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2010/07/26

龍馬伝 第30話 「龍馬の秘策」 

幕府による支配を脱して独立を宣言する長州。それを滅ぼそうと動き出す幕府。長州征伐によって幕府の勢力拡大を危惧する薩摩と長崎商人。四者の理想と思惑の中で、龍馬は倒幕運動への突端を掴む。

長崎・小曽根邸。グラバーより蒸気船を借りられなかった龍馬たちは考えあぐねていた。そんなことは最初からわかっていた、これから奮起すればいいと龍馬は仲間を励ます。そんな龍馬の暢気な振る舞いに皆、怒りを顕にする。このまま事業ができなければ、明日には薩摩に連れていかれるのだ。いざとなったら水夫になればいいと龍馬は仲間を宥めようとしたが、かえって火に油を注いだ。自分たちは腐っても侍だ。水夫になどなれるかと。

ほんまに腐ってるけどな、陸奥が憎まれれ口を叩く。

おまんは!と沢村惣之丞が陸奥に掴みかかって喧嘩になりそうになったところに突如、池内蔵太(いけ・くらた)が現れる。土佐を脱藩して長州に加わり、戦っていたのだ。

見えんかえ!と内蔵太が叫び、上半身をむき出しにする。その鍛え上げられた肌にはたくさんの刀傷や銃創が刻まれていた。それを一つずつ内蔵太が意気揚々と説明する。馬関海峡で異国船砲撃に加わった時の傷、天誅組の大和挙兵に加わった時の傷。蛤御門で戦った時の傷。だが内蔵太が訪ねてきた理由は戦傷自慢ではなかった。龍馬に会いたい男がいると伝えに来たのだ。

内蔵太が後ろから追いかける龍馬に目もくれず、長崎の坂道を足早に登っていく。誰だと龍馬が訊ねても答えず、ただ先を急ぐばかりであった。

龍馬が行き着いたのは、関帝廟の1つ崇福寺。誰にも見られちょらんの?柱にもたれかかる侍の一人から問われると、内蔵太は大丈夫だと答えた。香の煙とともに殺気が立ち込める。龍馬は待ち受けていた侍たちの顔を伺った。龍馬が門をくぐると、そこには高杉晋作が一人、卓で中国将棋(象棋)を指していた。

鳥小屋の話は面白かったですよ坂本さん、高杉はそう言うと丸い駒をマス目に置き、龍馬を見てニヤリとした。「君らは鶏だ」と言われたのは初めてじゃ。

あれは本心ぜよと龍馬が高杉の座る卓の反対側に腰を掛ける。先程門にいた2人の長州の侍が中に入ってくる。龍馬は高杉に本心をぶつけた。

もう幕府に日本を任せちょいてはいかん。この国を守るためには、みんなが幕府の下を飛び出さんといかんとわしは思うちゅう。ほんじゃき、長州は独立すると聞いて、わしはまっこと驚いたがぜよ。けんど……

龍馬は盤の横に置いてあった「卒」の駒を取り、高杉の真ん前に鎮座する「」に置く。

それほどの藩がまだ薩摩といがみ合うちゅう、龍馬はそう言いながら、新しい駒を置いて「」を置い詰めていく。そして最後には「」をもぎとった。それは諸藩に攻められる長州の末路のようであった。龍馬が高杉を見て呟いた。

それがわしは残念でたまらんじゃき。

籠の中の小鳥が声を上げた。

薩摩だけじゃありませんよと高杉が龍馬に向き直る。幕府の長州攻めに加わろうとしちょつ藩はみんな敵です。龍馬は何も答えない。

高杉が立ち上がり、後ろにあった関帝廟を見る。僕は2年前、上海に行ってきました。悲惨じゃったのぉと高杉。清国人がイギリス人に牛や馬のように使われちょるんです。国による侵略とはこういうことかと、その恐ろしさを肌で感じましたよ。

井上さんと伊藤さんも密かにイギリスに留学しちょったがじゃと、内蔵太が門を守っていた2人の侍をさして言う。後の井上馨と伊藤博文である。井上と伊藤が龍馬にヨーロッパで見てきたことを語る。ヨーロッパは産業も学問も恐ろしいほど進んでいた。自分たちは西洋文明の脅威を目の当たりにした。ゆえに長州は誰よりも攘夷を叫び、異国の船を攻撃したのだと。

高杉が叫ぶ。愚かなのは戦おうともせず、異国におもねって生き残ろうとする幕府と何も考えずにそれに従う諸藩なんじゃないんか!

