平清盛 第19回 「鳥羽院の遺言」
憎しみのぶつかり合い。物語が加速してきました。マイケル・クライトンの小説はいろいろな要素が一つの物語に収斂していくのが面白いとかどこかで読んだ気がします。平清盛はまさにそれ。王家、藤原摂関家、平氏、源氏の内紛が一つの流れになっていきます。
天皇家も混乱しているが、源氏の権力闘争は武力闘争になっている。摂関藤原家も分裂の兆し。保元の乱は近い。
雅仁様が後白河帝に即位すると、後白河天皇の乳父(めのと)である信西は朝廷で存在感を増し、後白河帝即位を画策した信西に清盛は激怒する。
雅仁様は王家に渦巻く、積年の鬱屈より流れ出た膿!すべての歪みを抱えた毒の巣!そんな方を帝にして!
さような方であればこそ、思い通りに操れると信西。
崇徳上皇は幼き頃より、鳥羽法皇に叔父子と疎まれて、無理矢理天皇から退位させられ、十何年も待った挙げ句、再び父である鳥羽法皇に裏切られたと詰め寄る。
信西はただ笑うだけ。
鳥羽の法皇を生涯許さぬ。
許してくれ我が子よと法皇は写経する。
白河法皇が生み出し、その呪縛から抜け出せない可哀想な親子。それに権力への我執がからみつく。
悪左府・頼長は政から遠ざけられていた。
けしからん。あのうつけ如き、お方が帝とはとオウムが鳴く。
そう何度も言うておったか?
ゆうべ、夢を見たぞ。再び内覧の宣旨が下る夢じゃ。
正夢であろう。
だが頼長の思惑は大いに外れた。
だせぇ。
ドSの策士なのに最後は夢という他力本願とは。
近衛帝の近くにいた巫女が目が痛いと言うので、調べてみると、愛宕護山にて目に釘が打ち込まれた天公像が見つかった。
呪詛とか平安末期は病んでる。
これは頼長の仕業との噂がどこからともなく広がった。身の潔白を証明するために鳥羽法皇と美福門院得子に面会しようとするが、父・忠実と兄・忠通に断られる。
今更、法皇に面会して申し開きしたところで、そたなに味方する者はおらぬと忠通。
噂を立てたのは兄の仕業か?
まだわからぬかと父・忠実が頼長に言う。
今回の噂は、身から出たサビだと。
何を仰せですと食い下がる頼長、綱紀粛正を行ったまでだと。
公卿たちを締め上げ、過激な取り締まりで寺社を敵に回した。
それは我ら摂関家による政をふたたびと頼長が狼狽える。
もうよい!と忠実。
お前はやりすぎたのだ。
ケシカラヌとオウムが繰り返す。
こうして藤原摂関家も保元の乱では親子で争うのです。
源義朝は長男・義平を武蔵国に送り、弟の義賢を討ち、友切の太刀を奪う。
義朝の父・為義は、父を父を思わず、藤原摂関家のために働かず、鳥羽法皇に味方する嫡男・義朝に怒り、弟の義賢に源氏重代の刀である「友切の太刀」を譲って源氏の次期棟梁に指名し、東国を味方につけよと命じたのだった。
兄弟の家督争いに息子を送って叔父を殺させるとは驚いた。
戦国時代はすでに始まっていたか。
これが弟の命を奪って得た友切の太刀。
そなたが義賢を殺して友切を奪ったのはまことであったかと父・為義が憤怒し、義朝から友切を奪おうとするが、はじき飛ばされる。
これは源氏のもっとも強き武士が持つべき太刀、父上に返すつもりはないと言う。
かなり上から。
一部始終を見ていた鬼武者(源頼朝)
トラウマになって、武芸の稽古をしなくなる。
母の由良御前に、欲のために身内を殺すのも厭わぬ者ばかりではございませぬか!
そうしたらひっぱたかれた!
