トップガン・マベリックは興奮フルスロットル。
仕事が一区切り着いたのでトップガン・マベリックを見てきました。
バイク、オレンジ色の空、ビーチで裸体、色恋、トップガンに必要なものがすべて出てきます。
マベリックは前作のトップガンを観たヒトならグッとくるはずです。これは話的に必然性がある続編です。個人的にはスターウォーズの続編よりも、ターミネーター・ジェネシスよりも必然性があって面白いです。
以下ネタバレありです。観た後で読んだ方がいいです。
元々のトップガンは今見るとトンデモなところがありますが、今作はリアルな感じです。だがそれは最後の胸熱の超展開のための布石なのですよ。
トムクルーズは実年齢59才。若い!
この年齢なら「トップガン(嘱託職員)」でもおかしくないです。トムクルーズの筋肉が50代後半じゃない。あえて年の話を出すのは、トムクルーズが若くもないのに現役戦闘機パイロットとして頑張ってるんじゃなく、彼に年相応のポジションにいるからです。マベリックの最初のポジションは極超音速新型戦闘機のテストパイロット。でも命令違反を犯して辞めさせられ、教官としてトップガンに戻ってくるわけです。マベリックは命令違反してこそマベリック!
マベリックが教官としてトップガンに戻ってきた理由は、ならず者国家の秘密核施設の爆破任務を成功させるため。元ネタはイスラエル空軍が成功させたイラクの核施設攻撃作戦でしょう。この映画ではどうみても相手はイランですが。しかもアメリカ海軍が使える戦闘機は最新鋭のF-35じゃなく、F/A-18ホーネット。教官としてのマベリックがまあ強い。こういうマベリックが観たいんですよ。でもですね、トップガンのパイロットにいるんですよ、死んだグースの息子(ルースター)が。この映画が面白いのはグースの息子の存在ですよね。ありがちな配役ですが、実に良い。マベリックは自分のせいでグースが死んだと悔いていて、しかもグースの息子の海軍への応募を一回、握りつぶしている。グースの息子はそれを恨んでいる。マベリックとしてはグースの息子を死なせないと奧さんとの約束していた。この対立関係を持ったまま最後の最後になって、マベリックが爆撃任務の実行部隊の編隊長になる。このベタベタが凄くいい。これぞトップガン。これもアリだなと思わせる模擬空戦と渓谷を低空で飛ぶ機動演習。実にリアル。Gのかかり方が凄くいい。スターウォーズとかの戦闘シーンにはこのGの強さがないです。
爆撃シーンが凄くいいのです。80年代感があるんです。観ながら思いました。これは名作ファイヤーフォックスだ!絶対監督はファイヤーフォックスを観てると思います。後半の展開が似ています。でも良い映画は似ていようが面白い!
渓谷を通って敵の対空防御システムをかいくぐり、爆撃に成功するけども、結局敵の対空砲火を受けてしまいます。ルースターがやられるかと思ったら、マベリックが身を挺してルースターを救います。ここ泣けます。マベリックは約束を守ったか!撃墜されるマベリック。これで終わりかと思ったら、マベリックは生きていた。エナミーラインか!と思ったら、すぐに敵のハインド攻撃ヘリに見つかる。そこにF/A-18が現れてハインドを撃墜。ルースターが命令違反を起して戻ってきた!また泣きました。ルースターも撃墜される。やっぱりエナミーラインかと思いきや、某国はF-14戦闘機をまだ配備していた!マベリックの愛機じゃないですか!こういうご都合大好物! ルースターをグースの席に載せてマベリックのF-14が離陸する!
しかし2機の第5世代戦闘機(Su-57)にインターセプトされる。性能的には勝ち目はないです。しかしマベリックがイニシャルD顔負けの圧倒的なテクニックで撃墜する!こういうトンデモ展開大好きだ!でも実際、性能が良くても戦力化できないと、手練れのパイロットには勝てないですね。空自のF-4に乗ったパイロットが米軍のF-15を模擬戦で撃墜したとかどこかで読んだ気がします。今回のマベリックは誰も失うことはなかった。
グースの死がトラウマになっていたマベリックがグースの息子を鍛え上げて過去を決別する。映画の決め台詞になってる、It is time to let goの映画です。こういうのが刺さるのは中高年ではないでしょうか。字幕の「過去を水に流せ」悪くないですが、「もう自分を責めるな。前に進む時だ」みたいな言い回しでもよかったかも。
入口はトップガン、出口はファイヤーフォックス。良いところ取りをして成功している希有な映画です。
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