負けて勝つ、第4回 朝鮮戦争勃発、吉田茂が息子を蹴る
朝鮮戦争が起っていなかったら吉田茂が考えたような軍隊を持たない日本になったかもしれないですが、西側自由陣営と共産陣営の衝突は不可避。あの状況ではベストかと。息子にはわからんようですが。そこが辛い。
第二次世界大戦が終結したときはもう大きな戦争はないだろうという雰囲気が世界的にあったようで。朝鮮戦争が起るなどと予想してなかったはず。
議会でもアメリカとの単独講和か世界との全面講和かで揉めるだろうと池田勇人と佐藤栄作が話していると、国内の議論などどうでもいい。日本は敗戦国だ。講和はまな板の鯉だ。下手をすればかつてのドイツのような過酷な条件をつけられるかもしれん。
ヴェルサイユ条約のことでしょう。軍事力の制限と戦車・航空機の開発禁止。そして莫大な賠償金。
賠償総額が1320億金マルク(約66億ドル)、30年賦と決定されたのも1921年になってからのことであった。ロシアへの賠償はラパッロ条約によって事実上相殺されたが、ドイツ政府は賠償金の捻出に苦しみ、さらに「トランスファー問題」の発生でマルク相場は急激に下落した。1923年1月、フランスとベルギーは賠償金支払いの遅延を理由とし、ベルサイユ条約を根拠とするルール工業地帯の占領を開始した。これに対するドイツ側の対抗措置等も重なり、マルクはおよそ一兆倍に下落するというハイパーインフレーションに見舞われた。
吉田はアメリカと単独講和する方針を決断(日本にとっての世界はアメリカなんだ)。アメリカから講和を引き出すには毒を飲む覚悟が必要だと言う。毒とはアメリカ軍駐留と日本の再軍備ですな。GHQをすっとばしてワシントンに直接乗り込んで国務省と講和を探る。
どこと、誰と話すかで日本の運命が決まる。
外交は常にそうかも。
そしてアメリカへの飴として、アメリカ軍の駐留を日本側から要請してもいいと言えという。
マッカーサーは日本がアジアにおける共産勢力の拡大を封じ込める最前線だと言ってましたが、国務省はインドとの二本柱を考えてました。(50年後の今になって実現しつつありますが)
ウィロビーが懇意にしていた服部卓四郎(GHQで働いていたみたいです)はなかなか面白い。というかかなりヤバイ。
1942年(昭和17年)8月に始まったガダルカナル島の戦いにおいては、現地を視察した際、「補給路が確立されつつあり、この点について問題なし」と実情とかけ離れた報告をした。結果、陸軍は3万人以上の部隊を投入したが、撤退できたのは僅かに1万人足らずであった。この時の約2万人の損害のうちの15000人は、餓死と戦病死(事実上の餓死)だったと推定されている。
同年12月からは陸相秘書官を東條英機の元で務めたが、翌年10月には再び作戦課長に復帰し、大陸打通作戦の立案を主導した。
終戦後は、チャールズ・ウィロビーの元で日本の再軍備にかかわる。当初は、創設される警察予備隊の幕僚長に任じられる予定であったが、公職追放された人物を入隊させることはできないと民政局及び吉田茂首相(吉田に進言したのは辰巳栄一元中将を中心としたグループ)が反対したため、服部の幕僚長就任は実現しなかった。
1952年(昭和27年)10月31日付のCIA文書によると、服部らは、自由党の吉田茂首相が公職から追放された者や国粋主義者らに敵対的な姿勢を取っているとして、 同首相を暗殺し、民主党の鳩山一郎を首相に据える計画を立てた。辻政信が「今はクーデターを起こす時ではない」と服部らを説得し、服部らはクーデターは思いとどまったものの、政府高官の暗殺を検討したという。
服部卓四郎の暴走を押しとどめていなかったら韓国みたいな軍事政権になってたかも。
海軍は海上保安庁内にY委員会を発足させて海軍を復活させたのでした。
アメリカ軍の駐留を認めて日本の独立を勝ち取ろうとする吉田は、反対する者に命を狙われるかもしれないと小りんに言う。小りんが沈黙。そして、
旦那様、なるべく死なないようにお願いします。
近衛文麿の自殺を止めない奥さんと同じ流れですな。そして吉田の家の前に立つ服部卓四郎。ヤバイです。
吉田は米軍の駐留要請はオプションの一つだとダレスに言う。国連に日本の安全を委ねるという案をでっち上げて交渉を有利に進めようというのか。
服部卓四郎が吉田に自分を警察予備隊の長にしろ迫るが、吉田は断る。服部は吉田を売国奴と罵倒する。すると吉田は
売国奴ってのはテメエのつまらなねえメンツや意地で国を戦争に巻き込む奴らのことだ!オレはこの国を守りたい!
守るってことははな。戦をしようってことじゃねえんだ!俺の使命は二度と兵士を戦地に送らんということだ!
仁川上陸作戦でアメリカ軍は形勢逆転。
麻生太郎に吉田茂が太郎が大きくなった頃の日本はどうなっているのかなと聞く。それはお爺ちゃんが決めるんでしょと太郎。でもなかなか難しいんだと太郎の頭を撫でる。
久しぶりに会った息子に日本の再軍備と米軍の駐留のことを責められ、結局あなたは自分で何も決めていない、まるでマッカーサーの奴隷だと言われて吉田は、お前のような何もなしえていない男に何がわかると、キレる。キレて当然ですね。
ええ、僕は何もなしてないと半泣きの息子。しかしそれが庶民というのもだ。(本は売れないし、乞食のまねごとをやってるし。何もなしていないとは言ってはいけなかった)。
吉田茂はさらに怒る。
庶民か! お前たちはいつだってそうだ。自分を弱い立場において遠くから吠えるばかりだ!
再軍備はしない、米軍の駐留は許さない、現実はどこある!
3500円のカツカレーで怒るのも庶民(笑)。
あんたは戦っているのは自分自身だ。何より憎み、愛せないのは自分自身だろ。死にたいなら死んでくれ。でも日本を道連れにするのはやめてくださいと息子に言われる。
マッカーサーも吉田茂も家庭の不和は解決できないようで。
人民解放軍が朝鮮半島になだれ込んできた!
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