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2010/09/06

龍馬伝 第36話 寺田屋騒動

薩長同盟を成し遂げた龍馬は伏見の寺田屋に戻ってきた。朝になり、龍馬の部屋では、顔じゅう痣だらけの岩崎弥太郎が飯をかき込んでいる。ほうばった飯が口の中の傷に滲みて、弥太郎は唸った。それを見た龍馬が笑う。それだけ飯が食えたら心配ないき。

おまん、薩摩の動きを探りにきたがか?龍馬が弥太郎に訊いた。弥太郎は何も答えない。

そんな役目、おまんには無理ぜよと龍馬が言う。なにを言いゆう、わしゃ都見物に来ただけぜよと弥太郎はシラを切る。夕べ、ずっとうわ言で言いよったそうじゃぞ、と龍馬。土佐藩も、時代の流れに乗り遅れまいとしゆうがかえ?弥太郎は龍馬から顔を背けた。

けんどの弥太郎、龍馬が話を続ける。おまんがうろちょろしたち、なんちゃあ変わらんぜよ。また捕まって痛い目に遭わされるだけぜよ。もう土佐へ帰りや。龍馬は弥太郎の膳を持って部屋を出て行く。

そんなことができるかえ!と弥太郎は立ち上がり、龍馬を追いかける。手ぶらで帰ったら、わしは後藤様にどんな目に遭わされるか!膳を抱えて階段を降りる龍馬は呆れた。後藤様……おまんはまだあの男の使いっ走りをしゆうがか!

弥太郎が龍馬に食ってかかる。後藤様は今や藩の大監察じゃぞ!脱藩したおまんと違うての、土佐で暮らしゆうわしらにとっては、決して逆らえんお方じゃき!わしはどういたらえいがじゃ!

そのやり取りの一部始終をお登勢とお龍は聞いていた。

ほんならわしが教えちゃると龍馬。これからの世はのぉ、大きゅう変わるがぜよ。徳川幕府の時代はもうすぐ終わる。土佐藩ものぉ、もう幕府の顔色を伺うがはやめにしいや。

それまで怒っていた弥太郎が青ざめる。後藤象二郎にはそう伝えたらいいと龍馬は去っていく。弥太郎は龍馬を追いかけ、どういておまんがそんなことを知っちゅうと問い詰める。おまん、京で何をしゆうがじゃ?

わしゃの、龍馬は笑顔を作って弥太郎の顔を覗き込み、日本の誰もが笑ろうて暮らせる国をつくろうとしゆうだけぜと、はぐらかした。弥太郎はさらに詰め寄る。土佐の脱藩浪士が薩摩と長州の間に入って、謀反を企てちゅうそうじゃ。薩摩と長州を結び付けるら、そんな芸当ができるがは、おまんしか、おらんろうが!あっちにもこっちにもええ顔ができる、おまんしか!

落ち着きやと龍馬が言う。弥太郎の興奮は収まらない。おまんのせいで酷い目に遭うたがか!ほんまのことを言いや!弥太郎が龍馬を部屋の壁に押し付ける。龍馬の懐からピストルが廊下に落ちる。ピストル!弥太郎が怯えて後ずさりする。

龍馬がピストルを拾い上げる。これはのぉ、長州の高杉さんから、もろうたがじゃ。「いざとなったら、これで身を守りや」言うてねや。そして銃口を脅えて廊下の壁にへばりつく弥太郎に向ける。わしはのぉ、弥太郎、世の中の新しい仕組みを作ろうとしゆうがじゃ。それを成し遂げんと、この日本を守ることはできんきにのぉ。

新しい仕組み?と弥太郎が聞き返す。龍馬が答える。幕府はもう、フランスの後ろ盾なしには何ちゃあできんがじゃ。長州を攻め滅ぼした後、再び幕府が天下を治めたら、その時はもう日本は、半分フランスのものになっちゅうゆうことぜよ。けんど今度はアメリカ、エゲレスらが黙っちゃあせん。わしにもよこせ、よこせと日本の分捕り合戦が始まって、この国はばらばらにされ、異国のえいようにされてしまうがじゃ。そうはさせんようにするために、わしはこの国の仕組みを変えようとしゆうがじゃ。

ばかな……弥太郎が首を振る。薩摩と長州が手を組むら、そんなことあるわけないぜよ!

龍馬は黙って弥太郎を見ている。

弥太郎は龍馬の鋭い眼光にそれが嘘でないことを悟った。手を組んだかが?

