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« 真田丸 第32話 応酬 三成、まんまと家康の術中にはまり、上杉景勝やらかす | トップページ | 満蒙開拓 村人は満州へ送られた »

2016/08/16

シン・ゴジラは2度目も面白い。多角的に見えて面白い。

8月15日に行ったら狭い劇場になってましたが、人が結構入ってました。三週目も1位が来るじゃないでしょうか。

一度目は圧倒されましたが、二度目は冷静に見れましたが、タバ作戦から東京崩壊までの流れは何度見ても怖いです。

この映画は「ヒーロー」映画としてセオリーに適っているかといえば全然ダメだと思います。なのにどうして面白いのか。

アメリカの「ヒーロー」映画のセオリーは主人公の成長だったりする場合が多いですが、この映画は主人公の矢口は一貫しています。成長する隙がない。さらに主人公に関するエピソードが極力排除されている。みんな延々と事務的な話をしている(時々面白い台詞回しはありますが)。

協力に小池百合子と枝野幸男の名前が(笑)。環境大臣(横光克彦)は実際に環境副大臣やってた人です。

逆に反感を買ってるカオリの方が、祖母が原爆で死んだとかエピソードがあります。葛藤すらない。官僚はほぼただひたすら仕事をするだけ。それでストーリーになってる。押井守はイノセンスで台詞をすべて引用にしようかと考えたらしいですが、それに近いと思います。専門的な話は本来なら感情が乗らないのですが、それが垣間見える時がある。だからリアリティーがあるのだと思います。

なぜ黙々とするだけで面白いのか。ヒントになる台詞があります。最初のゴジラ攻撃に出撃する陸上自衛隊の第4対戦車ヘリコプター大隊は要員を志願でなくローテーションで対応すると言ってます。つべこべ言わずにやる。この映画はそういう基調で進んでいきます。

矢口がヤシオリ作戦の具体的な立案および鉄道爆弾のために自衛隊が(放射能汚染があるのに)架線や線路を直したという涙ぐましい努力も含めて統合幕僚長に感謝すると、統合幕僚長は感謝は要りません。仕事ですからと笑う。

だから真逆の感情丸出しのカオリに不快感を覚える。でも日本のために政治生命投げ打って熱核兵器使用を延期させたんですからよしとしましょう。

本当の主人公は「日本」。パシフィック・リムも同じで主人公はいますが、本当の主人公はカイジュウを倒すイェーガー。どっちも語る事はない。いったんはやられるものの、最後は勝つ。プロジェクトX然り、黙々と仕事をする人が日本人は大好きです。

マニアックな台詞が続くのに見られるのはマニアックだけど伝わる何かがある。医療ドラマのオペ室の緊迫したシーンにつながるものがあると思います。

砲弾がゴジラに当たるとき着弾じゃなく自衛隊用語の弾着と言ってます。ニンジャは観測ヘリの呼称(これが射撃の効果とかを判定する)。自衛隊の攻撃が超マニアック。戦車隊は近距離から足を狙って撃ってますが、頭部を攻撃する155mm自走榴弾砲は元々遠距離射撃用ですし、装甲もないので遠くから射撃を行うので弾着までのカウントダウンがある。さらに射程の長いMLRS(多連装ロケット砲)は静岡から射撃を行ってる。

ヘリ部隊がロケット弾を搭載してないのが最初不思議だったのですが、二度目でロケット弾は無誘導弾だから一般市民や施設に損害が出たら困るからですね。さすが自衛隊。

自衛隊は全弾使い果たしたと言っても過言ではない。だから核兵器か凍らせるしかない。

一度目はゴジラの中に太陽(核融合)があると思ったのですが(そうしないと何かを摂取せずに骨格を作る物質が手に入らない)、でも二回目見たら違いました(他の情報を確認しました)。体内に元素変換細胞膜を用いた生体原子炉「熱核エネルギー変換生体器官」を有している。元素変換細胞膜が水と空気から核分裂を発生させ、その崩壊熱をエネルギーとして生命活動しているため、食事を要しない。

