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2022/06/20

トップガン・マベリックは興奮フルスロットル。

仕事が一区切り着いたのでトップガン・マベリックを見てきました。

バイク、オレンジ色の空、ビーチで裸体、色恋、トップガンに必要なものがすべて出てきます。

マベリックは前作のトップガンを観たヒトならグッとくるはずです。これは話的に必然性がある続編です。個人的にはスターウォーズの続編よりも、ターミネーター・ジェネシスよりも必然性があって面白いです。

以下ネタバレありです。観た後で読んだ方がいいです。

元々のトップガンは今見るとトンデモなところがありますが、今作はリアルな感じです。だがそれは最後の胸熱の超展開のための布石なのですよ。

トムクルーズは実年齢59才。若い!

この年齢なら「トップガン(嘱託職員)」でもおかしくないです。トムクルーズの筋肉が50代後半じゃない。あえて年の話を出すのは、トムクルーズが若くもないのに現役戦闘機パイロットとして頑張ってるんじゃなく、彼に年相応のポジションにいるからです。マベリックの最初のポジションは極超音速新型戦闘機のテストパイロット。でも命令違反を犯して辞めさせられ、教官としてトップガンに戻ってくるわけです。マベリックは命令違反してこそマベリック!

マベリックが教官としてトップガンに戻ってきた理由は、ならず者国家の秘密核施設の爆破任務を成功させるため。元ネタはイスラエル空軍が成功させたイラクの核施設攻撃作戦でしょう。この映画ではどうみても相手はイランですが。しかもアメリカ海軍が使える戦闘機は最新鋭のF-35じゃなく、F/A-18ホーネット。教官としてのマベリックがまあ強い。こういうマベリックが観たいんですよ。でもですね、トップガンのパイロットにいるんですよ、死んだグースの息子(ルースター)が。この映画が面白いのはグースの息子の存在ですよね。ありがちな配役ですが、実に良い。マベリックは自分のせいでグースが死んだと悔いていて、しかもグースの息子の海軍への応募を一回、握りつぶしている。グースの息子はそれを恨んでいる。マベリックとしてはグースの息子を死なせないと奧さんとの約束していた。この対立関係を持ったまま最後の最後になって、マベリックが爆撃任務の実行部隊の編隊長になる。このベタベタが凄くいい。これぞトップガン。これもアリだなと思わせる模擬空戦と渓谷を低空で飛ぶ機動演習。実にリアル。Gのかかり方が凄くいい。スターウォーズとかの戦闘シーンにはこのGの強さがないです。

爆撃シーンが凄くいいのです。80年代感があるんです。観ながら思いました。これは名作ファイヤーフォックスだ!絶対監督はファイヤーフォックスを観てると思います。後半の展開が似ています。でも良い映画は似ていようが面白い!

渓谷を通って敵の対空防御システムをかいくぐり、爆撃に成功するけども、結局敵の対空砲火を受けてしまいます。ルースターがやられるかと思ったら、マベリックが身を挺してルースターを救います。ここ泣けます。マベリックは約束を守ったか!撃墜されるマベリック。これで終わりかと思ったら、マベリックは生きていた。エナミーラインか!と思ったら、すぐに敵のハインド攻撃ヘリに見つかる。そこにF/A-18が現れてハインドを撃墜。ルースターが命令違反を起して戻ってきた!また泣きました。ルースターも撃墜される。やっぱりエナミーラインかと思いきや、某国はF-14戦闘機をまだ配備していた!マベリックの愛機じゃないですか!こういうご都合大好物! ルースターをグースの席に載せてマベリックのF-14が離陸する!

