平清盛 第16回 「さらば父上」
話はドロドロしているけど、最後は綺麗に死んでいくのが「平清盛」。
特に忠盛の死に方は綺麗だなと。
大河で主人公の親が死ぬ話はいろいろとありますが、こういうふうに安らかに死ぬ(消える)のは珍しいのではないかと。
寝ている忠盛。
いつかわかるのではござりませぬか、夢中で生きていれば。なぜ太刀を振るうのか、なぜ武士が今の世を生きているのか。
忠盛が目を覚ました。
「なぜ太刀を振るうのか、なぜ武士が今の世を生きているのか」と舞子の言葉。この仕草は死ぬっぽい。
平清盛のブログに出てるこの人だ
http://www.nhk.or.jp/drama-blog/99480/108869.html
忠通の父・忠実に命じられて源為義が忠通の邸宅に討ち入り、摂関の権力の象徴である朱器台盤を奪いに来た。
そなたにこれを授けたかったと忠実が頼長に言う。
父のご恩情、しかと頂きましてございますと頼長。
中国史を紐解けば、家族(内輪)の揉め事に軍隊(とか蛮族)を使うとあとで碌でもないことになるのがわかるのに、目の前の権力に喜んでいるのが頼長の中途半端なところ。
そうじゃと開き直る為義
一族郎党を食わせるために働いておる。それの何が悪い!
一方、平家の棟梁・忠盛は美福門院の推挙を得て(前回の高野山の宝塔再建で約束された)を鳥羽院より刑部卿に任ぜられた。そして清盛は安芸守に任ぜられた。
最後まで務めさせていただきます。
最後って言ったね。顔がちょいと死んでる。
帰りがけに、左大臣(頼長)の警固のためにやってきた為義と会い、言われた。
せがれに言われた、わしのしていることは盗賊と同じだと。悔しいが我ら源氏には、平家の如き財力はない。盗賊の如く生きるほかはない。
平家と源氏どちらが強いか(武家の頂点に立つか)、それを定める日まで、わしは地を這うてでも生き残る。
為義が酷い目に遭うのでなんとも重い一言。
安芸の国にきた清盛一党。
こんなへんぴなところかと怒る兎丸
徳川家康もへんぴな江戸を開発して世界の大都市にしたのだ。
あの海ではしゃいでおられた平太様が今は国司でございますからな、時は流れるものですなあと家貞が、写経中の忠盛に言う。
おおかた此度もはしゃいでおろうと笑った忠盛が咳き込んで倒れる。
そうとは死らず海の幸に舌鼓を打つ清盛
厳島は島そのものが神として崇められているそうな。確かに島は島でも、江ノ島とは違う雰囲気でした。
寂れた社と清盛が言うけど、かなり小綺麗な。丹の色の発色が良いからか。貧相と言えば貧相。
歓迎の舞
兎丸、唐船に乗っていた宋人の娘(桃李)と再会を果たす。
安芸は古くより船造りが盛んで、遣唐使を行っていた頃は百人が乗れる大船を建造していたという。
吉備真備を輩出した国(正確には現在の岡山)ですし、そものも吉備王国があった地域ですからな。
清盛様は宋に行ったことがおありですかと春夜が聞く。
それはもっとも強き者が持つ剣だと言う。どうやって手に入れたのかと清盛に尋ねた。
これはこの国でもっとも強き男から授かったと答える。
清盛が子供の頃に見た父・忠盛のように剣を空に突き立てる。
良いシーンだ。
近頃、しきりに思い出すのじゃ、舞子に言われたことを。「夢中で生きていれば、いつかわかる。何のために太刀を振るうのか、なぜ武士が今の世を生きているのか」
わしは夢中で生きてきた。でもいまだわからぬ。
統子内親王の和歌:
ならびおる ふたつの黒き 蝶の舞 いずれや高く のぼりけるらむ
本当にある歌なのだろうか。
我が夫も舅もいつも、それで揉めておりますと由良が言うと、
家がまるく納まるように皆の仲を取り持つのが妻のつとめだと統子に言われる。
強引に藤原氏の長者になった左大臣・頼長は異例にも内覧の宣旨を賜った。
内覧(ないらん)とは、天皇に奉る文書や、天皇が裁可する文書など一切を先に見ること、またはその令外官の役職。摂政・関白は内覧の宣旨が下されるが、摂政・関白ではない左大臣・右大臣・内大臣、または納言級にも内覧の宣旨が下される場合もある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E8%A6%A7
これにより頼長の権力は摂政・忠通と並び、兄弟の亀裂は決定的となった。
頼長が近衛帝に「かの主殿頭(忠通)」は届けもなしに休むことが多く、己の務めへの覚悟が著しくかけいるので、罷免すべきだと上奏する。
体の弱い息子の近衛帝に心労ばかり背負わせてと美福門院は頼長に怒り心頭。
これでは朝廷は頼長のいいようにされてしまうと腸が煮えくりかえる忠通に、美福門院は止めることはござりませぬと言う。
まことに面白いほどのお働きぶり、もっと煽って差し上げましょう。
頼長と美福門院はドSの二大巨頭。
帰ってくるまでは絶対に言うなと言われていたと前置きして、時子が忠盛が倒れたことを清盛に教える。
清盛、父のもとに慌てて駆けつける。
なんだ騒々しいと頭を扇子で小突かれる。
(さりげなく親子の仲が良いのがわかる)
なんじゃ時子のヤツ、大げさに言いおってと清盛、倒れる。
(本当は寝ていないとダメなんでしょうな。清盛のために元気に振る舞っている)
安芸はどうだと忠盛に聞かれ、船作りが盛んな土地で何か面白いことができそうだと、清盛は興奮気味に語る。
清盛の息子・清三郎が父の太刀を持ち上げられなくて、もうイヤだとあきらめる。
わしは10才の頃にはもう片手で持ち上げたと清盛が清三郎から太刀を取って、片手で持ち上げてみせる。
屁理屈を言う出ないと清盛。
しっかりと鍛えよ。それがお前の軸となるのだ。
為義が鬼武者に弓の稽古をつけている。由良が夕餉を義朝と供にと呼んだのだった。
左大臣・頼長の館の前で藤原家成の家人が下馬しなかったので、左大臣から家成の館を襲えとの名が下ったと為義の家人・鎌田通清が伝えに来た。
成り上がりの分際で、この頼長を見下した真似を!