父は志があってやっていると言う。
志のためとはいえ、辛くないわけがない。それも由良御前は分かっている。
しかしそれは常磐御前のところ。
由良御前を応援したくなりますよ。
滋子が登場。清盛へ目通しするために時忠が呼んだ。
天然パーマだ。
自分には時子がいるからいいと、滋子を妾にしようとしているのかと大勘違いの清盛。
清盛の息子たちの妻にと伊藤忠清が言うと、年上の方の相手にと国盛が提案する。
ニヤけるオッサンたち
チョイチョイ笑いを入れるようになってきたぞ。
時忠としては清盛のコネで帝の妻にしたいと言う。
私は身分に関係なく自分の好きな人と結婚すると言い返す。
余談:この子の好きな曲がかなり渋い。
http://sbietc.blog43.fc2.com/blog-entry-1465.html
池禅尼(宗子)に清盛は後白河帝よりも崇徳上皇に与したいという。(崇徳上皇と清盛はともに白河院の子。つまり異母兄弟で、父とは血がつながっていない立場ですから、崇徳上皇に荷担するのは当然と言えば当然)
崇徳上皇と鳥羽法皇は血がつながらない親子、それでわかりえぬままに何十年も過ごしてきた。でもいつかは本当の親子になれる。その喜びを二人には知ってもらいたいと言う。
甘いなという顔(いい子なんだけどね的な)。
後白河帝即位の宴(なのか?)
近臣は公卿でないという型破り。
「面白うないのう」がはまってる塚地さん。
崇徳上皇からの歌が届く。
あさぼらけ
ながき夜を越え
にほひたて
くもゐに見ゆる
敷島の君
普通に祝っているようだけれども、最初の一字を呼んでいくと「あな憎し」
おのれ上皇ォ!
後白河帝、ぶち切れて暴れる!
鳥羽法皇が崇徳上皇の歌を取り上げる。
此度の即位は取り消しじゃ!
帝は重仁(崇徳)だ!と喚く。
法皇と後白河帝。
ここは、私の世じゃ。
ここはワシの世じゃと言われたのが鳥羽法皇の頭にフラッシュバック。
鳥羽法皇、倒れた。
業が深い。
それを見て笑ってる。
みんな病んでる。権力のゼロサムゲームって怖いねえ。
これは我が子なりと写経にさらにのめり込んでいく鳥羽法皇。
上皇は朕や帝を殺したいほど憎んでいる。一朝、事あらば、武士が力を合わせて御所を護るがよいと見舞いに来た清盛に懇願する。
だが断ると清盛。武士は親子の争いや、それをさらに悪化させるためにいるのではないと言う。
それより法皇の御心を崇徳上皇に伝えるべくだと。
鳥羽法皇、泣き崩れる。
写経していた法華七喩の長者窮子は清盛を介して崇徳上皇へ送られた。このような説話です:
ある長者の子供が幼い時に家出した。彼は50年の間、他国を流浪して困窮したあげく、父の邸宅とは知らず門前にたどりついた。父親は偶然見たその窮子が息子だと確信し、召使いに連れてくるよう命じたが、何も知らない息子は捕まえられるのが嫌で逃げてしまう。長者は一計を案じ、召使いにみすぼらしい格好をさせて「いい仕事があるから一緒にやらないか」と誘うよう命じ、ついに邸宅に連れ戻した。そしてその窮子を掃除夫として雇い、最初に一番汚い仕事を任せた。長者自身も立派な着物を脱いで身なりを低くして窮子と共に汗を流した。窮子である息子も熱心に仕事をこなした。やがて20年経ち臨終を前にした長者は、窮子に財産の管理を任せ、実の子であることを明かした。
これは鳥羽法皇の心からの想いで、後白河帝即位の日よりずっと書き続けてきたと清盛が言う。
なのに崇徳上皇はビリビリに破いた!
