2025年4月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

« 3議席しか獲得できなかった共産党が言うことか | トップページ | 八ッ場ダム地元で自民圧勝、どうするよ? »

2010/07/13

海面下の戦い:米ミサイル潜水艦3隻同時出現

戦わずして勝てればそれが最善。それが抑止力。

米海軍の巡航ミサイル潜水艦3隻が同時出現 中国包囲網か【産経新聞】

やはりこういう軍事ネタは産経ですね。

米国海軍の巡航ミサイル搭載の新鋭原子力潜水艦3隻がアジアからインド洋にかけて初めて同時に出現し、中国を抑止する構えをとったことが12日までに明らかにされた。最近、増強の顕著な中国海軍への警告も込められているという。  

12日発売の米誌タイムの報道によると、米海軍の潜水艦では最大のオハイオ級改良型「USSオハイオ」が6月28日にフィリピンのスービック湾に浮上。同型の「USSミシガン」も同日、韓国の釜山に寄港した。さらに「USSフロリダ」もこの日、インド洋ディエゴガルシアの米英合同海軍基地に浮上した。

オハイオ級改良型潜水艦は、米海軍の最大最強の戦略ミサイル原子力潜水艦(SSBN)の核弾頭ミサイル発射機能を、非核通常弾頭の巡航ミサイルのトマホーク搭載に改装した新型で、現在4隻が配備されている。巡航ミサイル潜水艦(SSGN)と称される同型は1隻にトマホーク発射筒22基を装備、1基当たり7発、1隻最大154発のトマホーク巡航ミサイルを搭載できる。同ミサイルは射程約1800キロ、地上、水上の標的攻撃が可能だ。

 タイム誌によると、米海軍は欧州方面での緊張緩和に伴い、オハイオ級改良型潜水艦などの戦力配備の比重をアジアに移し、特に中国海軍のアジア太平洋からインド洋での増強に注視、3隻のSSGNを同時に中国の近海域に浮上させることは前例がないという。

外交的にはアメリカは中国との結びつきを強めているとか、ジャパンパッシングとか言われますが、戦略的には米中は台湾海峡を含めた太平洋、インド洋にて制海権をどちらが握るかで戦っているわけで、この動きは突然起こったわけではないです。

日本の周りは決して安全じゃないです。防衛省の「在日米軍および海兵隊の意義と役割について」という資料があります。その中から

北東アジアの危なっかしい状況
Seadefence1_2
※クリックで拡大します(下の2画面も同じ)。
日本は資源を中東(将来的にはアフリカ)からの海上輸送に頼っているわけです。中国にとってもアフリカから資源を海上輸送するのでこの辺りの安全は重要。

彼我戦力の比較
Sd2_2
中国陸軍は強大ですが、海軍の進出を押さえられれば日本本土上陸はないと(核攻撃は別として)。

中国海軍の活動
Sd3_2
第一列島線と第二列島線の守りが海上輸送の安全を確保する上で不可欠でしょう。いろいろ中国海軍がやらかしております。

この図に2006年10月 「ソン」級潜水艦事件ってのがあります。アメリカ海軍空母キティホークの護衛圏内に中国軍潜水艦が出現したという事件です。何がオオゴトなのか?

米国に力を見せつけた中国の最新鋭潜水艦 「原子力空母も撃沈できる」~元海将が緊急提言 JBpress(日本ビジネスプレス)が面白いです。

中国の潜水艦は米空母キティホークを撃沈できたという前提があって、

その8 「ソン」級潜水艦事件の意味をなしてきます

事件の際、キティホークは訓練中であったと説明されていることから、当然護衛艦艇などに取り囲まれていたであろう。これらの対潜捜索がどのように行われていたかは想像によるしかないが、前程の対潜哨戒機によるソノブイやレーダーによる捜索、護衛艦艇による曳航アレイなどを使用したパッシブ捜索などが行われていたことであろう。

 SSNの護衛がついていなかったという報道もあるが、常識的にはSSNやTAGOSによる広域捜索結果から潜水艦が存在しないと思われる海域を空母打撃群が行動していたと考えるのが、妥当であろう。そして万が一見落としていた潜水艦を発見するとしても、それは護衛艦艇等が形作る陣形の外側でなければならなかった。

 陣形の内側で「ソン」級潜水艦が発見されたということは、偶然か故意かは別として、米海軍の様々な対潜手段を駆使した陣形が突破されたということを意味する。この陣形突破がたまたま当日の海洋状況の所為だとしても、そういうことが起こり得ることだけは認めざるを得ない。

 そして1世代古い「ソン」級でそれが起こったということは、最新型の「ユアン」級ではより確実にそれが起こるということであり、東シナ海は米空母打撃群が容易に活動できる海域ではなくなったことを、事実として証明した事件とも言えよう。

 1996年の台湾海峡ミサイル危機の時には、米空母打撃群が近海に姿を現して危機が沈静化したが、今後米空母打撃群が台湾に近寄る時には、それが太平洋側であっても、東シナ海同様相当のリスクを覚悟せざるを得ないと思われる。

わざわざ米軍に見つかって能力の高さを見せつけた中国

 この事件が今後の台湾問題に与える影響は、決して小さくはないであろう。

 ちなみに「ソン」級が浮上したのは、これが示威であるならば陣形内で米側に発見されなければ意味がないことから、陣形を突破した後にわざわざ見つかるための行動を取ったということであろう。

この事件の逆を、アメリカ海軍は三隻の巡航ミサイル潜水艦でやったとも言えるかと思います。韓国に潜水艦を浮上させてアメリカ軍の本気度を見せたと。戦いは平時も起こっており、ここで負けたら本当の武力衝突になる可能性が高まるでしょう。

« 3議席しか獲得できなかった共産党が言うことか | トップページ | 八ッ場ダム地元で自民圧勝、どうするよ? »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

こんな駆け引きってずっと有るのに、あまり話題にならないのは何でですかね。
軍自費を仕訳されてもリアクション無さそう
自衛隊批判+仕訳コンボならむしろ支持すらしそう。

平和は尊く永久的に守って行かなきゃならない宝だけど、守らなきゃ存在し得ない『不自然な状態』が平和なんだって肝に銘じておかにゃなと、こんなニュースがある度に思います。
外国に護りを“委ねている”って認識は、平和を踏みにじるのと変わらないですから。

藤咲さん、どうも
>外国に護りを“委ねている”って認識は、平和を踏みにじるのと変わらないですから。
もっともです。海上自衛隊の対潜能力はかなり高いそうです。
http://intec-j.seesaa.net/article/43906263.html

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 海面下の戦い:米ミサイル潜水艦3隻同時出現:

« 3議席しか獲得できなかった共産党が言うことか | トップページ | 八ッ場ダム地元で自民圧勝、どうするよ? »

記事検索できます

最近のトラックバック

フォト