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2010/10/24

SPEC 丙(HEY)の回 漂泊の憑依者

今回の話は100点満点。好きボクロの京女に完全に騙されました。

CBC(中部日本餃子)で餃子を食べている当麻とそれをつまみ食いする地居聖(乙の続き)。地居が当麻に警察を早く辞めろという、今度は腕だけじゃすまない気がすると。人の餃子勝手に食うなよ左利きと当麻が怒る(ここで「左利き」が最初に出てくるんですね)

別の場所では医師・海野が瀬文を取り引きしたいとレストランへ連れて行く。海野はハンバーガーからピクルスを取って、それだけを食べる。海野は「科学者としてお恥ずかしいかぎりだかと」前置きし、神の手を信じるかと瀬文に訊く。昏睡状態の志村を治せる医者がいるらしい。その者は細胞を再生する能力を持つという。瀬文の「未詳」にそういう人たちのデータがあるから見せて欲しいという相談だった。何も答えない瀬文に海野が言う。あなはた志村さんを助けなくないですか?

脅しですか?と瀬文。取り引きですと海野。自分は1人でも多くの患者を助けたい。志村を救うことは、その妹の美鈴の人生を救うことでもあり、瀬文を救うと。医者は死に慣れていると思われがちだが、人の死は澱(おり)のように心の中にず~んと溜まっていく、痛みとか、悲しみや、いろんな重みを背負っています。それは刑事のあなたと一緒だと海野は言う。その人間のデータを見せてくれたら、志村を助けてやると海野は約束した。だが瀬文は、それは望みの薄い相談ですと断った。データがあってもガセだねと言い残し、席を立った。

レストランから去ろうとする瀬文に海野が言う。自分も神の手を持つ男に治してもらったんたんです。

野々村係長の恋人の雅ちゃんの門限は10時だそうです。野々村係長の奥さんは弁護士らしく、離婚調停が進まない様子。

瀬文が線路の高架下を通る歩道に入ると、「自分も神の手を持つ男に治してもらった」という海野の言葉が頭をよぎる。そんな馬鹿な話、ある訳ないだろうと瀬文。しかし志村が瀬文に向けて撃ったはずの弾が志村に命中したあのことが瀬文の頭にリフレインし、瀬文は壁を激しく蹴った。

ほんとだったらどうする?と女子高生(?)が瀬文の負傷している左腕にぶつかって通りすぎる。瀬文が振り返るが誰もいない。次の瞬間、負傷していた瀬文の腕が治っていた。

冷泉と公安の津田がマリオカートをしている。勝って喜ぶ冷泉に津田が言う、ずるいな、お前、ゲームとかでも未来見れるのね。未来は絶対ですからと冷泉。ムキになりすぎだよと津田がなじる。いろいろ知りたいこともありますしねと冷泉。

明日に品川区のガソリンスタンドで起こる事件を冷泉は津田に伝えていた。当たったら釈放してくれる約束ですよねと冷泉が津田に確認する。本当に当たったらなと冷泉。とりあえず「未詳」の下っ端2人を張り付かせることにしたと津田はタバコを咥えた。

品川駅周辺の歩道橋をキャリーバッグを引いて登る(なぜに?)当麻が経費でタクシー使いましょうと瀬文に泣いて頼むが、そんな経費はないと瀬文はいつもの紙袋を握って階段を登る。公安から野々村係長経由で頼まれた張り込みの件だった。事件の内容は知らされず、ただ午後1時から張り込んでいればわかると、野々村係長は地図のプリンアウトを、ずんだ餅を食べていた当麻に渡していた。本当にこっちなのかと瀬文が怪しむ。間違いないっすよと当麻。品川駅東・品川駅だと瀬文に野々村係長から渡されたプリンアウトを見せる。瀬文がまたも激昂する。品川駅東じゃなくて、品川区東品川じゃねえか、とんま!品川駅は港区。もう時間がないので瀬文はタクシーを使うことにする。