言葉でなく権力をよこせと。
友愛外交失敗。
関係ないけど、このフラットな黒はいい。
保元元年(ついに来た!)、鳥羽法皇が病に伏した。
美福門院得子が傍らに座り、朕が死んで後、何が起ころうとも、それは崇徳上皇に対してしてきたことの報いだと自分を責める。
信西がやってきて、自分を責めるより、まず治天の君としてするべきことをせよと進言。
それは武士に対して、戦が起こったときには鳥羽院を守る子とを誓わせる誓約文を出させることであった。(崇徳上皇が謀反を起した場合の予防策、現代風に言えば安保条約ですな)
書かぬと清盛。
平家として誓約書を出せば、上皇をさらに追い詰めて諍いを起すだけだからという。どちらにも味方せず、法皇と上皇の和解に努力すると言う。
盛国に上皇は拒まれたと言われて、これでよいわけがなかろうと出て行った。
いざという時にはそなたが護っておくれ、亡き殿のお志(武家を権力の中心に)を、と池禅尼(宗子)が忠正に頼む。
平家を二分する兆しが……
本来、源氏は摂関藤原家に仕えているが、下野守である義朝は鳥羽法皇に与すると宣誓する。これで父・為義との対立は決定的になる。
父に仕える鎌田通清が父に従うべきだと説得を試みるが、父と戦うことも厭わない義朝の決意は揺るがない。
さすがの正清も義朝にはついていけないと去る。
これにはショックだったようで義朝は清盛のところにやってくる。
お前が来るとは珍しいと清盛が言う。天変地異の前触れかとふざける。
でもそれが冗談ではなくなる。保元の乱!
義朝は清盛に、鳥羽法皇を護る誓詞を出したと言うが、清盛はそんなことをすれば崇徳上皇をさらに孤立化させて世を乱すだけだと言う。
乱れればよいではないかと義朝。
それでこそ武士の働きがいがあるというもの。
自分だけ良ければいいのかと清盛が怒る。
それでも貴様は武家の棟梁か!と義朝が友切を抜いた。
お前も父・為義や正清と同じかという怒りか。
この源氏重代の太刀、源氏の家督を継ぐ者の証を手に入れるため、息子を東国に遣わして弟を殺して手に入れたという。
お前、なんてことを!清盛が義朝を殴った!
源氏を率いる者には友切が必要なのだと義朝。何が法皇と上皇の仲直りだ。揉めさせておけばいいと言う。戦になればもっと良い。それが武士にとって(地位を高める)絶好の機会だと。
義朝自身も自分も父親と揉めてるじゃないか。法皇と上皇の揉め事が原因で義朝自身と父にどういう結末が待っているとは彼は知らない。
絶えずぶつかる清盛と義朝。
美福門院得子が崇徳上皇のもとにやってくる。本来は崇徳帝のもとに嫁ぐことになっていたが、鳥羽法皇の側女になった話や、近衛帝を即位させたものの無理がたたって17歳で死んでしまったことを語る。そして崇徳上皇に、鳥羽法皇はもう長くない、悔いが残らないように親子として歩み寄ってはどうかと提案する。しかし崇徳上皇、動かず。
鳥羽法皇への誓詞を渋る清盛に言う。鳥羽法皇が崇徳上皇と仲直りしようがしまいが、時の流れは天下大乱に向っている。
誓詞を書くのも書かないのも自由だが、自分にとってもっとも守るべきもの、守りたいものは何かを考えて決めろという。
考える清盛。
時子がやってきて、義朝は優しい人だと言う。(弟を殺し、法皇に与して争いを希求するヤツが)どうしてだと清盛。
義朝が息子の重盛たちを見る眼差しが優しかったと時子。きっと大切な奥方やお子がいるのだろうと言う。
清盛の腹は決まった。
鳥羽院危篤。
美福門院が駆けつける。
そなたの人生、巻き込んですまなんだ。
得子はずっとこの先も、お役に立てる女でありとうございます。
崇徳上皇が鳥羽法皇のもとへやってきたが、法皇様に仇なす恐れのある方を通すわけにはいかないと拒否される。
崇徳帝が御輿から出てきた。
子が親の死に目に会いに来てなんの差し障りがある!
清盛が中から現われる。
そして崇徳上皇の前に進み出て太刀を抜く。
少しばかり遅うございましたな、上皇様。
異母兄弟なんですよね。
鳥羽院崩御を告げる鐘が鳴る。
面白かった。龍馬伝より深い。
保元の乱は6月かと思っていたらちょっと早いみたいです。
最後の最後まで鳥羽法皇に歩み寄れなかった崇徳上皇はある意味、親に依存しいている子供なんじゃないかと。どこか子供じみて見える井浦新はいいなと思う。
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