さっき言うたろうと龍馬。この国は大きゅう変わるがじゃ。

おまんが組ませたがか、龍馬!と弥太郎。

誰が組ませたか、そんながはどうでもえいがじゃと龍馬が笑う。とにかくおまんはの、今わしが言うたことを土佐に戻って後藤象二郎に伝えたらえい。けんど、今言うた薩長のことは誰ちゃあ言うたらいかんぞと龍馬は釘をさした。

話してしもうたら、龍馬が懐から拳銃を取り出した。その時はのぉ……。脅える弥太郎。龍馬は拳銃の狙いを弥太郎に定め、指を引き金にかけて引いた。パンと撃鉄が降りる音が部屋に響く。弥太郎がビクっと背中を震わせた。

龍馬が笑った。嘘ちや。わしはおまんが友達じゃき言うたがじゃぞ。弥太郎が怯えた目で龍馬を見ている。龍馬が弥太郎の肩を掴む。もうのぉ、目先のことだけ考えちょったら、いかん。商売もするがもえい。けんどのう、この先、日本がどうなるか、己は何をすべきか、そのことを考えながらやらんといかん。岩崎弥太郎ゆう男は、世の中がどう変わろうが、変わらん強さを持っちゅうきのぉと龍馬は言い、弥太郎に笑いかけた。

弥太郎は龍馬への侮蔑とも怒りともつかない表情で顔をひきつらせた。

龍馬の安全のため、寺田屋は店じまいをしているので、弥太郎は裏口から出て行くことになった。お登勢とお龍が見送った。去り際に弥太郎が二人に言った。龍馬がどういう人間かわかって泊めちゅうがか。

もちろんどす。お登勢は言い切った。

あいつにかかわっちょったら必ず、巻き添えを食うぞと弥太郎が吐き捨てた。

そんなこと怖いことあらしませんとお龍が答えた。

変わらず、女子にもてるのぉ。そう言って弥太郎は寺田屋を出た。そして立ち止まり、今一度龍馬がいる二階の部屋を見上げ、龍馬に言われたことを思い返した。

部屋で寝そべる龍馬のところに三吉慎蔵が龍馬のところに酒を持ってきた。そしてもう京を出ましょうと言った。新撰組が探していた土佐の脱藩浪士とは龍馬なのは間違いない。

だが龍馬には木戸との約束があった。木戸が密約の中身を書く。その裏書を龍馬にして欲しいと本人から頼まれていた。龍馬は政治的になんの権限もないが、木戸と西郷は龍馬の前で約束を交わした。坂本龍馬がいるかぎり、木戸も西郷もその約束を反故にはできない。裏書を頼める人間は龍馬以外にいないと木戸は龍馬に頭を下げたのだった。その裏書を書くまで、京都を離れることはできないと龍馬は三吉に言った。(※裏書とは、この場合、盟約の条項が正しいことを当事者である薩長以外の第三者が保証すること。英語で言えばEndorsement)

三吉が唸った。わしの役目は坂本さんを守ることじゃ。悩んでもしかたないぜよと龍馬。三吉は聞く耳を持たない。長州の大恩人の坂本さんに万が一のことがあれば、わしは!わしは!三吉の息遣いが荒くなる。龍馬が笑う。何がおかしいんですかと三吉が怒る。龍馬が言った。わしは三吉さんとは生涯の友になれそうじゃ。坂本さん…三吉が嗚咽を漏らす。わしは自分の命を引き換えにしてでも、坂本さんを守ります!

龍馬は、お登勢とお龍にもう迷惑はかけられないから、あと2、3日したら寺田屋を出て行くと告げた。お龍は何も言わず、俯いていた。どこに行くのかとお登勢が尋ねた。長崎へ戻るがじゃと龍馬は答えた。長崎?とお龍が龍馬を見た。もう京には戻れろうと龍馬が言った。わしはもうお尋ね者になってしもうたがじゃき。

もうお別れなんどすかとお龍。お登勢は泣いていた。龍馬はしばらく答えなかった。そして長崎にはぽっぺんという面白いものがあってそれを送ってやるとお龍に言った。そんなもん要りまへんとお龍は怒って、外へ出て行った。

お登勢が龍馬に言う。あて、お龍ちゃんに言うたことがあるの。龍馬さんは一つの所に落ち着くようなお人やあらへん。そんなお人に惚れたら、女子は辛い思いをするだけやて。そやかてな、あの子はもう覚悟はできてるわ。龍馬さんのことが好きで好きでたまらんのや……

