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2010/10/25

龍馬伝 第43話 船中八策

海援隊の隊士たちがさらにビジネスを拡大しようと励む中、龍馬は京へ上ることにした。今、山内容堂は徳川将軍と会議するため京にいる。龍馬はこれを大政奉還について聞いてもらう好機と考えた。

龍馬が大政奉還の実現に向けて動き出した。

慶応3年5月、日本の行く末を話しあうため、4人の有力諸侯(越前藩主・松平春嶽、宇和島藩主・伊達宗城、薩摩藩主・島津久光)が京に集まっていた。

第十五代将軍・徳川慶喜と四大諸侯との会談が始まると、容堂は激しい歯痛に襲われた。

長州・下関、お龍のもとに龍馬から手紙が届く。龍馬はお龍に、日本の将来を決める大切な仕事を成すために京都に向かうと伝えた。できればお龍も連れていきたかったが、危ないのでやめておいた。でも心配するな、無事に戻ってくる、お龍にもちゃんと土産を買ってくるぞと龍馬は約束した。その手紙を読んでお龍が笑う。京女に京の土産買うてきて、どないするの。

土佐の夕顔丸に乗り、龍馬は陸奥陽之助や、容堂から京都に来るように命じられている後藤象二郎とともに、京に向かった。そして龍馬はその船上で新しい日本の姿を思い描いていた。その一方、京都・三条城で行われる日本の将来を決める会議は、迷走していた。

薩摩藩主・島津久光は、朝敵にされている長州・毛利家を許してもらうよう、朝廷に要請するのがまず先だと将軍慶喜に訴えた。それは島津が長州を助けて己の勢力を強めようということかと慶喜が反論する。それに対して久光は諸藩が力を合わせていかなければ、これからの日本国は立ちゆかなくなると警告する。それよりも兵庫開港を朝廷にお認めいただくのが先だと慶喜が言う。兵庫開港?と松平春嶽が慶喜を見る。

島津久光は兵庫開港は幕府が勝手に異国と約束したことだと我関せずの態度を取る。それに慶喜が激昂する。朝廷が長州を許すはずがない!兵庫開港が先じゃ!長州が先でごわす!と久光も声を荒げる。二人の論争が激しくなる中、歯痛に苦しむ容堂が変な声を上げ、一旦議論が止まる。春嶽が久光と慶喜の話の間に割って入る。いつの間にか、兵庫開港が先か、長州を許すのが先かという議論になってますなぁ。

バカバカしい!と京都の土佐藩邸に帰ってきた容堂が怒る。氷嚢を頬に当てて歯痛を和らげようとしている。島津は勝手なことばかり!慶喜公も、ご自分のことしか考えとりゃせん!と氷嚢を叩きつけ、羽織りを力任せに脱いだ。

慶喜も、将軍である自分にああも堂々と楯突いてくるとはと、島津光久の態度に怒りに身を震わせていた。

京の薩摩藩邸に戻ってきた島津久光に小松帯刀が、土佐の山内容堂は何も発言しなかったかと確認した。あれは徳川に恩義があるので、いつものように様子見だろうと久光は答えた。詰まるところ卑怯者じゃと大久保利通(ミッチーだったのか!)。もう話し合いなんど無駄でごわすと大久保は久光に言う。出兵の支度は整えておりもす。一気呵成に幕府を攻めもんそ!大久保の性急な武力倒幕論に西郷吉之助が顔をしかめる。焦ったらいかんと久光が大久保を制する。機が熟すっとを待ぅとじゃ。おいに考えがあると西郷が大久保に言い、中岡慎太郎を呼べと命じた。

