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2022/06/20

トップガン・マベリックは興奮フルスロットル。

仕事が一区切り着いたのでトップガン・マベリックを見てきました。

バイク、オレンジ色の空、ビーチで裸体、色恋、トップガンに必要なものがすべて出てきます。

マベリックは前作のトップガンを観たヒトならグッとくるはずです。これは話的に必然性がある続編です。個人的にはスターウォーズの続編よりも、ターミネーター・ジェネシスよりも必然性があって面白いです。

以下ネタバレありです。観た後で読んだ方がいいです。

元々のトップガンは今見るとトンデモなところがありますが、今作はリアルな感じです。だがそれは最後の胸熱の超展開のための布石なのですよ。

トムクルーズは実年齢59才。若い!

この年齢なら「トップガン(嘱託職員)」でもおかしくないです。トムクルーズの筋肉が50代後半じゃない。あえて年の話を出すのは、トムクルーズが若くもないのに現役戦闘機パイロットとして頑張ってるんじゃなく、彼に年相応のポジションにいるからです。マベリックの最初のポジションは極超音速新型戦闘機のテストパイロット。でも命令違反を犯して辞めさせられ、教官としてトップガンに戻ってくるわけです。マベリックは命令違反してこそマベリック!

マベリックが教官としてトップガンに戻ってきた理由は、ならず者国家の秘密核施設の爆破任務を成功させるため。元ネタはイスラエル空軍が成功させたイラクの核施設攻撃作戦でしょう。この映画ではどうみても相手はイランですが。しかもアメリカ海軍が使える戦闘機は最新鋭のF-35じゃなく、F/A-18ホーネット。教官としてのマベリックがまあ強い。こういうマベリックが観たいんですよ。でもですね、トップガンのパイロットにいるんですよ、死んだグースの息子(ルースター)が。この映画が面白いのはグースの息子の存在ですよね。ありがちな配役ですが、実に良い。マベリックは自分のせいでグースが死んだと悔いていて、しかもグースの息子の海軍への応募を一回、握りつぶしている。グースの息子はそれを恨んでいる。マベリックとしてはグースの息子を死なせないと奧さんとの約束していた。この対立関係を持ったまま最後の最後になって、マベリックが爆撃任務の実行部隊の編隊長になる。このベタベタが凄くいい。これぞトップガン。これもアリだなと思わせる模擬空戦と渓谷を低空で飛ぶ機動演習。実にリアル。Gのかかり方が凄くいい。スターウォーズとかの戦闘シーンにはこのGの強さがないです。

爆撃シーンが凄くいいのです。80年代感があるんです。観ながら思いました。これは名作ファイヤーフォックスだ!絶対監督はファイヤーフォックスを観てると思います。後半の展開が似ています。でも良い映画は似ていようが面白い!

渓谷を通って敵の対空防御システムをかいくぐり、爆撃に成功するけども、結局敵の対空砲火を受けてしまいます。ルースターがやられるかと思ったら、マベリックが身を挺してルースターを救います。ここ泣けます。マベリックは約束を守ったか!撃墜されるマベリック。これで終わりかと思ったら、マベリックは生きていた。エナミーラインか!と思ったら、すぐに敵のハインド攻撃ヘリに見つかる。そこにF/A-18が現れてハインドを撃墜。ルースターが命令違反を起して戻ってきた!また泣きました。ルースターも撃墜される。やっぱりエナミーラインかと思いきや、某国はF-14戦闘機をまだ配備していた!マベリックの愛機じゃないですか!こういうご都合大好物! ルースターをグースの席に載せてマベリックのF-14が離陸する!