ここからは推測ですが酸素や窒素は放射性同位体でないかぎり原子崩壊しない。よって元素変換細胞膜でウランとか放射性同位元素を生み出してその熱崩壊を使い、さらに形状の維持に使っていると考えられます。

ゴジラが凍るというご都合主義的な想定ができるのはゴジラが進化し続けているからだと考えられます。それが完璧な生物として最適な選択(火焔放射をしすぎると活動が停止するのが凍る可能性を示す徴候)。第三形態のゴジラが海に戻ったのは放熱器官が未発達だったため。しかし第四形態のゴジラはそれを克服し、熱が放熱できなくなったときには体内の原子炉を緊急停止して溶解を防ぐ、いわゆるスクラム状態にできるシステムを手に入れた。だから熱を体内に巡らせる血液を固められれば原子炉は進化によって緊急停止する。

なぜゴジラは絶対零度で凍ったのか。これも進化しているからだと想定できます。あれだけの巨体を物理的に維持するには熱が必要(熱気球を膨らませるのと同じ)。しかし熱源である原子炉は血液が固まったことで止まっている。そこで周りの熱を吸収して最低限の活動を維持しているのだと思います。つまり生きているために周りから熱を奪う結果として凍っている。


ゴジラは単なる個体でなくて群生体なので生殖も不要だし、無限の進化が可能。最後、尻尾を見たら人間がいますよね。人型ゴジラとか洒落にならない。

あとエヴァから進歩したと思うのは無駄な講釈(哲学的メッセージ)がない。講釈は台詞じゃなく映像で見せろと。映画なんですから。

イデオロギーがない映画と評されてましたが、そう思います。映像で見せられたら、反論の余地がない。

二度目見ると台詞がさらに頭に入ってきます。確かにBGMも素晴らしい。


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コメント

私もあのあと、先週8日、9日と続けてさらに2回観てきました。

BGM、最初は伊福部曲と鷺巣曲がちぐはぐかなと思いましたが、サントラをヘビロテで流しまくり、何度も観ていたら、気にならなくなりました。というか、むしろ合わせ方うまいじゃないか、と。

ヒーロー不在がこの映画のいいところですね。

ゴジラも群体だけど、実はニンゲンも群体。

で、とにかくゴジラの「いい絵」を見せまくるですよ。


ギャレス・エドワーズ版で私が気に入らなかった部分をぜんぶ埋めてくれた感じ。


2回目観終わったあと、「もう1回観たら、アラのほうがきになるんじゃないかな」とか「3回観たら満足しそうかな」と思ったのですが、そんなことはありませんでした。まだ観たい^^

baldhatterさん、どうもsun
サントラを購入されましたか。個人的には火焔放射のレクイエムぽいのと、自衛隊のヘリが出てくるところの軽快な曲が凄くいいです。あと暴走新幹線爆弾。結局全部良いですね。

岡田斗司夫があの伊福部とかエヴァとかごちゃ混ぜなのは「庵野の音楽」でくくればいいと言ってました。

このヒーローの出ないゴジラを考えた人はいると思いますが、面白くまとめられる人が居なかった。庵野がエヴァQで悶々としなかったら、これもなかったと考えると、歴史は深いです。

ギャレス・エドワーズのゴジラは西洋文明に対する自然の考え方に根ざしている気がします。ゴジラは日本の自然に対する考え方がやはり根底にある気がします。殲滅でなく共存。単なる惨禍ではなく福音と考える。

巨大な尻尾を先に見せておいて、ゴジラを遠方に小さく見せて巨大感を出すってのとか庵野は新しい演出を手に入れたと思います。

確かにアラがないです。情報が圧倒的なのにほどよくテーマとか解説が抜けている。説明の抜け具合が絶妙で中毒になります。

3回見たら興行収入3倍ですよ。売れる映画のリピート率が高いです。ゴジラは凄く高そうです。

今は隣町が立川なので、爆音上映でみました
カッコいい内容でしたが、日本以外では共感されなさそうな政府対応ですねw

なおさん、どうもsun
爆音とかIMAXとか良さそうですね。内容的に日本以外では難しいでしょう。
あれを翻訳できたら凄いと思います。
日本人でいいと思う理由はああいう映画とか作品が原語で見られることです。

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