龍馬は黙っていた。

大阪城の廊下に、一橋慶喜の怒声が響き渡る。なぜ薩摩は返事をせん!なぜじゃ!もしや薩摩は長州の味方をするつもりではと老中・板倉勝静が要らぬことを言い、戯けを申すな!と慶喜に叱咤される。薩摩が幕府を裏切るはずがない!それは不安の裏返しであった。同じ不安に京都守護職・松平容保も駆られ、薩摩の裏切りを防ごうと龍馬捕縛の準備を密かに進めていた。薩摩が幕府を裏切って長州と手を組んだと諸藩に知れれば、幕府の威信は失墜し、大変なことになる。龍馬捕縛も幕府にとっては、秘密裏に行わねばならず、失敗は許されなかった。

幕府の派兵要請に応じない薩摩がいつまでも黙っているわけにはいかない。いつ長州と手を組んだことを世に知らしめるかが問題であった。西郷は今は、手の内を見せる時ではないと考えていた。もう薩長同盟の噂は流れている。幕府の動揺は幕府に味方している諸藩にも伝わり、長州への出兵に腰が引ける者も出てくるはずだと。

弥太郎は土佐への帰路、龍馬の言葉を思い返した。商売もするがもえい。けんどのう、この先、日本がどうなるか、己は何をすべきか、そのことを考えながらやらんといかん。弥太郎は腹をくくった。

夜半、龍馬はお登勢に言われたことを思い出していた。お龍はもう覚悟はできている。

寺田屋の戸を叩く音がする。お登勢が戸を開けると、伏見奉行の者たちが槍を手に集まっている。何事どすねんとお登勢。2階にいる客の名前を教えろと奉行の者が脅す。薩摩藩の西郷小次郎さんどすとお登勢は嘘をつく。土佐の脱藩浪士、坂本龍馬であろうと奉行の捕り方たちが寺田屋の中に雪崩込んでくる。寺田屋の周りも捕り方に囲まれる。

風呂に入っていたお龍も捕り手たちに気づき、風呂を出て龍馬の部屋へと駆け上がる。

三吉慎蔵が槍を持って龍馬のところに来る。外も包囲されているので窓からは逃げられない。迎え撃つしかないと龍馬が三吉に言う。三吉は頷いた。龍馬はお龍に危ないから下に行けと言った。うちも一緒に戦いますとお龍。龍馬はお龍に自分の羽織りを着せ、わしらを助けてくれるやったら、伏見の薩摩藩邸に走ってわしらが捕り方に囲まれちゅうゆうことを薩摩に知らせてくれやと頼んだ。

死んだらあきまへんとお龍が言う。約束するきと龍馬がお龍の手を握り、早く行ってくれと背中を押した。

お龍が階段を降りていく。上に坂本龍馬がいるだろうと捕り方の頭が確認する。もの凄い強いお侍さんならおいやすえとお龍。喧嘩はやめておいた方がよろしおす。お龍を連れて行けと頭が手下に命じる。腕を掴まれそうになったお龍が捕り方を殴る。お龍は両脇を抱えられて引きずり降ろされる。そしてお龍は薩摩藩邸へと走った。

高杉さんにもろうたピストルが役に立つ日が来るとはのぉと暗がりの中で龍馬が呟く。三吉が龍馬に自分が捕り方を抑えている間に逃げてくれと言う。わしだけ逃げるわけにはいかんぜよと龍馬。三吉も引かない。言ったじゃろう、わしは自分の命と引き換えにしてでも、坂本さんを守ると!龍馬も言い返す。わしも言うたぜよ、三吉さんは生涯の友じゃ。

2人の目の前には捕り方たちが提灯と槍を手に集まっている。捕り方の頭が2人に告げる。お前たちには不審の儀あり!奉行所にて話を聞く!龍馬が不敵な笑みを浮かべ前に進み出る。そればあで済みそうな顔はしちゃあせんのぉ、おんしら。

捕り方が怒鳴る。これは伏見奉行、林肥後守様の上意である!神妙に致せ!