金髪に染めた若者・武藤が交差点で、托鉢中の僧侶を見つけ、小銭を托鉢に入れる。おおきにと女の声がする。好きボクロのある女僧だった。武藤は驚く。女僧が鳴らす鐘が響く。

1時ギリギリに瀬文と当麻がタクシーでガソリンスタンドの近くに到着する。バイクが1台ガソリンスタンドに入ってくる。ガソリンスタンドの店員が出てきて左手で帽子を脱いでいらっしゃいませと挨拶する。武藤だった。満タンでとバイクの客が言うと、武藤はバイクの燃料タンクのキャップを開ける。すると「おおきに」と女僧の声が頭に響き、武藤はトリップ。ガソリン満タンで…ガソリンの給油ノズルを右手で取ると、バイクにガソリンをかけ始め、何をしてんだと寄ってきたバイクの客と店長にもガソリンを浴びせる。瀬文と当麻も駆けつける。武藤は2人にもガソリンを放射するが、瀬文はかわしたものの、当麻にガソリンが直撃する。そして武藤はライターの火を点けて、ガソリンだらけの地面に落とすが、間一髪のところで瀬文がライターを蹴飛ばして武藤を拘束する。

警視庁の前で托鉢する京女風の女僧に警官・林実が小銭をめぐみ、警視庁へと入っていく。

警視庁にて鹿浜と猪俣に尋問される武藤が、京女風に語る。そやから、ウチがこの肉体を乗っ取ってしたことなんやって。この人になんの罪もないんやって。金髪!と鹿浜がキレる。信じてもらえないなら仕方ないと武藤。だったら、この部屋を覗いている隣部屋に行って自分が憑依できることを見せてやろうと言うやいなや、武藤はうなだれて正気を取り戻す。

隣部屋で瀬文と当麻と一緒に尋問を聞いていた警官・林実が京女風に水虫の足を痒がる。そして憑依した警官の名前が林実だと知ると、平凡な名前やねと笑い、ウチの能力を証明するためにこれから林実という人に片っ端から憑依してみせたら、おもろない?と言い出した。

それはちょっと面白いかもと当麻が興味をそそられるが、瀬文に頭を叩かれる。そしてゲームが始まり、警官・林実は正気を取り戻どした。

会議室で規制線テープで椅子にぐるぐる巻きにされる警官・林実と金髪・武藤。正直に吐いたほうが身のためだぞと瀬文。本当に覚えがないと林実が訴える。僕らは被害者だと武藤が言う。当麻は憑依されている気分を2人に興味本位でインタビューする。憑依なんて詐病か、イカレてるかどっちかだ、他人の人格が入り込んでくるわけがないと瀬文。じゃあ2人とも同時に発病したのかと当麻が反論すると、2人とも芝居をしてたんだろと瀬文。やっぱりなと野々村係長が瀬文に乗っかる。芝居なんかじゃないと林実が怒る。じゃあ自白剤でも打たれてみるか、ちゅ~となと野々村係長が脅す。全然構いませんと林実。武藤もお願いしますと言い出す。自白剤って違法じゃね?と当麻が最後にダメ出し。

当てたねえ、凄いねえと、津田がヒザを抱えて小型冷蔵庫の隣に座る冷泉の足元に、ビニール袋に入ったオレンジを置く。言ったじゃないですか、未来は絶対なのですと冷泉。じゃあ次はwii partyやるかと津田が冷泉を誘う。予言で大惨事を止めたのだから、約束通り釈放してくださいと冷泉が津田に懇願する。そう固いこと言わずにさと津田がはぐらかすと冷泉が津田を睨んだ。実力行使してもいんですよ。津田が冷泉に顔を近づける。怯む冷泉。仲間を呼ぶかと津田。それはそれで好都合なんだけどさと笑った。

