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2011/09/16

福島原発2号機のメルトダウンは判断ミスですか

技術の不備というより、思い切りが悪いと死を招くということですか。

制御不能なのは人間の欲望なのかも。

4時間早ければ溶融回避

東京電力福島第一原子力発電所の事故では1号機から3号機で核燃料が溶け落ちるメルトダウンが起きましたが、このうち大量の放射性物質の放出につながった2号機のメルトダウンは、実際より4時間早く水の注入を始めていれば防げた可能性のあることが、研究機関の解析で分かりました。

福島第一原発では、3月11日から14日にかけていずれも冷却機能を失って1号機、3号機、2号機の順にメルトダウンし、このうち2号機では、15日朝に起きた爆発で大量の放射性物質が放出され、放射能汚染が広がる大きな原因となりました。日本原子力研究開発機構は、2号機の原子炉の状態をコンピューターで再現し、メルトダウンを防ぐ手立てはなかったか調べました。実際の2号機の対応では、14日に水の注入のため原子炉の圧力を下げたあと午後8時ごろに水を入れ始めたとされています。解析では、午後4時半以降に圧力を下げて水を入れた場合、温度はいったん下がりますが、すでに原子炉の水位が大幅に低下しているため温度が上昇に転じ、メルトダウンに至ります。しかし、圧力を下げる作業をもっと早く始めて午後4時ごろまでに水の注入を始めた場合、燃料の表面温度は被覆管が壊れる1200度に達する前に下がりはじめ、メルトダウンを防げた可能性があるという解析結果となっています。東京電力の当時の対応では、2号機の周辺に消防車を配置して注水の準備を整えていましたが、3号機の水素爆発によって消防車が壊れるなどして水の注入のための作業開始に時間がかかっていました。東京電力は「放射線量が高いなど非常に厳しい環境下で懸命の作業を行ったもので、注水作業が遅れたとは考えていない」としています。解析を行った原子力機構の平野雅司安全研究センター長は「2号機は3日間、原子炉の冷却が続いていたので時間的に余裕があり、燃料の損傷を避けられた可能性が十分にある。困難はあってもなぜ速やかに原子炉に水を入れられなかったのか、運転員の行動や水を入れる準備の状況が事故調査の重要なポイントになる」と話しています。この研究結果は、今月19日から北九州市で開かれる日本原子力学会の大会で発表されます。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110915/t10015628021000.html

3月19日のウォールストリートジャーナル日本版に載っている記事がシミュレーションで証明されたということでしょう。

元東電役員で、今回の原発事故対応に加わっている公式諮問機関、日本原子力委員会の尾本彰委員は、東電が海水注入を「ためらったのは、資産を守ろうとしたため」だとしている。尾本氏によると、東電と政府関係者のどちらにも、塩水を使用したくない大きな理由があったという。当初、核燃料棒はまだ冷却水に漬かっていてダメージを受けておらず、同氏によると、「圧力容器に海水を注入すると、容器が二度と使えなくなるため、海水注入をためらったのも無理はない」という。

 東京電力広報担当者は、東電が「施設全体の安全を考えて、適切な海水注入時期を見計らっていた」としている。

 ある政府関係者は、「今回の原発災害は、6割方、人災だ。東電は初期対応を誤った。十円玉を拾おうとして百円玉を落としてしまったようなものだ」と述べている。

 政府の対応も後手に回った。6機の原子炉の4機がすでに破損し、残りの2機もやはり過熱の兆候を示しだした16日になるまで、自衛隊は冷却活動に大々的に参加しなかった。防衛省広報官によると、自衛隊が出動しなかったのは、東電側から要請がなかったためだという。東電広報担当者は、原則として東電は政府と連絡をとっているとして、この点についての具体的なコメントは避けた。

http://jp.wsj.com/Japan/node_204149/?tid=tohoku

第3世代原子炉のAP1000はこういう問題に対応し、外部からの注水がなくても自然に冷却できるシステムだそうです。制御棒も駆動系に不具合があっても重力の力で挿入され核反応が停止します。

AP1000は、東芝グループのウェスチングハウス・エレクトリック社が、豊富な加圧水型軽水炉(PWR)の建設・運転経験を踏まえて、国際協力の基に改良した、電気出力115万kW級の最新鋭原子力発電所です。

 PWRは、タービン/発電機を動かすための蒸気をつくる二次冷却系が、原子炉を通る一次冷却系とは分かれているのが特徴です。原子炉では加圧して沸騰を抑え、高温水のまま蒸気発生器に送って、多数の管の内側から加熱して管の外側で蒸気をつくります。また、PWRでは、制御棒は原子炉の上部から挿入します。

 AP1000は、安全システムが運転員の操作や電源を必要としない、世界初の設計となっていて、圧縮ガスによる圧力や重力などの力で原子炉容器内に冷却水が注入され、自然循環によって熱を取り除くようになっています。