夕顔丸の船室。龍馬が必死に筆を走らせている。海軍と書き始めたところで、陸奥が入ってくる。なんぜ?と少しうざったそうに龍馬は返事をする。わいはこう思うんですと陸奥が話しはじめるが、龍馬は書き続ける。都にはいろんな藩が集まっているさかい、人や物が寄ってくる要所やないですか、せやから京に海援隊の仕事場を作ったら、ええんとちゃいます?と陸奥が提案する。陸奥が言う。うんうん、龍馬は相槌を打ちながら、書き写している。龍馬が上の空で聞いているのを察した陸奥が、龍馬の書いているのを覗き込む。すると龍馬はその紙を持って立ち上がり、甲板へと急いだ。

甲板に上がった龍馬は後藤象二郎を探した。後藤象二郎は望遠鏡で遠方を見ていた。龍馬は後藤に先ほどまで船室で書いていたたものを見せた。紙を開き読み始めた後藤の眼の色が変わり、食い入るように読み始める。龍馬は後藤に、これからの日本の将来の道筋を考えてみたがですと説明した。今まで会うた、いろいろな人に教えてもろうたことを自分なりに書いてみたがです。もし後藤様に納得してもらえるようやったら、是非とも大殿様にも、見て頂きとうございますと頼んだ。龍馬の提言を読んでいた後藤が顔を上げ、もっと綺麗な字で書かんと大殿様には見せられんと龍馬に言った。ありがとうございますと龍馬は急いで船室に戻った。

龍馬が書いたその一枚の紙は、後に「船中八策」と呼ばれるものであった。そこには日本の未来の姿が刻まれていた。

長崎・土佐商会には続々と商人が集まってきた。葉巻をくゆらせる弥太郎に溝渕が言う。みんな紀州藩から賠償金をせしめたと聞いたがじゃのぉ。つまりワシの実力ぜよと弥太郎が満面の笑みを浮かべる。そこに手紙が届く。何?と弥太郎が驚く。また儲け話かと溝渕。金があるところに金が集まるいうがはまことじゃのぉと一人納得するが、手紙の内容は真逆であった。18万両!と弥太郎と目を丸くする。18万両、ありがたい!と溝渕。違う!借金じゃ!オールト商会からの!と弥太郎が怒鳴る。後藤象二郎が勝手に船やら銃やら買った代金であった。騙されちゅうと弥太郎。ワシは後藤様にだまさちゅうがじゃ。土佐商会の主任ゆうたち、結局、後藤様の尻拭いをさせられゆうだけぜよ!くそぉ!と弥太郎はやけを起こして、商人たちが置いていった物産を蹴り始める。ある考えが弥太郎に浮かんだ。

夜、弥太郎はグラバー邸を訪れた。グラバーは弥太郎にスコッチ(?)を渡して乾杯する。何かいいことがあったのかと尋ねるグラバーに、弥太郎は、新しい世界に足を踏み入れようと決意した時、人は誰でも心、浮き立つもんぜよと答え、スコッチを啜った。そして本題に入った、グラバーさん、エゲレスゆう国は世界中の国と取り引きしゆう。エゲレス人は誰もが好き勝手に、商売できるがかえ?

グラバーは通詞(さりげなくパックンマックンの吉田眞!)をとおして弥太郎に説明した。エゲレスにはたくさんのカンパニーがあって、みんなが(お互いに)競争している。弥太郎がカンパニーの意味を尋ねる。カンパニーは人々(個人個人)から資金を集めて、それを元手に商売するとグラバーが答える。つまり1人ではできん大商いができるわけかえと弥太郎が笑う。しかし、資金を集めるにはトップの力(能力)が認められなければならないとグラバーは付け加えた。トップ?と弥太郎。てっぺんに立つ者とグラバーが日本語で答えた。グラバー商会でいえば、この私です。弥太郎がグラバーに詰め寄る。ワシもトップになりたいがじゃ!弥太郎の唐突な話に、グラバーが咳き込む。ワシにエゲレス流の商売を教えてくれんかえと弥太郎は頭を下げた。

一方、京では思いも寄らない知らせが、竜馬らを待っていた。龍馬たちが京都の土佐藩邸に入ったとき、すでに容堂は土佐に帰ったあとだった。大政奉還を目指す竜馬たちの計画は、暗礁に乗り上げた。