しかし2機の第5世代戦闘機(Su-57)にインターセプトされる。性能的には勝ち目はないです。しかしマベリックがイニシャルD顔負けの圧倒的なテクニックで撃墜する!こういうトンデモ展開大好きだ!でも実際、性能が良くても戦力化できないと、手練れのパイロットには勝てないですね。空自のF-4に乗ったパイロットが米軍のF-15を模擬戦で撃墜したとかどこかで読んだ気がします。今回のマベリックは誰も失うことはなかった。

グースの死がトラウマになっていたマベリックがグースの息子を鍛え上げて過去を決別する。映画の決め台詞になってる、It is time to let goの映画です。こういうのが刺さるのは中高年ではないでしょうか。字幕の「過去を水に流せ」悪くないですが、「もう自分を責めるな。前に進む時だ」みたいな言い回しでもよかったかも。

入口はトップガン、出口はファイヤーフォックス。良いところ取りをして成功している希有な映画です。


2022/06/06

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島が黒歴史から劇場版へ昇華。これは成仏と言っても過言ではない。

スターウォーズのストームトルーパーみたいなザクがでてきたり、ガンダムのリアルロボットな世界観をぶち壊し、劇場版ではまったく触れられていない第15話ククルス・ドアンの島。テレビ版のド直球な戦争反対の切り口が苦手で、面白いとは思いませんでした。それを認めたら戦争ロボットアニメ全否定です。ですが劇場版はかなり面白い仕上がりになってました。安彦良和だから描けたガンダムと言えるかも。大きな戦争の流れにククルス・ドアンの島を組み込めてます。

以下、ネタバレありです。

観ながら思った感想は、

未来少年コナンの再来。

ククルス・ドアンの島で農業を始めるところとか、最後に世界を滅ぼす兵器が出てくるあたり、これは未来少年コナンです。清々しいと宣伝してましたが、ククルス・ドアンの島の子供たちはコナンの逞しさがあるんです。オリジナルのストーリーだと子供たち悲惨な避難民みたいな感じですが、ドアンを中心に荒れ野の中で新しい生活を築こうとしている。戦争中ですが、戦後復興をしている。だから話が悲惨じゃない。


それは当然ながら、ドアンはヒートホーク一本でジムやら高機動ザクやらバタバタと倒しまくる無双の強さで守られているからです。モビルスーツの動きは実によいです。途中のガンダムとシャアザクは手書きですが、あとはCG。CGの技術がグイグイ上がってます。ドムのように地上を滑走する高機動ザク最高です!カイとハヤトが登場するガンキャノンにはガンダムみたいに顎がついてます!オリジンのルウム戦から続くリアルな軍事描写が安彦ガンダムにははまってます。ガンペリーにB29みたいな砲座がついているのも良いです。

ガンダムがザクをバルカンで撃ったら映像として映えます。アムロがバルカン砲を牽制射として敵モビルスーツの動きを封じるのが大好物です。モビルスーツ戦が良いので5億円くらい興行収入増には寄与していると思います。

ククルス・ドアンの島は「子どもを守る」というのが大きなテーマとしてあるように思います。ドアンが残置諜者(太平洋戦争でいえば小野田少尉)でありながら、戦災孤児を守り、実はジオンの核による大都市への同時核攻撃を阻止しようとしていた(負けそうになったらは核ってジオンの発想はプーチンみたい)。これはオリジナルのテレビ版と同じ方向性だと思います。ただこの劇場版ではアムロも実は同じように子どもを守ろうとしていたんだと気づかされました。アムロを見捨ててベルファストに向かうという命令をホワイトベースが受けますが、カツ、レツ、キッカが猛反対してトイレに篭城、命令違反でカイやハヤトたちがアムロ救出作戦に向かうときに一緒にガンペリーに乗っていく。ホワイトべースは戦闘艦だけど、子供がいる家族なんだなと改めて気づかされました。これはめりぐりあい宇宙の最後の最後の感動のシーンにまでつながります。ドアンもアムロも所属は違えど立ち位置は一緒。こういう人間の書き方も未来少年コナンぽいです。それがククルス・ドアンの島には合ってます。これは観て良かったと思です。

ガンダムは苦い珈琲みたいなサンダーボルトから、少年が戦士になるオリジナルガンダムみたいなもの、そしてこのククルス・ドアンの島。懐の深さが凄い。オリジナル三部作の隙間を描いたククルス・ドアンの島ですが、他のエピソードも続けるといいと思います。

 