だから戦うんじゃと井上。間違ってるのは奴らだと伊藤が言う。

の信念を貫いて散るなら、本望。じゃが容易くはやられやせんよ、僕らは。正義は長州にあると信じちょりますから。そう言うと高杉は崇福寺の境内を出ていき、長崎から抜けだした。

高杉たちの見識の高さと強い信念に龍馬は感服した。だが今のままでは長州に勝てる見込みはなかった。

薩摩の西郷吉之助も長州征伐への参加には反対であった。長州を滅ぼせば薩摩と大坂を結ぶ要の下関が幕府の手に落ちる。そうなれば西洋諸国との貿易を幕府に独占されることになり、薩摩の国力が低下する。長州が攻め落とされたあとは、薩摩が狙われる。そうなればもう太刀打ちはできない。西郷はそのことを恐れていた。小松帯刀もそれはわかっていたが、だから幕府に楯突かずやっていくしかないと西郷の意見には耳を貸さなかった。今の薩摩でも幕府には勝てないと帯刀は踏んでいたのだ。

饅頭屋の倅だった近藤長次郎が息を切らせ、大きな風呂敷包みを抱えて小曽根邸に駆け込んできた。その風呂敷を開けてみると、中には今まで見たこともない菓子が入っていた。食べてみいやと長次郎が勧める。仲間たちが恐る恐る口に運ぶ。惣之丞が叫ぶ、うまい!そうじゃろうと長次郎が相槌を打つ。これは饅頭か?いやカスティラじゃと長次郎。ポルトガル伝来の長崎名物だった。こりゃかん甘すぎると陸奥が顔をしかめる。何を言う、こんなうまい菓子は他にないぜよと長次郎が怒る。長次郎はカスティラを作って商売をしようと考えたのだ。

カスティラ職人のところに行って、カスティラの作り方を教えてもらい、悪戦苦闘しながらカスティラを作る。出来上がったカステラを期待に胸ふくらませ試食する。口にした瞬間、一同の顔が曇る。龍馬が言う、長次郎、これはいかんぜよ。

小曽根ら長崎の豪商たちが集い、麻雀をやっているところに龍馬が陸奥とともに上がりこんでくる。そこに白いシャム猫を抱えた女商人がやってきて、空いている席に座った。名を大浦慶という。龍馬が小曽根に頼みがあると切り出した。長崎でカスティラを作って売るための材料費して5両を貸して欲しいと頭を下げた。小曽根は西郷の許可がないことには駄目だと突っぱねた。すると慶が龍馬を呼んだ。龍馬がそばに寄ると、その手を取ってニヤニヤと撫でまわした。そして龍馬に2つの牌のどちらを捨てたら言いかと尋ねた。麻雀を知らない龍馬は戸惑うが、執拗に尋ねられて端の牌を指さした。慶がそれを捨てて上がり、勝負に勝った。龍馬の度胸を試したのか、運の強さを試したのか。

結局金は借りられず、陸奥と龍馬は茶屋の窓縁の席で一服する。その外にはお元が座ってそば耳を立てる。豪商たちの不遜な態度に腐る陸奥。だが龍馬が商人たちの違う面をみて感心していた。坂本家の本家も商人だったが、あんなにいたくましい商人らは初めて見た。商人同士競争し、たとでどんなに仲が悪くても、商売のためにはつながっておく必要がある、そのために麻雀をしているのだと。

そこに慶が通りかかり、茶屋の窓に龍馬たちを見つけた。慶が茶屋に入ってきて、侍がカスティラを売ろうとして商人に頭を下げるなんてねと龍馬に驚いてみせた。何を今さらと陸奥が罵る。本当は感心してたんですよと慶。こんなに垣根のない侍に初めて会ったと言った。そしてカスティラを作るなんて無理だから別の商売を考えなさいと忠告する。

わしらは商売をしたいんじゃないと足蹴にされたことを恨む陸奥が横槍を入れる。日本を守るために世の中の仕組みを変えようと思ってるやと崇高な理念に水をさすなとばかりに声を荒らげた。それならなおさら唾を付けとかんとなと慶は切り返し、龍馬に数枚の小判を握らせた。小判をもらう理由はないと龍馬が返そうとすると、先物買いだと言って慶も譲らない。今、坂本さんば助けておけば、いつかよか思いばさせてもらえるかもしれんけんと笑った。坂本さんば、運ば持っとんな。そがん人は大事にするとですと慶はまた龍馬の手を握りしめた。

陸奥は小判を持ってカスティラの材料を買うと出て行った。龍馬も茶屋を出るとお元を見つけた。いつから話を聞いていたのかと龍馬が尋ねる。一瞬、お元から笑顔が消える。龍馬は恥ずかしいところを見られたと頭をかいた。立ち去ろうとする龍馬をお元が呼び止めて、世の中の仕組みを変えるとはどういう意味かと聞いた。龍馬がにこやかに答える。わしら日本人みんなが笑ろうて暮らせる世の中を作りたいがじゃ。

それをお元は長崎奉行・朝比奈昌広に伝えた。浪人の動静など取るに足らないことだが、幕府に逆らおうとしている者たちの見張りは怠れぬと褒美を出した。長崎奉行の部下・岩堀が小銭をお元の前に放り投げた。床に散らばった小銭をお元は拾って奉行所を出て行った。その夜、お元は教会に向かった。聖堂に入ると十字を切って膝まずき、手を合わせ、マリア様に足ばのせたことをお許しくださいませと泣いた。

