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2011/06/20

JIN-仁-第10話

これが泣かずにいられますか。雪になったのは野風じゃなくて龍馬だったか。東も不運な男なのかも。

龍馬は東に額を斬られて倒れた。橘恭太郎たちはそれを見て逃げた。斬られた龍馬が東を見上げる。なぜだ?東が言う。自分の兄は龍馬に殺されたと。龍馬が久坂玄瑞に会った帰りに龍馬を暗殺しようとして返り討ちにあった。龍馬は自分の仇であり、復讐のために近づいたのだと。だが龍馬は合点がいかない。なぜここまで自分も守ってきたのか、殺せる機会は幾度となく、あったのに。

これもワシを守るためじゃろう?と龍馬。違います!と東が叫び、龍馬に刀を向ける。やめてくださいと仁が龍馬の体に覆い被さり、身を挺して龍馬を守る。東はどこかへと去っていった。

龍馬が朦朧としながら仁に言う。南方仁がいれば、坂本龍馬は死なん……ほうじゃろ?

はい、俺がこの手で助けます!と仁。龍馬は気を失った。酔いつぶれた佐分利を起こして龍馬の手術が始まった。開放性頭蓋骨陥没骨折 脳挫傷に 急性硬膜下血腫。さらには外傷性くも膜下出血の疑いもある。そして脳が出かかってるという状態。仁がメスを取る。

仁は確信した。自分はこのために未来から江戸時代に来た。坂本龍馬を救うために。

<糸鋸で頭蓋骨を切るのはちょっとえぐいですね。パキスタン料理か何かで食べた羊の脳を思い出しました。脱出した挫滅脳って取っちゃうんだと。人間の脳って意外と破損に強いのですね。大腿骨に頭蓋骨を保存するんですね。なぜ仁が頭蓋骨の保存のために大腿部を切ろうしたら頭痛が起こったのか?なんででしょう>

龍馬の手術は成功したが、龍馬の意識はなかなか回復しない。アンビュバックで仁たちは手動で人工呼吸を続けた。

一方、江戸では山田純庵が仁友堂のペニシリン製造の責任者として、奉行所で詮議という名の拷問を受けていた。仁友堂には謝礼をもらえなかった医者に偽のペニシリンを作る方法を教え、そのペニシリンを処方された患者が死んだという嫌疑がかけられていた。奉行の役人は仁の署名が入った免許状を見せ、純庵に執拗に拷問を加え、仁が偽のペニシリンの作り方を教えたと言わせようとするが、純庵は屈しなかった。

福田玄孝が松本良順、多紀元琰、勝海舟を吉原の茶屋を呼び寄せた。元琰は和宮のヒ素事件と同じ臭いがするという。松本良順も同感だった。そうすると奥女中に接近できる奥医師かそれに近い身分で、仁に強い憎しみを抱いている者が犯人ということになる。

そこに鈴屋彦三郎が現れる。野風の身請けの身体検査において仁に面目を潰された医者がいると教えた。三隅だ。そこで勝海舟が一計を案じた。

手術から4日経っても龍馬の意識は戻らない。咲が野風から預かった龍馬宛の手紙を読んでみる。

野風は手紙の中で子を産んで母になったことを知らせた。その上で、夫を出会うまでの間、自分は龍馬の心に支えられてきた。叶わぬ仁への想いにやけになれずにいられたのは、龍馬が自分のことを好きだ、惚れたと言ってくれたからこそだと。

おなごはずるうござりんすな。胸を貸していただいたあの日のご恩は<ここで野風の雪になりとうござんすの回想>、一生忘れんせん。

そしてフランスに来る機会があったら教えて欲しいと野風は手紙をしめくった。

これは野風さんからの逢い引きだ、会い行かなくてどうするんだと仁が龍馬に言うと、龍馬の呼吸が戻った。

東は自分が命を救われた小屋に戻り、龍馬にやり残したことはないのかと問われたときのことを思い出した。そして、拾ってはならぬ命だったのかもしれませんね、坂本さんと呟いた。

仁は龍馬の枕元で、龍馬が食いついてきそうな携帯電話や新幹線、飛行機の話をした。<仁は地理を選択したので日本史に弱いんですね>
仁としては遠い未来ではなく、近い未来の話をしたいがまったくわからない。頭痛を起こしたいのですかと訝る咲に、頭痛が起これば、龍馬は生きられるということだと答えた。

龍馬が目を覚ました。咲が佐分利を呼びに行く。龍馬が呟く。

妙なもんを見よったぜよ。

それは未来の新幹線、飛行機、携帯電話、仁が話したものだった。そして龍馬は仁を見た。

あれは先生の住んじょった世界かえ?