野々村係長が当麻と瀬文に林実と武藤の尋問の結果を伝える。嘘発見器でも自白剤でも嘘をついている兆候は一切なかった。自白剤って本当に使ったんでありますか?と瀬文が驚く。公安て怖いところですよねと当麻はいやらしい笑いを浮かべる。そんな当麻を瀬文は目で侮蔑する。林実と武藤の供述には共通する記憶が1つあった。托鉢僧を見た。しかも京女の。その上。ここにホクロのあると野々村係長は右の口角を指さした。それは……と瀬文が上を見て想像する。ちょっとエロいな。(瀬文さんわかるよ凄くわかる)

え~とキモがる当麻。野々村係長がいいよねえと瀬文に乗っかる。二度目のえ~を発する当麻。心惹かれるよねと野々村係長。ちょっと憑依されたいっすねと瀬文(瀬文さんMなのか?)。僕は憑依したいと野々村係長。そして兄さん堪忍どすぇ~と妄想を始める。舌打ちする当麻。その女の托鉢僧がキーマンでいろんな林実さんに罠を仕掛けてるんですかねと野々村係長に言う。何か手を打たねばなと野々村係長が歩きながら考える。わかった!スパーンと振り返り、人差し指を勢い良く二人に突き出す。電話帳を調べて、あらゆる林実さんに一応警告するのだ!

命令とあらばと瀬文。地味っすねと当麻。

女子高校の校門に例の托鉢僧がいる。校門で校長・林実と女教師が服装とカバンの中身確認をしている。突如校長・林実が校門で生徒のスカートめくりを始める。このニュースはテレビで放送され、「未詳」のアナログテレビにも映る。 キタ━━━(゚(゚∀(゚∀゚(☆∀☆)゚∀゚)∀゚)゚)━━━!!! と当麻が叫ぶ。きちゃっと頭をかかえる野々村係長。まじかよと瀬文。

もの凄ぅお似合いどすねとカリスマらしい美容師・林実が客の頭の片側を角刈りにする。

瀬文と当麻は粛々と関東一円の林実さんに警告電話を入れていくなか、マスコミが身近な林実さんにご用心というネタを流し始める。林実の憑依事件は大坂や札幌、沖永良部島(鹿児島)でも起こった。森永卓郎が喋ったかと思ったら、私の知っている憑依はオヒョイさんぐらいですと、藤村俊二をよく知らないアナウンサーにぶつけて返り討ちに合う。

でもまだギリギリセーフと高を括っていた野々村係長のところに管理官がやってくる。憑依犯の「女」が警察に挑戦状を送りつけてきた。これまた京都弁:

おたくら警察が、うちの憑依する能力を認めようとしないので、予告通り、林実という名前の人に、憑依してみせることにしました。本人にに覚えのないで、果たして司法は人をけるんかなあ?警察は、どんな人にも憑依できるこのうちをつかまえることができるんかなあ。とても楽しみにしてます。ちなみに48時間以内にうちをつかまえられない時には、マスコミに対して憑依の能力を発表する。

それだけ、なんだあと野々村係長がホットすると、バカヤロウと鹿浜が怒鳴る。そんなインチキが世の中にまかり通ったら、すべての犯罪が憑依のせいにされてしまうんだぞ!これは法治国家の根幹を揺るがす事態だと管理官。政治家や人権団体が動き出す前に事件を解決するんだと「未詳」に命じる。管理官と猪俣がエレベーターに乗ろうとしているときに、鹿浜は野々村課長のところに戻ってきて警視総監の娘婿殿も林実なのでくれぐれも巻き込まれないようにと釘をさしていたら、エレベーターに乗り遅れてしまう。

瀬文は再び電話帳をめくって電話をかけ始める。まじめっすねと当麻。こんな馬鹿げたことで被害者が出たら、そいつが可哀想だからなと瀬文。そうっすねと当麻も電話帳をめくり出す。

