ヴィンランド・サガ 第10巻
父を殺したアシェラッドが殺されたため、彼に対する憎しみを失ない、空っぽになってしまったと、自分と同じ奴隷のエイナルに打ち明けるトルフィン。戦以外に何も知らないし、何もできないし、その意欲もないと。
トルフィンは何かとても大事なことを忘れてしまっていると思っているが、それが何かわからない。
これが単行本で読み直すとかっちりはまります。しかも最後が良い具合に延びてるじゃないですか。
空虚になったトルフィンに、農場の大旦那が言う。
口を動かす暇があったら働け。
そしてこの老人はトルフィンたちに魚の採り方を教える。
これから覚えていけばエエ、空っぽなら何でも入るじゃろう。生まれ変わるつもりなら空っぽの方がエエ。
生まれ変われるでしょうかとトルフィンが聞くと。大旦那が叱咤する。
働け、手が休んでおるぞ。
どうしてみんな良いやつなんだ。
しかし苦労して開墾し、育てた麦を、同じ農場で奉公人として働く自由民にめちゃめちゃにされ、キレたエイナルが奉公人たちをぶっ殺すと息巻きまくものの、トルフィンが復讐はよくない、とにかく状況を報告しようとなだめる。旦那の腹心である奴隷上がりのパテールが荒らされた麦畑にやってきて、二人は犯行現場を見ていないんだろうと確認し、とりあえず旦那に報告していくということになる。
そしてトルフィンとエイナルが畑からの帰り道で奉公人たちに遭遇する。エイナルが奉公人に畑を荒らしたのはお前らかと問い詰めると、奉公人が答える。
どうせ奴隷が作った麦なんか臭くて食えやしねえんだからよ。
そう言った奉公人が顎にパンチを受けて吹き飛び、道に倒れる。顎が折れていた。殴ったのはエイナルではなく、トルフィンだった。そして奉公人とトルフィンたちの乱闘が始まり、トルフィンは後ろか殴られて意識を失う。そこで見たのはヴァルハラではなく、現(うつつ)の延長である、自分以外が敵という戦いが続く煉獄。空っぽになったはずのトルフィンはまた「戦士」に堕ちてしまうのかと思われたとき、そこに表れるアシェラッド!
崖に掴まるトルフィンの足下に、屍と化した人々が地の底から塔のように折り重なりならすがってくる。アシェラッドがトルフィンに言う。そいつらの恨みの一つでも聞いてやれよ。そいつら、お前が殺した人間だぜ。
トルフィンが泣き出す。いつどこであなたたちを殺したのか思い出せない。
トルフィンの心につかえていた「何かとても大事なことを忘れてしまっていると思っているが、それが何かわからない」とは、殺した相手のことだったですか。
アシェラッドがトルフィンに叫ぶ。
登れ、それがお前の戦いだ!
行けェ!お前が殺したそいつらを連れて!
本当の戦いを、戦え!
本当の戦士になれトルフィン!
ここでトルフィンは目が覚める。トルフィンの再生です。
ここまでがアフタヌーンの話で、単行本では続きがあります。
パテールが荒らされた畑を探し回って奉公人が荒らした証拠を見つける。かっこいいです。トルフィンたちは大旦那のもとで新たな畑を耕し始める。
いいですよ。
トルフィンたちが働く農場は、ハラルド王にたくさんの貢納品を差し出すことで守られていると大旦那が剣客の「ヘビ」にこぼしています。そのハラルド王がクヌートに毒殺が次巻で毒殺されるんですよね。
続けて読むとまたよし
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