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2011/04/11

危機的状況の中の希望:村上龍

タイムアウト東京のエディトリアル・ディレクター、ジョン・ウィルクスは、「とても誠実な文章だと思う。災害について行き過ぎた大げさな報道をしているイギリスのメディアでは見られなかった内容だ……」と言ったそうですが、確かに。

危機的状況の中の希望

英語版のタイトルはAmid Shortages, a Surplus of Hope(「乏しい中での、あふれる希望」)です。

日本人は元来“集団”のルールを信頼し、逆境においては、速やかに協力体制を組織することに優れているといわれてきた。それがいま証明されている。勇猛果敢な復興および救助活動は休みなく続けられ、略奪も起きていない。

しかし集団の目の届かないところでは、我々は自己中心になる。まるで体制に反逆するかのように。そしてそれは実際に起こっている。米やパン、水といった必需品がスーパーの棚から消えた。ガソリンスタンドは枯渇状態だ。品薄状態へのパニックが一時的な買いだめを引き起こしている。集団への忠誠心は試練のときを迎えている。

現時点での最大の不安は福島の原発だ。情報は混乱し、相違している。スリーマイル島の事故より悪い状態だがチェルノブイリよりはましだという説もあれば、放射線ヨードを含んだ風が東京に飛んできているので屋内退避してヨウ素を含む海藻を食べれば放射能の吸収度が抑えられるという説もある。そして、アメリカの友人は西へ逃げろと忠告してきた。

東京を離れる人も多いが、残る人も多い。彼らは「仕事があるから」という。「友達もいるし、ペットもいる」、他にも「チェルノブイリのような壊滅的な状態になっても、福島は東京から170マイルも離れているから大丈夫だ」という人もいる。

私の両親は東京より西にある九州にいるが、私はそこに避難するつもりはない。家族や友人、被災した人々とここに残りたい。残って、彼らを勇気づけたい。彼らが私に勇気をくれているように。

<中略>

私が10年前に書いた小説には、中学生が国会でスピーチする場面がある。「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、希望だけがない」と。

今は逆のことが起きている。避難所では食料、水、薬品不足が深刻化している。東京も物や電力が不足している。生活そのものが脅かされており、政府や電力会社は対応が遅れている

だが、全てを失った日本が得たものは、希望だ。大地震と津波は、私たちの仲間と資源を根こそぎ奪っていった。だが、富に心を奪われていた我々のなかに希望の種を植え付けた。だから私は信じていく

http://www.timeout.jp/ja/tokyo/feature/2581

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