みすぼらしい姿の陸奥が龍馬のところへ駆けてきて、息も切れ切れに海援隊の仕事場を見つけてきたと告げた。ああ、そうかと龍馬。酢屋という材木問屋を使わせてもらうことになったので、案内する陸奥が言う。意気消沈している龍馬はちょっと待ってくれと渋るが、これも大事な仕事ですやろ!という陸奥の勢いに押され、龍馬はわかったとしぶしぶ承知し、羽織袴のままで藩邸から出ようとする。この格好はアカンと陸奥が龍馬を止める。坂本さんはお尋ね者ですやろと、服装を返させた。

陸奥と龍馬は荷車を押す町人に変装して京都の市中に出た。そこに新撰組が通りかかる。陸奥は龍馬に隠れるように言う。新撰組が通りすぎると、陸奥は龍馬を呼び戻して先を急いだ。待てと2人を呼び止める声がする。俺たちを見て逃げたな?新撰組の土方歳三だった。いえいえと声を変えて喋る龍馬。ワシらこの荷物を運ばんといかんがじゃ!と荷台のむしろをはがして、積んでいた荷物を新撰組の隊士たちに投げつけた。久しぶりじゃの近藤さん!と龍馬は逃げた。狭い路地を逃げる龍馬と陸奥を新撰組が追いかける。囲め!と近藤勇が叫ぶ。陸奥が転ぶ。龍馬が陸奥の方へ戻る。するとそこに新撰組の隊士が現れる。慌てて龍馬は引き返すが、そこも近藤に塞がれる。新選組の一人が陸奥に斬りかかり、陸奥が刀を抜いて応戦する。やっとこの時が来たなと近藤が刀を抜き、龍馬に詰め寄る。さらに別の2人の隊士が壁から飛び降りてきて龍馬を囲む。龍馬は刀を鞘から抜かず、突きのみで新撰組と戦う。困ったのぉ龍馬が陸奥に言う。龍馬と陸奥は瀬戸物屋の裏の隅に追い詰められた。そこにパンパンと火薬の破裂音がする。

火薬の煙の中から中岡慎太郎が現れる。なかなかに楽しそうじゃのぉ龍馬と中岡が刀を抜く。なんちゃちっくと楽しゅうないぜよと龍馬。ワシも仲間にいれとうせ!と中岡が新撰組に斬り込んでいく。陸奥もそれに続く。近藤が龍馬を狙って斬りかかる。龍馬は鞘から少し抜いた刃で近藤の一撃を防ぐが、次の一撃で刀を落としてしまう。別の隊士が龍馬に斬りかかる。龍馬はそれをかわして後ろにまわり、相手の首筋に手刀で打ち込む。また近藤が素手の龍馬に斬り込んでくる。龍馬は近藤の間合いに入って腕を掴む。近藤は身動きがとれなくなる。もうやめにせんかえと龍馬が近藤に言う。俺の仕事はお前を斬ることだ!と近藤。龍馬が拳銃を抜いて空に向かって撃ち、その銃口を近藤の顔に向ける。龍馬は近藤の腕を離すと、近藤も他の新撰組隊士も後ずさりする。おんしらの相手は今日はここまでぜよと龍馬は、新撰組の横にあった棚を撃つ。棚が新撰組のところに倒れてくる。店主、これは弁償するき、新撰組がのぉ!と中岡も棚を倒す。新撰組がひるんだ隙に三人は逃げた。

中岡が藤吉という恰幅のいい男を見つけ、客人じゃあいつものとおりにと頼んだ。ハイと藤吉が応じて屋敷の裏戸を開けると、中岡は龍馬と陸奥に屋敷の中へ入るように急かした。そこは相撲の稽古場だった。力士たちが稽古をしている最中だった。稽古場の壁にへばりつき、龍馬たちは新撰組が過ぎ去るのを待った。

