平清盛が「王家」で炎上する
当時の呼び方に文句をつけるのはどうなんでしょう。
王家ではまずいと言われて、天皇を「てんのう」などと漢語読みをデフォルトにするのは中華文明の影響などだと逆に思いました。(確かに中国語の音として天皇はカッコイイです)
古代において「てんのう」とは基本的に呼ばれません。「すめらみこと」が正式。
天皇という呼称は律令(「儀制令」)に規定があり、養老令天子条において、祭祀においては「天子」、詔書においては「天皇」、華夷においては(対外的には)「皇帝」、上表(臣下が天皇に文書を奉ること)においては「陛下」、譲位した後は「太上天皇(だいじょうてんのう)」、外出時には「乗輿」、行幸時には「車駕」という7つの呼び方が定められているが、これらはあくまで書記(表記)に用いられるもので、どう書いてあっても読みは風俗(当時の習慣)に従って「すめみまのみこと」や「すめらみこと」等と称するとある(特に祭祀における「天子」は「すめみまのみこと」と読んだ)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E7%9A%87
■「天皇」と書いて何とよむ?
小欄は「天皇弥栄」という名称を掲げている。なぜ「天皇」と書いて「すめらぎ」と読むか、それには理由がある。今回は「すめらぎ」の意味について考えてみたい。
本来ならば「天皇」は「てんのう」と読むのが一般的であり、また訓読みしても「すめらみこと」と読む場合が多いため、むしろ「すめらぎ」はあまり耳にしない人も多いことだろう。しかし「天皇弥栄」という形で使用する場合、「天皇」は「すめらみこと」ではなく「すめらぎ」と読むべきなのである。
まず「てんのう」は中国の音であるため、祝詞などでは大和言葉を用い、訓読みすべきである。だが、それでも「すめらみこと」「すめろき」「すめらぎ」など、読み方は複数あり、しかも読み方によって意味が異なる。■「すめらみこと」か「すめらぎ」か
「すめらみこと」と読むと、特定の天皇、もしくは今上天皇を指すのに対し、「すめろき」と「すめらぎ」は、皇祖もしくは皇祖から続く皇統を意味し、古より続く皇統の連続性を含んだ文脈で用いられる。
例えば「すめらみこと」の用例を調べると、いずれも特定の天皇か今上天皇を指す場合に限られるが、「すめろき」は八世紀後半に編纂された万葉集の福麻呂(さきまろ)歌集に「日本国(やまとのくに)は皇祖(すめろき)の神の御代より敷きませる国にし有れば」とあり、また同じ万葉集の大伴家持(おおとものやかもち)の歌に「ひさかたの天(あま)の戸開き高千穂の嶽に天降(あも)し須売呂伎(すめろき)の神の御代より」と見える他、「すめらぎ」は十九世紀の良寛歌に「すめらぎの千代万代の御代なれや花の都に言の葉もなし」と、特定の天皇ではなく、連綿と続く皇統を指す言葉として用いられている。
http://www.hokkaidojingu.or.jp/sizume/column/takeda6.html
皇子・皇太子の呼称は今も(王)ですよね。
『御子〔みこ〕』『皇子〔みこ/おうじ〕』『皇子の尊/皇子の命〔みこのみこと〕』『みこの宮』『大王/王/大きみ〔おおきみ〕』
「天皇(旧代を含む)の子息」を指す日本固有の尊称です。※ このうち『大きみ〔おおきみ〕』は「王」を指しても用います。
『親王〔しんのう〕』
嫡出の皇子、または嫡男の嫡出の皇子(=皇孫)のうち、親王宣下のあった人。『王〔おう〕』
令の規定では、親王宣下のない皇子を含め親王から五世以内の皇族男子です。
(明治以降は規定が変わっています。)皇族ではあるけど、天皇家の家族とはいえないなぁ、という身分で、姓を賜って臣下に下る場合の他は特に姓がなく「○○王」と名乗っていますので、それを『王氏〔おうし〕』と言います。
※ 物語文などでは稀に天皇を指して『王』が用いられていることもありますが、通常は物語文などでも、地方での権力者(この場合、皇族に限りません)など、天皇より下の立場の人に用います。
http://www.sol.dti.ne.jp/~hiromi/kansei/r_mikado.html#Tenno
王家はミカド(帝)みたいな別称ではないかと。帝も御門と書いて本来は本来御所の御門「門」のこと。戦国・江戸時代に領主を「お館様」と呼ぶのと一緒。(「お館」は屋敷のこと)
当時は軽々しく「天皇」と言ったら不敬に当たるんじゃないかと思ったりします。(現代は天皇陛下との距離が縮まったので「天皇陛下」と臣民たる日本国民が漢語読みで呼んでも問題ないでしょう)
古事記のムックがありました。
藤原カムイの古事記絵詞のイラストがシャレオツ。
あと平成の新嘗祭(新天皇の即位後の祭事)の写真がのってました。
「古事記の精神を共有したら、日本社会は原発なんか許さない」と旧皇族の武田恒泰が申しております。
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コメント
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単純に考えて、漢字の「王」家が問題で「皇」家で、呼び方が「おうけ」であれば、そんなに問題視されなかったかもしれませんねぇ。。。
感情論の問題なのでなんとも・・・。
http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2005/0309/033684.htm
中華思想の影響を考えると、皇の方が王よりも格上なので、何故に格を下げるのか、といった理由がないからかもしれませんねぇ。。。
給与待遇が変わらなくとも、課長が課長補佐になったら嫌だ、ってことじゃないですか?
投稿: とんと | 2012/01/12 09:20
EmperorとKingの違いと同じ問題>皇と王
皇帝の方が王よりも上であるというのは、中国の秦の始皇帝が始まりです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9A%87%E5%B8%9D
投稿: とんと | 2012/01/12 09:31
とんとさん、どうも
日本(国内)は中国じゃないので格上も格下もないのですが、対外的には中国から冊封を受けた室町幕府の対外的称号が「日本国王」にはなってますね。(天皇はいないも同然なので)
「日本国王」の項目を呼んでいたらありました。
>朝鮮半島では、長らく自らの王や周辺諸国の王が「皇」や「帝」の文字を使用する事は道理に反するとして認めず、天皇の事を「日本国王」「日王」などと呼んできた。それは現在でも続いており、公式な場以外のマスコミなどでは未だに「日王(イラン)」と呼ぶか「天皇(チョナン)」と呼ぶかで意見が分かれており、大半は「日王」表記が主である。
また原因はここですか。
emperorとking。もし「血」を優先するなら、王は臣下との血脈がつながっている必要がありますが、emperorは外国人でも構いません(語源学的にkingはkind[種類]と同根)。天皇は皇帝だというのは、国民と血がつながってなくてもいいと言ってるのと同じなんですけどね(あくまで英語・ドイツ語では)。天皇家が渡来人だと王と呼ぶより皇帝がふさわしいことになります。
たぶん中国でもそうでしょう。王は地元、皇帝は王を束ねるものなので「血」は関係なく「天命」によると。
投稿: 竹花です。 | 2012/01/12 13:19