STAR DRIVER 輝きのタクト 第4話 ワコの歌声
スガタメ・タイガーの夢がゼロ時空間に投影されたというお話。タイガーだけに覚えている童話は「ちびくろサンボ」。名前が出せないのは大人の事情なのかと。
演劇部「夜間飛行」でタクトの入部歓迎会。この演劇部の顧問の南十字学園長がやってくる。噂の美少年コンビ(シンドウ・スガタXツナシ・タクト)が揃って、今年度の劇団「夜間飛行」は磐石です、二人の魅力を最大限生かした舞台を企画していますからと学園長に部長は説明した。
二人の魅力と聞いてワコの頭に思い浮かんだのは、シンドウ・スガタXツナシ・タクト。「今なら誰も見ていない(スガタ)。ダメだよスガタ。僕たち友達だろ?(タクト)今日まではな(スガタ)」怪しい薔薇が咲き乱れております。ワコ様!その妄想グーです!とヤマスガタ・ジャガーが親指を突き立てる。今のところそっち系の企画は考えてないからと部長。でもワコの歌は取り入れると。
ワコの夢は歌手になることだと部長が言う。子供の頃の話だからとワコが否定する。去年、島にグラビア・アイドルの撮影に来たプロダクションの人間にスカウトされたとスガタがタクトに言う。ワコの歌一度聞いたら惚れちゃうよ。
夕暮れ、演劇部の歓迎会が終わり、廊下を歩くタイガー。甘い匂いが漂ってくる。メイプルシロップ?タイガーはちびくろサンボの虎が椰子の木の周り走り回っている光景を思い出す。化学部の扉が開く。振り向くと化学実験用の白衣を着たケイトがいる。いい香りでしょ?少しウチの部に寄っていきませんか?とタイガーを誘う。
匂いを感じる嗅覚は記憶と深く関係していて、この香りは楽しい思い出を刺激するの。今、何か思い出さなかったとタイガーにケイトが聞く。楽しい思い出。スタガと一緒に童話を読んだことを思い出すと、タイガーは気を失った。その口にケイトは紫色の液体を流し込む。貴方の銀河にはどんな綺羅星が眠っているのかな?タイガーが目を覚ます。虎のバターで焼いたホットケーキ。絵本を見てたの。あの昼下がり、スガタ坊っちゃまと並んで、その絵本を見ていたの。虎のバターで焼いたホットケーキって凄く美味しそうって言ったら、坊っちゃまもそうだねって仰って。それが嬉しかったのねとケイト。その笑った顔が、とてもかわいくて、でも、坊っちゃまは皆水の巫女様の許嫁とタイガー。ケイトが言う。でも、もし、皆水の巫女がタクト君とくっついたら、スガタ坊っちゃまはフリーになるよね。
チャンスを逃すな!と気多の巫女が叫ぶ。少女はそう思ったの。なんとしてもイカ大王を倒して、銀河の世界に旅立てる船をもらうのだ!そこでサムは手にした銛でイカ大王を突き刺す訓練を始めた。イカ大王を戦うその日に備えてと気多の巫女が手に持っていた鎖を振り回す。いいねえとソファに横たわるヘッドが言う。努力のない勝利ほどつまらないものはない。気多の巫女が寓話を続ける。イカ刺しサムの名は程なく、国中に広まった。少女はそんなサムの帰りをいつも海辺の小屋で待っていた。鎖が気多の巫女の体に巻きつく。あれ?二人はもう一緒に暮らしているの?とヘッド。当たり前じゃない!と気多の巫女。お盛んな年頃の少年少女よ。魚の惑星は進んでるんだねとヘッド。そして二人は秘密を持ったと気多の巫女の話は一度終わる。というかここからゼロ時間解放。
朝、ワコが目覚ましで目を覚ますと、島には誰もいなかった。家のお婆ちゃんも、パン屋「南原」の店員も、バスの運転手も、誰もいなかった。携帯を鳴らしても誰も出ない。歌を口ずさみながらワコは浜辺を歩く。その先にタクトがいた。君がてくれてよかったとタクトはワコに言った。そしてここは自分が島に流れ着いて、ワコに助けられた場所だと付け加えた。頬を赤らめるワコ。雨が降ってくる。2人はライフセイバーの小屋で雨宿りすることに。
タクトは濡れた制服を着替えるワコを見ないようにして、この島に人がいないなら本土に行ってみるかとワコに聞いた。出たことないのとワコが答える。巫女は封印を解かないかぎり、島から出られないの。それが巫女であることの定めなんだって。私は島の外に出られるのは、封印を破られたときだけ。でももし封印を破られたら、あいつらのサイバディも島の外に出ちゃう。それは絶対にダメだから。
その話は誰から聞いたのとタクト。本当は中学校に入ったらお婆ちゃんからいろいろ教わるはずだったけど、小学校のときに自分でアプリボワゼしちゃったのとワコが言う。巫女はアプリボワゼするとサイバディの持っている記憶を共有しはじめて、いろんなことはわかるようになるの。だから東京に出て歌手になるなんて、そもそも無理だってこと、その時にわかっちゃった。あの時はすごく泣いたなあとワコが雨降る外を見ている。やがて雨があがり、また二人は浜辺に出た。