龍馬と陸奥がちゃんこを食べ、うまいうまいと絶賛する。藤吉がまた別の料理も持ってくる。この藤吉は相撲部屋の料理番だが、いろいろ気のつくいい奴だと中岡が龍馬と陸奥に紹介する。龍馬がワシらも海軍操練所にいた頃はよけい相撲をとったのぉと言う。そうかええと中岡。ほんならいっちょ勝負するかえと龍馬に一勝負申込む。やるかえと龍馬が応じる。

龍馬と中岡慎太郎は上半身裸になり、陸奥の「はっけよい、のこった!」の掛け声で相撲を始めた。互いに腰を掴み、一歩も譲らない。なあなかやるのぉ龍馬と中岡が笑う。おまんこそと龍馬。ワシはのぉ、今薩摩と行動を共にしゆうと中岡が言う。中岡が薩摩と手を組んでいると知って龍馬は驚く。西郷さんと共に武力倒幕の策を練りゆうがじゃ!と中岡が龍馬を土俵の外に寄り切ろうとするが、龍馬は踏みとどまると中岡を持ち上げて投げた。中岡が倒れる。龍馬が言う。武力倒幕はいかんぜよ。戦に勝ったち、恨まれるだけぜよと土俵に伏した中岡の横にしゃがむと、手をさしのべた。

中岡は龍馬の腕を掴んで立ち上がると一呼吸おいて、龍馬に要件を伝えた。実はのぉ西郷さんが、後藤象二郎様と会いたい言われちゅう。それはまっことかえと龍馬。中岡が言う。手を結びたいやったら、顔と顔を合わせて話し合うべきぜよ。龍馬が笑う。それは願ってもない話ぜよ!

龍馬は京都の土佐藩邸に急ぎ向かい、西郷が会いたいと言っている旨を後藤象二郎に伝え、これは薩摩に大政奉還を考えさせる絶好の機会ながじゃと訴えた。後藤は茶を飲み干して立ち上がると、庭を見て西郷の思惑は何なのか、考えを巡らせた。西郷は土佐を戦に巻き込むつもりじゃないかえ?と後藤は龍馬に聞いてみた。恐らくそうですろうと龍馬が答える。けんど、これは薩摩と土佐の知恵比べじゃ。土佐が武力倒幕に加わると思われてもえい。薩摩に大政奉還を目指すと言わせたら、それでワシらの勝ちですきと後藤に言った。(プライドとか勝ち負けにこだわる後藤にはいい説得だなと)後藤は龍馬の言葉に頷いた。

慶応3年(1867年)6月、ついに京・三本木の店にて土佐藩と薩摩の重役が顔を合わせた。土佐からは後藤象二郎と寺村左膳、薩摩からは小松帯刀、西郷吉之助、大久保利通が出席し、坂本龍馬と中岡慎太郎が仲介人として同席した。大政奉還を目指す土佐と、武力倒幕に傾く薩摩。この時点で両藩の考えは正反対に分かれていた。

まず小松が口を開き、後藤には前から一度お目にかかりたかったと言い、若くして土佐の参政に任じられた後藤象二郎の名は薩摩にも轟いてると褒めたたえた。すると後藤も小松帯刀の名も薩摩の藩政を任されている優秀な方だと聞いておりますと応じた。帯刀が笑った。場が和んだところで、西郷は本題に入るべく、芸妓を下がらせた。後藤が龍馬を見る。龍馬は後藤に向かって頷いた。この二人のやり取りと大久保利通が切れ長の目で黙ってみている。

