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2010/07/11

龍馬伝 第28話 武市の夢

政権選択になるかもしれない参院選で民主党が負けた日に武市が切腹するとは、偶然とは思えません。

武市半平太の三文字切腹には圧倒されました。

結局、武市半平太がその身を犠牲にして龍馬を通じて土佐を倒幕へと動かしたのかと。

後藤象二郎が息を切らせて容堂のもとへとやってくる。吉田東洋の殺したのは自分だと龍馬が言ってきたと報告し、龍馬を捕まえるべく藩境にありったけの人間を送った。それを聞いた容堂はふらふらっと立ち上がり、その足は武市半平太の牢へと向いていた。

牢に座する武市の前に容堂が現れる。武市は驚き、平伏叩頭する。容堂が言う、坂本龍馬いう男が、東洋を殺したがは己じゃと言うたそうじゃ、けんどわしはそんな嘘は信じん。そして容堂は半平太の前に座り込む。東洋を殺したがは、武市、おんしらじゃ。

頭を下げたままの武市は動揺を隠せない。それは罪を咎められたからではないだろう。容堂が話を続ける。おんしはほとほと腹の立つ男じゃ。下士を集めて、この土佐を攘夷の旗頭に担ぎ上げ、帝の使いにまでなって幕府に攘夷実行を迫るら、出過ぎるにも程がある!

半平太が反駁する。すべては大殿様のためを思うて!

武市……そう半平太に話しかける容堂の声は悲哀を帯びていた。徳川様よりこの土佐を賜った山内家が、わしが幕府に背くなのできるわけないろう。

容堂はうつろな目を牢の床に落とし、重い荷物を降ろしたあとのように体を牢にもたれかけ座っている。

おんしとわしはよう似いちゅうと容堂。半平太が顔を上げて容堂を見る。徳川に失望しながらも、忠義心だけは捨てられん。わしやち心の底から帝を敬い奉っちゅう。この日本は徳川幕府のものではないき。

容堂を見つめ、その言葉を一語一句噛み締める半平太。大殿様と呼びかける半平太は我が意を得たりと思ったであろう。だが容堂は半平太の視線を避けるかのように立ち上がる。半平太の視線が容堂を追いかける。そして半平太が叫んだ。

大殿様は天下一の名君にございます!帝をお助けし、この日本をこれから動かしていくがは、土佐の山内容堂公のほかにはおられません!

だが聡明は容堂には分かっていた。自分がその器ではないことを。おそらく自分よりは武市がその器であったことを。容堂が呟く。おまんはええ家来じゃのぉ。おまんが長宗我部の人間ではのうで、この山内家の人間じゃったら、わしはどればあ可愛がったことか!

ありがとうございます!半平太が頭を下げる。大殿様からそのようなお言葉を。私は果報者でございます。

容堂が半平太に向き直る。

武市半平太が顔を上げる。容堂を殺させたがは私にございます。私が命じ、勤王党の者に斬らせました。岡田以蔵はこの件に一切かかわっちゃあせんがです。けんど、私は以蔵に命じ、攘夷を阻む者らを殺させました。すべては帝のため、日本のため、土佐のため、そして山内容堂公のためだと思うて!

容堂が武市の目の前に座る。

もうええがじゃ武市。容堂が半平太に請うように尋ねた。おまんはどうしたいがじゃ?このわしにどういてほしいがか言うてみい。

半平太が答える。願わくば岡田以蔵を楽にさせて頂きとうございます。私も同様に。

容堂が半平太に顔を寄せる。おまんをほかの者たちと同じように死なせるわけにはいかんがじゃ。腹を切りや。武市半平太はわしの家臣じゃき!

半平太の目に感涙がこみあげる。ありがとうございます!半平太は深々と頭を下げた。

容堂が牢を去り、半平太は顔をあげた。その目にはまだ涙が溢れていた。だが涙の奥には真剣な眼差しが宿っていた。

半平太は以蔵に手紙をしたためた。以蔵、喜びや、大殿様がわしらのことをえい家来じゃと言うて下さったがじゃき。よう耐えた。よう耐えたの以蔵!以蔵から笑みがこぼれる。それは半平太に褒められたからか、拷問から解き放たれる安堵感からもしれなかった。

またも弥太郎が龍馬に拉致される。龍馬は弥太郎に半平太に会わせてくれと頼む。まだこの時、龍馬も弥太郎も半平太が覚悟を決したことを知らなかった。

龍馬と弥太郎が密かに半平太の牢へとやってくる。

龍馬かえ!と喜ぶ半平太。

龍馬が半平太の前に座る。弥太郎が半平太に言う。龍馬が半平太の罪をかぶってくれたと。これで半平太も以蔵も牢から出られると龍馬。ありがとうと半平太が龍馬の両手を握って感謝する。

けんど、わしは言うてしもうたがじゃ、と半平太。大殿様に吉田東洋を殺したがはわしらやと。

龍馬と弥太郎は耳を疑った。

半平太がさも当然のことをしたと言わんばかりに答える。大殿様は自らここに来られたがじゃぞ。あの山内容堂様が同じ地べたに座られてわしに声をかけて下さったがじゃ。

龍馬には理解できなかった。無念とも怒りともつかない表情が顔ににじむ。

あれはもう10年も前じゃ、と半平太が語りだす。おまんが弥太郎に言うたことがあった。土佐を上士も下士もない国にすると。わしはあん時、おまんがとんでもないことを言うと思うたがじゃき。まさか大殿様とわしが同じ地べたに座る日が来るらあ夢にも思うちゃあせんかった。半平太の顔が満足気にほころんだ。これは奇跡じゃ。おまんが起こしてくれた奇跡ぜよ。だが龍馬は泣いている。武市は覚悟を決めていた。

半平太がかぶりを振る。おまんにわしの身代わりはさせられん。おまんのやるべきことはもっと…もっと大きなことじゃき!この国を異国の侵略から守り、独立した国にするががおまんの役目ぜよ!

