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2016/08/02

シン・ゴジラを見た!これは特撮映画の歴史を塗り替える 

もう一度見ようと思うし、ブルーレイを是非とも買いたい。

庵野秀明は間違いなくこれで歴史に名を残した。代表作はエヴァよりシン・ゴジラと言われるかも。怒濤の台詞のリアリティが半端ない(実際に使うかは知りませんが)。

パトレイバー2の中空SOCの緊迫するシーンをずっと見ている感じ。中盤、アクションがない休みも入りますが、そこがまた無駄がない。

CGだけじゃない特撮部分の描写力が素晴らしい。(野村萬斎ゴジラいいね)

火焔放射がこれまでみたゴジラシリーズの中で最高。

以下ネタバレありで。見ていない人は見ない方が良いです。

シン・ゴジラは特撮映画のパラダイムを変えた。エヴァと違って全体としてメッセージ性はあっても観念的な台詞とか少ないので逆に盛り上がる。

あの劇場が静まりかえるリアリティは東日本大震災の記憶なんでしょう。

怒濤の台詞の中に聞き覚えのある用語が混じっていたり、地名が出てくる。そこがリアリティになる。

最初のそんな生物がいるわけがない(リアリティがない)という大臣たち。立てるわけがないから、上陸できるはずがないと楽観する。だから対応が遅れる。そして首都圏に入る前の攻撃が遅れる。

自衛隊の絶対防衛線は破られるだろうと思いながらも、あれだけの物量を見せられたら、自衛隊が負けてしまうのかってなりますよ。

だからパシフィック・リムみたいな巨大ロボットが自衛隊にも必要だ!って叫びそうになりました。

でも自衛隊は攻撃するだけじゃない、住民の避難も任務だみたいなピエール瀧の言葉が泣かせます。

B2爆撃機からのバンカーバスター攻撃が効いてさすがアメリカだ!とか喜ぶ大臣ね。なんか情けないですな!しかしそんな軍事超大国アメリカのB2もゴジラの背中からの発射されるビグザムみたいな全方位熱線にやられる。

首相と大臣たちがヘリで逃げようとしたらゴジラの熱線にやられた。インディペンデンスデイみたいな紙一重で脱出とかそんな甘いことはゴジラにはないのだ!

首都が壊滅するシーンは凄い。絶望感が半端ない。

ゴジラの研究をしていた教授が岡本喜八監督みたいです。

ゴジラは人間の8倍の遺伝子を持っている。それが人間では考えられない超進化が可能という前提になっていて、しかも自己増殖するという化け物。単細胞生物の目が進化したのは目に関する遺伝子が二倍になったからだそうです。遺伝子の重複が荒ぶる神を創造したわけですね。

しかも燃料は人間が作った核燃料じゃない。空気を吸って核融合をエネルギー源としている。つまり体内に小さな太陽があるってことです。二回目見たら違いました(他の情報を確認)。体内に元素変換細胞膜を用いた生体原子炉「熱核エネルギー変換生体器官」を有している。元素変換細胞膜が水と空気から核分裂を発生させ、その崩壊熱をエネルギーとして生命活動しているため、食事を要しない。

ここからは推測ですが酸素や窒素は放射性同位体でないかぎり原子崩壊しない。よって元素変換細胞膜でウランとか放射性同位元素を生み出してその熱崩壊を使い、さらに形状の維持に使っていると考えられます。


自衛隊の武器では対抗できないが、血液凝固剤をゴジラに投入する部隊に志願する。泣けます。ゴジラを動けなくするために新幹線や在来線に爆弾を積み込んで特攻させたり、超高層ビルを巡航ミサイルで爆撃してボディープレスしたり、使えるものはなんでも使うまさに総力戦。

官僚も自衛隊もビルも工場のプラントもすべてがゴジラを倒す武器になる。

ゴジラは福島第一原子力発電所の事故ですよ。ゴジラも東京でメルトダウンしたけど、人類の英知を集めて冷却することに成功する。

最後の立ったまま沈黙するゴジラ、たまりません。しかもゴジラが再び動き出せば国連決議に基づき、熱核兵器によってゴジラと東京が焦土と化すという含みを持たせた終わり方。