しかし2機の第5世代戦闘機(Su-57)にインターセプトされる。性能的には勝ち目はないです。しかしマベリックがイニシャルD顔負けの圧倒的なテクニックで撃墜する!こういうトンデモ展開大好きだ!でも実際、性能が良くても戦力化できないと、手練れのパイロットには勝てないですね。空自のF-4に乗ったパイロットが米軍のF-15を模擬戦で撃墜したとかどこかで読んだ気がします。今回のマベリックは誰も失うことはなかった。

グースの死がトラウマになっていたマベリックがグースの息子を鍛え上げて過去を決別する。映画の決め台詞になってる、It is time to let goの映画です。こういうのが刺さるのは中高年ではないでしょうか。字幕の「過去を水に流せ」悪くないですが、「もう自分を責めるな。前に進む時だ」みたいな言い回しでもよかったかも。

入口はトップガン、出口はファイヤーフォックス。良いところ取りをして成功している希有な映画です。


2022/06/06

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島が黒歴史から劇場版へ昇華。これは成仏と言っても過言ではない。

スターウォーズのストームトルーパーみたいなザクがでてきたり、ガンダムのリアルロボットな世界観をぶち壊し、劇場版ではまったく触れられていない第15話ククルス・ドアンの島。テレビ版のド直球な戦争反対の切り口が苦手で、面白いとは思いませんでした。それを認めたら戦争ロボットアニメ全否定です。ですが劇場版はかなり面白い仕上がりになってました。安彦良和だから描けたガンダムと言えるかも。大きな戦争の流れにククルス・ドアンの島を組み込めてます。

以下、ネタバレありです。

観ながら思った感想は、

未来少年コナンの再来。

ククルス・ドアンの島で農業を始めるところとか、最後に世界を滅ぼす兵器が出てくるあたり、これは未来少年コナンです。清々しいと宣伝してましたが、ククルス・ドアンの島の子供たちはコナンの逞しさがあるんです。オリジナルのストーリーだと子供たち悲惨な避難民みたいな感じですが、ドアンを中心に荒れ野の中で新しい生活を築こうとしている。戦争中ですが、戦後復興をしている。だから話が悲惨じゃない。


それは当然ながら、ドアンはヒートホーク一本でジムやら高機動ザクやらバタバタと倒しまくる無双の強さで守られているからです。モビルスーツの動きは実によいです。途中のガンダムとシャアザクは手書きですが、あとはCG。CGの技術がグイグイ上がってます。ドムのように地上を滑走する高機動ザク最高です!カイとハヤトが登場するガンキャノンにはガンダムみたいに顎がついてます!オリジンのルウム戦から続くリアルな軍事描写が安彦ガンダムにははまってます。ガンペリーにB29みたいな砲座がついているのも良いです。

ガンダムがザクをバルカンで撃ったら映像として映えます。アムロがバルカン砲を牽制射として敵モビルスーツの動きを封じるのが大好物です。モビルスーツ戦が良いので5億円くらい興行収入増には寄与していると思います。

ククルス・ドアンの島は「子どもを守る」というのが大きなテーマとしてあるように思います。ドアンが残置諜者(太平洋戦争でいえば小野田少尉)でありながら、戦災孤児を守り、実はジオンの核による大都市への同時核攻撃を阻止しようとしていた(負けそうになったらは核ってジオンの発想はプーチンみたい)。これはオリジナルのテレビ版と同じ方向性だと思います。ただこの劇場版ではアムロも実は同じように子どもを守ろうとしていたんだと気づかされました。アムロを見捨ててベルファストに向かうという命令をホワイトベースが受けますが、カツ、レツ、キッカが猛反対してトイレに篭城、命令違反でカイやハヤトたちがアムロ救出作戦に向かうときに一緒にガンペリーに乗っていく。ホワイトべースは戦闘艦だけど、子供がいる家族なんだなと改めて気づかされました。これはめりぐりあい宇宙の最後の最後の感動のシーンにまでつながります。ドアンもアムロも所属は違えど立ち位置は一緒。こういう人間の書き方も未来少年コナンぽいです。それがククルス・ドアンの島には合ってます。これは観て良かったと思です。

ガンダムは苦い珈琲みたいなサンダーボルトから、少年が戦士になるオリジナルガンダムみたいなもの、そしてこのククルス・ドアンの島。懐の深さが凄い。オリジナル三部作の隙間を描いたククルス・ドアンの島ですが、他のエピソードも続けるといいと思います。

 

