HOMELAND5 第12話 （最終回） 「幻の光」 またひとり死んでしまった

ベルリン中央駅の毒ガステロ事件を防ぐことができた。シーズン4ではアルカイダ系テロリストの在パキスタン米国大使館襲撃を防げなかったので、シーズン5はハッピーエンドかと思ったら、ホームランドらしい終わり方でした。

カシムはビビの毒ガス攻撃をやめさせようとして撃たれる。キャリーに拳銃を渡されるが、アラーが説得のための言葉を与えてくれると拒んだ。悪人だけじゃなく、善人も死ぬのがホームランド。結局、キャリーがビビに全弾ぶち込んで毒ガス攻撃は回避される。

シーズン4よりも良いエンディングを迎えられるかと思ったのですが、だがそうでもない。

ヨナスは別れた妻のもとにいる息子がキャリーのために誘拐された（クインがやった）ので、キャリーと一緒にいると息子が危険にさらされるとキャリーに別れ話を切り出す。一戦交えてからからそれですか！それが弁護士のやり方か！キャリーはほんとに男運がない。

そうしたらオットー・デューリングに私の伴侶になってくれないかとプロポーズされる。オッサン、ヨナスにキャリーは頭がおかしいから警備コンサルタントの契約は更新しないと言ってたよな！あれはヨナスを騙すためか！

ソールにCIAに戻って一緒に対テロ作戦を進めようと誘われるが、昔の私とは違うと断る。これでシーズン6はどういう展開にするんでしょう。組織の後ろ立てがない面白さはあります。

女性記者のサットンとヌーマンは連邦情報局（BND)に捕まる。それでサットンはCIA関連の機密情報を公開すれば、ヌーマンの難民申請を取り消してトルコに帰すと脅す。ヌーマンがトルコに帰れば殺される。サットンはマルワンが毒ガス攻撃未遂事件の重要人物だったと言わされる。身から出たサビですな。

保身のためにロシアに言われるままにテロ事件を助けようとしたアリソンはロシアに逃げる途中に銃撃を受けて殺される。指揮したのはソールだった。これは因果応報。ざまあみろですよ。

イヴァンが裏切ってアリソンの脱出経路を教えたのだった。ソールはイヴァンからアリソンに関する情報を引き出すためにロシアに裏切られたことを伝える。自分が身を捧げてきた組織が自分を裏切るはずがない、それは現実主義のイヴァンにとって「幻想を持たない男が唯一持っていた幻想」。

そして最後、ピーター・クインですよ。サリンの解毒剤を打っていたおかげで一命を取り留めるが、結局、無理矢理覚醒させようとしたのが災いしてか、脳内で大量出血が起こって植物状態になる。

アダールがクインがシリアでの作戦で死んだ場合に渡される遺書をキャリーに渡す。それが泣けます。クインは孤児でアダールが訓練したのだとか。最後に語られるクインの素性。

遺書に泣かされます：

キャリー、これで僕は終わりみたいだ。お互い結局、結ばれることはなかったな。

いつもは喋れないが、今は言葉が溢れてくる。

運命や占いを信じるタイプじゃないが、こうなるのはわかっていた。

闇に引き戻される感覚が常にあった。

わかるか？

本当のも本当の恋愛も無理だった。

それは普通の人たちのものだから。

でも君と一緒にいると、ひょっとしたら、あくまでひょっとしたらだけど、ありえるかもと思えたんだ。

でも今ならわかる。あれは「幻の光」だった。砂漠でよく見る幻の光（陽炎）は慣れっこだったが、これは違う。忘れられなかった。

こうやって死んで、自分が終わる。

それでいいんだ。

闇に包まれたいという願いが叶った。

壁に勲章を飾ったり、まだるっこしい弔辞はよしてくれ。

ただ君を照らす灯台だと思っていてくれればいい。君の道を照らすよ。

最後までカッコイイ。

キャリーがクインの生命維持装置を切った。

そうしたら、クインが窓の光に照らされた。

クインは静かな死を迎えられた。こういう死に方をまったく予想しなかった。穏やかだけど強烈なインパクトがあります。

ある意味感動的な最終回。

21グラムみたいな終わり方。