JIN-仁- 第1話
熱いな幕末。面白いな幕末。濃い2時間でした。
佐久間象山に泣かされました。
咲の母親が脚気を患って、それには食餌療法がよいということでドーナッツ(道名津)を開発。まさかドーナッツが、脚気の特効薬とはミスタードーナッツもびっくりです。
しかし咲の母は拒みます。すると喜市がもう母親のときのように見送るのはいやだから、毎日、咲の母の元に届けると言います。いい子じゃないですか。
この辺りまではゆるく進んでいましたが、龍馬が佐久間象山を助けるために仁を京都に連れて行ってから話が激変。
その頃、京都は、禁門の変に突入しようというきな臭い状況にあり、長州軍に仁と龍馬たちは蘭方医は国賊であると捕まりそうになります。
しかしそこに久坂玄瑞が表れて、幕府とは関係ない人間だと仁たちを助けます。助けたのは、あの時の詫びであり、ペニシリンはこの国を救う薬だと言います。
久坂玄瑞は攘夷派なのに仁を助けたと、呆気に取られる龍馬に久坂が言います。「俺は医者だ」と。そして龍馬に歩み寄り、お前は間違えるなよと忠告し、きびすを返して去って行きます。かっこいいじゃないか、久坂玄瑞!
しかも尊皇攘夷の旗印のもとで動いているに宮中に攻め込んでは、朝廷に長州は朝敵であるというのを撤回させようという交渉が無駄になり、幕府との武力衝突は彼我戦力差がありすぎて負けてしまうと反対していたという見識の持ち主。しかし運命は無情。
攘夷派の長州軍は禁門の変にて、帝を宮中より連れ出すことができず、(この時は)佐幕派だった薩摩軍に敗れます。腹を切ろうとしていた久坂玄瑞のもとに龍馬がやってきて久坂を止めます。久坂が叫びます。
攘夷などくそくらえだ!攘夷を本気で信じているやつがいたらアホじゃ!長州はアホの集まりじゃ!
尊皇攘夷は、外国の脅威に対して諸藩をまとめるためのきっかけと考えていたのだけど、長州はつっぱしり過ぎたと久坂玄瑞が悔しがります。(伊藤博文が日本国民をまとめるために、ヨーロッパのキリスト教のかわりに天皇崇拝を組み込んだのですが、その後の日本は長州みたいになっちゃった)
龍馬が止めようとしたものの、久坂玄瑞は自刃。最後にもう一度、お前は間違えるなと言い残して絶命します。拙者、号泣です。
佐久間象山は子供の時に木から落ち、未来に行って帰ってきた人間だったのか!その時に頭にかぶっていた医療用ネットの後生大事に持っていたのですね。
象山が仁に言います。
ワシはその時見た世界に少しでも近づこうと、あらゆることを学び、考え広めようとしてきた。理解されないことも多かったが。ワシはお前がうらやましい。ワシにこんなもの(点滴)は作れぬ。お前には、山のような知識と技があるのだろう。未来を見通し、この国を救うこともできる……
そんな歴史を変えるようなことは許されるのかと困惑する仁。
それこそが神の意志だとは思わんのか?歴史を変えるために自分が送り込まれたのだと。
自分はあなたと違って平凡な人間だと仁が言い返します。
お前は歴史を変えることを恐れている。裏を返せばそれは、自分が歴史を変えてしまえるかもしれないと思っているからだろう。相当な自信家だ。
仁が反論しようとすると、
つべこべ言わずに救え!と象山が首にさげていたネットを仁に投げつけます。
幕府軍が長州側の屋敷に放った火が町中に回り、象山のいる屋敷にも迫ってきた。象山を起こそうとする門弟たちに、象山はワシよりもこの道具と薬を運べと叱咤します。炎の中で象山が仁に言います。
もしお前のやったことが意に沿わぬことであったら、神は容赦なくお前のやったことを取り消す。神はそれほど甘くはない。ならば救え、その心のままに!
もう涙腺崩壊。
仁は救護所を開いて焼け出された町人を助けますが、仁は新撰組に拉致されます。そして盲腸だった西郷隆盛を助けます。これで西郷死んでたら明治維新はなかったかもしれません。西郷は坂の上の雲の広瀬武夫大尉じゃないですか。
西郷は最後のペニシリンで助かり、ペニシリンがなくなって重度の火傷を負った少女は死んでしまいました。
江戸に回航する蒸気船の甲板で、龍馬は仁に久坂玄瑞の辞世の句を見せます。そして海を見ながら言います。
「故郷を思う私の心は誰にも届かなかった」ワシは久坂の声を聞いてしもうだ。死んでいった者らに報いる方法はひとつしかないち思わんかえ?
もっぺん生まれてきたい、そうおもえる国にすることじゃき。そう思わんかえ?
その龍馬も志半ばで死を迎えるのだと思う仁。
咲の母親も喜市が毎日通った甲斐あってドーナツを食べて快方に向かいました。救え、心のままにですか。
実に面白い。
公式HPにこんな話が:
脚気患者を演じるために体重を8キロほど落として撮影に臨んでいたのが、栄様こと麻生祐未さん。もともとほっそりした体形の方であるにもかかわらず、そこからさらに8キロもの体重を落とすという作業は、いくら女優さんとはいえ、容易いこととは思えません。きっと、私たちの想像をはるかに超えたご苦労があったはずです。
http://www.tbs.co.jp/jin-final/report/report06.html
来週は南方仁が拷問に処されます。
« 福島原発はどれくらい儲かったのか?試しに計算してみる。 | トップページ | へうげもの 第2話 茶室のファンタジー »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- ゴジラ-1.0を再度見て思うこと。やっぱり同じところでグッときます。(2023.11.20)
- ゴジラー1.0は映画として本当に面白い!(2023.11.06)
- ザ・クリエーター・創造者 これはワールド・トゥモロー並みに面白いSFです。(2023.11.01)
- 「君たちはどう生きるか」は君はどう観るのかという映画でした。(2023.07.24)
- NOPE、これぞ古典派SFホラーの面白さ(2023.06.26)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: JIN-仁- 第1話:
» バガボンド コミック [バガボンド コミック]
コミックのバガボンドを読み進むうちに、ふと「原作との差はどれぐらいあるのだろう?」と疑問に思いました。 [続きを読む]
« 福島原発はどれくらい儲かったのか?試しに計算してみる。 | トップページ | へうげもの 第2話 茶室のファンタジー »
見ました見ました。脚気のAさま(なぜか匿名)の病みっぷりすごかったですね。
よくわからないけど主人公が過去にタイムスリップするきっかけがおもしろい。作者はSFの素養があるんですね。
龍馬役の人は大河よりうまくてよかったです。
久坂玄瑞かっこよかったですね。
投稿: おじゃま丸 | 2011/04/18 11:19
おじゃま丸さん、どうも
>脚気のAさま(なぜか匿名)の病みっぷりすごかったですね。
私~少女Aって♪中森明菜が昔歌ってました。栄さま、凄かったです。女優魂侮ってはいけませんね。
>主人公が過去にタイムスリップするきっかけがおもしろい。
昔バイクの漫画を書いていたような気がします。
>龍馬役の人は大河よりうまくてよかったです。
豪快で磊落な感じがはまってます。ポジション的には大河の岩崎弥太郎なのかと思います。
>久坂玄瑞かっこよかったですね。
同感です。
投稿: 竹花です。 | 2011/04/18 11:41