2022/06/01

シン・ウルトラマンはマーベルヒーロー映画と違う何かがある

テレビシリーズ30分に1回怪獣を倒すだけのウルトラマンを映画化して面白いのかと見るまでは疑問でしたが、その予想が裏切られました。かなり面白かったです。マーベルヒーロー映画は何か物足りないのであまり見ないのですが、シン・ウルトラマンはあと2回は余裕で見られます。日本の特撮はCGを使ってもマーベルとは違う(ことができる)、これこそ日本独自のエンターテインメント。

以下、ネタバレありです。

いわゆる怪獣(禍威獣)は人類の殲滅するための兵器という解釈。それを人類はウルトラマンなしで殲滅できる力があるというのが面白いです。これをちゃんと最初に駆け足で見せたのは良いです。ウルトラマンが出てこないこの冒頭が一番面白かったと言っても過言ではないです。(だから倒される怪獣はウルトラQのものが出てきているのかもしれませんが)。

日本政府も省庁をまたぐ絶大な権力を持つ禍特対(科特隊)を設立して対抗します。けれども米軍から買ったバンカーバスターを何発もぶち込んでも倒せない怪獣が現れます。万事休すかと思いきや、ウルトラマン登場。このお約束が良いんです。スペシウム光線を威力を表現するのに山を貫く。エヴァンゲリオンのポジトロンライフルみたいです。かっこいい。かっこいいは正義です。

しかしシン・ウルトラマンの本当の面白さは外星人が出てきてからです。しかもニセウルトラマンを生み出すザラブ星人はジャブ。本命は「私の好きな言葉です」と言う上から目線のメフィラス星人。山本耕史のうさんくさい笑顔がほんといい。メフィラス星人の目的はベータシステム(巨大化システム)による人類の兵器化、そして他の外星人より先に美しい地球を独占管理すること。これを聞いたとき、ベータシステムは敵の手に渡ってはならない鉄人28号のリモコンを思い出しました。使い方で正義の味方にも悪の化身にもなる。偶然なのですが、ウクライナ戦争が頭に浮かびました。欧米の軍事援助を得て、ロシアと戦うウクライナ。ひょっとすると欧米はウクライナを兵器化しているメフィラス星人なんじゃないか。(あくまで思考実験で、実際にはウクライナを軍事支援するのは大事です。)

かなり高度な科学力を誇るメフィラス星人ですが、さらに上位存在がいるそうです。これは「幼年期の終わり」でカレルレンが地球にやってきて素晴らしい科学技術を提供しますが、それは実は人類を「進化させる」という上位存在のためにやっていたこと。結果、現生人類は滅んでしまいます。メフィラス星人はウルトラマンに手を組まないかと居酒屋で持ちかけます。ここの会話がめちゃくちゃいい。地球人を奴隷兵にしようと企む外星人とウルトラマンの戦いが居酒屋で起っていると思うだけで興奮します。ここです。こういうのがマーベル映画にない。しいてヒーロー物でこういうシーンがあるといえば、バットマン・ダークナイトのジョーカーとバットマンの留置場での会話。日本の映画で本当にやばい奴は普通の人間の殻を被っている。ウルトラセブン「第四惑星の悪夢」に出てくるロボット長官も人間にしか見えません。

しかしウルトラマンはメフィラス星人と手を組まない。ウルトラマンはメフィラス星人との戦いを決意しますが、メフィラス星人は勝ち目はないと地球を去る。そこにいたのはゾフィー。やはり最後はゾフィーの登場ですね。ここは攻めた展開なしの、当たり障りのないフィナーレが来るのかと思いきや、本当のラスボスはゾフィーでありゼットン!そうきたか!ゼットンを持ってきたのはゾフィーか!ゼットンは惑星殲滅兵器。波動砲どころの話じゃないやばい代物。これが凄く好き。ゾフィーにとって大事なのは自分たち光の国の民が考える秩序の維持であり、それが正義。しかしウルトラマンはその正義に抗います。

ウルトラマンはヒトがヒトのままであることを望んだように見えます。だからウルトラマンはベータシステムの原理を教えた。そして禍特対はベータシステムの原理を利用したゼットンを倒す方法をウルトラマンに教えます。人類とウルトラマンは守られる者と守る者の関係じゃない。バディ(共闘)だと。シン仮面ライダーはどう来るのか。

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