孤独のグルメ 第10話 豊島区 東長崎のしょうが焼目玉丼

ブオンと電車から降りて、車はキウイ止まれなくて、喫茶店でシュっとしてパパーンな皿を頼まれ、アエイウエオアオでお腹がペコちゃん。頭ペコリンコで、サクっとジュワ～。ドゥルドゥル、ガツガツ、プハ～。

そういう話。

東長崎ってこんな駅だっけ？

すいぶん久しぶりだ。池袋から二駅しか離れていないのに雰囲気が全然違う。生活感が丸出しだ。

関東には東久留米とかなぜ九州の地名があるのか不思議です。

ほ～ら。この店構えなんて実に俺好みだ。

仕事になるかどうかわかんないけど、手土産を買おうと青果店を覗くゴロー。

一期一会、なんちゃって。

こういうの苦手だ。

まさに[下手な洒落はよしなシャレ]という状況。

いよかん持って良い予感！

これください！とキウイを指す。

シャレが出てこない。

勝った。

気をつけて！車はキウイ止まれない。

毎度アリ。

ゴロー敗北。

映画で話した次の映画の小道具の件なんですけど……

四谷怪談のお岩さんと、番町皿屋敷のお菊さんが現代にタイムスリップしてパンクバンドを結成するって話なんですよ。

なんだそれ？

（面白いと思うけど）

お菊さんと言えば皿でしょ？

お菊さんが客席に皿を投げて、血がピュー！ピュー！って飛び散るんですよ。

なんせパンクなんで。

なんせパンクって？

監督が普通の皿じゃいやだって。

シュっとしてパパーンとした柄がはいってるのがいいって。

シュっとしてパパーン……

あ～もうちょっとピッとした感じかな。

（いつにも増して落語的な展開）

もっとズバッと見えるやつね。

ピッとズバッと……口ではなんとでも言える。

これから美打ちなんでチョッチョっと探してもらっていいですか？

そしたらバシっと決めますんで。

ここの払いもチャチャといいですか？

よくないだろう。

大学生の演劇とか漫才の練習を見て目を細めるゴロー

アエイウエオアオ

ゴローも真似する

アエイウエオアオ

お腹が空いた。

まさに急転直下の展開。空腹はいつも突然に。

喫茶店に行きがけに見た店に戻る。

うん、やっぱりイイ。

俺の目に狂いはない。

だがこっちの洋食屋もぐっとくるんだよな。

なんだが美人二人に同時に告白されているみたいだ

お昼時に無駄に渋いゴロー。

「食べちゃう」つながりか？

洋食屋に頭を下げる。

ごめんなさい今度来ます。

いいじゃないか、いいじゃなか、期待を裏切らないこの雰囲気。

安い。とんでもなく安いぞ。

チャーハン380円。

きゃー嬉しい悲鳴だ。

顔に似合わず乙女チックなゴロー。

安すぎないか？こっちは嬉しいけど、お店が心配になる値段設定だ。

迷うなぁ。

なんだショウガ焼き目玉丼って？ちょっとそそる。

ショウガ焼き目玉丼と肉じゃが、ウィンナーフライを注文。

ポテトサラダ150円ってのも惹かれるなあ。

でも頼んでしまって食べられないってのも嫌だし……

なのに注文。

お茶は後ろのポットから。

給水のところに張り紙が。

安くて俺みたいに頼みすぎる客多いんだろうな。

ポテトサラダ、勇み足だったかな。

今思えば、肉じゃがとポテトサラダ、芋がダブっている。

ワインコイン（500円：とんかつと大根の煮物）を新しく来た客が頼み、サンキューセットができあがる。

気になるゴロー

あった。ナイスだ。

朝ご飯ぽい。

女子も来るのか。

しかもカツ丼、カツ丼。

さっき見かけた演劇の子たち。

いつもカップラーメンばっかり食べてるんじゃないのって電話がかかってきた青年。

ここのメシなら実家のお母さんも安心だ。

先にウィンナーフライ、肉じゃが、ポテトサラダができた。

ウィンナーをフライにしたそのままの味だ。

でもこういうのなかなか食べられないんだ。望んでも。

（魚肉ソーセージをフライにしても美味しいですよ。そのまんまの味ですが）

この普通味がうまい。

ポテトも良いじゃないか。頼んでよかった。

肉じゃが

そうそう。こういうのでいいんだよ。

店の人の人柄が染みているような味。

結構、量もある。

汁と一緒にジャガイモの欠片がドゥルドゥルって入ってくのがたまらん。

あの煮物も間違いないな。

この店にしてよかった。

見ていて気持ちいい食べっぷりだ。

カツ丼をあっという間に燃やせる体力がなければ、どこの世界でも大物にはなれない。

ついにショウガ焼き目玉丼、見参。

スプーンが入ってる。

コイツでガツガツ行けってことだな。

望むところだ。

半熟の黄身を潰す！

そして醤油をたらす！

ショウガ焼き、目玉焼き、ご飯。全部俺の大好物だ。

うまい！むちゃくちゃうまいぞ！

問答無用のうまさだな。

ご飯と肉の間に少しキャベツが入ってるのが素晴らしい。

ここのご夫婦、良いセンスしてるなあ。

こういうセンスがこじゃれたレストランじゃ望めないんだよ。

ピーマンに紅ショウガ

どこまでも気が利いている。

これほどガツガツが似合うどんぶりないぞ。

良い食いっぷり。

お勘定、1030円になります？

え？

それはないんじゃないの？こんだけ食べて。

夢のようだ。

どうかされましたか？

俺にとっての夢の店はこんな店ですよ。

ピーン閃いたら、ジャーンでドドーンときて、ポワワーンとしちゃった。

さて安田君に頼まれた皿をビカビカって探すか！

ダジャレ、擬態語という言葉遊びの絡ませ方が面白い。

これは是非作ってみよう。