タクトが灯台の下に人影を見つけ、灯台へと走りだす。しかし灯台に行ってみると誰もいない。だがその脇にトーテムポールが立っている。これ知ってると、タクトを追いかけてきたワコが言う。私が立てたの、小さい時に、スガタ君とかと一緒に。だがそれは何年か前の台風でこの辺りが土砂崩れにあってなくなっていたはずだった。やはり現実じゃない。ゼロ時間ならとタクトがアプリボワゼと叫ぶ。しかしタウバーンは現れない。ワコが笑う。タクト君はいつも元気印だね。変?とタクトが苦笑いする。
昔からずっとそう、元気印?とワコがバス停の横にある瓶ジュースの自動販売機からサイダーを取り出して栓を抜く。昔っていうか、この傷が胸に付く前の僕はもっと閉じてたと思うとタクト。でも、その頃のタクト君がいたから、今の元気なタクト君がいるんだよねとワコがいう。その前向きな考え方はイケてるとタクトが笑う。回し飲みありな人?とワコがタクトにサイダーの瓶を差し出す。ありな人とタクトがサイダーを受け取って飲む。
タクトの話を聞いたワコも話す。巫女のサイバディとアプリボワゼした日の夜、泣くだけ泣いて、でも夜中にお腹が空いて食べたご飯が美味しかったときに思ったの。世界は私を苦しめるためだけにあるんじゃないって。今でもやっぱり、そうだと思う。だって、タクト君みたいな人が、この島に現れたりもするんだから。そんなとこ言うなよとタクト。トキメクじゃん。たまにはこんなシチュエーションもありなのかな。二人きりだからこそ、聞ける話もある。胸の奥にしまった思い出とかね。二人が笑う。
思い出?ワコは思い出した。風景を作り出せるサイバディがいる。そのサイバディはそこに紛れ込んだ人の思い出や願望で、架空の景色を紡ぐ力があるという。
そのサイバディの電気柩に乗っていたのはタイガーだった。手ぬるいなとヘッドがイヴローニュに言う。今なら銀河美少年を倒せる。まかさこの子を戦わせるつもり?と驚くイヴローニュ(タイガーは綺羅星十字団じゃないから?)。ヘッドがタイガーの耳元にやってきて囁く。ほ~ら見てご覧。君の幸せを邪魔するものがいるよ(あの灯台の人影はタイガーか)。すると、タクトとワコがいるトーテムポールのあたりに霧が出る。そして現れるサイバディ・ヘーゲント。逃げないととワコがタクトを引っ張る。だがタクトは足を止める。あのサイバディは幻かな?それとも本物?巫女の君ならわかるよね?ワコでいいよと、ワコがタクトに言った。ワコって呼んでよ。タクトが頷く。巨大なヘーゲントが二人に近づいてくる。あれは本物だとワコが言う。なら大丈夫だとタクト。ここはゼロ時間だでなきゃサイバディが動くはずがない。つまりタウバーンもここにいるんだ。つまり風景を作り出せる能力があるなら、タウバーンを隠すことも可能。すでに一度目に呼んだときにすでにタウバーンが来ているということだ。
爺ちゃんがよくいっていたとタクト。一番大事なものが見えないことはよくあるって。タウバーンはここにいる。手を離すなよ、ワコ。タクトはもう一度アプリボワゼを叫んだ。ヘーゲントに踏み潰されそうになった2人は青い閃光になって空へ舞い上がり、虚構の風景を破ってタウバーンが現れる。
ヘーゲントが戦おうとしたところで、タイガーが拒否する。イヴローニュがタイガーを電気柩の首輪から解放し、ヘーゲントは戦わずに消え、ゼロ時間は消滅した。君と二人のこの世界は、僕の願望だったのかなとタクトが言うと、虚構の世界も消え、現実世界の朝に戻った。
電気柩に寝かされたままタイガーの傍ら座るイヴローニュがヘッドに言う。この子にサイバディの戦いは無理、この子はただの恋する乙女なの。まあとにかくとヘッドが立ち上がる。今回の君の作戦は成功したようだね。
タイガーが目を覚ますと、そこは保健室だった。枕元にはケイトが座っている。ケイトが保健の先生を呼ぶ。ケイトがタイガーに貧血だと告げる。
それでイカ刺しサムは少女とどんな秘密を持ったんだい?とヘッドが気多の巫女に尋ねる。イカを食べたのと気多の巫女。魚の惑星ではイカは悪魔の使い。決して口にしてはいけないのに二人は二人でイカを食べた。イカ刺しサムっていうくらいだから、刺身で食べたのかなとヘッドが戯言を言う。けれど秘密を共有したことで、二人の絆は一層深まった。人生という冒険は続く。
朝の学園。朝から奴らが動いたことを聞いたとスガタがワコに言う。あそこでのことは幻だったんだよねとワコ。けど、ワコの歌声は今も耳に残っているとタクトが言う(なんだ銀河美少年!)。恥ずかしがるワコ。ワコとタクトが呼んだことにスガタは気づく。へえ・・・ワコが歌ったんだ、悪くなかったろ?とスガタがタクトに聞く。ああとタクトは頷き、決めたよとタクトが言った。奴らのサイバディは全部、僕は破壊する。
気多の巫女は、「サム」は定まった誰かのことを語ってるのではなく、その場その場の狂言回しというか弁士なのですね。ようやくわかりました。
銀河も物理的な銀河じゃないのですね。
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