薩摩はグラバーから1000丁のミニエー銃を買い求めようとするが、グラバーは3万両だとふっかけた。それぐらいはたやすく払えると小松帯刀は見栄を張るが、グラバーに幕府に交易を締め付けられているのにと逆に問われてしまう。帯刀は激昂し、薩摩には砂糖も樟脳もある、金になる品には事欠かんとグラバーに詰め寄る。だがグラバーは微動だにしない。砂糖の価格はいずれ下がる、損をする取引はしたくない、自分は商人ですからと釘をさした。西郷は黙って二人のやりとりを聞いていた。

薩摩に行く日が明日に迫った。しかしカスティラ作りはいっこうにうまくできない。焦る仲間に龍馬が問う。自分たちの目的は何だ?日本を守ることだと。だが志だけでは世の中は変えられん。武市半平太からそれを学んだはずであった。武市半平太らの無念を無駄にしてはいかん。だからよく考えるのだと皆にいった。恐らく一番考えているのは龍馬だった。幕府軍に攻められようとしている長州。一番恐ろしい敵は異国。龍馬は考えを巡らせた。

小曽根邸に西郷がやってきた。小曽根は西郷に忠告する。このままでは自分たち長崎商人も薩摩も生き残れないと。そこに龍馬がやってきて、西郷の前に座り、こう切り出した。

どういてもわしらを薩摩に連れて帰るがかえ?わしらが薩摩を助けるために働く言うても?

薩摩を助けるち?西郷が聞き返した。

龍馬が居住まいを正した。西郷さん、このまま幕府の下におったら、薩摩の将来はないがです。

まだそいを…西郷がため息をついて立ち上がった。幕府に逆らおうこつなんどできるわけがなか!そう龍馬に反論する西郷は帯刀に龍馬と同じことを進言していた。戦になったら薩摩に勝ち目はなかとじゃっど!西郷は部屋を出て行こうとする。

ありますき!と龍馬が叫ぶ。西郷の足が止まる。

龍馬が西郷の方に向き直る。幕府に勝てる手立てがあるがじゃ!それはのぉ、長州と手を組むことぜよ。

なんじゃち?呆れ顔の西郷が振りる。

龍馬は真剣だった。長州は底力のある国じゃ。どこよりもよう学び。どこよりも戦う気力に満ちちゅう。今の幕府では諸藩の支えがのうては戦もできんがじゃ!薩摩を味方につけんと、薩摩を討つこともできんろう。

いいかげんにしろと西郷が龍馬を諌める。だが龍馬の舌鋒は止まらない。

薩摩がどっちにつくかで、勝負の行方は変わるがじゃ!長州と薩摩が犬猿の仲じゃゆうことはわしやち、よう知っちゅう。けんどのう、今はそういうことを言いゆう場合ではないろう!どればあ仲が悪うても、長崎の商人らは小曽根さんらは麻雀をしゆうがぜよ!儲けのためには誰とでも手を組むしたたかさを長崎の商人は持っちゅう。

黙って話を聞く西郷に龍馬が訴える

西郷さん、わしら侍も、つまらん意地ら捨てて、長崎の商人を見習わんといかんがじゃないろうか!薩摩が助かる道はそれしかないがです!

それはありえんと、西郷は首を振った。

わしが説得してますきと龍馬は西郷に頭を下げた。西郷さん、一言ウンといってつかあさい!お願いしますき、西郷さん!

今回はここまで。次週、中岡慎太郎登場!

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コメント

龍馬伝、読ませていただきました。ありがとうございます。
どんどん核心にせまってきてて、読みながらワクワクして落ち着いて読めないです。

がきょうさん、どうもsun
あらすじ書いてて思うのは、この脚本やってる人は、構成がしっかりしてて(テーマがばらけず)期待を持たせる描き方がうまいですね。

いろんなとこで「今回の龍馬伝は史実と違い過ぎる」というのを聞きます。しかし、私たちの知っている史実は現代では誰も確認できません。史実と思ってた事が実は脚色されていた・・・という事もあると思います。
めちゃめちゃ史実と違えば問題ですが、ある程度のエピソードは史実と違ってもいいと思います。
見てるこちらが「楽しいエンターテイメント」ならOKだと思います。
そう考えると、龍馬伝、これだけワクワクしたのは久しぶりです。十分に楽しめています。

がきょうさん、どうもsun
史実と違うと言うのは自由ですが、だからドラマとしてダメということにはならないと思います。

「史実に忠実」を求めるなら学術系の歴史書を読めばいいんです。逆にドラマや時代小説に歴史書並みの史実を求めるのはお門違いですし、かなり危険です。

死に際にシーザーは「ブルータスお前もか」って言ってないそうですが、誰も文句は言いません。

嘘でも沖田総司とか美少年な方がいいじゃないですか。scissorsカッコ悪い土方歳三は史実的にも論外ですが

叩かれるということは、逆言うとそれだけ龍馬伝の関心が高いとも言えますよ。

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