2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

« 2019年3月 | トップページ | 2019年6月 »

2019/05/28

映画 空母いぶき これは面白い!海の騎士たちの物語

トップガンを見て胸熱になった中学時代から早30年以上。レッドオクトーバーを追えで海の男たちはかっこいいなと思った大学時代。

そして空母いぶき。いいじゃないですか。海上自衛隊は決して暴力装置なのではない熱い魂を持った海の騎士じゃないですか。

パトレイバー2に対する答えでもあると思います。脚本の伊藤和典が良い仕事してます(いろんな人の手が入ってるのでどのあたりがオリジナルかわかりませんが)。戦場と政府、それぞれが判断を突きつけられる映画です。パトレイバー2で、政府は常に判断を先送りした結果、戦争の幻影を首都に招き込んでしまった。

しかし空母いぶきでは判断を送らせる猶予は現場にない。ではどうするという映画です。

戦闘シーンのスピード感が早すぎずリアルです。実戦の動画(こんなの)みてますが、ほんとこんな感じですね。ちょうど良い。アドレナリン全開映画じゃなくもっとサスペンスよりの映画です。

原作の漫画も読んでます。あれも良いですが、映画もいいです。舞台設定は改変されて敵も変わっていますが(果たしてそうかな?)、精神は逆に純化されてると思います。

ここからネタバレを含みます。

最後はそれでいいのか?と思いました。でも良く考えれば最適解です。(極めて難しいですが)それは後ほど。

敵国はフィリピンあたりの連合国家みたいです。朝鮮半島経由で空母と空母艦載機(ロシア系)、水上艦および潜水艦を大量に保有してます。半島といっても北朝鮮や韓国に空母を作る技術はない。ならば協力していた軍事大国は明確ですね。

ここからは妄想ですが、フィリピンはマスコミなどに工作を受けて中国に乗っ取られたと考えるのが自然です。最後に中国の海軍の潜水艦が国連軍と称して武力介入してくるあたりが、どの面提げて国連平和維持軍気取ってんだと。

しかし中国ならさもありなんです。中国は日本の外交に敗れたわけですよ。

実際問題、中国とのガチンコはなかなか難しいですね。アメリカの後ろ盾がなければほぼ不可能でしょう。

中国と直接対決となると最後には核ミサイルの報復という可能性がつきまとうわけで、(原作もここには踏み込んでない)、新興国家が核を持っていることはないので全面戦争も可能になります。原作を読んでいて、これはイギリスとアルゼンチンによるフォークランド紛争みたいにしない限定戦に持ち込まないと勝ち目ないよなと思っていたので、個人的にはこれはありだと思います。

日本を世界が応援してくれるというスタンスは海上自衛隊が無用な殺生はしないという騎士精神で戦ったからで、漫画ではあまり思わなかったのですが、映画版だとこのあたりが強調されていていいと思います。

憲法第九条は交戦権は放棄しているが自衛権を認めているというのが政府のスタンスです。だから自衛隊も戦える。しかし最低限度の損害に抑えろという政府からのお達し。見ていると政府お前らふざけてるのかと憤りますよ。それをひたすら守る海上自衛隊。できるだけ敵を死者を抑えようとする。自衛隊は殺人マシーンではないので相手の戦闘能力だけを削ぐ、しかし相手はこっちを全力で潰しに来る。じゃあどうする。ここにサスペンスが生まれるわけですよ。原作よりもハードルが上がってます。憲法第九条の精神を映画を面白くする舞台装置として使ってます。こういう自制のきいた戦い方は騎士道です。そう思うのは日本古来の武道の伝統かもしれませんね。

空母いぶきに対して敵潜水艦が二度目の魚雷を撃てないように魚雷を撃つかと思いきや体当たり!

原作と違いますが、なんだかかっこいい感が満載です。はつゆきが身を挺して魚雷を防ぐところはやばいです。その前かなり前、海上警備行動が下令されたあとに艦内の隔壁を閉めるシーンが出てきます。だから魚雷を受けても沈まなかったという理由になってます。なんの説明もない細かいシーンですがいいですね。

最後、いぶきが絶対絶命のピンチを迎えたら、五大国の潜水艦が国連軍として空母いぶきを守るという、とんでも展開ですが、日露戦争もアメリカの仲介がなければ日本軍が大敗北していた可能性もあるので、戦争においてこそ外交は大事で、しかも日本軍は海外マスコミを受け入れて日本は正義の戦争をしてますよと国際世論を味方につけたので、それもありかなと。空母いぶきで背後にいたと思われる中国も武力介入したので外交的に日本に敗れたわけですよ。ざまあ見ろであります!

