坂の上の雲 第13回 日本海海戦
BSで艦隊戦を見てますが、この海戦は素晴らしい!
超カッコイイ!
NHK素晴らしいクリスマスプレゼントとありがとう!
下瀬火薬をちゃんと描いているし、砲撃の仕方も丁寧。
要するに東郷は敵前でUターンをした。Uというよりもα運動というほうが正確に近いかもしれない。後続する各艦は三笠が左折した同一地点に来ると、よく訓練されたダンサーたちのような正確さで、左へ曲がってゆく。
それに対してロジェストウェンスキーの艦隊は2本、もしくは2本以上の矢の束になって北上している。
その矢の束に対し、東郷は横一文字に遮断し、敵の頭を抑えようとしたのである。
(非常にわかりやすい説明です)
三笠率いる連合艦隊の勇姿!
ただこの戦法は場合によっては、味方の破滅を招く恐れもあった。三笠以下、各艦が次々と回頭しているあいだ、味方にとっては射撃が不可能に近く、敵にとっては、極端にいえば静止目標を射つほどにたやすい。
ついに東郷が射撃を許可する。
前部6インチ砲(副砲)試し撃ち方 九ノット 左錨頭(ひだりびょうとう)、
距離六四〇〇!撃ち方始め!
http://navgunschl.sakura.ne.jp/koudou/riron/shokyu/shuusei/shuusei_frame.html
を見てください(追尾装置がないのに遠距離射撃をするので凄く細かくなる。しかもレーダーとかないので見た目で(敵艦の寸法をもとに)距離を計算する)。
黒板に6400って書いてあるのがいい。
用意、
弾着!
(距離と砲弾速度がわかっているので砲弾がいつ着弾するかわかる)
知らぬなら、教えてしんぜよう
下瀬火薬だ!
(水柱が上がるときに日本海軍の砲弾の場合には炎が見えますが、ロシア海軍の砲弾が作る水柱には炎が見えません。芸か細かい)
距離六二〇〇!(調整しました)
三笠の主砲がスワロフを狙う。
(左の砲身が若干右の砲身より上を向いています。これで若干着弾地点をずらし、どっちかから発射された砲弾が当たる確率を高めます)
副砲が火を噴いた!
続いて主砲(右砲身)!
射撃した後、ちゃんと主砲が後退しています。すばらしい。
目標は敵の旗艦スワロフであった。
水戦のはじめにあたっては、我が全力をあげて敵の先鋒を撃ち、やにわに二、三艘を討ち取るべしというのは、秋山真之が、日本の水軍の戦術案から抽(ぬ)きあげた戦法であった。
東郷は真之が樹(た)てた戦術原則とおりに、艦隊を運用した。
小村寿太郎が交渉を頑張ったことはほぼ触れず。
日露講和条約が締結されたが、賠償金が得られなかった。
ここに大群衆が登場する。
国民新聞をのぞく各新聞はこぞってこの気分を煽り立てた。
9月5日、日比谷公園で開かれた全国大会は参加する者、三万人と言われた。彼らは暴徒化し、一時は無政府状態に陥った。政府はついに戒厳令を布かざるをえなくなったほどであった。
(韓国のTPP反対みたいですな)
宮中に凱旋に来た乃木に乃木のジジイと児玉が話しかける。
ようやく終ったのう。また生きながらえたと児玉源太郎。
乃木がうなずく。
これから先、一体どうなるのかのお?と児玉が乃木に聞く。
何一つ変りはせぬと乃木は言い切る。
乃木は明治天皇のもとへ向かった。
(乃木閣下は明治天皇が崩御すると自害したのでなんとなくそういうことを暗示しているように見えます)
維新後、日露戦争までという30年余りは、文化史的にも精神史のうえからでも、長い日本の歴史のなかで実に特異である。
これほど楽天的な時代はない。
むろん見方によっては、そうではない庶民は重税に喘ぎ、国権はあくまで重く、民権はあくまで軽く、足尾の鉱毒事件があり、女工哀史があり、小作争議がありで、そのような被害意識のなかから見れば、これほど暗い時代はないでろう。しかし被害意識でのみ、みることが庶民の歴史ではない。
明治はよかったという。
「降る雪や 明治は遠くになりにけり」という中村草田男の澄みきった色彩世界がもつ明治が一方にある。
この物語は、その日本史上類のない幸福な楽天家たちの物語である。楽天家たちはそのような時代人としての体質で、前ののみ見つめながら歩く。
のぼってゆく坂の上の青い天に、もち一朶の白い雲が、かがやいているとすれば、それをのみ見つめてゆくであろう。
昭和五年十一月、死の床についた好古は、数日、うわごとを言い続けた。
鉄嶺はまだか……
馬をひけ……ゆくぞ……
そして息を引き取ったあとに病院の窓を見ると、青い空に雲が浮かんでいるという、最高のエンディング。
最後説教臭くなるかと思っていたのですが、非常に良かったです。
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テレビドラマで「調定よーし!」なんてセリフ、なかなか聞けませんww
第2艦隊との連携による包囲での一方的タコ殴り状態までの描写はなくとも、露軍将兵の憔悴ぶり、炎上する艦隊の様子で、一方的な戦いだったことが描写できていたと思います。
最後もあっさりとした終わり方で、なかなか余韻があったと思います。
投稿: Haru | 2011/12/25 21:44
Haruさん、どうも
この日本海海戦は映像史に残ります。
「調定よーし!」
はびっくりしました。
もっとグダグタ続くのかと思ったら、もう一度、明治期の人は楽天的だったといういい話で終って良かったです。
四十を越えた秋山兄弟を松山に戻して、子供のように釣りをさせるというエピソードが史実かどうかは知りませんが、良かったと思います。
夏目漱石をして、海軍に入った真之を軽蔑していたが、今はその真之に守ってもらわねばならない、自分の無力が悔しい、その嫉妬の裏返しだと言わせ、律にだったらもっと素直に秋山がんばれって言えばいいと言わせる、ドラマの作り方も一歩前に進んだ気がします。
投稿: 竹花です。 | 2011/12/25 23:42