安保法の問題を歴史に喩えるなら、賛成派は地動説、反対派は天動説
地球は動いていると本に書いて罰せられたガリレオは言った。それでも地球は回っていると。多くの人が天動説を信じていたと思います。だって太陽が東から空に昇って西に沈むんですから。
安保法の賛成派は地動説、反対派は天動説と考えるとわかりやすいです。今自分が置かれている立場をどこから見ているかの違いだと思います。
前置きは長くなりますが・・・
西暦2014年の現代で地球は平らだと言えば笑われます。しかしガリレオが生きていたころは地球が太陽の周りを回っていると言えば聖書に反していると裁判にかけられた。
地球が回ってるんじゃない!宇宙が回ってるんだ!非常に自己中心的な考え方ですね。しかし地球から見れば太陽や月が東から昇って西に沈むわけで、地球が回っているようには感じられない。動いているのに揺れていないじゃないかと力説したでしょう。
天動説は地上に暮らしている中で導き出される考えとして論理的だと思います。スタートレックのスポックだって地球から出たことがなかったら、天動説を信じたでしょう。しかも古代ギリシャのプトレマイオスが天動説をうまいこと計算してしまう。
しかしですよ、最近冥王星まで到達した探査機「ニューホライズンズ」から見れば動いているのは地球で、太陽が止まっている。これが実際の宇宙の姿です。ローカルには正しい理論を構築して正しそうに見えてももっと大きな視点から見ると間違っていることがあります。
では安保法案の話・・・
第二次安倍政権が提出した安保法案は日本の集団的自衛権の行使(簡単に言えば攻撃されている仲間を助けられるようにする)、日本の領域を越えて自衛隊が輸送とか機雷掃海とかでできるようにする。個人的には困っている仲間を助けるのは当たり前だと思いますが、反対派の人は憲法第九条では違憲だと反対します。第九条があればこそ日本は戦争しなかった。どちらも見方によっては正しいと思います。
賛成派、反対派それぞれの見方を天動説と地動説で喩えるなら、賛成派は天動説、反対派は地動説になるでしょう。世界から日本を見ているか、日本から世界の考えるかの違いです。
安保法は日本が現在置かれている状況を世界から見ています。現在、中国が軍事的な勢力を拡大し、北朝鮮のミサイルに核弾頭が搭載されるかもしれず、ISISによって中東が大戦争の様相を呈してきています。この危うい国際社会を崩壊させないために、味方の国が困っていれば助け、自衛隊が国外で活動して本土安全を確保するのが安保法です。世界の安全が日本の安全になるという考え方です。
反対派は第九条を守ることで自衛隊が外に出ない、他国に協力しないことで平和は守られてきたと主張しています。戦後、日本国内では戦争が起こっていないのでそう考えて当然だと思います。これは天動説的な見方だと思います。世界から日本を見ているのではなく、日本から世界を見た考え方です。日本人が英語を話す必要はない、世界の人間が英語を話せば良いんだという乱暴な意見に通じるものがあります。
世界が戦場になっても日本は戦争しなければ安全。日本国内にいればそう見えてしかたないと思います。憲法学者の安倍政権の安保法案は違憲と唱えるのは、プトレマイオスが天動説の正しさを証明したようなものです。ただ天動説は宇宙から見れば間違っているのですが。
日本国内から世界に視野を広げると、日本周辺で戦争が何度も起こっているのを忘れてはなりません。朝鮮戦争、ベトナム戦争、中国軍は台湾を侵略しようとしたことがあります。1996年には台湾総統選挙で中国寄りでない李登輝が優勢となると中国軍は選挙への恫喝として軍事演習を強行しました。このどれにもアメリカ軍が介入しています。第九条に何ができたのかという話です。
そもそもマゼランが地球を一周するまで地球は平らだと大抵の人が思っていた。古代ギリシャのエラトステネスが地球は丸いと証明したにもかかわらず、みんな平らだと思っていたわけです。
実際、家を建てるときは地球か丸いかどうかは関係ない。しかし瀬戸大橋のような凄く長い橋を建設しようとすれば地球の丸みが影響してくる。飛行機の国際線航路は地球が丸いことを考えないと成立しません。つまり視野を広げるとローカルにしか通用しない理論を捨てなければなりません。不安定な世界情勢において日本だけでしか通用しない論理で日本を守ろうとするのは、家を建てるための地図で東京からニューヨークに行くようなものです。
反対派が訴える安保法→徴兵制になりません。世界の事例を挙げます。イギリスの軍事戦略は基本的に日本と同じアメリカ追従で、イラク戦争やアフガニスタンにも派へシマしたが徴兵なんかしてないです。アメリカも徴兵なんかしていない。個人的には徴兵した兵士が使えるとも思いません。
戦争をしたから負けるという話もおかしいです。ソ連は第二次世界大戦でドイツと一緒にポーランドに攻め込んで領土とし、ドイツに裏切られて攻め込まれますが結局ドイツのベルリンまで占領して、ポーランドから東ドイツ、果てはハンガリーやバルカン半島まで勢力圏に収めました。
専守防衛は大事だと思いますが、領土に攻め込まれたら駄目だと思います。欧米諸国は基本、「戦争はよそでするもの」です。自国に敵が来るまで待つ馬鹿はいません。占領されたら自国民が巻き添えになります。沖縄なんか特にそう。洋上で敵を殲滅するかできれば敵の港や基地を叩けないとまた沖縄戦の惨劇が繰り返されます。
考えてみてください、アメリカはイラク戦争に勝っていない感じですが、本国には攻め込まれてません。テロで死んだ民間人よりも、テロと関係ない発砲事件で死んだ人の方が多いです。逆に攻め込まれたイラクで膨大な死者が出ています。もし自衛隊が東京でゲリラ戦なんか展開したら市民がどれだけ巻き添えになるか。考えるだけでゾットします。だから「戦争はよそでするもの」なんです(征服しろと言ってるのではないです)。自国に迫ってくるのを待っていては酷い目に遭います。
今日、NHKで「一番電車が走った」という広島の原爆が落ちた頃のドラマを放送しまして見ました。復興していく感じが良かったです。戦争は悲惨です。核兵器はさらに悲惨です。あれを防ぐにはどうすれば良いかを考えた場合、敵を近づけない、本土に迫ってくる前に叩くしかないです。(全面降伏という人もいるでしょう、どうして沖縄は戦後のアメリカ軍占領統治に反対したのか?今の米軍基地に反対するのか?占領されるとはそういうことです)
日本一国で無理なら他の国と連携して共同で守るしかありません。
安保法は国際社会において助け合える友人を増やすことでもあります。
個人的に安保法で同盟国を助けるというのがこの足を切断しちゃった成年と友達がテーマのPVのイメージです。
コメント欄のこんな友達はどこでゲットできるんだ?っていうのが秀逸です。自分から動かなければなりません。
youtubeで小川和久が国会に呼ばれたときの説明を見ましたが。流石です。理論に曇りがない。
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