あれはきっと動く。でもシンゴジラが良すぎて次回作は見たくない。


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コメント

いやもう、ほんと。

やってくれましたー! という感じ全開の作品です。平成ガメラとか金子監督のGMKのときでもかなり「やってくれた」感はあったのですが、今回は桁違いですな。

背中のビグザムもいいですが、その前に、地面に向かって熱線はくじゃないですか。あれだと、地面をはってどこまでも広がっていく。あれがいちばんコワかった。その攻撃で廃墟になった東京各地の光景は、『世界大戦争』を思わせました。

ドラマ部分もすばらしい。これが映画的リアリティ。

あと、少なくとも2、3回は観にいきたい。

baldhatterさん、どうも
桁違いっていう言葉の意味をこれほど痛感させる日本映画はないです。

確かにゴジラが熱線を吐く予備段階で地上を這う炎はヤバイです。第二形態のヨットとか車が押し出させるところとか、本番までの盛り上げ方が見事です。この巨大ツチノコとゴジラが戦うんだろうなと思っていて完全に裏切られました。見ているこっちも大臣連中と同じく固定観念に縛られてました。

ドラマパートが今までの特撮映画にはないですし、他の社会派映画にもなかった緊迫感がかりました。現行法でどうやってゴジラに対して武力行使をするか官僚が話し合うシーンとか圧巻です。

岡田斗司夫がいう映画として60点はわかりますが、ブレードランナーとか傑作は映画の作法を一部大きく崩しているものが多いと思います。

落ち着いたらもう1回は見たいです。

昨日観てきました。前半の会議の緊張感と地を這うゴジラのキモさと自衛隊のゴジラ攻撃の描写がよかったです。
市川実日子がとてもよかったです。この映画は表向きは石原さとみがヒロインですが真のヒロインは市川実日子ですね(笑)
後半、核攻撃イコール悪で、それをいかに防ぐかという話になってからは普通の話になった感じがしましたが、それも娯楽映画らしくてよかったです。(最後まで前半の調子でやってたらどうなってたか見たい気もしますが)

おじゃまさん、どうも
市川実日子が真のヒロインというのがそうだと思います。ヱヴァンゲリヲンのレイが市川実日子で、アスカが石原さとみという関係になっているのではないでしょうか。
後半の肝は列車爆弾ですから!

怪獣映画としては平成ガメラのほうが好きかもしれないのですが(自分にとっていい怪獣映画とは怪獣が破壊の限りを尽くすのを楽しく見られる映画なのですが、シン・ゴジラの破壊シーンはちょっと怖すぎたので)、パニック映画としては満点に近いと思いました(石原さとみがもっと英語が上手だったら完璧だったかも)
日本政府の対応が後手後手で情けないという感想がけっこうあるようなのですが、自分はむしろみんな優秀すぎるくらい優秀だと思いました。最初に「そんな生物がいるわけない」とゴジラの存在を否定する政治家も、実際あれが常識的なリアクションでまったく無能だとは思えません。
手塚とおるがまともでちょっと気弱そうな政治家を演じてるのは新鮮でした(笑)
列車爆弾もいいし、建設機械がゴジラに血液凝固剤を飲ますために一斉にアームを伸ばすところもよかったです。あの作戦のために全国の選りすぐりの建設労働者が集められたんだと考えると胸熱ですね(笑)

おじゃま丸さん、どうも
シン・ゴジラの前半は怪獣映画のくくりを超えた「チェルノブイリ」級の破滅映画、日本沈没みたいな映画だと思います。

大臣たちは自分たちなりには頑張ってますが、見ている側の情けないという意見はあそこでこうしていればと思わされているわけで、庵野監督からしてみればしてやったりでないでしょうか。

「戦線から遠のくと、楽観主義が現実に取って代わるそして、 最高意思決定の段階では現実なるものはしばしば存在しない戦争に負けているときは特にそうだ・・」

それなりに頑張っているというのは映画に飲み込まれていない二度目の見方かもしれません。それだけよくリサーチされたストーリーだということでしょう。

凝固剤を入れているときに一度ゴジラが覚醒して第一波の決死隊が熱線で蒸発したであろうシーンは映画見ながら「決死隊が死んだ!」と叫びそうになりました。あそこアップで誰か蒸発しているシーンがあったら過剰にエグい映画になったと思います。


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