「中部日本餃子」で高校生たちが憑依の噂話をしている。ウチのクラスの林実が学校を休んでいると男子生徒が言うと、女子生徒が憑依って感染するんだってと言う。一度憑依されたら人格が変わって、そのうちに人格が分裂しまくって、最後には自殺しちゃうって!もう一人の男性生徒は、自分が托鉢僧の京女を見たという。俺も死ぬのかな~ってそこにアラータが、スペイン語で「保険に入りゃー!」と餃子を机に置く。この人京女!と女子生徒がビビる。

同じ「中部日本餃子」で瀬文(珍しく)と当麻が餃子を食べている。そこに野々村係長もいた。林実は代議士、心臓外科医、大手ねじメーカーの会長、校長などがいると野々村係長がテーブルに写真を置く、その上に「中部日本餃子」の店主が餃子の皿を無造作に乗せる。偉い人がどうかというより、どんな事件が起こされるかが問題だと瀬文。ガソリンスタンドのような事件は全国の林実を保護しても防ぎきれないかもしれない。すでに拘留中の林実もいつまでも拘置しておくわけにはいかない。立件のしようもない。それに憑依を前提にした犯罪を検察も裁判所も相手にはしないでしょうと当麻。

そんな話をしている矢先についに林実による殺人が発生する。(野々村係長の携帯の着メロ、ブラジル」?)

現場は慶徳大学・医学部。瀬文と当麻がやってくると、すでに鹿浜、勝俣、管理官がいた。殺されたのはIPS細胞研究の第一人者・中山和紀教授だった。生前にお話をお伺いしたかったと、当麻は死んだ中山教授の胸に顔をうずめて泣くが、瀬文に蹴られる。死体に素手で触るな。瀬文がいつも持っている紙袋から手袋を取り出す。

扼殺(やくさつ:手で首を締めて殺すこと)だと当麻。防御創がかなありある。随分と長く抵抗したということだ。扼痕もいくつかある。しかも顔が扼殺には珍しく鬱血が残っている。扼殺だと普通は鬱血しない。鬱血しているということは、長い時間をかけ、なぶり殺しにされた証拠である。

他にわかっていることは、19時13分に110番通報。通報者は林実、37歳。中山教授の愛弟子で、中山研究室の助手。研究結果について話していて、気がついたら中山教授が倒れていたと、この助手・林実は言っている。現在、助手・林実は別室に隔離されている。なぜ本庁に連行しないのかと当麻が尋ねる。物証も証言もないからだとはぐらかす勝俣。当麻がにやける。まさか、物証も目撃証人も見つかんなかったら、すっとぼけるつもりじゃないでしょうな?瀬文がむくっと立ちがある。管理官が弁明する。起訴できる証拠もないし、憑依の犯罪を起訴に持ち込めるはずもない。マスコミに報告されて、世界中から超注目され、大笑いされ、あげく検察にどうすんだよって責められと管理官は泣き出す。私の人生メチャクチャだ!Jesus Christ!Fuckin' Shit! ゴーダマシッダールダ!と地団駄を踏む。

でも扼痕から指紋は出るでしょうし、この爪に残った肉片から多分林実のDNAがと当麻が言うと、ワーと管理官がわめきだして耳を塞ぎ聞こえないふり。鹿浜と勝俣も管理官に従って耳を塞いでワーの合唱。とぼけきれないですよと瀬文が監視カメラを指差す。

瀬文と当麻が助手・林実の話を聞く。監視カメラには助手・林実が中山教授を絞め殺す映像がばっちり残っていた。左手の甲には中山教授が抵抗したときにつけたと思われる傷もある。なにも知らないと助手・林実は断言する。ただ、科学者としてこんなことを言うのはお恥ずかしい限りですが、何かに取り憑かれたような時間があった気がして仕方がないんですと付け加えた。憑依されたと?と当麻が確認する。助手・林実が深く頷く。当麻が瀬文を見て、ほらねという顔つきで深く頷く。