西郷が立ち上がり、芸妓が出て行った部屋の襖を自ら閉めて向き直ると、後藤に言った。土佐が薩長に加わると聞いた時は百万の味方を得た思いごわした。徳川幕府はもうガタがきちゅうと後藤。日本はもう生まれ変わらんといかんがですを盃を上げた。じゃっどん、どうも土佐の皆さあのお顔は、おいたちとは違う方に向いておられるごあんどなあと西郷が後藤に問う。後藤が立ち上がって、西郷の前に進み出る。西郷殿、戦ゆうがは、するぞ、するぞと脅しをかけて、最後まで一本の矢も放つことのう相手を降参させる。それが見事な勝利ゆうもんですろうと、後藤は西郷に向けて指で矢を射るまねをする。西郷が笑う。つまり、大政奉還でごわすか。

これが土佐の考えじゃと後藤。山内容堂公はご存知じゃっとごあすか?と西郷が尋ねる。後藤が言葉に窮する。龍馬は後藤をずっと見ている。後藤はちらっと龍馬を見て歩き出す。その様子をずっと大久保が黙って観察している。土佐はまだまだ一つになっておらんようごわすなぁと西郷が正座して控えている龍馬を見る。

大政奉還ら慶喜公が受け入れるはずがないがですと龍馬の前に座る中岡慎太郎と言うと、もう機は熟しちゅう。土佐も性根を据えて兵を挙げるべきですろうと後藤に詰め寄った。黙っちょれと後藤。それでもやめない中岡に後藤がいい加減にしろと怒鳴る。そげん決めつけたらいけもはんと西郷が中岡を制する。後藤さあのお考えもおいは、ようわかっ。え?と中岡が西郷の言葉に耳を疑う。

西郷が続ける。徳川が自ら政権を帝に返上してくれたなら、そいはそいが一番よかこつごわっそ。龍馬と後藤、そして小松帯刀が西郷を見る。大久保は黙って前を見つめている。小松さあと西郷が帯刀の前に座る。ここは後藤さあのお考えに乗ってみもはんか?帯刀は大久保に意見を求めた。後藤さあの考えに従うとがよかちと答えた。帯刀は後藤に、土佐と薩摩は協力して、大政奉還の成就を目指しもんそと持ちかけた。待ってつかあさい、今更、大政奉還らと中岡が慌てる。ただし!と大久保が立ち上がる。大政奉還が成らんかったときは、徳川との決戦するお覚悟を付け加えた。戦になれば、当然土佐藩も挙兵して頂きもす。

後藤は自分の席に戻って座ってしばし考え、約束しようと大久保に言った。よかった!と西郷が笑う。今日はざっぜよか日になりもうしたと西郷は後藤に酒を勧めた。大久保が龍馬と中岡の控える部屋に入ってくる。龍馬は大久保の後ろ姿を目で追う。

薩摩は大政奉還に協力する。だが徳川幕府がそれを拒んだ場合には、土佐は武力倒幕に参加する。この日交されたのは両者の思惑が混じり合った複雑な約束だった。

弥太郎がオールト商会に乗り込んできて、自分にエゲレス流のビジネスを教えてくれと頼んだ。一緒に来たグラバーが呆れる。そこでは大浦慶とオールトが食事をしていた。弥太郎がオールトに言う。ワシは自分で金儲けがしたいがぜよ。オールトがグラバーに英語で聞いた。いつから君は日本人びいきになったと?なんだと?とグラバー。オールトがグラバーに聞いた、稼ぐだけ稼いだら日本から逃げろと、以前の君は私に御指南してくれたと記憶しているが、一体どうしたんだ?確かに私は日本人を軽蔑していたとグラバーが日本語で返す。何じゃと!弥太郎が眉を上げる。だけど今は違う!とグラバーは断言した。名もなき若者たちが、この国を変えようと懸命になっている。そしてオールトを向き、英語で私心を捨ててね(without selfish motive:私利私欲に関係なく)と付け加えた。坂本さんたちのことやねとお慶。

彼らに出会って僕は考えを変えたんだとグラバーが言う。だがあいにくとオールトがグラバーの肩を慰めるように叩く。彼らには将来への(明確な)展望がない。幕府を倒して帝に政権を返す?そんなことをすれば、大混乱を招くぞ。

