平清盛 第28回 「友の子、友の妻」 最後の5分、頼朝の裁断にやられました
最後の五分までは「平清盛」というより「源氏五十年」という大河ではないかというくらい源氏視点だったような。しかし最後の五分、頼朝が清盛に殴られたところからやられました。
清盛にとって義朝は死んでいない。というか死なせない。
頼朝が流罪になったのは知ってます。本来であれば処刑でしょう。それをどう流罪に持っていくか?最後の五分にやられました。
これまで武士が登ったことのない高みに登ってやると義朝の背中を追いながら若き清盛は叫んだ。
敗れた信頼がまさか、自分が幽閉した後白河上皇のもとにやってくる。
後白河上皇が今様を披露する。それは白楽天の「長恨歌」。寵愛した家臣に国を滅ぼされる皇帝の物語でな。朕はそうはなりとうない。
ざまあ。
義朝は家人・鎌田正清とともに美濃の長田忠致のところへ落ち延びた。
正清に義朝が確認する、「落ちる時はもろとも」と言うたは、まことか?
長田忠致に裏切られたていると悟った。
俺に木登りを教えてくれたは、お前だ、正清。と義朝。
足の掛け方、次に掴む枝の探し方。それを間違えなければ、落ちることもなく、誰よりも早く、てっぺんに登れる。俺は間違うたのだ。
正清。もう木登りはしまいじゃ。
そして部屋を出て抜刀する二人。周りを長田忠致の手勢が取り囲まれる。
雪がまたいい。(本物みたいにゆっくり落ちてきます。)
そしてまさかの相討ち!
かっこいい。白虎隊の最期みたい。
死にゆく中、負けぬからな!次は負けぬからな!という自分を追いかける清盛の声が聞こえる。
父・義朝の太刀「髭切り」がないのに気づき、探しているうちに義朝とはぐれてしまった頼朝が捕縛されて清盛の前に連れてこられた。そして一族郎党、殺されたことを告げられた。父・義朝が正清とともに自害して果てたことも。
頼朝、泣く。
下がらせよと清盛。
宗盛が頼朝に内裏で矢を射られたときのことを、あれは初陣だったので満足に戦えなかったのはしかたなかったと言い訳する。
ああ、あの時のと頼朝が思い出すと。あれは自分にとっても初陣だったと頼朝が頭を下げる。それに宗盛がキレる。勝ち誇ったつもりでおるのか!そなたなど賊の子ではないか!
悪口はやめろと、池禅尼にたしなめられる。
このやり取り、宗盛の未来から見ると面白いです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E5%AE%97%E7%9B%9B#.E6.9C.80.E6.9C.9F
頼朝は檜と小刀を所望した。父と母と兄たちの卒塔婆を彫り、命のあるうちに菩提を弔いたいという。
「いついかなる時も源氏の誇りを持て」と母・由良は言っていたという。どんな処罰も受け入れるのが母の思いに答えることだと池禅尼に言う。
頼朝、良い子じゃないか。
池禅尼は頼朝が今は亡き家盛に似ていると言う。家族思いだったところが。池禅尼は断食をして頼朝の助命を清盛に訴える。でもそれは頼朝を殺したくないという清盛のことを慮ってのことだった。母親ですね。そう家貞に打ち明けているときに、つい白湯に手を出してしまう。
黙ってましょうと家貞。
頼朝の裁断の日が来た。
源氏重代の太刀、髭切を見せる。
父・義朝と一騎打ちになって残していったものだという。
早う、早う、早う、殺してくださりませ。
我が父、義朝はまことの武士にござりました。財にものを言わせ朝廷に取り入る平氏のやり方を許せず、太刀の力にまかせて挙兵いたしました。その父が平氏の棟梁の前に、髭切りを遺して去ったは・・・そのような弱々しい姿をさらしたとはもう見とうございません。(この太刀を探して義朝はぐれたことにつながってるわけですな)願わくばその髭切で。
まことの武士が、まやかしの武士に負けた。さような行く末を私は見とうござりませぬ!
