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2010/10/16

龍馬伝 第40話 清風亭の対決

龍馬は内乱を防ぐべく、大政奉還へと動き出す。

小曽根邸、瓜を的に拳銃を撃つお龍。これだけ射撃がうまい女子もないと小曽根県乾堂がお龍を褒めた。お龍は自分を戦いに連れて行ったら役に立てたのに悔しがった。龍馬たちは見事、幕府軍に勝ったからいいではないかと乾堂はお龍を宥める。しかし勝利の先には反撃が待っているのが世の常。

幕府がこのまま黙っとるかと乾堂はお龍に忠告した。龍馬さんたちは、いままでごと大手ば振るって、明るか日の下ば歩けんごとになるかもしれません。

龍馬さんはうちが守りますと、お龍は拳銃の引き金を引いた。

幕府がこのまま黙っとるかと乾堂はお龍に忠告した。龍馬さんたちは、いままでごと大手ば振るって、明るか日の下ば歩けんごとになるかもしれません。

龍馬さんはうちが守りますと、お龍は拳銃の引き金を引いた。

そこに龍馬が帰ってくる。抱き合うお龍と龍馬。

龍馬を小曽根邸に残し、惣之丞や陸奥らが亀山社中の屋敷に戻ってみると、中が荒らされていた。長崎奉行所の仕業であった。しかし捕まえに来ないところを見ると、証拠はないのだろうと陸奥。だが長州との負け戦で幕府も焦っていることだと状況を読んだ。

坂本はいなかったと捕手が、長崎奉行・朝比奈昌広に伝える。捕まるのが怖くて長崎には入れないのだろうと岩堀が言う。だが朝比奈は、幕府が敗れたこの機に乗じて不届きな商人がかくまっているやもしれんと再び龍馬の探索を命じた。お前もだお元、と朝比奈。龍馬の噂を耳にしたら、すぐに知らせるのだと厳命した。お元は深々を頭を下げた。龍馬は幕府に逆らう重罪人だ。わしがいるかぎり、二度とこの長崎の土を踏むことは許さんと葉巻を投げ捨てた。当惑するお元。

お龍と一緒に庭を見ていた龍馬のところに、小曽根英四郎が血相をかえて駆けこんでくる。社中が荒らされていたと報告した。それはおそらく奉行所の仕業で、坂本を捕らえようとしているのだろうと言った。落ち着けやと龍馬が笑いながら英四郎の肩を叩く。

しかし奉行所に目をつけられていると動きにくいのおと龍馬が唸る。そこに乾堂がやって来て、自分の屋敷に移ってきてはどうかと提案した。龍馬は乾堂の心遣いに感謝しながらも、迷惑がかかると断った。すると乾堂は今回の長州での戦いで自分たち商人も、もう幕府はダメだと思い知り、自分も覚悟を決めたと龍馬に言い、奥の離れなら奉行所の目も届かないので、そこを使うように申し出た。龍馬は居住まいを正して礼を言った。

家茂の死去により、慶喜が将軍となった。フランス公使ロッシュが大阪城にいる慶喜のもとへ来た。そしてまさか幕府が負けるとはと慶喜をフランス流に叱咤する。(通詞は小栗上野介)。慶喜がロッシュに笑顔を見える。今こそフランスの力を借りる時が来た。幕府軍を西洋式のより強大な軍に変え、必ず長州を討つと宣言し、この日本を治めるのは徳川家であることを朝廷に認めさせるまでじゃと高らかに笑った。

自宅で療養する高杉晋作のもとに木戸貫治が土産の鼈をもって訪れた。顔色が思ったより良いと言い、藩医・長野晶英から貰ってきたという労咳に効く薬を高杉に渡した。いつもありがとうございますと高杉が礼を述べた。木戸が高杉の横に腰を降し、今回の戦は勝てたが、このまま幕府も黙っちゃおるまい、再び相まみえる時が来るはずじゃと言った。江戸へ攻め込むおつもりですかと高杉が尋ねた。それは最後の決戦じゃ、まずは京へ攻め上りと木戸が話し始めると、高杉は龍馬が大政奉還を成し遂げると言ったと返した。徳川が政権を返上するわけがなかろうと木戸。しかし他に術(てだて)はないと高杉が木戸に詰め寄る。坂本君は夢を語っとるんじゃ!と木戸が声を荒げる。薩長を結びつけたことで、気が大きゅうなっちょるんじゃ。坂本さんはそのようなお人ではないと高杉は反論すると、咳き込み、血を吐いた。高杉は口から出る血も拭かず、戦はやめろと懇願した。

