機動戦士ガンダム ORIGIN Ⅳ 運命の前夜 スミス海の戦いにしびれる
一年戦争開戦に向けて世界と人間の歯車が回り出す。やはりオリジンはいいですな!
以下、ネタバレありです。
暁の蜂起を利用してギデンザビは連邦側の資産を没収し、連邦軍の撤退を要求する。地球連邦政府はジオン(共和国)との開戦が近いと考え、ジャブローの建設に着手し、アナハイム社て新型MBT「ガンキャノン」の生産を開始する(MBT(主力戦車)であってモビルスーツではない)。最初期型ガンキャノンは型式がRX-77じゃなくRCX-76なのね!
ア・バオア・クー宙域でのブグの動作テストを撮影した動画を見ていた連邦軍の諸将がモビルワーカーだとか馬鹿にすると、同席していたティム・レイがこれはモビルワーカーではない!格段に進化を遂げていると驚愕を隠せない。
諸将は武装が100mmとか戦車だと馬鹿にするが、輸送船を破壊すると驚く声が上がる。それでも連邦軍の軍艦は沈まないと高をくくっている。その邁進が一年戦争開戦から半年で総人口の半数が死ぬことになったのだよ!
アナハイム社の重役もガンキャノンの量産が始まっているから大丈夫だとティム・レイに言い、RX-78の開発が進んでないなと逆に批判される。
そうした中、ジオニック社にいたミノフスキー博士がアナハイム社に引き抜かれる。それを阻止しようとするジオン軍はランバ・ラル(ブグ)と黒い三連星(ザクI)としてシャア(赤いザクI )を送り込む。
ミノフスキー博士が事実上の亡命を決めたのは原爆を開発したオッペンハイマー博士が自らを「死神」と称した自責の念からなのでしょうか。一緒にモビルスーツの開発を進めてきたランバ・ラルにもわからない。
ミノフスキー博士を守るべく、月面の連邦軍がガンキャノンで編成された鉄騎中隊を出撃させる。輸送艦もカッコいい!
そうして起こった連邦の新型MBTとジオン軍のモビルスーツの戦い(初のモビルスーツ戦と呼ばれる「スミス海の戦い」)は痺れます。オリジンのウェブサイトを見ると作画に近づけるためにいろいろ工夫をしているようです。
モビルスーツの腰の動きがいいですね。重力が小さい月での戦いがよく表現できています(ガンキャノンに乗り込む連邦軍パイロットの走る感じも低重力の走り方してます)。黒い三連星はジェットストリームアタックにつながる連携プレイを見せます。シャアの高飛車な物言いと冷静な戦い方もいい。そしてガンキャノンを運んできた輸送艦を撃破。やはりシャアという戦いぶり。連邦軍が空母として重武装すぎる強襲揚陸艦ホワイトベースを造った理由がわかります。
ゴップの命令でミノフスキー博士を連邦軍に受け入れるべく月に行ったティム・レイはそのスミス海の戦いを目撃し、ガンキャノンの鉄騎中隊が全滅させられるのを目の当たりし、RX-78の開発を急ぐべきだとアナハイム社の重役会で訴える。V作戦だ!スクリーンにガンダムの完成予想図が表示されたときは高まりました。
ゴップは好きなキャラですよ。ホワイトベースを厄介者だとかいう皮肉な口ぶりが印象に残ってますが、現実主義者でもあるんですね。だからジャブロー基地の開発を進め、レビルにジオンとの戦争は不可避だいい、ジオン軍のモビルスーツが連邦軍の兵器を圧倒する性能を持っているというティム・レイの評価に耳を貸します。ジオンが勝てなかった一手を打った男です。
ガンダムの開発に闘志を燃やすティム・レイもジオン・ダイクン並に狂気を感じます。一年戦争はシャアとかザビ家の面々も含めて強力なキャラクターの狂気が生み出した印象を受けます。そこがいい。
シャアとララァが出会う経緯もいいですね。そこで初めてニュータイプのピキン!が起こります。短いエピソードですが、ララァはシャアに一生ついていくんだろうなと思います。ドズルもゼナに求婚。キシリアは女豹。ベルクマンを愛人みたいに扱っているのかと思ったら最後に殺しました。
フラウがアムロの家にいっていろいろと世話を焼く展開も微笑ましいです。安彦良和の描き方を忠実に再現してますね。フラウにも下着姿で会うアムロってちょっと軽くアスペルガーじゃないか。古谷徹の少年アムロの声がほんとに少年。
そのアムロが父親の部屋に入ってガンダムの秘密資料を読む。おかげで学校で居眠り。これでガンダムが操縦できるようになるのですね。ジオンと連邦の戦争が始まるが、すぐにサイド7には戦火はおよばなかった。フラウがアムロの家に来て戦争が始まって人が死んでるのにと泣き出す。鈍感なアムロもさすがにフラウを慰めようとする。僕にはどうすることもできないというアムロ。これが連邦の白い悪魔と呼ばれるエースパイロットになるというフラグが立ちました。
オリジンは人間ドラマとしてもリアルで面白い。エンディングが森口博子ってのもいい。
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