真田丸 第35話 犬伏 信繁、父昌幸に本気でキレる。信繁さらに男前に
この回から逆算して話を書いたんじゃないかってくらい犬伏の別れがいい。これは名作。家康にケチョンケチョンにされた三成の百倍返しに大谷吉継(刑部)が乗っかり、吉継から三成側に立って戦って欲しいとの密書が届く。
こう書くと「犬伏の別れ」は親子の仲違いのようですが、逆に真田一族を守るためのという親子と兄弟の団結を固くするものというある意味、どんでん返し。この流れで信幸がまた男を上げて好感度うなぎ登り。真田丸で信幸(源三郎)のキャラが固まったと思います。
最後の背水の陣の昌幸による解釈も面白い。
徳川の上杉討伐に際し、真田は上杉に味方することにした。これは裏切りではない、表返るのだと昌幸が奧さんに力説。悪いことは一切してません!
まだ大阪には徳川側の兵が残っているので徳川と真田が戦になる前に大阪から脱出するように女たちに命じる。昌幸は大谷吉継が徳川に近いと持っていたので徳川を裏切ると教えていない。(だからあとで密書が届く。昌幸が大谷吉継の心をちゃんとわかっていれば、挙兵を少し遅らせて昌幸が家康の首を討ち取っていたかも!)
信繁から母上を頼むと言われ、春ときりで母上の取り合い(笑)。信繁モテまくり。
稲が昌幸に家康が昌幸を信じておらず動きを伝えるように指示を受けていたけれども、自分は真田伊豆守(信繁)の妻だから、徳川に動きを伝えるようなことはしないと誓う。稲も表表返りました。
細川ガラシャ(玉)が自害するところ、目が怖い。一方、家康の奧さん阿茶の局はドサクサに紛れて逃げる。
話は戻って徳川軍が江戸城に入り、徳川軍6万、福島正則などを合わせて総勢10万と直江兼続から聞かされた上杉景勝が開口一番、
勝てるか?
この不安な感じが良い。いいえと兼続は答えず、武士以外からの義勇兵も募ってはどうかと提案する。在郷防衛軍ですな!
嫌がるものは見逃してやれと景勝が言うと、一瞬これだから殿はって顔するけど、それでこそ殿っていう風に頷く。
江戸城がまだ平城で周りが湿地帯。ブラタモリでやってました!
家康に先んじて出陣する息子の秀忠に家康は本多正信を軍師として同行させる。秀忠は父家康が自分の能力を信じていないのかと落胆する。気持ちが萎えたって(まあ若干だが)。
こんな平成の勘違いした若者(失礼)みたいなので将来将軍になるのか、不安しかない(笑)。
そばにいた妻の江(ごう)がそんな秀忠を奮起させる。
お前様、お心をしっかりお持ち下さいませ。お前様は徳川を引っ張っていくお方。
そして秀忠の手の握り、かっと目を見開いて、
できます!大丈夫です!!できます!
なんだこの予備校の講師みたいな女は!新妻聖子という女優さんだそうです。
この江だったら最後まで大河も見れたかも。
茶々の下の妹なんですよね。
三成が上杉討伐のために美濃の垂井まで来ていた大谷吉継を口説き落とし、徳川に対する挙兵に参加させる。
勝てると思っておるのか?と吉継が聞く。
わかりませぬ。しかしやらねばならぬのです。今倒さねば豊臣の世は終わります。お命、私に預けは頂けまいか?
今日はもう遅い。泊まって行かれよ。
大谷吉継、石田三成を焦らす。
大谷吉継は三成が来るのを待っていたのかもしれんな。って夜中に三成を呼び出す。
勝てるかどうかわからんと申したな。そのような男に命を預けるわけにはいかん!ともに死ぬなど真っ平御免。そのような弱気な言葉、二度と口にするな。兵を挙げるからには必ず勝つ!その気概なくしてどうする!
また三成が泣いた。いい話だな。
秀頼公の名の下に徳川内府を老衆(おとなしゅう)から外せば、上杉討伐は徳川が勝手な戦ということになる。そして内府が如何に太閤のご遺志に背いてきたかを弾劾状に書いて全国の大名に送る。
ワシがお主を勝たせてみせる。
家康に筆で戦う。吉継が命を削って言葉をつむぎ、三成が起こした書状に花押を押してる。(実際、三成の軍勢があんなに膨れあがるとは家康も思わなかったらしいです)
前半はここが一番カッコイイ。
昌幸パパも家康の首を取って信濃と甲斐を奪い返す気満々。悲願成就の時が来た!まったくマンダムな大名ですな。
伏見城攻めは宇喜多秀家と小早川秀秋に託された。宇喜多秀家は頼りになるけど、小早川秀秋は戦の采配など勘弁して欲しいと愚痴る、だが愚痴った相手が江雪斎。
だったらやめて置かれませ。それができぬなら、戦うと見せかけてなるべく動かぬこと。
そっちの方が難しいという秀秋。難しいことが苦手な僕ちゃんですね。
このタイミングで江雪斎、自分が家康より送り込まれたスパイだと打ち明ける。このやり取りが関ヶ原の戦いに効いてくるでしょうねえ。
7月21日、家康が上杉がいる山形へと出陣する。真田一家は下野の犬伏に陣を張る。
吉継の密書を持ってきた佐助の動きが速すぎて見えない。
それを読んで三成が吉継とともに挙兵し、伏見城攻めが始まっただろうと察し、昌幸パパ激怒。
早すぎるわ!
