岸辺露伴は動かない 懺悔室はひたすら恐い。令和の「八つ墓村」
八つ墓村は祟りを恐れる一族の物語。岸辺露伴は呪い、呪われる人たちの復讐と恐怖の物語。
幸運の絶頂に達したときに絶望に突き落とす「呪い」のせいで、幸運なことがあるたびに「幸せが襲いかかってくる」という恐怖にさいなまれていく水尾。まさに光が増せば闇影が深くなる。ここが本当に面白い。
岸辺露伴は動かない 「懺悔室」は、岸辺露伴がヴェネツィアの文化イベントに招待され、そこで好奇心が災いして恐ろしい呪いに巻き込まれます。ヴェネツィアが素晴らしい舞台装置になっています。ヴェネツィアの美しさと中世の闇みたいなものが混ざった非日常的な情景が呪いにリアリティを与えています。広い画角で背景となる豪奢な建物を大きく撮っているので映画館で観ることをお勧めします。
冒頭露伴が訪れた廃墟に、ペストが流行ったときに医師が被っていた長い嘴が突き出た鳥のようなマスクが朽ちて草むらに落ちている。ペストは呪いのメタファーでしょう。ひとたび取り憑かれたら、その苦しみから絶対に逃れることができない。このペストのときに使ったマスクでペストの感染は防げなかったと映画の中でも言っています。
原作でも印象に残るポップコーンを飛ばして口に入れるシーンは漫画を超えてます。戸次重幸と大東駿介の迫真の演技たるや圧巻です。
映画全体を通してなかば狂ったように幸せを恐れる大東駿介と井浦新もいいし、復讐の権化と化した戸次重幸もいいです。

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