本庁の廊下。連行される助手・林実。継続捜査班の隣には、広域調査庁があり、「熱海出張中」だそうです(事件は解決しましたが、星崎捜査官はラインを越えたまま帰ってきてないんですね)。刑事部鑑識課は「臨場中」。矢部謙三をまた発見(公安第五課矢部分室ってあのエンディングの部屋のこと?)。

この中山教授・憑依殺人事件の捜査は管理官の命令で「未詳」が指揮を執ることになった。ここからとは殺生なと野々村係長。こういう不可解な事件は「未詳」のほうがご専門でしょうと管理官が去っていく。連続舌打ちしたあと当麻が小さい奴らだよなあと管理官をなじる。瀬文が言う。年食うと人生にリカバリーがきかなくなるから、必死なんだよ。言いますね先輩!と当麻が感心する。

ごちゃごちゃしてる場合やおまへんでと警官・林実が当麻たちに向かって叫ぶ。もうすぐ約束の48時間が経ってしまいます。もうちょっと待ってと野々村係長。いやいや、十分待ちましたぇ。林実しばりにも飽きましたと警官・林実。今からはいろんな人に憑依して、ウチのSPEC(この用語を知っている!)を世界中に認めさせてもらいますと言うと、警官・林実は崩れた。そして犯人は別の警官に取り付き、右手でホルスターのボタンを外し、左手で拳銃を抜いた。左利き?と野々村係長。初めて持ったけど、重いもんやなと警官が言う。瀬文が警官に拳銃を構える。やめろ。お~怖っではごめんやすと警官は気を失って倒れた。

「未詳」に戻ってきた野々村係長が警視庁のデータベースで左利きを検索する。何を調べてるんですと瀬文が尋ねる。調べてるフリしてるだけと野々村課長。ヒット数54万3608人。左利きだけを手がかりに犯人を見つけるなんてム~リと野々村課長はパソコンを閉じた。瀬文が野々村係長に当麻はどこかと尋ねる。帰ったんじゃないと野々村課長。僕らも引き揚げようと野々村課長が瀬文に言うと、瀬文は、ハッ!と軍人みたいに起立する。もうちょっとリラックスしたほうがいいねと野々村係長に言われるが、それにも瀬文は、ハッ!と応答する。多分、女托鉢僧が犯人だから探しに行くよと野々村係長がカバンを持ってエレベーターに向かう。命令とあらば、お疲れやまですと瀬文。はい、お疲れサマランチ会長ォと野々村係長がエレベーターに乗り込む。

当麻は慶徳大学・中山教授研究室のパソコンデータを見て何かを見つけた。そして誰もない「未詳」に戻ってくると習字を始めようとする、半紙がない。中山教授の論文「IPS細胞の再生メカニズムにおける各細胞間の情報交換システムについて」のプリントアウトの裏を使うことにする。

犯人いただきました。

会議室で薄いコーヒーを啜る助手・林実。僕は死刑になるんでしょうか。意識なかったんだろ?と鹿浜。精神鑑定に回されて、心神喪失状態で責任能力がないってことで、無罪放免じゃないのと座ったまま大きく伸びをする。こんだけ憑依事件が連発しとったら、認めざるをえんじゃろと勝俣。あんたは被害者じゃけ、罰するわけにはいかんじゃろ。

しかし親兄弟よりも大事な中山教授をこの手で殺してしまった以上、死刑にしてもらったほうがいっそ楽ですと助手・林実は言う。そこに当麻がキャリーケースを持って入ってくる。なんだお前かと鹿浜。この一連の事件の犯人がわかったんで、教えに来たのになんなんすかその態度と当麻が半切れ。さっき、2人の上司馬場(管理官)さんにもお伝えしておきましたから、とりあえず顔出したほうがいいんじゃないですか言う。やっべと鹿浜と勝俣が慌てて会議室から出て行く。

