。
福井城にて春嶽と謁見した龍馬は、千両を貰い受けたなら生き金にしてみせると断言する。春嶽は千両を必ずや生き金にしてみせろと、千両を龍馬に託した。
その傍らにいた熊本藩主・横井小楠が武市たち土佐勤王党が藩に捕縛されると聞くと、アメリカでは大勢の意向で政策を決めるデモクラシーで政治を行っていると前置きし、
時代も変われば、人の考えも、物の値打ちも、当然変わるったい。では、物事には違う見え方あるっちわかっとって、平井収二郎の投獄されたことば、納得できんちゅうとは、おかしな話たい。
今まで値打ちのあったもんが、古びて用なしになったっちだけのことたい。世の流れば作っとるとは人間ばってん、世の中の流れから見れば、一人の人間など、けし粒ほどのもんでしかなか。平井収二郎も、武市半平太もな。
すんなり承服できない龍馬。
収二郎への拷問は執拗に続く。だが収二郎は口を割らない。後藤象二郎は容堂にその旨を伝えると、容堂の側近は問答無用で武市を引っ捕らえろと息巻くが、クワガタと戯れる容堂は何の罪もない者をつかまえるわけにはいかんと諌める。クワガタは収二郎と半平太、あるいは開国派と攘夷派か。
そこに武市半平太が現れ、容堂に収二郎は吉田東洋を暗殺などしていない、すべて大殿様のためにやったことだと赦免を頼む。
もうやめちゃれ、後藤と容堂。
後藤象二郎が耳を疑う。
クワガタが容堂の着物のゴソゴソと這い回る。
これ以上、あの男を責めたててもしかたないがじゃ。
半平太が安堵したのも束の間、容堂が笑を浮かべてこう付け加える。
藩に断りなく朝廷に取り入った、その罪で裁くだきじゃき。
唖然とする半平太。
収二郎は切腹と決まった。
牢の中で倒れた収二郎に半平太が最後の面会に来た。
半平太が収二郎を抱き上げ、よう耐えた、もういたぶられることはないと泣く。
わしは許されたがですろうか?うちに帰れるがですか?
ただ頭を垂れ、すすり泣く半平太。
先生、どういたれすろうか?と収二郎。
半平太が嗚咽をこらえて、口を開く。
お殿様は、おまんが朝廷に取り入ったことだけを咎められた。お殿様はおまんに切腹を命じられたがじゃ。
切腹……収二郎の目が一瞬かっと開いて半平太を見るが、すぐにその視線は牢獄の床に落ちる。
すまん、収二郎と、悔しさを噛みしめる半平太。すべてわしのせいじゃ。わしが勤王党を作らんかたら、おまんを誘わんかったら……こんなことにはならんかったぜよ。許してくれ収二郎。
なにを言われるがですか、先生。土佐勤王党がなかったら、わしはどうなっちょったか。武市先生についていったき、攘夷の旗頭になれたがです。帝の使いにもなれたがです。まるで夢のようじゃった……
もう先生と呼ばんでくれ。呼ばんでえい!
半平太は収二郎の肩を抱き、泣き続ける。
収二郎が半平太を慰める。
切腹は武士の誉ですろ。ありがたき幸せ。加尾に伝えてつかあさい。兄は間違っちょらんと。
そして肩をゆらせ、大声で泣き出す。
兄は幸せじゃったと。
龍馬は平井収二郎の切腹を加尾の手紙で知った。
龍馬は叫びをあげた。
それは無念の叫びであったろう。
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