一方、土佐では、山内容堂もとに徳川慶喜は幕府の力を回復するために着々と手を打っているとの報告があった。どうかのぉと容堂が酒を呑む。慶喜公がどればぁ頑張っても、もう昔の幕府を取り戻すことはできんがじゃ。そろそろ潮が満ちてきたようじゃあと盃に満ちた酒をしばし眺めて啜った。ついに容堂が動き出した。

後藤象二郎が容堂の命を帯びて長崎にやってきた。そして岩崎弥太郎に80万両の資金を用意しろと命じたが、弥太郎はそんな大金は無理だと突っぱねた。土佐は信用されちゃあせんゆうがかと後藤象二郎は呟くと、おんしそれを大殿様に言えるかえと弥太郎に凄んだ。それは勘弁してつかあいと弥太郎。ならなんとかしいや!と後藤が怒鳴る。

弥太郎はふと、グラバーやお慶が土佐藩との取引には龍馬を間に立てて欲しいと言っていたのを思い出した。さか・・さか・・・弥太郎が目に涙を浮かべながら口ごもる。言うてみいと後藤が急かす。弥太郎は、さ…三年かけて何とかしますき!と叫んだ。三年も待てるかと後藤が突っ込んだ。そこに容堂からの手紙が届く。内容は密かに薩長に近づけというものであった。

後藤は弥太郎を通じて小曽根乾堂と大浦慶を長崎・土佐藩邸に呼び寄せ、いつもながらの鷹揚な口調で、薩長の重臣と引き合わせて欲しいと求めた。勝ち馬に乗ろうととお慶が言うと、弥太郎は返事をしろと諌める。乾堂は勘弁して欲しいと断った。お慶もそれに倣った。土佐藩の御参政が直々に頼みゆうがじゃぞと、そう云う弥太郎は落ち着きを失い、後藤と2人の商人の間で目をキョロキョロさせる。断る訳を言いやと後藤。

お慶が答える。徳川様のご領地である長崎で、商いばさせて頂いておるとです、うったちは。乾堂がそれに続く。土佐と薩長の橋渡しなど、どげんしてできましょう。後藤は黙って聞いている。

そしてお慶が口走った。坂本様がおられるじゃありませんか!坂本と聞いて、後藤の眼の色が変わる。乾堂が言う。薩摩にも長州にもお顔の利くとは…坂本龍馬様でしょう。お慶が、なしてあげん重宝なお方ば、土佐藩は放って…後藤の怒りを察した弥太郎が、龍馬の名前を口にするなと怒鳴り、2人の商人の前に立ち塞がった。

そうかと後藤が笑う。あいつは長崎におるがか。おんしも知っちょったがかと弥太郎を睨む。どこにおるかは知らんがです、ほんとですきと弥太郎は震えながら、首を振る。

坂本……と後藤は手に持っていた(容堂の指示書?)を握りつぶす。龍馬への因縁や屈辱が後藤の頭を駆け巡る。叔父である吉田東洋の暗殺、坂本を殺せと弥太郎に命じたものの、失敗し土佐に密かに戻ってきた龍馬に「おまんにワシは斬れんぜよ」と倒されたこと、後藤は坂本の名を叫ばずにはいられなかった。乾堂とお慶を通じて薩長に接近する目論見は失敗に終わった。

乾堂とお慶が帰り、弥太郎だけが残った部屋で、半ば放心状態の後藤が独り言ちる。まさか、坂本の名が出てくるとはのお。土佐を脱藩した下士が、薩長を結びつけたやの、幕府の役人を殺したやの、今度は薩長の橋渡し役かえ……武市よりも質(タチ)が悪いのぉ。そして弥太郎に龍馬を捜せと命じた。もう野放しはできんじゃろうと。

龍馬を殺すがですろうか?と弥太郎。ワシは大殿様から藩の政を任されちゅう。奴が使える男ながか、ただの目障りな奴ながか、それを確かめるだけぜよ。またも後藤に無理難題を押しつけられて弥太郎は当惑するが、結局体を張って龍馬を捜し回る。

