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2010/10/30

スーパー堤防「廃止」だけで本当にいいのか?

スーパー堤防の廃止にあえて異を唱えたいと思います。

スーパー無駄遣いと「ドヤ」顔で言った仕分け人、ハリケーン・カトリーナのことを対岸の火事だと思っていやしないでしょうか?作らないならどう対処するのかという代替案がありません。

400年かかるから無駄というのはおかしいです。そもそも、最初からそういう計画ではありません。「用地買収」に難航しているということで省庁の手際が悪いというより、住民が納得しないという、成田空港の拡張が進まずに離着陸時の危険性が高くなっていたのと同じです。

誰が本当に建設を遅らせているのかという話です(住民に氾濫原という認識がないのかもしれません)。

100年に一度起こる可能性は、実は確率的に低くはないようです。

アメリカの場合:

1965 年にハリケーンによる大災害が発生した。死者75 人、85 億ドルの被害であった。これまでは、洪水に対する援助はあったが、この時始めて、ハリケーンに対しても援助されることとなった。また、復旧に際して、水害保険プログラムが導入された。はん濫原に住む住民は100 年確率規模の洪水時の水位より高いところに居住することになった。さらに、はん濫原マップも作成されて、約2 万人が水害保険に加入した

その後、洪水やハリケーンに対する施策は変遷を経てきた。1936 年に連邦政府が責任を持つことになったが、河川沿いの住民に対しては500 年から1000 年に1度の洪水に対しても安全なように対策をとってきた。しかし、沿岸地帯の住民に対しては、特に基準が設置されていなかった。おおよそ、200~300 年に1回の水害に対しての基準であった。今回のカトリーナ被害を受けて、この基準は引き上げられることになると思われる。

アメリカでは100年に1回の確率で氾濫する地域には人を住まわせないようです(一度氾濫が起こって家がなくなってるという前提でしょうが)。カトリーナによる被害が拡大したのは補強工事が間に合わなかったという指摘もあります。

「予算不足」では通らなかった堤防決壊の言い訳

「政府に予算の確保を要望してきたが、04年は予算不足でついに工事を中止せざるを得なかった」。堤防の工事を担当していた工兵隊のアル・ナオミ部長は、05年9月2日付のワシントンポスト紙にこう明かしている。

 当初13年間で完成するはずの堤防の補強工事は、費用負担の調整がつかず大幅に遅延。カトリーナが上陸した05年時点で完成予定は15年にずれ込み、事業の進ちょく率は約75%にとどまっていた。

 翻って日本はどうか。「コンクリートから人へ」と掲げた政府の10年度当初予算案によると、公共事業関係費は09年度当初予算比18.3%減の5兆7731億円。公共事業を担う国交省や自治体の担当者からは、工兵隊の部長と同じような“悲鳴”が聞こえてきそうだ。

 国交省は現在、本体工事に着手していない群馬県の八ツ場ダムなど89のダム事業を中止の候補として、事業を続けるかどうかを検証している。有識者会議が10年夏をめどにまとめる基準をもとに、事業の可否を判断する考えだ。

 国や自治体には、必要なインフラを整備する義務だけでなく、整備しなかった場合の説明責任も求められる。公共事業の予算が大幅に減った今こそ、行政の説明能力に注視したい。災害が起こってから「予算不足でした」では通らない。米国の教訓だ

スーパー堤防を作らないという選択肢もあります。その場合は、氾濫の危険性が高いところが野放しになりますよ、それを覚悟で住んでくださいということを周知徹底しないといけないでしょう。川が氾濫したら江戸川区とかほぼ水没するようです(リンク)。避難プランも含めた代替案のない建設中止は、危険を放置しているのと一緒じゃないでしょうか。

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コメント

洪水対策としての堤防を作らないのであるならば、ダムを作って水量を何とか調節するべきだ、ということで、八ツ場ダムの建設を再開しろ、と東京都のあの人は言っているようです。

http://www.jiji.com/jc/zc?key=%c0%d0%b8%b6%bf%b5%c2%c0%cf%ba&k=201010/2010102900808

とんとさん、どうも
ダムは建設時間面でもコスト面でも効果が高いと思います。ただダムも水が限界にくると放水しなければならなくなり、下流の氾濫がひどくなる危険性もあると思うので、ダム→堤防というステップで建設するのがいいのかもしれません。

スーパー堤防が無駄と言うなら、バラマキ民主党はそれ替わる洪水対策を提案すべきである。洪水対策自体が無駄だというのだろうか。
民主党の政策はバラマキ無駄のかき集めであり、政策の事業仕分けが必要である。民主党の議員は税金を取るだけの無駄な存在である。

左巻き菅さん、どうも
>スーパー堤防が無駄と言うなら、バラマキ民主党はそれ替わる洪水対策を提案すべきである
そのとおりだと思います。

まあ、本当にあくまで今世の事情、それもこの瞬間の都合にしか目が行ってないですね。
そらどうせ僕らが生きてる間には完成しない物だが、だからこそ急がなきゃならんのは子供でもわかるってもんです。
守れる命なら今日の命だろうが数百年後の命だろうが“今”守りましょうよ。
まあ民主のゴミクズ蛆虫らに届く声なんか無いですがね。
コンクリートは鋪装しないわ人は大事にしないわ最低ですわ。
そりゃ支持率で自民に抜かれもするって話ですよ。
何にも増して憎たらしいのは、あのレンホー。
あの、議員と言う強い立場で凄んで、決定権の無い、強く言い返せん官僚らをさんざんにバカ扱いして衆目の前で扱き下ろして、しかも自分の無知ゆえの失言やブーメランを後付けで誤魔化し、ワイドショー化したニュースやヘドが出る番組では庶民を気取る…あのふざけた、日本人ですらない様なふざけた馬鹿を、スター扱いせんで欲しい。
こないだ小泉jrにさんざん論破されながら詭弁と逃げと見下しに徹してましたがあまりに不愉快。
大体どこに行ってもそう。
まあ仙石も菅も小沢も鳩山も岡田もオキイシも前原も原口も民主議員皆そうですが。
たまに政治ニュース見るたび、与党の全てに腹を立てなきゃならんなんて。
バカかクズかバカでクズかみたいな党をあとどれだけ与党として野放しにせにゃならんのか…

藤咲さん、どうも
>そらどうせ僕らが生きてる間には完成しない物だが、だからこそ急がなきゃならんのは子供でもわかるってもんです。
時間がかかるからこそ急がないといけないですね。民主党の仕分けは「経済行動学」的に犯しやすいミスを堂々と犯しているところがあるように思います。
自民党に支持率抜かれてましたね。

仕分けする側のアホ過ぎる質問で時間を取られは議論もできません。というか議論は互いに同じ目標を共有していれば、いい方向に向かいますが、それ以外は口論にしかなりません。しかも可否を判断するのは第三者ではありません。あれは結論の決まっている口論です。

事業仕分けで浮いた資金を子ども手当に回すような話でしたが、その子供の為になってるのかどうか。

民主党の誰かがアメリカみたいな議会行政監査局は作った方がいいと思います。仕分け作業なんて一時的なもので永続的な組織ではないですから。

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