真田丸 第43話 軍議 真田信繁(幸村)の作戦、負ける気がしない!だがしかし最後の2分!!
豊臣は籠城すべきか野戦すべきか?
後出しジャンケンですが、(左衛門佐)信繁の野戦が正しいかったでしょうな。
ナポレオンも言っております。攻撃は最大の防御なり。
また信之お兄ちゃんのブラコンが炸裂。
信之は弟の信繁が大阪城に入ったと知り、急ぎ松を息子たちの元へ向かわせる。普通に考えると二人が戦うことはなくってよ!とかガンダムのセイラさんみたいな発想かと思いきや、弟想いの戦国時代のお兄ちゃんは真逆。
敵陣(徳川勢)の身内が入れば源次郎の目が曇る。
源次郎の好きにさせてやりたいのです。
あれは14年間、この時を待っていたのです。敵陣に真田の旗を見れば源次郎の決意が鈍る。
兄上(小山田茂誠)と三十郎(矢沢頼幸)にどんなことをしても戦場には出るなと伝えるように頼む。
感動した。
機動戦士ガンダム 0083でアナベル・ガトーに向かってデラーズが叫んだ、「ガトーよ、意地を通せ。現にコロニーはあるのだ!わしの屍を踏み越えて!」に近い熱いものを感動します。
豊臣側に命を狙われて出奔した片桐且元が徳川家康にはせ参じた。家康が豊臣の集めている兵力とか兵糧を聞くが、最初は答えない。しかし最後に目に涙を浮かべて、集まっている牢人の数は10万を超え、今の兵糧では半年しか持たないと教える。
戦争の素人は戦略を語り、プロは兵站を語る。
これで戦う前から豊臣側が籠城したら負けると決したわけですね。
武器庫で信繁と茶々が密会。
茶々は大阪城さえあれば負けませんねと信繁に確認する。信繁は籠城はしない作戦を考えているという。秀頼が危ない目に遭うことはありませんねと確認する。ありませんと信繁が保証する。
茶々が信繁に後ろから抱きついた。ずっと待っていました。
私の愛した人は皆、この世に未練を残して死にました。
太閤殿下は
「私の愛した人たち」と言いましたと茶々。秀吉が天国で泣いてそう。茶々、いろんな意味で怖い。
私はどうなっても構いません。秀頼を死なせないで。
命に代えてもって信繁が約束する。
この流れで見ていたら、大野(修理)長治じゃなく、大蔵卿局が籠城策をゴリ押していました。桶狭間で今川義元を破った信長の弟も織田有楽斎も籠城派。何より肝心なのは牢人の好き勝手にさせないこと。ダメです。素人が戦争を直接指揮すると破綻します。
大野修理は悪い奴じゃない。逆に無理難題を母親に押しつけられている。
基本的に大阪城は籠城でまとまっている。誰も信繁の作戦を聞こうともしない。信繁わざと軍議を離れる。秀頼が木村重成に信繁を呼びに行かせ、信繁が戦略を説明するチャンスを得る。
大阪城は確かに難攻不落。数で劣る豊臣側が籠城策は定石。信繁が長門守に籠城すると徳川もそれは百も承知だと。犬伏の別れの回で、韓信が背水の陣なんか兵法に書くから使えないだろうと昌幸が笑ったのに通じます。
信繁が考えた作戦は一種の奇襲作戦。まずはいる家康がいる京都を攻めて伏見城を攻略し、そこを出城にして二条城に攻め込み、秀忠が到着する前に家康の首を取る(信長も京都の本能寺で討たれたのを考えると縁を感じます)。
同時に別の軍勢が大津を占拠し、近江一帯を押さえる。さらに瀬田と宇治の橋を落として京都に向かう秀忠の徳川本軍に行く手を塞ぐ。そうすれば徳川に寝返っていた元々は豊臣側だった大名の一部が表返る。さらに伊達や上杉と連携して秀忠の本軍を背後から襲う。
兵力が少ない家康を先に討って、後から来る秀忠の本軍は兵力が大きいので行く手を阻むだけとし、上杉と伊達からの援軍を待って挟み撃ちにするということ。
ナチスドイツのヒトラーが先にフランスを攻め落としてから、ソ連侵攻を開始したみたいな感じです。(日本軍がシベリアからソ連を挟み撃ちにしていれば勝ったかもね)
実際、守るなら奇襲がいいです。日露戦争において日本軍がロシア軍に、第二次世界大戦においてドイツ軍がフランス軍に勝てたのは短期決戦を挑んだからでしょう。