グラバーに執拗に龍馬の居場所を聞いてみるが、知らないの一点張りで屋敷からつまみ出されてしまう。雀荘にいたお慶に頭を下げて龍馬がどこにいるか教えて欲しいと頭を下げるも、相手にされない。怒った弥太郎はもうおまんには頼まんき!なにがポンじゃぁ!と雀卓をかき回した。そして乾堂の屋敷にも上がり、龍馬の居場所を教えてくれと土下座した。坂本様はお尋ね者ですたいと乾堂。知っとったら、そうに奉行所にお知らせしとりますと断られる。弥太郎を嘲笑うようにホウホウとオウムが鳴く。この2人の話を龍馬は乾堂の屋敷の離れで聞いていた(このオウムの鳴き声がないと龍馬がどこにいるかよくわからないのでいい効果だなと)。

八方塞がりの弥太郎は引田屋に入り、お元に愚痴る。ワシやち、嫌々聞きゆうがじゃぞ!龍馬は大嫌いじゃけんど、あいつが目の前で殺されるがは見とうないき。本当に誰も知らんがやけん、見つからんかったと言えばいいでしょうと、お元がどうでもいいことのように言い、手酌で酒を呑む。後藤様がそれで済むかえと弥太郎、泣きそうになる。そげん顔せんでぇとお元が笑う。今夜はとことん飲みましょう、岩崎様。何を浮かれちゅうと弥太郎が聞いてみる。だって徳川様が戦で負けたとですよと、ほろ酔い顔のお元が答える。世の中がひっくり返るかも!弥太郎はお元の言葉に驚き、飲んでいた酒にむせる。

こん国がどうなろうが、今よりはましとお元が酒を飲む。おまん、辛いことがあるがかえと弥太郎が聞く。うちは漁師の娘なんですとお元が答える。ばってん父ちゃんは博打ばっかい。母ちゃんはうちが9つの時に、海で死んで、うちは置屋に売られたと。お金ばもろうた父ちゃんは、じゃあな元気でやれよって、それっきりとお元は笑った。でもそれは冷めた笑いだった。うちは、この世の中が大っ嫌い。本当に何もかんもひっくり返ってしまえばよかとにと溜め息をついた。弥太郎が聞いた。おまんは薩長に天下を取ってほしいがか?

わかりませんそげんことと、お元は笑い、弥太郎の耳元に顔を近づけた。ばってん坂本さんなら、決してこの国を決して悪いか国にはせんき。龍馬に何が出来るがじゃと弥太郎が小声でお元に食って掛かり、みんなはのぉあいつを買いかぶっちゅうだけじゃ!と弥太郎は叫んで立ち上がり、龍馬の名を口にするなと襖を背に行ったり来たりする。そして襖が開いて、おうと弥太郎を呼ぶ男の声がする。弥太郎が振り返る。声の主は龍馬だった。

弥太郎は当然現れた龍馬に驚いて腰を抜かし、床に倒れ込んだ。お元もびっくりして声を上げた。お元と2人きりとは、羨ましい奴やのおまんはと、龍馬がブーツを持って部屋に入ってくる。弥太郎がワシを捜しゆうと小曽根さんから聞いてのぉ。もしかしたら、ここにおるかもしれんと思うて来たがじゃ。お元が慌てふためき、外を歩いたら長崎奉行所に見つかって連れていかれると帰るように言った。誰にも引田屋に入るところは見られなかったらか、大丈夫だと龍馬が言う。

おまんが自分から現れるとはのぉと弥太郎。おまんは出世したそうじゃのうと龍馬は徳利から酒を盃に注ぐと、乾杯じゃと盃を呷った。弥太郎はなぜ龍馬を捜しているか、その訳を知っているかと、目の前に現れた本人に聞いた。龍馬が笑った。そしてワシは後藤様に会ってもえいぞと答えた。土佐の脱藩浪士に、土佐のご参政が会いたいゆうがは、まっこと光栄じゃきにきの。

だがそれは本心ではなかった。後藤は土佐と薩長のつながりを持ちたいと考えている。ならば顔を顔をつき合わせて話をしてみたいと弥太郎に言った。阿呆なことを言いなやと弥太郎。おまんは薩長に話をつけてくれたら、それでええだけやきと後藤の会うのを止めようとした。龍馬は弥太郎の両肩を掴んで、弥太郎に言った。日にちと場所を決めや。

龍馬が亀山に戻ってきた。龍馬のもとに亀山社中の者たちが心配していたぞと駆け寄ってくる。お龍にも黙って弥太郎に会いに行ったのだった。龍馬は、後藤象二郎が自分に会いたいというので、会うことにしたと仲間に告げた。どういてと皆、動揺する。後藤象二郎は武市半平太や岡田以蔵を殺した敵、許せるはずはなかった。龍馬がその訳を説明する。後藤は薩長に接近したがっている。これこそ龍馬自身が望んでいたことだった。薩長に土佐が加われば大政奉還を成し遂げられると龍馬は考えていた。後藤との会合はその絶好の機会なのだ。