仁が頷いた。

やっぱりのうと龍馬。

それを襖の表で聞いている咲。そこに佐分利がやってくると、大丈夫なようなので少し待ちましょうと咲が佐分利を止める。

<咲さんの機転の利きようは半端ない。この悟りの境地、ジェダイマスター>

えいのう、ワシも先生のように別の時代に行きたいねやと龍馬が唸る。

未来に行ったら、どこに行きたいですかと仁が聞く。

吉原と龍馬が言うと、もうないんですと仁が答える。

ほうじゃ、龍馬が気がかりだったこと思い出した。保険は?

民間の保険会社ならありますと仁。

<日本生命!>

会社?と龍馬が目をしばつかせる。カンパニーだと仁が言い換える。

早う、ワシも保険のカンパニーを作らんといけんのうと龍馬。先生にはこの世界、どうみえたがじゃと聞く。愚かなことも山ほどあったろう。

<龍馬の死亡フラグ全開です>

教わることだらけでしたと仁が言う。未来は夜でも、そこらじゅうに明かりがついていて、昼みたいに歩けるんです。でも、ここでは、提灯を提げないと夜も歩くこともできないし、提灯の火が消えたら、誰かにわけてもらわなきゃいけなくて、一人で生きていけるなんて、文明が作った幻想だなとか、遠く離れたら手紙しか頼る方法ないし、ちゃんと届いたかどうかもわからないし、人生ってほんと一期一会だなとか、

あと笑った人が多いです。ここの人たちは笑うのが上手です。

ここで龍馬が必死に口角を上げて、笑おうとする。

<やばい涙腺がやばい>

(江戸から明治の転換期にきた外国人が日本人を見て驚いたのが、貧しいのに笑ってることだったとか)

仁が龍馬にコレラ治療のときの話しをする。最初は皆、仁を警戒していたが、龍馬が一人患者を運んできてくれて、仁の治療を信じるようになった。ペニシリン製造で金に困っていたときは、龍馬が千両箱を持ってきてくれた。本物の行動力を教わったと仁は龍馬に言う。龍馬さんは、親友で、悪友で、ヒーローでした。

でしたち、龍馬が涙ぐむ。ワシはまだ生きちょるぜよ。

龍馬が起き上がる。ところでヒーローってなんじゃと聞いた瞬間、龍馬の呼吸がおかしくなる。咲と佐分利が駆け込んでくる。肺塞栓を起こしたのだ。咲が龍馬にマスクをつけようとすると、龍馬がそれを止めた。

先生?と龍馬が息を切らせながらもがくように仁に聞く。

わしゃ……ちゃんと……先生の……生まれてくる国、つくれたかのう?

先生のように優しゅうて、馬鹿正直な人間が、笑うて生きていける国を

はいと仁が大きくうなずく。

<やばい涙腺崩壊>

ほうかえ……まっこと……

龍馬は笑って息を引き取った。

仁が龍馬に跨がり、心臓マッサージをする。仁が龍馬に訴える。この後、確か、いろいろ大変なんですよ!いろんなところで反乱が起きたりして、城とかも燃えてしまったりするんです!西郷さんとかも大変なことになるんです。龍馬さんがいなくなったら、そんなことになるんです!まだまだやらなきゃいけないことあるでしょう!戻ってこい、龍馬さん!

