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2017/08/15

NHK スペシャル 全記録 インパール作戦 遺骨が出てきたら拝まざるをえない

731部隊の話に比べてば良かったです(凄惨ですが話が散漫な感じがしました)。「全記録 インパール作戦」、全記録というには仰々しいですが良かったです。

牟田口廉也のお孫さんまで登場しました。作戦が成功していれば大将軍だったのは間違いないですが、大失敗しているので愚将と断じざるを得ません。

冒頭のイギリス軍の記録フィルムにM3中戦車(グラント)が映ってました。

無茶口と友軍に揶揄された牟田口廉也だけが悪いわけではない、そもそも大本営が作戦を許可しているのは事実。

牟田口廉也はアメリカ軍のパットン将軍みたいな行け行けな感じがありますが、パットンは作戦立案においてはいろんな意見を聞き、いざ始まったら行け行けという点が違います。

このNHKのドキュメンタリーは大事な戦略的な話が抜けています。

太平洋戦争(大東亜戦争)における日本軍のすべての作戦は日中戦争を基本に考えなければなりません(戦争が真珠湾攻撃から始まっているような史観がダメです)。いかに中華民国(蒋介石)を屈服させるかそれに尽きます。

印度侵攻もその一環です。

インド北東部アッサム地方に位置し、ビルマから近いインパールは、インドに駐留するイギリス軍の主要拠点であった。ビルマ-インド間の要衝にあって、連合国から中国への主要な補給路(援蒋ルート)であり、ここを攻略すれば中国軍(国民党軍)を著しく弱体化できると考えられた。

ウィキペディア

牟田口廉也は当時全方面にて劣勢に瀕していた「大東亜戦争に勝ちたい」という一心で自分でインパール作戦を立案したと証言してますが、東部インドへの侵攻作戦の二十一号作戦は当時15師団司令だった牟田口は反対していて、自分が15軍司令になったらインパール作戦を積極的に進める側に回っています。

放胆な作戦であればあるほど、危険はつきものである。

それはそうですよ。考え方が一か八か、絶対死守で乗り切ろうとするヒトラーに近いです。

ドイツの名将マンシュタインなら戦線を縮小してイギリス軍がビルマに攻め込んでくるのを待つはず。
牟田口は劣勢のストレスに弱いのですぐに攻撃で挽回しようとする。攻撃しているという行為で安心してしまうタイプ。師団長には向いているが軍司令には向いてないとも言えます。
こんな無謀な戦いを命じられてアラカンの山地で斃れた英霊の遺骨を見たら拝まざるを得ません。

コヒマの戦いで日本兵の突撃を撃退したイギリス軍第2師団の一等兵の人の証言の字幕が雑すぎます。

極めて強力な武器があったなどとは言ってません。
射程が15マイル(24km)ある大口径の対空砲があったと言ってます。対空砲は第二次世界大戦後期の戦車の主砲に使われるほど強力です。

戦車に肉薄攻撃はプライベートライアンでも米軍がやってました。普通は守備側が奇襲的にするものです。

作戦が始まったら犠牲を厭わず成功するしかないというのが大本営の考え、これは日露戦争での勝利体験が影響していると思います。

ただ牟田口は作戦中の責任を第31師団(烈兵団、秘匿名、イギリス軍に兵力規模を悟られぬように兵団としたらしいです)司令官だった佐藤中将に追わせようとした節もあります:

「諸君、佐藤烈兵団長は、軍命に背きコヒマ方面の戦線を放棄した。食う物がないから戦争は出来んと言って勝手に退りよった。これが皇軍か。皇軍は食う物がなくても戦いをしなければならないのだ。兵器がない、やれ弾丸がない、食う物がないなどは戦いを放棄する理由にならぬ。弾丸がなかったら銃剣があるじゃないか。銃剣がなくなれば、腕でいくんじゃ。腕もなくなったら足で蹴れ。足もやられたら口で噛みついて行け。日本男子には大和魂があるということを忘れちゃいかん。日本は神州である。神々が守って下さる…」

ウィキペディア

最後は作戦は失敗、撤退するにも兵站もなく、死んだ仲間の肉を食べるという地獄を見る。戦死者3万、傷病者4万。最悪です。

この流れ、蓮舫代表が率いた民進党の森友から加計問題の国会での追及に通じるものがあります。論戦の武器である十分な証拠もないのに無理な目標(安倍政権打倒)を目指した挙げ句、支持率を低下させて都議選で壊滅、自ら辞任に追い込まれる。
牟田口廉也も日本の勝利という正義のために戦ったわけです。しかし作戦が悪かった。蓮舫代表もそうでしょう。

目的が正しければ神や第9条が味方してくれるわけじゃない。戦争も政治も理想だけでは戦えないということです。


「弓兵団インパール戦記」はもっと明るいです。同じ戦争を経験しても人それぞれだと思います。現地に残った兵士も多いとか。あとビルマの人が日本兵を助けてくれたそうです。そこは戦争が悲惨なのはわかりますが、そこも大事でしょ。

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