だが亀山社中の仲間たちは龍馬を止めようとした。後藤はおまんを捕まえる気ぜよと、会うのをやめるように惣之丞が龍馬に言う。後藤に斬られるかもしれんと陸奥が警告する。

龍馬は静かに告げた。後藤象二郎が昔のことを根に持つような男か、それとも日本の将来を考えることができる男か、ワシがこの目で見定めてくるき。龍馬の覚悟を聞き、もう誰も何も言わなかった。

慶応3年(1867年)1月12日、清風亭。龍馬と後藤が会う日がやって来た。世に言う、清風会談である。

龍馬が通された部屋にはお元がいた。なぜおまんがここにいるかと驚く龍馬に、後藤と龍馬を和ませるために弥太郎に呼ばれたとお元は答え、襖の向こうにいると耳打ちした。分かっちゅうと龍馬。襖の向こうには弥太郎と後藤の手下たちがいつでも中に乗り込める態勢を取っていた。そして後藤が部屋に入ってきた。

お久しぶりでございますと龍馬は頭を下げた。おんしがこっそり土佐に戻ってきて以来じゃのと後藤が言う。あの折は大変、御無礼致しましたと頭を伏せたまま詫びた。己のやったことを覚えちゅうがかと後藤が嫌味を行って腰をおろし、面を上げやと龍馬に言った。龍馬は顔を上げた。酌をせえと後藤はお元に盃を差し出し、龍馬にも酒をつぐように命じた。後藤が龍馬に言う。ワシと酒を飲めるら、もう二度とないろう、よう味わって飲みや。龍馬がかしこまって盃を取る。後藤は酒を飲みながらも、その目はずっと龍馬から離れなかった。

龍馬が飲み干した盃を卓に戻す。いい飲みっぷりじゃと後藤と龍馬を褒めた。そして脅した。おんしはここで捕らえられて、打ち首にされても、文句は言えんがじゃ。そうじゃろ?龍馬は黙っている。けんどそれは後回しにしてもええ、と後藤が言う。おんしが土佐藩のために働いてくれたらのぉ。そして本題に入った。坂本、土佐と薩摩・長州の橋渡しをせい。

お断りしますき、龍馬はそう静かに答えた。

襖の向こう側で土佐藩士が刀に手をかける。

龍馬は続けた。土佐藩のため、大殿様のためにあれば働いた土佐勤王党を弾圧し、武市半平太も岡田以蔵も殺してしもうた。今更、土佐藩のために働け言われたら、そんな気にはなれませんのぉ。

部屋になだれ込もうと逸る土佐藩士たちを弥太郎が必死に抑える。

後藤が高らかに笑う。おんしには選べる道がないがじゃ。わしの言うことを聞かんと、この場で死ぬだけぜよと畳を叩いてみせた。

龍馬は動じず、道がないがは、後藤様やち同じやと言い放った。ご上士らが斬りかかってくる、その前に、ワシらの仲間がなだれ込んできますきのぉ!白い羽織りを着た亀山社中の仲間たちが、清風亭の各所に立つ後藤の護衛を密かに倒していき、龍馬たちがいる部屋に面した庭で刀を構える。

話はこれからじゃ!と、これまで畏まっていた龍馬は一転、高飛車に出た。ワシは馬関の海戦に加わってきましてのぉ。長州とともに幕府軍と戦こうてきたがじゃ。夜明けに下関を出て、門司の港におった、幕府軍の軍艦を砲撃しましてのぉ。長州の奇兵隊は悠々と敵陣を押さえてしもうた。わしらの大勝利じゃったと龍馬は不敵な笑みを浮かべた。

唖然とする後藤象二郎。

そんな中、弥太郎は隣の部屋で、今にも龍馬に斬りかかろうとしている土佐藩士たちを必死に抑えている。

龍馬はそれを知りながら、悠々と話を続ける。あれば、あの攻めで逃げ出すとは、幕府の時代ももう終わりじゃき。今こそ大政奉還を迫る、絶好の機会ながじゃ。

大政奉還じゃと?と後藤が訝る。

龍馬が答える。幕府が政権を帝にお返ししたら、この日本は戦をせんと新しい仕組みに変わるがじゃ。寝言も大概にしいやと後藤が反駁する。徳川が政権を手放すわけがないろうが!