もうやめるぜよ、先生と龍馬の声がする。一緒に行くぜよ、先生。

京都の夜に雪が降る。橋の下で切腹して果てた東の骸にも雪が積もる。

昔、母は雪になりたいと思ったことがありんしてなあと、野風が言いながら安寿をあやす。そうすればどこへでも行けると、愛おしい方の肩にも落ちていくこともできると。勝海舟を雪をみていた。安寿、これが雪でありんすよと、野風が雪を手に取った。

<雪になったのは龍馬であったか!この次のCMは洗濯機じゃなくて日本生命が良かったんじゃないか?>

東の遺書には、誰かに龍馬が討たれる前に自分が仇を討ったと書かれていた。それを大久保から聞いた西郷は、東は龍馬のつくったものを守ったのかもしれないと考えた。龍馬が誰かに襲われて、もう守りきれないと東は考えたのかもしれない。襲ったのが徳川勢だった場合には、大政奉還は徳川家の本意でないということになる。そうなれば、龍馬の成し遂げた大政奉還は水の泡となる。だがただの仇討ちならば、徳川は大政奉還を守るという姿勢は崩れない。

龍馬の意志を継ぐつもりなのかと大久保が西郷に聞く。あれは坂本さあにしかできんと西郷が答える。おいは、おいのやり方しか知らん。

そして江戸へと攻め上る西郷の官軍!

東は自分に龍馬を助けてもらおうと思って斬ったのではないかと意気消沈する仁。だがそれが本当ならもっと浅く斬っていただろうと咲が言う。きっと東は龍馬の生き方を守ろうとしたのだろうと。

咲が龍馬の形見分けとして、龍馬が肌身離さずもっていた仁と自分の写真を渡した。それを見て仁が微笑む。もっと落ち込んでいるかと思っていましたという咲に、覚悟はしていたからと仁が答える。けれども、龍馬を助けられなかったので、なんで自分が京都に来たのかわからなくなったと言うと、咲の顔が曇った。そして泣き出した。兄のことをお許しくださいと頭を下げた。

それを見て、仁が自分を責めた。

もし自分がここにいなければ、咲さんはこんな顔をすることはなかったんじゃないだろうか。俺はここにいる人たちを救えないばかりか、運命の歯車を狂わせているんだけじゃないだろうか?

自責の念を抱えたまま仁は江戸に戻った。そして仁友堂に帰ってみると門には木の板が打ち付けられ、壁には罵詈雑言が書き殴られていた。そこに山田純庵が福田玄考に抱えられて奉行所から帰ってきた。頬には痣があり、髪には白いものが混じっていた。

大したことではないと純庵が笑った。勝海舟が策を練り、偽ペニシリンを訴え出た医師のひとりが良心に耐えかねて内幕を話したいと申し出たという噂を松本良順や多紀元琰を通して大奥の三隅の聞こえるところで流した。その噂に釣られた三隅が偽ペニシリン事件の片棒を担がせた医者たちを毒殺しようと茶屋に呼んだところを取り押さえたのだった。

ペニシリンは守りましたぞと、純庵が仁の手を握った。

だが仁は恭太郎が龍馬を襲い、龍馬を救えなかったこと悔いていた。仁友堂を閉鎖すると言い出した。

私は疫病神です。自分がここになければ、みんな医学所や医学館で普通に出世して、こんな目に遭うことはなかったんです。自分と関わることで、やりたくもない仕事をやらされたり、助けた誰かが、誰かの命を奪うようになったり(仁は恭太郎を救って、その恭太郎が龍馬を襲った)、患者も自分が治療を行わなければ、苦しみを長引かせることはなかったと。

<それを聞いてる咲さんの顔が神妙で、いつか仁をぶん殴るんじゃないかと思ってました>

それに頭にはかなり進行している岩があって治療ができないと付け加えた。ほんと勝手で申し訳ないと頭を下げた。

純庵が怒りに震える。私たちに病人をおいて出て行けと仰るのですか?そのようなお言葉に従っては、緒方先生に向ける顔がございませぬ!