弥太郎も通詞を介してオールトの話を聞いた。大混乱?と弥太郎が戸惑う。だが我々にとっては願ってもないことじゃないかと、オールトは弥太郎とグラバーに笑いかけた。オールトが弥太郎に質問を出した。さてこの状況で、大きなビジネスチャンスはどこに転がっているだろうか?弥太郎が考えを巡らせる。

龍馬が中岡慎太郎を、京での海援隊の仕事場として陸奥が見つけてきた酢屋に案内する。相撲部屋の料理番の藤吉も一緒についてきた。大きな一歩じゃ、薩摩に大政奉還を目指すと約束させたがじゃきと龍馬は感無量と言わんばかりに腰から刀を外し、肺に溜まっていた空気を目一杯を吐くと、ブーツを脱いだ。中岡が龍馬に詰め寄り、日本を帝の国に戻すためには戦で幕府を叩き潰すしかないぜよと訴えた。

幕府を叩き潰したその後はどうするがぜ?と龍馬は中岡に問うた。その後?と中岡。おまんにちっくと見て欲しいもんがあるがじゃと龍馬は二階へ上がった。しぶしぶ中岡は龍馬に付き合って二階に上がった。龍馬は机に置かれた紙を手に取ると、こっちへ向かう船の中で、新しい政の仕組みを考えてみたがじゃと中岡に差し出した。中岡は龍馬からその紙を受け取ると、開いた。その中身に中岡は言葉を失った。

一つ。天下の政権を朝廷へ奉還せしめ、政令宜しく朝廷より出ずべしと龍馬(この場合よろしく…べしで「すべきである」の意味。漢文苦手なもので調べました)。まずは(徳川幕府に)政権を帝に返上させるがじゃ(朝廷が政府としての命令(政令)を出す)。これはのぉ、木戸貫治から教えてもらったことぜよ(馬関の戦いの後、武力倒幕に傾いている木戸貫治からそれは無理だと言われた)。

一つ。上下議政局を設け、議員を置き、万機を参賛せしめ、万機宜しく公議に決すべし。エゲレスのように2つの議院を作り、みんなで話し合うて政を進めていくがじゃ。これはのぉ、横井小楠先生から聞いた話ぜよ。(海軍操練所の資金提供を頼みに松平春嶽に会ったときに、横井小楠からデモクラチーの話を聞いている。「より多くの民の考えば国の政に生かす仕組み」だと)

一つ。有材(うざい)の公卿(くぎょう)、諸侯、及び、天下の人材(じんさい)を顧問に備え、官爵を賜い、宜しく従来有名無実の官を除くべし。たとえ身分が低うても、武市さんのように頭のえい者は、政に加わるべきぜよ。吉田東洋様が言われたようにの。(下士でも優秀な者がおれば、わしが取り立てちゃると東洋は龍馬に言っている)

中岡が紙に目を走らせる。龍馬が喉が乾いたと藤吉に水を頼みに、下へ降りていく。中岡も紙を持って龍馬の後を追う。そして中岡が龍馬の書いたものを読み上げる。

一つ。外国との交際、広く公議を採り、新たに至当の規約を立つべき事。異国との約定は対等でのうてはいかんと龍馬が柄杓から水を飲む。それが高杉さんの目指した日本の姿ぜよ。

これこそ龍馬が書いた八つの条文「船中八策」であった。

中岡が船中八策を読み続ける。

一つ。御親兵を置き、帝都を守衛せしむべき事。異国から帝を守る軍隊を作らんといかんがじゃき。武市さんの志は決して無駄にはせんと龍馬が言う。

一つ。海軍宜しく拡張しべき事。これはもちろん、勝麟太郎先生の教えじゃと龍馬は笑った。

一つ。金銀物貨宜しく外国と平均の法を設くべき事。これはのぉ、久坂玄瑞殿に聞いた話ぜよ。

それは龍馬がこれまでに学んできたことを見事に生かした、輝く結晶のような文章であった。

(このナレーションでよく聞こえないのが)