2022/06/01

シン・ウルトラマンはマーベルヒーロー映画と違う何かがある

テレビシリーズ30分に1回怪獣を倒すだけのウルトラマンを映画化して面白いのかと見るまでは疑問でしたが、その予想が裏切られました。かなり面白かったです。マーベルヒーロー映画は何か物足りないのであまり見ないのですが、シン・ウルトラマンはあと2回は余裕で見られます。日本の特撮はCGを使ってもマーベルとは違う(ことができる)、これこそ日本独自のエンターテインメント。

以下、ネタバレありです。

いわゆる怪獣(禍威獣)は人類の殲滅するための兵器という解釈。それを人類はウルトラマンなしで殲滅できる力があるというのが面白いです。これをちゃんと最初に駆け足で見せたのは良いです。ウルトラマンが出てこないこの冒頭が一番面白かったと言っても過言ではないです。(だから倒される怪獣はウルトラQのものが出てきているのかもしれませんが)。

日本政府も省庁をまたぐ絶大な権力を持つ禍特対(科特隊)を設立して対抗します。けれども米軍から買ったバンカーバスターを何発もぶち込んでも倒せない怪獣が現れます。万事休すかと思いきや、ウルトラマン登場。このお約束が良いんです。スペシウム光線を威力を表現するのに山を貫く。エヴァンゲリオンのポジトロンライフルみたいです。かっこいい。かっこいいは正義です。

しかしシン・ウルトラマンの本当の面白さは外星人が出てきてからです。しかもニセウルトラマンを生み出すザラブ星人はジャブ。本命は「私の好きな言葉です」と言う上から目線のメフィラス星人。山本耕史のうさんくさい笑顔がほんといい。メフィラス星人の目的はベータシステム(巨大化システム)による人類の兵器化、そして他の外星人より先に美しい地球を独占管理すること。これを聞いたとき、ベータシステムは敵の手に渡ってはならない鉄人28号のリモコンを思い出しました。使い方で正義の味方にも悪の化身にもなる。偶然なのですが、ウクライナ戦争が頭に浮かびました。欧米の軍事援助を得て、ロシアと戦うウクライナ。ひょっとすると欧米はウクライナを兵器化しているメフィラス星人なんじゃないか。(あくまで思考実験で、実際にはウクライナを軍事支援するのは大事です。)

かなり高度な科学力を誇るメフィラス星人ですが、さらに上位存在がいるそうです。これは「幼年期の終わり」でカレルレンが地球にやってきて素晴らしい科学技術を提供しますが、それは実は人類を「進化させる」という上位存在のためにやっていたこと。結果、現生人類は滅んでしまいます。メフィラス星人はウルトラマンに手を組まないかと居酒屋で持ちかけます。ここの会話がめちゃくちゃいい。地球人を奴隷兵にしようと企む外星人とウルトラマンの戦いが居酒屋で起っていると思うだけで興奮します。ここです。こういうのがマーベル映画にない。しいてヒーロー物でこういうシーンがあるといえば、バットマン・ダークナイトのジョーカーとバットマンの留置場での会話。日本の映画で本当にやばい奴は普通の人間の殻を被っている。ウルトラセブン「第四惑星の悪夢」に出てくるロボット長官も人間にしか見えません。

しかしウルトラマンはメフィラス星人と手を組まない。ウルトラマンはメフィラス星人との戦いを決意しますが、メフィラス星人は勝ち目はないと地球を去る。そこにいたのはゾフィー。やはり最後はゾフィーの登場ですね。ここは攻めた展開なしの、当たり障りのないフィナーレが来るのかと思いきや、本当のラスボスはゾフィーでありゼットン!そうきたか!ゼットンを持ってきたのはゾフィーか!ゼットンは惑星殲滅兵器。波動砲どころの話じゃないやばい代物。これが凄く好き。ゾフィーにとって大事なのは自分たち光の国の民が考える秩序の維持であり、それが正義。しかしウルトラマンはその正義に抗います。

ウルトラマンはヒトがヒトのままであることを望んだように見えます。だからウルトラマンはベータシステムの原理を教えた。そして禍特対はベータシステムの原理を利用したゼットンを倒す方法をウルトラマンに教えます。人類とウルトラマンは守られる者と守る者の関係じゃない。バディ(共闘)だと。シン仮面ライダーはどう来るのか。