籠城はそもそも相手が攻めてくるという前提の戦術。包囲戦になったら持久戦になるので国力が大きい方が絶対に勝ちます。
しかも大阪城は巨大なのでそれだけ防衛線も長くなる。ということは一点突破される確率も大きくなる。防衛線を築くということは守る側もそこに縛られるということになります。
現代で考えればイスラム国があれだけ巨大になったのは奇襲攻撃を仕掛けたからで、逆に劣勢になっているのは版図を広げすぎて逆に一点突破できるところを増やしてしまったから。どこから相手が攻めてくるかわかないので防ぎようがありません。
信繁が訴えているのは少ない兵力で今川義元を討った桶狭間の戦いと同じ、一種の奇襲戦。
イスラム国が緒戦で版図を広げられたのがまさにこのやり方。
織田有楽斎は見事な策だと口で言うけど腹は籠城。汚いねえ。
後藤又兵衛とか長宗我部元親が信繁の案に反対するなか、毛利勝永だけが賛成に回る。
話が大きすぎる。わしはそこが気に入った。
明石全登は籠城策に乗ればキリスト教徒なので勝った暁には布教を認めると大野長治(修理)に約束され、長宗我部元親も籠城策に賛成すれば長宗我部の家を再興させてやると言われていた。
どうして修理が信繁の策をあらかじめ知っていたのか。
茶々だと信繁が気づく。
信繁が全登と元親に籠城すれば勝てない。城から出る以外に望みを叶える道はないと訴える。
修理は家康を討つには今しかないと信繁の案の賛成に回る。
でも大蔵卿局と織田有楽斎は木村重成を使って信繁を論破しようとするが、逆に説得される。
大阪城が落ちれば豊臣は滅びます。ならば籠城は最後の策に取っておき、まずは外に打って出るべき。籠城はその後でも可能。
後藤又兵衛はまだ承諾しない。又兵衛は黒田家を出た後、長政(かな?)が手を回して他の大名に仕官でずにいた。武士らしく死ぬ場所を求めていたのだ。
信繁が又兵衛を睨み付ける。
私は勝つためにここにやって来た。死にたがってる者にようはありません。勝つ気がないならこの城から出て行ってもらおう。
お前は大間抜けだと又兵衛。俺たちは日の本じゅうを敵に回している。
この後の信繁の台詞がいい。
我らは別々の思いを持ってここに集まってきました。しかしひとつだけ通じ合っていることがあります。皆、それぞれに望みを持っている。生きる望みを。だからこそ我らは強い。
ここに死に場所はない。死にたいなら徳川につくべきだ。
その言葉、忘れねえぞって後藤又兵衛も信繁に味方する。
勝てるかと思いきや・・・
織田有楽斎が籠城以外にないといって軍議を終わらせようとする。まさか又兵衛がふざけるなって有楽斎に食ってかかるとは思わなかった。
有楽斎の本音がまあゲスい。お主らはしょせん、金で雇われた牢人たちじゃ。身の程をわきまえよ。我らの指図に従って戦っておればよいのだ。
やっぱり負けるんだと思ったら、大野長治(修理)が口を開いた。
今の言葉は聞き捨てなりませぬ。ここにいるのは豊臣を守るために集った者たちでございます。我らにとってはあくまで客人。非礼は許されません。
決めるのはあなた(有楽斎)ではない!右大臣秀頼公である!
修理、よく言った!
勝てる気がしてきましたよ。
秀頼が意を決した。
籠城はせぬ!討って出よう!
勝てる気しかしない!!いいぞ!!
有楽斎、修理が信繁側についたのを母親の大蔵卿に告げ口するという小者感丸出し。
歴史が変わるのか!?
しかし最後の2分、秀頼が決断を翻して籠城に転じる。
籠城に一番拘っていたのは大蔵卿でなく、茶々だったか!
牢人を信じられない茶々。猜疑心が強すぎると負けます。
今年の日本シリーズの最終戦、広島の押さえのジャクソンがレアードに満塁ホームランを打たれたときの広島ファンの気分が分かった気がします。
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