僕と妻の1778の物語を見ました★★★★★
冒頭、朴訥とした主人公のSF作家牧村朔太郎が銀行に生き、何故か現金をATMではなくカウンターにキャッシュカードを持っておろしにいきます。そしてカウンターの女性行員に、火星は乾燥しているからタコ型星人は駄目だろうと変なことを口走ります。すると女性行員も乾燥しているなら昆虫型じゃないかと普通に答えます。昆虫かと朔太郎の顔が明るくなります。はい今月のお小遣いの3万円でございますと現金を朔太郎に渡します。行員は妻の節子でした。そして朔太郎が書いた小説を最初に読むのは節子でした。
掴みはOKです。
節子が腹痛を起こして妊娠かと思いきや大腸がんになっていて、しかも転移までしている。医者(大杉漣)はあと1年生きるのは難しいだろうと朔太郎に宣告します。朔太郎はそれを妻に告げられず、妻は自宅療養になります。そして朔太郎は1日1本短編を書いていくと言います。そしてそれは1年を越え、2年、3年、4年、5年、1778話まで続きます。
朔太郎も節子も相手には見せない顔があります。最初の方、家に帰ってきた節子が、朔太郎の一日短編1本宣言を思い出して実は余命がわずかだと悟ったときと、最後の方でもう余命僅かになり、節子が母親に車椅子を押されながら病院の外を散歩しているときに、もっと朔太郎の小説が読みたいというところ。この朔太郎の小説が読みたいというシーンはウルウル来てしまいました。
途中で出てくるSFの話も良かったです。知識屋の話しと睡眠不足の能力が良かったです(星新一のショート・ショートぽい映像も良かった)。小日向文世のタコ型新聞代金の集金人は笑えました。
あと朔太郎と節子が一緒に撮った初単行本出版記念写真(顔が切れてしまった)のエピソードもいいです。さらにこれが二人での旅行の写真につながってていいですね。
最終回(第1778話)が良すぎます。死んでしまったキミにだけ読める書き方ってねえ。
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» 僕と妻の1778の物語 [にわかブロガーの成功哲学研究所★ろぐ]
SF作家・眉村卓さんの実話を基にしたストーリー。 2002年にがんで亡くなった夫人との思い出をようやく映画化されました。 『僕と妻の1778の物語』。 公開直後にもかかわらずガラガラでした…。 つД`)・゚・。 まぁ、テレビドラマ『僕生きシリーズ』が好きだった…... [続きを読む]
おお、眉村卓と妻の実話が元なんですね。それは泣けそうです。
冒頭の掴み、いいですね。
好きな人が死んで悲しいなんて話はもう飽き飽きするほど映画化されてますが、新しい切り口で描いてくれる作品は価値があると思います。
まだ書かれていない小説はどこに存在してるのか、って考えるとちょっと不思議な気もします。作家の脳内の情報を全部ダウンロードしてもまだそこにはないわけで(今敏が死んだときも似たようなことを考えました)
モーツァルトくらい早死にだと全部のアイデアを形にする暇なく死んじゃったという感じもしますが。
投稿: おじゃま丸 | 2011/01/24 23:30
おじゃま丸さん、どうも
眉村卓と奥さんの実話だと知ったこともあって見に行きました。
>好きな人が死んで悲しいなんて話はもう飽き飽きするほど映画化されてますが、新しい切り口で描いてくれる作品は価値があると思います。
切り口が違ってます。一番近いのが「ビッグフィッシュ」だと思います。脚本の人は「世にも奇妙な物語」の人だそうです。現実と小説の世界のリンクがうまいと感心しました。
書かれていない小説はどこにあるのか?それで一本話が書けそうですね。夢も解釈できないイメージを後からストーリー仕立てにし直してるそうですから、アウトプットするまではカオスなんでしょうね。
今敏の最後の企画もどうなるんでしょう、期待と不安が入り交じってます。
モーツァルトが長生きしたら、ベートーベンとかみたいになってたんでしょうかね。
投稿: 竹花です。 | 2011/01/25 13:35