行ってはなりませぬ、義朝が父を制する。どれだけ藤原摂関家に尽くしても、重用されるの平氏だと。
さように誇りなき行いをする者が目をかけられることはない!
いくら鍛えておっても、武威を示す時など向こうからやっては来ぬ!
地を這うてでも生き残る。それがわしの誇りぞ!
どうしてと聞くと。義朝は父上のことを恋しがっていたと答える。まことは父上の役に立ちたいと、望んでいたと。
家成の館は為義の軍勢に襲われ、側近の館を襲われた鳥羽院は烈火の如く怒った。
すべては頼長を陥れるための美福門院の計略であった
平氏は頼長を襲う大義名分を得た。そして美福門院から密かに左大臣・頼長を襲えとの頼まれる。襲えば、塔を完成させる前に鳥羽院に公卿になれるように推挙しようと。
犬と犬とをけしかけて戦わせるがごとき美福門院の陰謀遠慮、怖すぎる。
忠正は(忠盛が公卿になれるならと)美福門院の誘いに乗るように忠盛に迫っている(ように見える)
忠盛は答えを出せない。
俺は8つの時にこの剣を授かったと清盛。
大きくて重くて、初めは持ち上げることすらできなかったこの剣を、俺は鍛錬して自在に操れるようになった。
(忠盛の脳裏に蘇る舞子の言葉に呼応しているのでしょう。忠盛が答えず、息子の清盛が答えている)
時に博打の場で、時に海賊船で振り回し、時に強訴の山法師の前で振り回し、白河院の御前に突き立てたこともある。
俺が剣を振り回すのは、うまく言えぬが、院と摂関家の小競り合いに巻き込まれるためではない!
こいつはそんなことをするために生まれてきたのではない!
武士の世。
武士の世を作るためじゃ。院にお仕えするのではなく、武士が頂に立つ世を、それがため我らは太刀を振るってきた。それがために、武士は今の世に生きているのだ。
忠盛が一門を集めた。
万が一の時のために言っておく。
忠正、これまでずっとお前あってのわしであり、お前あっての平家であると思うておる。
頼盛には、名刀「抜丸」を。「一朝、事あらばこれにて戦え」。
教敦には、愛用の弓を。
(影で見えなかった)経盛には、愛用の鞍を。
兄弟、助け合ってまいるがよい。
そうか、カリオストロの城のグスタフだ。
家貞、お前のことじゃ、わしが死ねば、出家すると言い出しかねぬ。さようなことは言わず、新しき棟梁に近う仕え、これまで一門どおり要となってくれ。
盛国、兎丸、新しき棟梁にもっとも近う仕えよ。
わし亡き後、平氏の棟梁は清盛と定める。
宗子を見る。
こくりと頷く。
では安芸にてお待ちしておりますと清盛は出立する。
忠盛、清盛を見送ったあと屋内に戻ろうとして倒れる。
かたじけない?妻になって初めて言われた気が致します。
さようなことはない。いつもありがたいと思うておる。一緒になってからずっとな。
船で昼寝している清盛を呼ぶ声がする。
父上、もう着いたのですか!
(泣けた。死んじゃったか)
忠盛は清盛に小枝を渡して打ち込む。
最後に清盛が忠盛の枝を払いのける。
二人が笑う。
清盛がもう一度振り向くと、父は消えて太刀が浜辺に刺さっていた。
仁平3年1月15日、清盛を育て上げた父・忠盛がこの世を去った。
みなさん、綺麗に静がに死んでいく。
ドSの藤原頼長がどんな死に様を見せるのか気になるところです。
中井貴一といえば「サラメシ」
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