ただ限定戦はいたずらに戦争を長引かせた例もあり、それがヴェトナム戦争です。北ヴェトナムに侵攻してはならないとされたために戦争は膠着状態に陥りました。しかし北ベトナムを爆撃を始めたら北ベトナムはアメリカとの交渉に応じました。当然、裏では中国とソ連の関係が悪化しており、中国とアメリカが国交を結ぶことで核を使わせないようにしたという外交戦略の勝利もあります。戦争は常に多面的です。戦闘に勝つだけでなく、外交的に相手を追い詰めないといけない、しかし他の隣国に脅威となるような秩序の変更は行っては今度はこちらが目を付けられる。実に難しいゲームです。そのあたりがうまかったのがプロイセン(ドイツ帝国)の鉄血宰相ビスマルクです。

最後の最後に平和が~みたいなのはアヴェンジャーズでも言ってましたね。あれはしゃあない。

この映画は原作よりも海上自衛隊のイメージアップになると思います。

あといざとなったら空母打撃群による島嶼部奪還を決断でき、敵対勢力と交戦になっても引かない首相を選ばないといけないとしみじみ思いますね。ミサイル防衛なんか要らんとか対案の防衛策もなく言ってる政党はいかんですよ。

2019/05/12

いたでん 第12~17話 ストックホルムの屈辱から東海道五十三次駅伝まで

忙しくて全然見ていなかったのを第12~17話までイッキ見しました。

視聴率が金メダルどころか、ストックホルムオリムピックのマラソン棄権みたいな勢いですが、歴代大河ドラマで群を抜いて面白いです。真田丸もなかなか面白かったですが、これまでの一番は「平清盛」です。あれも視聴率は大苦戦でした。視聴率=面白さではないのは初代ガンダムが証明しています。

ストックホルムオリンピックで金栗四三が日射病の影響で朦朧としてマラソンコースを離れて民家に迷い込んで倒れてしまうあたりから実に面白い。宮藤官九郎の骨頂は笑えるツボも押さえてからの人間の弱さとか切なさの描写だと思います。

走れなくなってから、実家にマラソンで優勝しますって手紙が届くとか切ないですよ。そして足袋を渡したポルトガルのラザロは死んでしまう。三島弥彦天狗の負けっぷりも実に良い。清々しいけど切ない。

それで次のベルリンオリンピックに向けて四三は練習に励んでいたけのに、第17話で第一次世界大戦のあおりをうけてベルリンオリンピックは中止に追い込まれる。折角東京まできた奧さんスヤさんに練習に専念できなくなるから帰れとまで言ったのに(そんなことを言うとは童貞か!ドラマ的には恐らく童貞だ!)。茫然自失を絵に描いたような状況です。

この前に第16話で美濃部孝蔵が円喬から三遊亭小円朝に弟子に出されてちょっと自暴自棄になって小円朝に突っかかって飛び出して、無銭飲食して警察に捕まり、拘置所で円喬が亡くなったことを知る。円喬は死期が近かったら弟子に出したのかと。こっちも自分を唯一認めてくれた師匠と目標を失って茫然自失。そこでバナナを食べてる牢名主(マキタスポーツ)相手に文七元結を演じる。一度目は牢名主は寝てしまう。それで普通にバナナを食ってる方が面白いと言われ、一念発起、自分らしい文七元結をやる。円喬と文七元結と重なる。今回の演出は大根仁。モテキの二人ですよ。落語でぐぐっと来たのは「落語心中」以来です。美濃部孝蔵役の山本未來がほんとに凄い。最初の文七元結と、心を改めた文七元結が違う。

これがあっての第17話の四三のベルリンオリンピック行きの夢が消えてしまうわけですから、見ているこっちも残念感が半端ないです。そのどん底から這い上がって、次世代のマラソンのために東海道五十三次駅伝を企画して優勝する。良い話ですよ。そして子供も授かる。いろんな意味で金メダル!

イッキ見していると前の話とつながってるのがわかっていいです。進撃の巨人もNetflixでやってるし、そっちで配信したらいいんじゃないかと。お金払ってドラマ見る人向けかもしれませんね。

普段の大河の視聴者が見ているのはドラマではなく大河という様式美だったりするので。それだと先細りです。音楽でも小うるさいコアなファンがジャンルを衰退させることもあります。

あとクロムクロというアニメもNetflixで見たら面白かったです。学園&ロボットという一番嫌いなジャンルぽいビジュアルだったので敬遠してら、監督が岡村天斎だとオープニングでわかって見てみたら、かなり面白かったです。宇宙から敵はなぜ日本語を喋るのかという東映ロボットから続く謎を後半で解決してます。

追記:初代はゼットンに連れて行かれ「帰ってきた」足袋屋と清さんはナイスチョイス。浜松のちいちゃんめっちゃエロい。


 

 

 

« 2019年3月 | トップページ | 2019年6月 »

記事検索できます

最近のトラックバック

フォト