2022/04/01

ホット・ゾーン:アンスラックス これはよいサスペンス物

前作のホット・ゾーンはパニック系のストーリー仕立てでしたが、ホット・ゾーン:アンスラックスは犯人捜しのサスペンス物です。911同時多発テロ直後のきな臭いアメリカが舞台なのでバイオテロの緊迫感がヤバいです。犯人は第1話からなんとなく目星がつきますが、どうやって犯人を突き止めるのかその経緯が面白いです。アリの一穴という言葉がありますが、そんな些細な証拠から突き止めるかと。FBIにコロンボはいないけど、人海戦術と科学力はあります。

FBIの捜査官が俺はワクチンを打ってるから大丈夫って炭疽菌に汚染されている区域に背広で入っていく姿に、コロナ禍にいるこちらからすれば、マスクもなしか!と思います。

ナショジオのエンターテインメントは科学的に正しそうなので、ご都合ぽく見えないのがストレスフリーで楽しめます。SF小説「三体」ナショジオでドラマ化すればいいのにと思います。巻を追うことごとに兵器のレベルが上がっていくのが面白い。最後が凄すぎ。

ホット・ゾーン:アンスラックス|番組紹介|ナショナル ジオグラフィック (TV) (natgeotv.jp)

2022/03/10

ホット・ゾーン:アンスラックス 第1話が恐くて良い

ホット・ゾーン第1シーズンもなかなか良かったですが、第2シーズンもなかなか面白いです。今回は911と同じテロかも知れないという恐怖、そして実際に市民に感染者が出ている危機感がFBIエージェントを主役にしているのでかなりダイレクトに伝わってきます。核兵器も恐いけどウイルス兵器も恐い。

第1話がYOUTUBEで見られます。

【FULL】ホット・ゾーン:アンスラックス 第1話「ノーブル・イーグル作戦」| ナショジオ - YouTube

2022/01/02

浅草キッドはALWAYS三丁目の夕陽くらいの名作

なにがいいかといえば、昭和の人情。ビートたけしもいいけど、師匠の深見千三郎がまたねえいいんですよ。劇団ひとりはいいもの作りました。


柳楽優弥は特殊メイクをしてもしなくてもビートたけし。似てるけどものまね芸じゃない。人間たけしという感じがなんとも言えません。それでたけしの師匠、深見千三郎の大泉洋も凄くいい(生粋の江戸っ子かと思ったら実は北海道出身というのも大泉洋と同じ)。あと忘れちゃいけないビートきよし役のナイツ土田。俳優でなく、演技ができる漫才師をチョイスしたおかげで演技じゃない感じがします。俳優同士だと見ている側が演じてるなと思ってしまいますが、漫才師だとそれがない。大事なリアリティーだと思います。なにせ一人の若者が一人前の芸人なる話ですから。

あと踊り子の千春を演じる門脇麦も良いし、鈴木奈穂子もはまってます。すべての配役がかちっとはまってるドラマや映画はそうはないですが、これははまってます。

(以下ネタバレ)

ゴッドタンの劇団ひとりのキス我慢とかの泣かせるに来る話の集大成といっても過言じゃないです。泣かせるのはたけしというより師匠の深見。

大学をやめたしょうもないヘタレの若者のたけしがとりあえず芸人になりたくてコント芸人の深見が座長を務めるストリップ劇場フランス座に転がりみ、エレベーターボーイとか雑用係をやりながら、弟子にしてくれと深見に頼む。芸事もできないのに弟子にできるか馬鹿野郎って言う。この深見の馬鹿野郎が絶妙。台詞というよりリズム。弟子にしないと行ったのに、エレベーターに乗ったら、たけしに自分のタップを見せる。こういうのかっこいいです。舞台に出られなくなった弟子の代わりにたけしが急遽呼ばれて、女役と言うことで意気込んで変な化粧すると深見に怒られる。「他のところはしらねえ、でも俺のところでやりたいなら、笑われるんじゃねえぞ。笑わせるんだよ」粋ですねえ。