 そして、機器・配管・ケーブルが大幅に削減され、建設工期も短くなったうえ、運転・保守性にも優れています。

動画もあります。

http://www.toshiba.co.jp/nuclearenergy/kangaeru/image/ap-1000.mpg

小型高速炉なら燃料交換を行わないため、福島原発みたいに燃料交換のために設けられた上部のフタに取り付けたシーラントから、空だきで発生した水素ガスが漏れるようなことはないでしょう。

http://www.toshiba.co.jp/nuclearenergy/kangaeru/iec-pa8.htm

とはいえ絶対安全なんてことはないので、事故対応において何がもっとも重要なのかを決めておく必要があるでしょう。(どのレベルまで原子炉を守る対応をし、それ以上になったら環境を守るために廃炉にするかとか)

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コメント

東京電力が「とにかくできるかぎりのことはやった」と言うのは当然でしょう。責任逃れと感じられる部分も少なくはありませんが、「責任逃れ」のひとことで斬り捨てるのはちょっと酷なように感じられなくもありません。安全なところにいる者が、しかもあとになって「もっとうまくできたんじゃないの」と言うのは簡単ですが、それって「安全なところからのあと出しジャンケン」だからこそできる、余裕の発言みたいなものなんじゃないかとも思います。ぼくはべつに東京電力の肩をもつつもりはないし、そもそもそんなことをしなければならない義理もありませんが、自分だったら「あの大混乱の渦中でも冷静さを失わず、適切に対処できた」と断言するような自信は持ち合わせていません。したがって東京電力に対し、法的責任以上のものを追及する気にはなれないんですよね。不測の事態に直面しても決して判断を誤らない人なんて、この世にいるんでしょうか。

くずさん、どうもsun
想定外の事態に対して法的責任以上はないと思います。原子力村のせいだけだとは思いません。ただこの教訓を生かさなければ、また同じことになった場合に同じ事が繰り返されるでしょう。

人間は時に非合理になります。ゆえに原子炉の転換も一つの安全策になると思います。

東日本大震災以後、個人のブログでもよく原発事故が話題にされていますね。
そのうち原発反対という主張を読みながら思うのですが、彼らは虚しさのようなものを感じないのでしょうか。
ヒロシマやナガサキがいくら核兵器廃絶を訴えても核兵器はなくなりません。むしろ核保有国は増えています。
おそらく原発もそうでしょう。
なるほどドイツ、イタリア、スイスは脱原発を宣言しましたが、隣国フランスが世界屈指の原発大国であることを思うと、彼ら3国の脱原発にどれだけの意味があるのか、ちょっと疑問です。もしかするとイタリアやスイスの場合は、アルプスがフランスの放射能から守ってくれるのでしょうか。
仮に日本が脱原発を選択しても、朝鮮半島や沿海州に原発があれば安全と言い切ることはできません。
この意味において反原発は敗北が約束された主張であるように感じられます。もちろん敗北が約束された主張であっても、それを主張するのは反原発論者の言論の自由のうちですから、それを否定するのはもちろん、批判する気もありませんが。
福島原発の事故を見ていて感じたのですが、「原発の安全性」に意識が集中しすぎていて、有事の際のダメージコントロールが不十分だったのではないでしょうか。
原発の安全性を高めることも必要ですが、絶対に安全な技術などおそらく存在しないでしょうから、むしろ「事故は起こるものだ」という前提のもと、「どうすれば被害を最小限に食い止められるか」ということを考えるほうが重要なのかもしれません。
原発の安全神話は崩れ去ったと言われていますが、原発推進派の主張を聞いていると、安全神話の再建をめざしているように感じられるものが少なくありません。
事故は起こるのがあたりまえ、という主張はやはり不謹慎という非難を受けるのでしょうか。

iaeaさん、どうもsun
>ヒロシマやナガサキがいくら核兵器廃絶を訴えても核兵器はなくなりません。むしろ核保有国は増えています。

ミサイル防衛網などを強化した方が世界は安全になると思います。

>福島原発の事故を見ていて感じたのですが、「原発の安全性」に意識が集中しすぎていて、有事の際のダメージコントロールが不十分だったのではないでしょうか。

そうだと思います。自動車事故が起こったら道路を規制したり、救急車が出動し、場合によってはレスキュー隊も出てきます。

>原発の安全神話は崩れ去ったと言われていますが、原発推進派の主張を聞いていると、安全神話の再建をめざしているように感じられるものが少なくありません。

反対派は絶対に安全じゃないと言い切れないものでなければOKは出せないの一点張りなので、安全神話をまた作り上げないといけないという不毛な現象なのかもしれません。

中国では35人以上の死者が出た事故は高級官僚の処罰の対象になるので、35人以上死者が出る事故は起こらないみたいな、なんでもかんでも批判すれば、逆に隠蔽体質になりやすいと思います。

絶対を求める人は、年間90万件以上、死者4000人も出している自動車によく乗れると思います。自分が事故を絶対に起こさないという自信があるのでしょうか。

反対派にせよ支持派にせよ、安全を拡大させていくことをやめてはいけないという一致点はあると思うのですけどね。

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