清盛が笑った。
(頼朝が茶会で沮喪したときも清盛はまず笑った)
髭切を握って、頼朝を殴った!
頼朝が義朝になった!
うまい!
お前はそれで気が済むだろうと清盛。
清盛は頼朝に諭しているようで、頼朝を通して義朝に言っている。
ただ一心に太刀を振り回し、武士として生き、武士として死んだ。そう思うておるのだろう?
俺はこの先も生きてゆかねばならぬ。お前がおらぬこの世で、武士が頂に立つ世を切り開いてゆかねばならぬのだ。
それがいかに苦しいことかわかるか?
いかに虚しいことかわかるか?
だが俺は乗り越える。乗り越えてこその武士じゃ!
醜きことにまみれようと、必ずこの世の頂に立つ!
途中で降りた愚かなお前が見ることのなかった景色をこの目で見てやる!
その時こそ思い知れ!源氏は平氏に負けたのだと!
あのつまらぬ乱を起したことを悔やめ!己の愚かさを罵れ!
俺はお前を断じて許さぬ!
誰が殺してなどやるものか、まことの武士がいかなるものか見せてやる。
義朝の涙が、1185(いいはこ)つくろう鎌倉幕府の原動力か。
頼朝にとって清盛はヴィンランドサガのアシュラッドみたい。
父を殺した憎むべき相手だけど、指針となったみたいな。(2012年の講談社漫画大賞をとりました。8月号はよかった)
源頼朝、流罪。
遠く伊豆より、平氏の繁栄を指を咥えて眺めておれ!と清盛が言い捨てて去って行く。
頼朝に義朝を見ていたか。
義朝は死んでも、清盛の中では死んでいない。というか死なせない。義朝の遺志を清盛を背負ったわけですか。
常磐は、源頼朝の妻にございます。
さようか。
このドラマの何が面白くないのかわからない。
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コメント
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はじめまして、いつも、素晴らしい解説をありがとう
ございます。私も、頼朝を流罪に処するやり取りに
やられました。
このドラマの「どこが面白く無いのか」、私にも
わかりません。
今後も解説を楽しみにしております。
投稿: 蒲野誠一 | 2012/07/16 14:44
蒲野さん、はじめまして
他にもやられた方がいらしたようで、心強いです。
実にいいシーンでした。
いい話なので感想の書き甲斐があります。
投稿: 竹花です | 2012/07/16 16:35
はじめまして。平清盛の感想サイトを探してこちらにたどり着きました。
久しぶりにはまってしまったドラマです。
信西の最期と「友の子、友の妻」は、家族が引くほど泣いてしまいました。
義朝がもう見られなくなるのが残念ですが、これから平家のイケイケ時代と源氏のリターンマッチが描かれるのですね。
清盛感想のみならず、他の項目も楽しく拝見いたしました。また寄らせていただきます。
投稿: ぽよっぽ | 2012/07/17 21:48
頼朝、殴る、で検索したどり着きました。
髭切の太刀を見せられた頼朝、
殴られた頼朝が義朝に変化するシーンでは、
鼻水を垂らしながら泣いていました。
悪評ばかり目に付きますが、同好の士に会えまして
うれしく思います。
投稿: トラ | 2012/07/17 23:19
ぽよっぽさん、どうも
>信西の最期と「友の子、友の妻」は、家族が引くほど泣いてしまいました。
信西の最期こそ悲劇。「友の子、友の妻」も泣けました。
トラさん、どうも
>悪評ばかり目に付きますが、同好の士に会えましてうれしく思います。
こちらも嬉しいです。悪口が書いてあると、書いてる人が嫌いになりそうなので、最近はもう悪口は見ないようにしています。
投稿: 竹花です | 2012/07/17 23:46