バカでしょう、と当麻が助手・林実に言う。天才のあなたから見ると、凡人の人たちって。そんな、僕はずっと助手で中山教授のお荷物でしたと否定する。またまたご謙遜をと笑う当麻。大学の研究室のパソコンを調べさせてもらいましたと言う。僕のパソコンにはほとんど論文に関する資料はないですけどと林。確かに、中山教授を含めた他の人たちのパソコンにはいろいろな資料が入っているのに、林のパソコンにだけは何も入ってなかった。しかしそうするとおかしいことになると当麻が論文をキャリーケースから取り出す。論文に関する記述の7割くらいが誰のパソコンにも入っていない。じゃ誰が書いたんだよこの論文わよぉ!ってことになると。

もちろん中山教授ですよと林は口を尖らせる。中山教授のパソコンこそスカスカですよと当麻。データ量じゃなくて、クオリティーだと付け加える。中山教授のあの程度の頭脳じゃ、絶対にこのノーべル賞もんの論文は書けないです。ガウスにせよ、シュレディンガーにせよ、レフ・ランダウにせよ天才の論文には神の哲学が感じられますもんね。何か言いたいんですと林が苛立つ。聞きたい?聞きたい?と執拗に林に迫る当麻。にんにく臭いと林が拒むと、チッと当麻が舌打ち、なら言いましょうと論文を机に叩きつける。この中山教授が書いたとされているこの有名は論文は、あなたが書いたんですと林の顔を覗き込む。証拠はあるんですかと林が尋ねる。そうきますよね~と当麻。林が消しきれなかったデータを復元してUSBメモリーにコピーしたのだった。エヘ、ごめんなさいとブリッコする当麻。キモぃ林。真顔に戻る当麻。

この論文は林実の名義で世に出なかった。中山教授に手柄を横取りされたのだった。これは他の人からも裏が取れると当麻が言う。そしてここからが私の勘ぐりだと話を続ける。中山教授はパクッたんじゃない、単純なミスだとすっとぼけ、あなたに謝ったんじゃないですか?と林に尋ねる。今から訂正するのもみっともない。必ず教授に取り立てるから許してくれとか、うまいこと言って。でもあなたはいつまでたっても助手のまま。裏切られた憎しみで中山教授を殺した。

憎んでなんかいませんよと林が反論する。お世話になってる愛弟子なんですから。万が一僕が殺したんだとしたら、やっぱり何かに憑依されたんです。当麻が笑う。林さんのような超天才に私のような凡人が説明するのも多少気恥ずかしいですが、人間の脳は通常、1割しか使われてません。残り9割にどんなSPECが秘められてるか、まだわかってないそうですが、私、他人に憑依する能力って実際にあると思うんですよねと当麻が林に詰め寄る。この奇妙は事件が次々と起るのをじっと眺めていて、私最初、マジうらやましかったんですよぉ。だってぇ自分で直接やれないバカバカしいことやり放題じゃないですかぁ。

女の人でもそう思うんですか?と林。そうなんすよね、でもねと当麻が笑う。あのイタズラの種類、どう考えても女の欲望じゃないですよね。当麻を見ていた林の目が泳ぎだす。当麻が林の前に座る。今の顔、自白と考えていいですかね?まさかと林。まあいいや、私のセリフ続けますね。ミステリーはここが長いんだよ~と当麻が愚痴る。どうぞ手短にと林が言う。当麻が席を立ちまた歩き出す。

でね、私、この事件をずっと眺めててですよ、私だったら憑依って段々物足りなくなる気がしたんですよね。やっぱり自分自身で自分の名前で、自分の手でやったほうが楽しいんじゃないかって。だからあなたは実際に、誰かに憑依するSPECがあるにもかかわらず、自分の手で中山教授を絞め殺した。ギクッとする林。当麻が話を続ける。

中山教授の死体、いくつも扼痕がありましたよね。あれって何度も絞めたり、一瞬離したりして、長~い時間かけて最大の苦しみを与えながら殺した証拠なんすよ。顔に鬱血ができる扼殺だと相当なもんです。イタズラ気分じゃできません。あなたは自分の手で中山教授を殺すために、あなたと同じ名前の何人もの林実さんに憑依をし、この一連の事件をしかけました。自分も憑依されたってことにして殺人罪から逃れるためにね。

