TPPに反対するということは 江戸時代の開国と比較して
これは左派も右派も反対しているような。
菅元首相が「開国」だといったのもあながち間違いではないかもしれません。
黒船が来てアメリカに開国を迫られた井伊直弼大老は、反対派を弾圧して(安政の大獄)日米友好通商条約の締結を断行し、当時の右派に暗殺されました。
民主党政権が潰れて国家体制が変わるかもしれませんね。
江戸時代の尊皇攘夷とTPPの反対は似ているのではないでしょうか。
尊王攘夷派は武力による攘夷が可能だと信じていました。これとTPP反対派は、日本が今までのようなグローバル経済が続いて、今までのような経済モデルでの成長を維持できると考えている点です。
私見として、グローバル経済は終わりに近づいているように思います。これからはブロック経済に移行する可能性が高いのではないでしょうか。
TPPに慎重であるべきという浜矩子はTPPは自由貿易を阻害するものだと言っています。
http://iwakamiyasumi.com/archives/6299
浜氏は、「TPPは幅広く自由貿易を迫るものだから慎重に考えるべき」と思う人がいたら、それは自分の考えてとは逆である。TPPは「不自由化」を迫るものだから慎重に考えるべきと思っていると、冒頭からマスコミで流布されている「通説」を覆します。
TPPはブロック経済化を進めるという風に取れます。だからこそのTPP参加だと思います。
歴史的に見ると、1929年に世界恐慌が起こって世界はブロック経済に移行します。ブロック経済とは1つの通貨をベースにした経済圏です。圏外からの輸入品には高い関税をかけて国内経済を守ろうというものです。
具体的には:
スターリングブロック(イギリス・ポンド圏)
フランブロック(フランス・フラン圏)
ドルブロック(アメリカ・ドル圏)
円ブロック(日本・円圏)
です。
今の世界に当てはめるなら
ドル、ユーロ、ルーブル、元というブロックになるのではないでしょうか。ユーロ圏はすでにあります。プーチンも旧ソ連圏の経済統合を進めています。
来春の次期ロシア大統領選で当選が確実視されるプーチン首相が、経済を中心に旧ソ連諸国の再統合に意欲を見せている。
(2011年10月)18日にはロシアやウクライナなど独立国家共同体(CIS)の8か国で、域内関税を撤廃する自由貿易圏を創設する条約を取りまとめた。
プーチン氏は18日、サンクトペテルブルクでのCISの首相級会議で条約を取りまとめた後、「成長の(新たな)源の一つは統合だ」と述べ、署名しなかったCIS諸国に自由貿易圏への参加を呼びかけた。
プーチン氏はイズベスチヤ紙(4日付)への寄稿で「ユーラシア同盟」を提唱した。これは大統領に復帰した後の外交方針の軸になるとみられ、内外の注目を集めた。ロシアとカザフスタン、ベラルーシの3か国で構成する関税同盟をベースに、共通の経済・通貨政策を持つ経済同盟に移行する構想だ。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20111021-OYT1T00182.htm
このようにブロック経済の通貨安戦争がこれからの世界の流れだと思います。
自由主義を貫いてブロック経済にあらがい、国内の農業・産業を守るのは高貴なことだとは思いますが、それは尊皇攘夷と同じで勝てない戦いかもしれません。世界中の国々に関税を上げられたら、日本はお終いです。
TPPに反対というのは、日本の農業や産業はアメリカよりも弱いからだという主張なのでしょう。それは確かにそうでしょう。でもその一方でブロック経済化が進んだとしても、日本には世界から孤立しながらでもやっていけるだけの経済的な基盤があるという矛盾を抱えています。
戦前の日本は世界から孤立して、自給自足を目指して拡張政策に打って出て失敗しました。アジアの解放とか理念は正しくても、力なき正義は無能なりです。戦後の復興は日本人の努力もさることながら、アメリカの直接的、間接的な支援によるものです(アメリカは日本をアジアにおける反共の砦として考えていました)。
少なくとも2000年に入るまではアメリカあっての日本だったわけで今もそれなりに依存しています。アメリカの経済がもっと傾けば、ドルが基軸通貨ではなくなるかもしれません。そうなるとどえらい額のアメリカ国債をかかえている日本はとんでもない不良債権国になる危険性をはらんでいます。アメリカが倒れれば、日本も共倒れです。ウォン安で日本に助けを求めてきた韓国のこと笑っていられなくなります。
交渉だけでもいいと思います。これはアメリカが北朝鮮に対して行っている核協議と同じです。日本国内では大反対のデモとか起こってもいいと思います。アメリカから譲歩を引き出しやすくなるでしょう。ただ参加しないのは無理だろうと思います。
全部拒絶したら、日本は北朝鮮みたいな国だとアメリカメディアは叩き、オバマ大統領は弱腰だという話になります。昔スーパー301条項を日本はやられたことがあるんですよ(リンク)。アメリカをルールの国だとなめたらいかんですよ。
余談:アメリカのOCCUPY WALL STREET運動に乗っかってOCCUPY TOKYOなんかやってる人はどっちを向いてるんだと思います。アメリカは大統領選挙は控えてるんですよ。そういうアメリカ経済をなんとかしろみたいな運動は、アメリカの大統領が市場を開拓したみたいな、アメリカ国民向けの政治的アピールを増やすのに日本が利用されるだけです。
※ウィキリークスから出た公電で「もし、当初のTPP交渉8カ国でゴールド・スタンダード(絶対標準)に合意できれば、日本、韓国その他の国を押しつぶすことができる。
http://www.worldtimes.co.jp/col/siten2/kp111018.html
とかいうのが流れましたが、put the squeezeは押しつぶすのではなく、合意によって日本と韓国はYESと言わざるをえなくなるみたいな意味です。
海兵隊と日本軍の地獄のような死闘を描いた「パシフィック」を見てるんですが、日本軍が鬼畜です。後半の面白さとエグさはバンド・オブ・ブラザーズの非ではないです。日本に対して負けてはならんみたいなのが盛り上がっても、おかしくないです。
ヨン様しかり、他国に対する印象は意外とテレビや映画の影響が大きいです。
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