舞台上で右も左もわからずにオロオロするたけしを深見がうまくカバーして笑いに持ってく、それでたけしが変な芝居をして、ひとりの客がそれを笑うと、深見が注意する。「下手な拍手してくれるな、こんな下手な芝居で拍手したら、こいつがダメになっちまう」。その客が偉そうに何ってるんだ、なんなんだよお前と吐き吸てると、「芸人だよ、馬鹿野郎」

これはたけしも一生ついていこうと思いますよ。それから深見はたけしに笑いの一から十まで教える。でも時代はコントでなく漫才の時代。フランス座には人が入らなくなっていく。でも深見はテレビに出たくないし、ただ話してるだけの漫才も嫌い。時代に取り残されていく。コントの準備に励むたけしは踊り子さんにこの劇場にはあんたの笑いじゃなく、私たちの裸を見に来てると言われてしまう。思い詰めたたけしはきよしの誘いに乗ってフランス座をやめて漫才をすることに。結果、たけしは破門される。「笑わしてくれるじゃねえか、タケ。いつからそんな面白いこと言えるようになったんだよ」と深見が言うと、たけしが「師匠に鍛えてもらったんで」と返す。

まだ映画の中盤なのに泣けます。タイタニックが一回沈みましたね。

最初は受けなかったけども、毒舌漫才をはじめて人気が出始める。テレビの人に構わず好き放題やったら人気爆発、そして日本放送演芸大賞優勝。そこでもらった金一封をもってたけしは浅草の深見へところ行く。深見は芸人もフランス座をやめ、奧さんも死んじゃって、独り冷や酒飲んでいた。何しに来たんだよこの野郎と深見。たけしは深見にその金一封を渡す。やりましたよ師匠ってことですね。小遣いですよとたけしが笑うと、おちょくってんのか馬鹿野郎と深見。たけしは黙ってしまう。沈黙。そうしたら深見が金一封を取って中を数える。プライドはあるんでしょうけど、弟子の気遣いは無視しない。いい師匠です。数えてんじゃねえとたけしが笑う。二人は芸で会話するんですね。

たけしが師匠と一緒になじみだった居酒屋に行って、深見をネタに常連客を笑わせる。そして深見が店を出ようと席を立ったら、さっとハイヒールを出す。また泣かされたましたね。これは最初に深見がたけしを飲みに連れて行ったときに、席を立ったら師匠には履いてきた靴じゃなく、違う客のハイヒールを出すんだよと教えたアレじゃないですか。普段、ボケねえ野郎が舞台でぼけれるわけねえんだからよ、芸人だったらいつでもボケろ。師匠のリアクションに一同大爆笑。これは師匠には金一封よりも嬉しいはず。

深見が金一封から万札出してこれでこれで帰りなとたけしに渡す。たけしもこれは自分が渡した金でしょとつかさず拾う。深見がそれ、あまったら釣り返しに来いよって言う。良いですねえ。実に良い。

それで深見に気分良く家に帰って、たけしがやったよと死んだ奧さんの墓前に報告して深酒し、たけしがまた一緒にコントやりましょうなんていうからさ、これはウケるぞって。それは言ったらアカンやつですよと思っていたら、タバコに火を付けたまま寝てしまう。火事になって深見が亡くなる。大号泣。タイタニック10回沈んだくらい泣きます。

動画を確認しながら書いていたらまた泣けてきました。

最後のシーン、浅草のフランス座はビートたけしにとって心が還る場所なんだなと。そういうのがあるのはいいです。

2021/12/29

岸辺露伴は動かない 第6話 六壁坂 一番幸せな時は

これはアニメ版も見ていたのですが、実写化はこうするのが正解なんだと感心しました。おどろおどろしい感じがまあ凄い。

第4話から6話まで一連の話につなげたのも実に良い。六壁坂の「境目」から出てきた人にあらざる「何か」に奥行きと厚みがでます。

大郷楠宝子(内田理央)の過去をヘブンズ・ドアーで覗いて、岸田露伴は彼女の秘密と六壁坂の正体を知る。

許嫁がいる大郷楠宝子(内田理央)は密かに付き合っていた庭師の郡平を誤って殺してしまった。しかし死んだはずの郡平から血が出てきて止まらない。楠宝子が動揺して血を必死に拭おうとするシーンが一番の見せ場なのですが、ここはずっと白黒。血を見せないという配慮かもしれないですが、影がついて怖さ倍増。アニメ版は普通の家ですが、これは古い屋敷。それがまた良いです。