一緒にやりましょう武市さん!と龍馬が脱獄を促す。この国を一緒に変えるがじゃき!

半平太は龍馬の懇願に答えようとしない。

生きてつかあさいと龍馬が半平太へ必死に手を伸ばす。そんな龍馬を弥太郎が諌める。武市さんはおまんに託したがじゃき。この自分の志を、おまんに成し遂げてほしいと言うがじゃぞ!

また半平太が笑った。わしは日本一幸せな男ぜよ。おまんのお陰じゃ龍馬。坂本龍馬がどうやって日本を変えるがか楽しみぜよ。そういう半平太に嘘はなかった。そして弥太郎を見た。おまんも偉うなりや。誰よりも出世するがじゃぞ。

弥太郎が涙声で答える。当たり前じゃ。墓の中から見ちょれ武市さん!

半平太が大きく頷いた。そして今一度龍馬を見て言った。

龍馬、おまんもじゃ。頑張りや。

龍馬は半平太の両手を強く握って泣いた。

半平太が二人にもう行ってくれと言うと、龍馬が姿勢を正して、ありがとうございましたと半平太に深々と頭を下げた。それを優しく見守る半平太。

以蔵は打ち首となった。濡れた地べたに膝を落とし、首が切られるのを待つつかの間、以蔵の脳裏に浮かんだのは、なつという契りを結んだ女だった。

切腹する半平太は妻の富に最後の手紙を書いた。

冨、わしはおまんに嘘をついてしもうた。これから2人でのんびり過ごそうと約束したけんど、とうとう果たせんかったのぉ。けんどの、冨。もし来世ゆうもんがあるがやったら、わしは、また、おまんと出会うて、夫婦になりたいがじゃき。その時は、ずっとおまんをいるがじゃき、冨。

それは遺品とともに牢番の和助の手で冨のもとに届けられた。

半平太は三文字の切腹をした。後藤象二郎の眼前で、半平太は切腹刀を腹に突き立て左から右へと引いていく。腸が切れる湿った音がする。そして半平太は切腹刀を抜いた。介錯人が刀を振り上げる。

待ちや!半平太が叫ぶ。そして再び切腹刀を血に染まる腹の左側に差し、右へと引いていった。雨が降りだした。三度目の切腹を成し遂げた。

間もなく武士の世が終わろうとする中で、武士として認められない者が武士として散った。

冨は言う、夫の半平太は立派な最後を迎えることができた。自分は幸せだと和助に笑った。自分は半平太の分も生きていくと。

散った半平太の想いを龍馬が受け継いだ。

龍馬は仲間に薩摩に行くことに決めた。薩摩の西郷はしたたかな男ならば、いいように使われてしまうのではないかと陸奥が危ぶむ。

大きゅう叩いたらえいがじゃきと龍馬。眉をひそめる陸奥。

西郷がわしらに目をむくほど、大きゅう叩いちゃったらええだけのことぜよ。わしらはどんな船でも操れる。黒船じゃち自由自在に操れるろう。この腕があるかぎり、わしらは誰にも縛られることのう、己の道を進むことができるがじゃき。

己の道?近藤長次郎が聞き返す。

それはのぉ、龍馬が答える。この国を……洗濯することぜよ。徳川幕府が260年間も支配しちょったこの国には、苔のような垢がびっしりとへばりついちょる。それをわしらが隅から隅まで全部落として、真っ白にするがじゃき!それこそが……わしらの成すべきことぜよ。

半平太の死を境に龍馬の目は遥か高みを見据えはじめた。龍馬はこの時からあの坂本龍馬となっていくのである。

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コメント

テレビで見ていながら、どうしてもチェックしてしまいます。
いつもありがとうございます。

江戸アケミさん、どうもsun
どういたしまして。
半平太、いい死に様でした。
予告に出てた伊勢谷友介の高杉晋作、オボッチャマカットなのにカッコいいですね。

やっと追いついた^^;

> 予告に出てた伊勢谷友介の高杉晋作

この前死んじゃった久坂玄瑞といい、このドラマに出てくる長州人はとにかく血が熱そうです。高杉にも期待できそう。けっこう顔が長そうに見えたし。

baldhatterさん、ご苦労様ですsun
久坂玄瑞は熱かったですね。
伊勢谷=高杉は内に秘めた情熱を感じます。自分を「僕」と称したり、「50万両もあれば足りるでしょ」とさらっと言いのけたり、幕末の白洲次郎です。
予告にもある西郷吉之助に短銃を突きつけるシーンはカッコいいです。銃の構え方がいいです。

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