ほんじゃき、土佐の出番ながじゃ!と龍馬が一喝したかと思うと立ち上がり、襖を開放った。龍馬の突然の行動に襖の裏に潜んでいた土佐藩士たちがたじろぐ。龍馬は席に戻ると、お元に盆を取ってくれと言った。お元は銚子に敷かれた盆を取り上げて龍馬に渡す。

龍馬はこれが幕府と、その盆を後藤の前に投げた。ほんでこれが薩摩と長州じゃと2つの皿を置いた。薩長は今、勢いづいちゅう。けんど幕府やち、腐っても鯛ぜよ。政権を帝にお返しせよと、薩長が迫っても、簡単には怯まんろう。そこで土佐ぜよ、と自分の盃を盆の脇に置いた。土佐24万石が加われば、幕府軍にとっては一気に脅威になるがじゃと、龍馬は銚子からその盃に酒を注いだ。

馬鹿を言いなや!と後藤象二郎が笑う。どういてそこに土佐が加わるがぜ。

龍馬が後藤の心を見透かして言う。薩長に近づきたいがですろう、土佐は。近づくがやったら、がっちりと手を組む覚悟が必要ですのぉ。

後藤が反論する。おんしは大殿様と徳川慶喜公が仲がえいゆうがを知らんがか?そうじゃ!と龍馬が我が意を得たりと笑い、後藤を指差す。それこそが!と龍馬が立ち上がって後藤を見据える。それこそが都合のえいところぜよ。龍馬が庭に面した障子を開ける。そこには亀山社中の仲間たちが刀を抜いて中へ入ってくる。

もし、龍馬が話を続ける。もし土佐が寝返ったとなったら、大政奉還を迫る、この上ない機会ながじゃ。龍馬は盃の酒を畳に注いだ。

黙れ!と後藤が卓をひっくり返す。土佐が幕府に戦を仕掛けるら、天地がひっくり返ってもないろう!

それでのうてはいかんがじゃ!と龍馬も声を荒げる。土佐は幕府に刃を向けん。その考えこそが薩長を抑える力になるがじゃ。そして龍馬は居住まいを正して後藤に頭を下げた。よう考えてつかあさい。今、言うた私の考えは、土佐が新しい日本を作る要になるゆうことぜよ。それこそが、まさにそれこそが、大殿様がお望みになっておられることではないですろうか?

後藤は龍馬を見たまま返事をしない。

これほど言うたち、気に入らんと言われるなら、と龍馬は顔を上げた。土佐藩も、後藤様も、とんでもない大馬鹿者じゃ。

なんだとぉ!と土佐藩士たちが龍馬に斬りかかろうとする。亀山社中の者たちも刀を突き出し、両者の刃が互いを狙う。狭い部屋に怒声が飛び交い、目の前で何本もの刀が交差する中、龍馬は平然と座っている。痺れを切らした後藤がやめんかと叫ぶ。だが両者とも刀を下ろさない。今一度、後藤が刀を納めろと怒鳴った。両者が刀を納めると、今度は後藤が立ち上がって刀を抜き、龍馬めがけて振り上げる。一度収めた刀を土佐藩士と亀山社中の者たちが抜き、両者の刀が再び龍馬の前で交差する。龍馬が座ったまま後藤を見上げる。

納めいと後藤が土佐藩士たちに言う。みんなも納めやと龍馬も惣之丞たちに言う。両方とも命令に従った。おんしはほんまに恐れを知らん男じゃのと、後藤が龍馬の鼻先に刀を向ける。龍馬は目の前の刀に臆することなく、後藤を見ながら言った。誰かに恐れいっちゅう暇はないですき。後藤は笑った。

後藤は刀を投げ捨て、おんしの話に乗ろうと龍馬に言った。土佐藩士たちが異を唱える。それを後藤はただし条件があると言って制した。それは亀山社中が土佐藩の下に入ることであった。土佐藩と対等の立場でえいと言われるならと龍馬も条件をつけた。土佐藩士たちが何を言うがぜと怒る。また後藤象二郎が笑った。えいろう。後藤は龍馬の条件を飲んだ。そして龍馬に言った。土佐は薩長を利用する、必ず土佐が日本の要になると約束しいや。龍馬が笑って立ち上がり、後藤に右手を差し出した。約束の握手(シェイクハンド)じゃ。後藤は龍馬の手を握り返した。ありがとうございますと龍馬が大声を上げて笑った。そして亀山社中の者たちに、御上士様らとシェイクハンドじゃと言った。

土佐の上士と下士が初めて手を結んだ瞬間であった。

龍馬暗殺まであと10か月。

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