私は科学者でね、推論だけでは納得できない。何か証拠はあるんでしょうねと林が当麻を向く。当麻が答える。私にガソリンをぶっかけた武藤さん、実は左利きなんです。ところがあの瞬間は右利きでした。覚えてませんか、あの時、武藤さんに憑依したあなたにガソリンぶっかけられたの私なんですけど当麻が武藤に顔を近づける。知るわけないでしょと林が顔を背ける。憑依する人が右利きだと、操られる人の利き腕が左でも、右利きになるとは人類初の大発見ですと当麻が言う。

じゃあ昨日、制服警官の方がそこで大立ち回りしたときと辻褄が合わないですよねと林が反論する(林は現場を直接見てないはずでは?)。あれは仕方なく左手を使ったんですと当麻は答え、林の右手を掴んで持ち上げる。林の人差し指は腫れ上がっていた。左手で拳銃を持ったのは、中山教授ともみ合っている最中に右手の人差し指を痛めて、右手だと引き金が引けなかったからだった。Quod Erat Demonstrandum(証明終了)と当麻。

林は中山教授殺しを認めた。当麻の推論通り、論文の手柄を横取りされ、いつまでも助手として日陰者扱いされることに我慢ならなくなった。あのジジイが僕の手の中で、苦しみながら息絶えていく感触を味わいたかったと林が言う。そして憑依されたことにして、罪を逃れるつもりだった。折角のSPECも頭脳もお持ちなのに残念ですと当麻。これからは刑務所で死ぬまで日陰者です。僕は逃げるよと林が呟く。そこに鹿浜と猪俣が、管理官に呼ばれたなんて嘘じゃねえかと帰ってくる。そして林が鹿浜に憑依した。

鹿浜に憑依した林(鹿浜=林)が銃を抜き、当麻に銃口を向ける。左手でもこの距離ならなんとかなるだろう。しまったと当麻がひとりごちる。銃声が轟く。

しかし銃弾は当麻に当たらなかった。猪俣が鹿浜=林に銃を向け、銃を下ろせと警告する。先輩の肉体を撃てるものなら撃ってみろと鹿浜=林が両腕を広げて威嚇する。絶命する前に僕は他の肉体に憑依して逃げるだけだ。まあ、この肉体は死ぬがな。その鹿浜=林の背中に当麻はキャリーケースを叩きつけ、鹿浜=林が倒れる。床に転がった銃を蹴けった当麻は猪俣に蹴り倒され、バーカと今度はこっちだよと銃を向けられる。林は鹿浜から猪俣に乗り移ったのだ。

動くなと瀬文が現れ、銃を構えて猪俣に向かっていく。お前らに僕は捕まえられないと猪俣=林は当麻を捕まえて人質にする。当麻から銃を離せと瀬文。俺に命令するなと猪俣=林が拒む。最後のチャンスだと瀬文が警告する。当麻から銃を離して、今すぐ降伏しろ。猪俣=林が嘲笑する。やっぱ警察はバカだな。死ねと猪俣=林が当麻の頭に銃を突きつける。瀬文は猪俣=林から意識を失っている林の体を向いて撃った。痛っ!と猪俣=林が左上腕を押さえて床に倒れる。林の左上腕の銃創から血が流れる。なぜ(わかった)?と猪俣=林が呻く。

指の怪我ひとつ憑依先の肉体で影響されるんだから、しょせんこの肉体からは離れられないはずだと、瀬文が林の腕の銃創に銃口を押し付ける。遠隔で伝わる腕の激痛にのた打ち回る猪俣=林。逃げようとしたら、全身の骨を折るからなと瀬文が脅す。林は猪俣から戻り、はいと頷いた。余罪は兎も角と当麻が鹿浜の銃を拾って林に近づいてくる。中山教授殺しだけはあなたが実際の肉体で行った犯罪ですから、立件・起訴しますと。心神喪失でもなく現行法のなかできっちり罪を償ってもらいますから、覚悟しとけよコノヤロウと拳銃を林の銃創にねじ込んだ。痛がる林。