純庵は仁を壁の上に向けた。緒方の言葉が掲げられていた。

国の為

道の為

自分の夢は、この世で一番の医者になることでございました、佐分利が仁に言う。先生が疫病神でも、鬼でも、何や変な夢ばっかり見とっても、出会ったことを後悔したことは一瞬たりともございません。

<仁が龍馬に言っていた一期一会につながるのでしょう>

ここで咲さんのとどめの一撃。

先生、わたしくどもに持てるすべてを教えてくださいませ。国の為、道の為に。

はいと仁が笑う。

恭太郎が仁に龍馬の暗殺のことは母や咲には言わぬように頼んだ。仁が言う。龍馬さんの最後の言葉は、この国をちゃんとつくれたのかでした。死んでいった人たちにできるのは、その人たちが、もう一度生まれてきたいと思う国をつくることだって、ずっと思ってたんだと思います。このことを忘れずに前を向きませんか?

はいと恭太郎がうなずいた。

仁は精力的にペニシリンの講義を続けた。

龍馬の死後、旧幕府軍と新政府軍が鳥羽伏見で戦い、幕府軍が敗れたのを皮切りに、新政府軍は江戸を目指して進撃し品川へと迫っていた。

そんな折、勝海舟が仁のもとを訪れた。胃の腑が痛むと仁に言った。診察しようとする仁に、理由はわかってると勝は言う。明日は薩摩の西郷と談判することになっていて、もしうまくいかなかったら、みずからの手で江戸に火をかけて江戸の住民を逃がすように、新門の親分に頼んであるという。(ロシアがナポレオン軍に使った焦土作戦ですね)焼き払われて食料のなくなった江戸には占領する価値がない。そうやって脅迫して西郷に要求を呑ませようという勝の大ばくちであった。失敗すれば江戸は火の海になる。

そこで勝が仁に教えて欲しいと言った。江戸は火の海になるのかい?ならないのかい?これが禁じ手だってのはよくわかってんだ。

<勝は仁が未来人だとわかってたんですね>

仁はただ一言。でも、それって勝先生次第なんじゃないでしょうか?

勝が笑った。そうだよな。

翌日、高輪の薩摩藩邸で西郷と勝は話し合いを持った。

勝が言う。江戸を火の海にしたっていいこともあるめえ?列強の餌食になるのが落ちだと思わねえか?俺らがやってんのは、この茶碗の中の戦いと一緒よ。

坂本さあが以前同じこつを言われもしたどと西郷。

あんた勘違いしてるよと勝。おいらがあいつをマネしてんじゃねえ。あいつがおいらのをマネしてんだ。あいつとおいらは一緒なんだよ。あいつは終わっちゃいねえんだよ、西郷さん。

わかりもしたと西郷が笑った。

仁には最初の頭の腫瘍を取った患者が自分であることがはっきりした。そして生あるうちに持てるすべてを伝えようと決めた。それが明日につながるはずだから。命を救う技術は刻みつけられていくはずだ、この人たちの手に、目に、心に。生き残る術を命の螺旋が刻むように。

龍馬が死んだのは、霜月の二十二日。野風のいるところに初雪が降った日だった。

龍馬が野風に送ったのが雪の結晶のデザインの髪飾りだったとは。

悪化する仁の病状。未来に戻る以外に仁が助かる道はない。

仁は帰れるのかどうなのか?

最終回は2時間。前編じゃなくて序章じゃないか?

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コメント

>ここで龍馬が必死に口角を上げて、笑おうとする。

ここの俳優の演技が一番良かったです。
龍馬が仁が未来人だと知って驚く(納得する)場面がなかったですよね。伏線はあったと思うのですが、その描写が欲しかったなと思います。
腿を切り開いて頭蓋骨をそこに保存するんですね。おもしろいです。その環境が一番頭蓋骨が傷みにくいってことなんでしょうか。

脳って一部が失われても大丈夫なんですよね。出血とかで圧力が高まりすぎるとまずいんでしょうけど。

おじゃま丸さん、どうも
>伏線はあったと思うのですが、その描写が欲しかったなと思います。
前回龍馬が自分が死ぬのかと聞くので、怪しいと思っている感じはありますが、もっと引っ張っても良かったですね。頭蓋骨が腐らないということなんでしょうかね?骨も細胞でできているので。
脳がなくても生きていける。人体の脅威です。

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