龍馬が突然ピストルを天井に向けて発砲する。その音に捕り方たちが一瞬ひるむが、すぐに槍を突き出してくる。龍馬はそれを掴みとって分捕り、捕り手に一撃を食らわせて倒すと、ピストルを廊下の捕り方たちに向けて叫んだ。どきや!下がりや!おんしら!捕り方たちがたじろく。

だが廊下の下から煙玉が打ち込まれ、形勢を逆転される。こりゃちっくと難儀じゃんのぉ、三吉さんと龍馬は言うと、もう一遍やるぞピストルの引き金を引いた。銃声が轟き、捕り方たちが怯む。龍馬は捕り方の頭の右腕を掴んで銃を突きつけた。わしを捕まえるために命を捨てるがは、もったいないぜよ!と龍馬は頭を連れて階段を降りていく。引けと!龍馬に捕まった頭が喚く。龍馬は出口まで降りると、捕まえていた頭を突き放した。表から台車が突き込まれる。その台車の突撃から身を交わした龍馬めがけて、何人もの捕り方が刀を振り下ろす。龍馬は刀をかわし、拳銃の握把で斬り込んできた捕り方の頭部を殴打する。さらに別の捕り方が何度も斬り込んでくる、龍馬はそれ前後左右によけると、その者のお懐に飛び込んで腕を掴んでなぎ倒す。だが三人目の刀が龍馬の左手首を切った。

行ってつかあさい坂本さん!と捕り方に囲まれた三吉が叫ぶ。三吉さんだけを置いていくわけにはいかんき!と龍馬。だがこのままでは捕まってしまう。龍馬は血が噴き出る左手を押さえながら戸を破って外に出た。逃がすなと捕り方たちが龍馬を追う。狭く入り組んだ裏路地を逃げる龍馬と三吉。捕り方たちが追跡する。

大量の出血で意識が朦朧とする龍馬を三吉が抱えて、材木倉庫へと走りこんだ。血が止まらん……すまん、もう走るがは無理じゃねやと龍馬。ここにおってもいずれ見つかると三吉。奴らの手にかかって殺されるくらいなら、ここで潔く腹を切りましょう!坂本さんを守れんで、わしだけが生きちょるわけにはいきません!いかんと龍馬が三吉を止める。腹を切るがはいつでもできるがぜよ。あきらめてはいかん!三吉さんは薩摩藩邸へ……行ってつかあさい……もし途中で捕まったら、その時は覚悟するき。龍馬の呼吸が荒くなる。

必ず戻ってくるけえの!三吉は龍馬の手を握ると、倉庫を出て行った。

お龍が伏見の薩摩藩邸にたどりつき、開けてくださいと叫び門を叩き続けた。戸が開くと坂本さんを助けてくださいと繰り返した。薩摩藩邸へと走る三吉の前に伏見奉行の捕り方が現れる。三吉はそばにあった竹を手に取ってくるりと回すと、それを捕り方に向けた。捕り方の一人が斬り込んでくる。三吉は竹をその者の頭に打ち込むと、そのままその奥で刀の振りかぶった者の腹を突いた。つづいて何人もの捕り方を倒し、三吉は薩摩藩邸へと走った。

龍馬は倉庫の屋根へと這い上がり、仰向けになった。これは星が……見えちゅうがか。もう星も見えんぜよと呟いた。木戸さん……すまん……ごめんちゃ。わしが約束が守れんかもしれん。あとは頼んだき……西郷さん……木戸さん……ごめんちゃ。

そして震える龍馬はお龍の名を呼び続けた。

追手が龍馬のもとに迫る。

西郷はお龍からの龍馬は奉行所の捕り方に囲まれたとの知らせを受け、伏見に兵と医者を送り込めと命じた。西郷が怒鳴る。坂本どんを死なせたらいかん!しかし薩摩藩士たちは龍馬を見つけられなかった。

そこに三吉が飛び込んでくる。そして龍馬は濠川沿いの材木置き場にいると伝えた。薩摩藩士が濠川へと急行する。

悔しいのぉ……悔しいのぉ……龍馬が屋根に附したまま嘆く。

薩摩藩士よりも早く濠川についた奉行所の者たちが龍馬の血の跡を見つけ、龍馬を探し始める。

薄れゆく意識の中で龍馬が呻く。ごめんちや兄上、ごめんちゃ父上、父上……母上……母上……

三吉が薩摩藩士を連れて材木倉庫に戻ってきた。

意識を失った龍馬が薩摩藩邸に担ぎ込まれた。

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コメント

早速、読ませていただきました。
いやぁ、言葉の弱さを感じる場面ばかりで・・・「実際にテレビで見ないとどうにもならないなぁ」というのが素直な感想です。
あぁ〜、土曜日が待ち遠しいweep今度こそ、ちゅんと見ます。

いつもありがとうございます

がきょうさん、どうもsun
痛いところを突かれました。夢枕獏とかだったらもっと上手い描写をするんでしょうが、私の表現力ではどうにもなりません。今後の課題です。
寺田屋のシーンは密室でのバイオレンスなので、見ごたえがあります。ぜひ見てください。

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