そうとは知らず、京女の托鉢僧を追っていた野々村係長がその女を見つけた。出たな妖怪好きボクロめとひとりごち、女に近づいて警察ものですがと話しかける。すいません、ごめんなさい、うち偽物なんですと女。これを読んでいれば募金詐欺よりも儲かると教えられてと傘の裏の般若心経を野々村係長に見せる。憑依について聞きたいんだけとと野々村係長が言ったときに携帯に事件解決の連絡が入る。女は袈裟をたくし上げ、ジャージ姿で逃げていった。

林は動けないように拘束着を着せられて牢屋に閉じ込められ、厳重な監視下に置かれた。

この顔ですか?海野が志村の妹、美鈴に確認する。それはネットのニュースに掲載された憑依事件の犯人・林実の顔写真だった。美鈴は志村に触れたときに林実の顔の映像が自分の頭の中に飛び込んできたと言う。うーんと唸る海野。それだけじゃない、この人たちの顔も私の頭に飛び込んできたと美鈴はいくつかの写真を机に広げた。指名手配写真じゃないかと海野。それは冷泉と桂小次郎の写真だった。それはすべて事件が起る前のことだったと美鈴。もしかしたら美鈴の兄は何か知ってて、殺されそうになったのかもしれないと海野は美鈴を見た。

事件が解決し、気分がいい野々村係長は当麻と瀬文に中部日本餃子で一杯どうかと誘うが、瀬文は所要があるので失礼しますと席を立った。当麻も私はこれからが本番なんでと断る。なんの?と野々村係長が訊く。折角の餌が手に入ったんですとテレビをつける。テレビには拘束されている林の監視映像が映っていた。これを使わない手はないんですよと当麻は録画ボタンを押す。そこにハエが飛んでくる。当麻は新聞でハエを叩こうとしたとき、時が止まる。一(ニノマエ)十一の仕業だった。

止まった時間の中をニノマエが林に向かって歩いていく。そして林に起きろと話しかける。ニノマエと林が怯える。なぜSPECの存在を公表しようとしたのかとニノマエが林に尋ねる。まさか目立ちたかったの?僕は僕だと林が答える。たまたまSPECがあるからって、お前らの仲間にはならない。仲間?とニノマエが問う。お前らの組織を少し研究したと林。組織?とニノマエが笑い、林に背を向けて歩き出す。なんだ安心したよ。サブコードをよくわかってなかったようだねと林の監視の警官のヘルメットを覗き込む。そしてその警官の腰のフックから牢屋の鍵を取る。まあいいやとニノマエが林のもとに戻ってくる、これ以上話されても困るしさ、死ね。助けてと止まった時間の中で絶叫する林。ニノマエが牢屋の鍵を鍵穴に挿すと、鍵穴から鍵を伝ってニノマエの体に電流が流れ込む。ニノマエが監視カメラを睨み叫ぶ、当麻!

時間がまた進み始め、当麻はハエを叩き損なった。「未詳」に電話がかかってくる。林が死んだとの報告だった。当麻が慌てて録画を確かめる。やはりと当麻が呟く。それはニノマエの姿だった。

SPEC丁へ

論文を教授に奪われて自分のものにされた林実が、他人の体を自分のものにする憑依のSPECを使って、憑依を口実にして自分自身が教授を殺すという、真逆のことが一緒になるという展開、前回の快楽殺人の罪で死刑を宣告された桂小次郎が他の捕まっていない犯罪者を神の裁きと処刑(快楽殺人)するという展開と似ていて面白いです。

復讐と論文も相手への自己主張なのかもしれませんね。

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