郡平はミイラみたいになるけど、水がかかると復活する。干からびていた郡平の顔が元通りになる。郡平の顔が好きと楠宝子が口づけする。これにはぞわっとしますよ。楠宝子は郡平を屋根裏に隠して、毎日、郡平から出てきた血を捨て、一杯の水を与える。それが楠宝子の最大の楽しみ。岸田露伴の言葉を借りれば、郡平は今も大郷家の天井裏で「死に続けている」。なんちゅう話ですか。

楠宝子と郡平のことを知った岸田露伴は六壁坂にある大郷邸へ向かう。ただ死んでいるだけの目的はなんなのか。その途中で少女に遭う。少女は岸田露伴のファンだという。この少女がこけて頭に石がぶつかって郡平みたいにミイラになって死ぬ。岸田露伴が叫ぶ、「これじゃあ俺が殺したみたいじゃないか!」おいおい楠宝子と郡平の子供かよ!死に続けているのに、子供は作れるのか!

タブーすぎて誰も口にするのも憚られ、その危険性が忘れられた六壁坂に大郷家が邸宅を建てたために、異形の者たちが出てきてしまった。パンドラの箱を開けてしまったのですね。

これじゃ楠宝子みたいに取り憑かれると、岸田露伴は娘のヘブンズ・ドアーを開いて岸田露伴を知らないし、見ることもないと書き込んでピンチを脱する。岸田露伴は思い出した。櫂という泉京花が山の面白い話を聞いていた少年も実は楠宝子の息子。京花も取り憑かれてしまうと思った岸田露伴は山を駆け下りる。

「人に寄生して何の苦労もなく子孫を残す、それだけの存在。その生き物の幸福の絶頂は誰かの前で死ぬとき。」

でも京花は取り憑かれなかった。安堵した岸田露伴が取り憑くのは誰でも良いわけじゃないというのは笑いました。

真実を知っても、岸田露伴は動かない。六壁坂の妖怪を放っておく。

「僕は学者じゃなく、ジャーナリストでもない。漫画家だからな」。己の興味のみで動く、正義の味方じゃないスタンス大好物です。

ファンタジーなのに日本沈没よりもリアリティーがあります。

今回のシリーズも実に良かった。来年も見たいです。

2021/12/28

岸辺露伴は動かない  第5話 背中の正面 市川猿之助がただただ凄い

第4話のザ・ランもなかなかですが、第5話も見応えがあります。今回のソレはヒトの背中に取り憑く。もしその背中を別の誰かに見られると、その瀬背中を見た誰かに今度は取り憑く。想像上の超自然的な存在が目の前に現れる。これが市川猿之助。歌舞伎役者の面目躍如。

最初、市川猿之助は岸田露伴が買った六壁坂を含めた山を買い取るために岸田露伴のもとを訪れたディベロッパーの営業、乙雅三。なぜか背中を見せない。その動きが軟体動物のようでもに凄くジョジョっぽい。それは「タブーを超えた先にネタがある」と自ら危険に足を突っ込む岸田露伴でなくても、背中がどうなっているか知りたくなります。


岸田露伴はあの手この手で乙の背中を見ようとし、最後に鏡を使って覗くことに成功。剥がれるといって乙は気絶する。すると今度はソレが岸田露伴に取り憑いた。ソレはとにかく六壁坂を返せと岸田露伴にしつこく迫る。岸田露伴は漫画作業を邪魔される。でも締め切りは守る。流石です。それで岸田露伴は乙を六壁坂に持っていくと、ソレに言う。だが本当は違った。