昌幸は徳川と上杉の戦いが始まったら、徳川軍を横から攻めて家康の首を取るつもりだった。それから三成が挙兵していれば難なく江戸まで三成軍は攻め込めた。しかし挙兵を急いだために計算が狂った。すべて家康の出方次第となった。
親子三人で話し合う。いわゆる「犬伏の別れ」の始まり。
昌幸は三成と家康の戦いは一日や二日で終わるはずがない、下手すれば10年は続く。よく聞け息子たち、これより我らは上田に戻って城に籠もる。
上杉に加勢するという話は?と信繁。
一旦忘れる。
流石、秀吉にずる賢い言われた昌幸パパ。
徳川とも縁を切る。しかし豊臣にもつかない。攻めてきた相手が敵じゃ!
世は再び乱れる。日の本じゅうの至るところで大名たちが徳川方と豊臣方に分かれてぶつかる。1~2年も続けば、兵は疲れ、士気は下がるだろう。それを見計らってワシは一気に甲斐と信濃を手に入れる。どうじゃ?と息子ふたりに問う。
兄信幸は黙っている(賛同できない)。先に弟信繁が反論。
果たしてお父上お考えどおりになりましょうか?今や合戦の成り立ちは大きく変わりました。敵味方が巨大な力にまとまり、それがひとところで一気にぶつかり合う。そうなったら、この戦、案外早く決着がつくかもしれません。長くて幾月。(いわゆる決戦思想ですな!実際にそうなりました。)
黒田如水も加藤清正も長い戦になると考えていたので昌幸だけおかしなことを言っているわけではないですね。
徳川と豊臣、勝った方が次なる覇者となります。どちらにもつかぬということは、どちらも敵に回すということ。いずれが勝っても真田の居場所はなくなります。
その時はその時だ!と昌幸が意固地になって反論。
徳川であれ、豊臣であれ、戦にかったあとは今よりはるかに大きな力を手に入れます。太刀打ちなどできるはずがありません!
夢物語はもう終わりにして下さい父上!
こうなったからには徳川か豊臣かどちらかに賭けて生き残るしかない。
三人の様子を見に行った綱家、あっちに行ってろと竹筒(水筒)を投げられて歯を折られる。これは犬伏の災難か!
信繁は豊臣側が優勢と見て豊臣に味方すべきだという。だが兄信幸は家康も長い時間をかけて多くの大名を取り込んでいるので侮れないと考える。
選べと昌幸パパ、困ったときの(答えが決まっている)くじ引きを信幸に差し出す。黒が徳川、朱が豊臣じゃ。
信繁、怒り気味に両方のクジを引いた。両方とも赤。
こういうことはもうよしましょう。うなだれる昌幸パパ。
ひとつの時代が終わりましたな。信幸が腹をくくった。
源次郎、お前と父上は豊臣につけ・・・俺は徳川に残る。それが最善の道だ!(この沈黙の間に親子で豊臣にという思いもあったのを信幸は吹っ切ったように思います)
いずれが勝っても真田は残る。
敵味方に分かれるというのではない!豊臣が勝ったときはお前はあらゆる手を使って俺を助けよ。そしてもし徳川が勝ったならば俺はどんな手を使ってもお前と父上を助けてみせる!
めっちゃ頼りになるなお兄ちゃん
凄い。呆気に採れる信繁。
こんな団結感のある親子と兄弟の別れがあったろうか。
たとえ徳川と豊臣に分かれても常に真田はひとつでございます!
よき策じゃと昌幸。
黙れ小童!から実直な兄だったからこそこの言葉が信じられる。きっと信幸最大の見せ場。
兄上には迷惑をかけますと信繁に言われ、徳川に一番近いのが自分にしかできないことだと言う。男前ですね。
これが最後の戦いになるのだなと信幸。
大事なのはその先と信繁。我ら(兄弟)が真田を背負って行かねばなりません。内府様が勝てば兄上が。治部様たちが勝てば私が。
ババ様の言葉を思い出すなあと信幸。我らはこの時のために生まれてきたのかもしれぬ。いずれまた三人で呑める日が来ることを祈ろう。
兄上って信繁が泣きながら頭を下げる。
めっちゃ良い話だ。感動した! 最初にバンド・オブ・ブラザースを見たときみたい。
韓信の背水の陣の話で三人で盛り上がる。
背水の陣の肝は川を背にすることで兵士を必死にさせるという効果よりも、背後に敵を回り込ませないという戦術的な意味があるそうな。
韓信は馬鹿だと昌幸、韓信は背水の陣をすべて書いてしまっては背水の陣などできんわ!
これが大戦が終わった後に見たい光景なのですね。
とにかく笑えれば~ 最後に笑えれば~って宣伝が頭の中でリフレイン
CMの女の子、クリーン・バンディッドのPVに出てた子に似てます。
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