一つ。古来の律令を折衷し、新に無窮の大典を撰定すべき事。(古い法律の良いところだけを選び、いわゆる憲法を制定するという意味)龍馬が言う、日本が堂々たる独立国になるためには、新しい決まりを作らんといかんがじゃき。侍も商人も、もちろんこの藤吉も、分け隔てのう、政に加わらせる新しい仕組みじゃ!これはのぉ、土佐の河田小龍先生から教えてもろうたことじゃがき!懐かしいのぉと龍馬は声を上げて笑った。

愕然とする中岡に龍馬が声をかける。わしが作りたい世の中は、上士も下士もない、平らな世の中ぜよ。誰かが誰かを支配しちゅうような仕組みの中からは、必ず恨みや憎しみが生まれてくるき。ワシはのぉ母上からこう教わったがじゃ。憎しみからは何ちゃあ生まれん。

龍馬は中岡から船中八策を取って広げ、ワシはのぉこの八つの策を成し遂げることで、この日本を誰もが笑うて暮らせる国にできると、そう信じちゅうと言った。ほんじゃき、戦で幕府を倒してはいかんぜよと中岡を見た。

中岡が龍馬の胸倉を掴み、おまん、なんちゅうことを!ワシは涙が出てきたぜよと喜んだ。藤吉も泣き始める。わいもですと龍馬にすがった。そんな国になってくれたら、わいは学があらへんで、難しいことはようけわからんけんど、日本がそんな国になってくれたらと号泣する。龍馬が藤吉に泣くなと慰め、おまんは面白い男じゃのおと元気づけた。

けんど龍馬、それはいかんちやと中岡が首を振った。今の仕組みにすがっちゅう者らには、決して認めようとはせんろう。そうじゃろうのうと龍馬が頷いた。それを世に出したら、殺されるがぜと中岡が警告する。命を狙われるぐらいのことをせんと、日本は変わらんぜよ、そうじゃろ?と龍馬は笑った。たまるか!と中岡も笑った。

龍馬の船中八策はやがて「新政府綱領八策」という明治政府の基本理念になる。だがそれがますます龍馬を危険にさらすことになったのだ。

新撰組が京都をかけ回る。

大久保利通が土佐藩邸で刀を振り回し、目障りごわんどな、あん男はと呟いた。

そして弥太郎はオールトのどこに大きな商機が転がっているかという質問への答えを出した。戦こそがビジネスチャンス!と弥太郎は答えた。その通りとオールト。グラバーさんと弥太郎が叫ぶ。最新式の銃に弾薬、大砲を送り届けてくれるようエゲレスに頼んでつかさい!グラバーは眼を閉じて弥太郎の求めに応じない。戦は起る!と弥太郎が歓喜する。龍馬がなんぼ頑張ったち、戦は止められん!ワシは大儲けするぜよ!

龍馬は酢屋の二階で「船中八策」を広げ、変革を遂げた将来の日本に思いを巡らせた。

竜馬暗殺まで五か月を切った。

今までの話をうまくまとめたいい話でした。

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コメント

この回はまだ見てないのですが、プロデューサーが「第4部はミステリーになります」と言った言葉どおり、第3部終盤から第4部にかけては、薩摩にも土佐にも紀州にも長州にもそれぞれ龍馬暗殺の動機を匂わせる場面があって、かなり楽しみな展開になっています。

第4部になったとたん、周囲のキャラクタが面白すぎて、龍馬自身は埋没している印象があります。たぶんそれも意図された演出なんだろうと思います。

目下のところは、後藤象二郎が最高!

baldhatterさん、どうもsun
サブキャラ立ちまくりの第4部ですが、今回は龍馬の回でした。

後藤象二郎の虎の敷物と袴にジャケットというスタイルはいかしると思います。

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