通りゃんせが聞こえたときに振り返ると神隠しにあうと言われる平坂までくると、そこには泉京花がいた。岸辺露伴が呼んでいた。そして岸田露伴は京花に自分の背中を見ろと言う。京花が岸田露伴の背中を見る。やっぱりお前もヒトに押し付けるかと笑って後(京花のほう)を振り返る。するとソレに向かって手が伸びてくる。岸田露伴に取り憑いていたソレは平坂で後を振り向いてしまった。すべて岸田露伴の計画通り。岸田露伴の背中に乗っていたそれは、黄泉から伸びてきた手に連れて行かれる。ソレが自らヘブンズ・ドアーを開いたのか。お前だって連れて行かれるぞとソレが叫ぶ。岸田露伴がせせら笑う。

余裕たっぷりの奴が慌てるのは面白い。顔を見られないのが残念だよ!

幽霊を神隠しにあわせるとか、発想が狂ってます(褒め言葉)。

千と千尋の神隠しより、岸田露伴の神隠しの方が面白いです。


 

 

 

2021/12/27

岸辺露伴は動かない 第4話 ザ・ラン。これは江戸川乱歩のような面白さ。

泉京香(飯富まりえ)のチャイナドレスもなかなかですが、高橋洋馬(笠松将)の筋肉が凄い。CGじゃないのか!(ネタバレありです)

まだ売れてない俳優/モデルの高橋洋馬が事務所の社長から、体を鍛えるように言われて走るのに特化したボディデザインにのめり込んでいき、段々と狂気に落ち、筋肉が仕上がっていく。CGじゃない生々しい筋肉に恐怖を感じますね。大事なのは腸腰筋。だから坂で走り込んでいる。邪魔するものは、自転車から配達員、彼女まで排除。江戸川乱歩のような狂気を感じます。こういう輩は破滅するのがお約束。それがわかっているからさらに恐いですよ。ボルダリングルームは洋馬の脳内を見るよう。このビジュアルの説得力は日本沈没を超えてますね。


だがもっとやばいのは、岸田露伴。そういう狂気の男の心を読みたくてウズウズしていく。やばいと分かっているのに相手の徴発に乗って、どっちが先にランニングマシンで目標のスピードに先に到達するか勝負をする。それで死にそうな目に遭う。しかし狡猾な岸田露伴はヘブンズドアを使って洋馬に記憶に書き込んだ。自分が勝ったら岸辺露伴のランニングマシンに向けてリモコンの停止ボタンを押すと。洋馬はマシンから飛ばされてビルから落ちた。

洋馬はどうも六壁坂を走っていて何かに取り憑かれたらしい。そこになにが潜むのか、それを知りたくて岸田露伴は六壁坂がある山を丸ごと買ったのだった。

事が終わって、山を買うために破産した岸田露伴が笑う。

橋本洋馬がその後どうなったかはわからない。橋本洋馬だったものが、橋本洋馬でなくなったのは間違いない。恐らくあの場所で…間違いなく破産した甲斐はある。

面白い漫画のためなら何でもする岸田露伴も漫画に取り憑かれてます。洋馬も相当やばいですが、岸辺露伴も同じくらいやばいです。第6話の六壁坂につながるんでしょう。

2021/12/07

阿佐ヶ谷姉妹ののほほん日記 木村多江と安藤玉恵に主演女優賞を挙げたいくらいの再現率

阿佐ヶ谷姉妹ののほほん日記が面白いです。

木村多江と本人を比べるとそう似てないと思うのですが、ドラマの中だとお姉さんにしか見えません。お姉さんのほのかな残念な感じが木村多江の悲壮感にシンクロしてます。占い師のお店に入るドアを間違うときの、エリコ、ミステイク~に普通に笑っちゃいました。

ミホさんの脱力系な感じも実にいいです。第5話はお姉さんの残念な感じとミホさんの脱力感がいい具合に際立っていて今までで一番面白いです。

阿佐ヶ谷姉妹が出ている番組まで再現しているのも好感がもてます。

中華屋のオバさんが痩せ始めて、店に出てこなくなった。店主のオジさんはちょっとって言うだけ。そして店はしばらく休業に。予告を見るとやぱりね…

 

 

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